著者
原田 知佳 畑中 美穂 川野 健治 勝又 陽太郎 川島 大輔 荘島 幸子 白神 敬介 川本 静香
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.90.18004, (Released:2019-09-20)
参考文献数
33
被引用文献数
2

Previous research has found that a combination of high levels of behavioral inhibition system (BIS) and low levels of behavioral activation system (BAS-Drive) predicts suicidal thinking (Rasmussen, Elliott, & O’Connor, 2012). In this study, we examined whether the effects of a suicide prevention education program for junior highschool students were moderated by the risk level of students, regarding a combination of high BIS and low BASDrive as a high risk for suicide. A total of 28 high-risk students and 167 low-risk students participated in the program. Participants completed self-reported questionnaires during the intervention. As a result of the analysis, it was suggested that through the program, not only low-risk students but also potential high-risk students could gain the ability to seek assistance.
著者
等々力 節子 亀谷 宏美 内藤 成弘 木村 啓太郎 根井 大介 萩原 昌司 柿原 芳輝 美濃部 彩子 篠田 有希 水野 亮子 松倉 潮 川本 伸一
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.25-29, 2013-01-15 (Released:2013-02-28)
参考文献数
16
被引用文献数
1 3

食品中放射性セシウムの一般食品の新基準値である100Bq/kg程度の大麦玄麦を焙煎し,標準的な方法で調製した麦茶について放射性セシウムの浸出割合を検討した.焙煎麦から浸出液への放射性セシウムの移行は,浸出時間120分で38 %程度であった.浸出液は焙煎麦に対し約30倍量の水で希釈され,さらに移行率も50%を超えないため,麦茶の放射性セシウム濃度は,1.83Bq/kg程度であり,100Bq/kg程度(138Bq/kg)の玄麦を原料として使っても,飲料の基準の10Bq/kgを大きく下回ることが予想される.
著者
福永 寛 櫻木 悟 藤原 敬士 藤田 慎平 山田 大介 鈴木 秀行 宮地 剛 川本 健治 山本 和彦 堀崎 孝松 田中屋 真智子 片山 祐介
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.43, no.SUPPL.2, pp.S2_154-S2_158, 2011 (Released:2012-12-05)
参考文献数
3

Kounis症候群とはアレルギー反応に伴い急性冠症候群をきたす症候群であり, 冠攣縮に合併したタイプ1とプラーク破裂に伴う血栓形成に起因するタイプ2に分類される. 今回, われわれはKounis症候群により心肺停止をきたした2症例を経験したので報告する.症例1: 76歳, 男性. 腰部脊中柱管狭窄症の術中にセフォペラゾンを投与したところ, アナフィラキシーショックを発症した. 下壁誘導にてST上昇を認めたため急性冠症候群と診断, 緊急冠動脈造影にて右冠動脈#1に血栓および#4AVに完全閉塞を認めた. 血栓吸引療法のみで再疎通が得られた.症例2: 61歳, 男性. 起床時より四肢・体幹に蕁麻疹を認め, その後, 心肺停止となり, 当院へ搬送された. 心肺蘇生術にて心拍再開したが, その後, 心室頻拍が頻発, 急性冠症候群を疑い緊急冠動脈造影を施行した. 冠動脈に有意狭窄は認めなかったが, 心電図上胸部誘導で一時的にST上昇を認めたため, 左前下行枝の冠攣縮と診断した.
著者
川本 哲也 小塩 真司 阿部 晋吾 坪田 祐基 平島 太郎 伊藤 大幸 谷 伊織
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.107-122, 2015 (Released:2017-06-20)
参考文献数
73
被引用文献数
19

本研究の目的は,大規模社会調査のデータを横断的研究の観点から二次分析することによって,ビッグ・ファイブ・パーソナリティ特性に及ぼす年齢と性別の影響を検討することであった。分析対象者は4,588名(男性2,112名,女性2,476名)であり,平均年齢は53.5歳(SD=12.9,23–79歳)であった。分析の対象とされた尺度は,日本語版Ten Item Personality Inventory(TIPI-J;小塩・阿部・カトローニ,2012)であった。年齢と性別,それらの交互作用項を独立変数,ビッグ・ファイブの5つの側面を従属変数とした重回帰分析を行ったところ,次のような結果が得られた。協調性と勤勉性については年齢の線形的な効果が有意であり,年齢に伴って上昇する傾向が見られた。外向性と開放性については性別の効果のみ有意であり,男性よりも女性の外向性が高く,開放性は低かった。神経症傾向については年齢の線形的効果と性別との交互作用が有意であり,若い年齢では男性よりも女性の方が高い得点を示した。
著者
川瀬 佑司 吉田 成朗 鳴海 拓志 上田 祥代 池田 まさみ 渡邊 淳司 谷川 智洋 川本 哲也 廣瀬 通孝
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.483-492, 2016 (Released:2016-10-31)
参考文献数
16

We propose a system to prevent identification of an individual identity by changing the size and position of one's facial regions. Invasion of privacy and the right of publicity have been a problem along with the popularization of social media and improvement of image resolution. The mosaic and the blur have been used to prevent identification of a person's identity. These techniques, however, make people difficult to understand the context of the video, because the facial expressions of the characters and the background in the video are masked. In this paper, we focus on naturally conversing the facial appearance in images for protecting their privacy. We examined the proper degree of facial changing parameters, and performed user studies to evaluate these parameters.
著者
川本 峻頌 澤井 悠 張 培楠 脇本 宏平
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回 (2021)
巻号頁・発行日
pp.3H2GS9b04, 2021 (Released:2021-06-14)

NLGシステムの生成結果の評価、あるいは極性判定のような応用タスクのアノテーションでは、実応用時と同様の幅広い属性のアノテーターによる作業が重要である。こうした応用事例ではクラウドソーシングのような仕組みを利用して多様なアノテーターを集めることが多い一方で、実世界のユーザの多くはスマートフォンなどのモバイル端末を利用する割合が多い。本稿では、これまで注力されていなかったスマートフォンなどのモバイル端末におけるUXを重視した、応用タスク向けのアノテーションツール "FAST" を提案する。実験では、複数名のアノテーターによるアノテーションを実施し、ツールのログやユーザアンケートから速度や品質、使いやすさといった指標を評価した。結果、本システムは特定のタスクにおいて、既存の手法と比較して、品質を維持しつつ高速にアノテーションできることを確認した。

26 0 0 0 OA 序文

著者
川本 思心
出版者
北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.1-6, 2020-04

新型コロナウイルス感染症の世界的大流行に鑑み,本誌『科学技術コミュニケーション』は科学技術コミュニケーションの観点に則った事態の把握,分析,提言や解決に資することを目的に,関連する論考を募り,可能な限り速やかに公開することを目指す緊急小特集を企画する.本稿では,新型コロナウイルス感染症の科学技術コミュニケーション的な側面と事例,それを扱うことの意義を述べる.そして最後に本緊急小特集での具体的な編集方針について述べる.
著者
川本 豊
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 (ISSN:18833985)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.59-76, 2010-03-01

本研究は、古典文学に表出される住まいに関する心性(ここでは住居感覚をさす)の歴史的な展開を解明しようとするものである。本稿では院政期の女房日記である『讃岐典侍日記』(上巻)をテクストに、天皇を看取るという特殊な時・空に繰り広げられる心情に着目し、日本文化において特徴的な<奥>という心性について考察する。<奥>は、感受する側の内在要因として身・心を、外在要因として空間・時間という二面を持っており、当該テクストからもそれをうかがうことができた。空間的には、物理的な固定性がなく対概念として存在し、「奥」に対して「表」があり、時にそれが反転したり入れ子状態になったりと、融通無碍に変化することがみてとれる。一方、時間的には、看取りのプロセスとしての<奥>がみえ、生と死、あるいは顕と冥のクロスしたゾーンにその一様態が確認できた。
著者
川本 将浩 猪原 秀典
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.129-133, 2011 (Released:2011-09-14)
参考文献数
5

【背景】本邦ではかぜ症候群罹患時におけるマスクの有用性が知られているが, 科学的根拠は乏しい.【対象】2009年10月から2010年3月の間に, かぜ症状を主訴に当科および協力施設を受診し, 研究の趣旨に同意した患者.【方法】対象者を無作為にA群40名 (日中のみマスクを装着) とB群32名 (日中および就寝時にマスクを装着) に分け, 質問紙を用いた統計学的手法により検討した.【結果】B群の患者のほうが, のど症状だけでなくかぜ症候群そのものが早期に軽快した. 症候別では咳と痰のスコアの改善が有意であった.【結論】就寝時のマスク装着は, かぜ症状を早期に軽減させると考えられた.
著者
川本 文彦 岩田 徹也 市原 醇郎 熊田 信夫 加納 六郎
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.117-119, 1990
被引用文献数
3 3

A case-report of oral-stings by spermatophores of a squid, Tadorodes pacificus was described. The male patient was one of the authors of this report, aged 26 years, who was injured in his oral cavity immediately after eating uncooked internal-organs of a squid by mistake. He complained of severe pain and foreign-body sensation in the oral cavity. On examination, more than 15,small spindle-shaped stings stuck in mucous membrane of the tongue, soft palate, and upperlip. Stings were removed surgically in hospital, and they were identified as squid spermatophores by their shapes and containment of sperms. In addition to this case, two other cases with similar symptoms were identified as oral-stings by squid spermatophores. These cases suggest that fresh squids should be carefully prepared before eating them as "sashimi" or in raw.
著者
山崎 天 坂田 亘 川本 稔己 小林 滉河 Nguyen Tung 上村 卓史 中町 礼文 李 聖哲 佐藤 敏紀
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会 93回 (2021/11) (ISSN:09185682)
巻号頁・発行日
pp.113-118, 2021 (Released:2021-11-20)

本稿では、対話システムライブコンペティション4のオープントラックに提出した対話システムについて述べる。本システムはTransformerをベースとした言語モデルの「HyperCLOVA」を用い、ユーザの発話に応じて選択するFew-Shotプロンプトを利用して応答候補の生成を行う。プロンプトは4種類あり、一般的な応答生成、知識応答生成、ペルソナ一貫性を考慮した応答生成、短文抑制のための応答生成を目的としたものをそれぞれ用意し、組み合わせて利用する。後に、不適切な発話を除去するフィルタリングを行うことで、最終的な出力を得るシステムとなっている。予選の結果では1位を獲得し、大規模言語モデルが雑談応答生成に有効であることを示したが、攻撃的な応答生成をはじめとしたいくつかの課題が顕在化した。本稿では、大規模言語モデルを用いた雑談応用における現存の課題や今後の方向性を議論する。
著者
中山 康博 川本 文彦 須藤 千春 中嶋 暉躬 安原 義 藤岡 寿 熊田 信夫
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.315-326, 1985
被引用文献数
1 10

蚊刺咬による皮膚反応の機構を解明する試みのひとつとして, 蚊の唾液腺に含まれる成分について分析した。アカイエカCulex pipiens pallensの唾液腺の粗抽出物およびその低分子画分(mol. wt. <6,000)は, 蚊に無感作のモルモット皮内で血管透過性を亢進した。O-phthalaldehyde法によりhistamine染色を行うと, Cx.pipiens pallensおよびAedes togoiの唾液腺全体に強い陽性反応が観察された。αおよびβナフチルアセテートを基質としてエステラーゼ染色を行ったところ, Cx. pipiens pallensの唾液全体に強い陽性反応が認められ, 一方, Ae. togoiおよびAe. albopictusでは比較的弱い反応が観察されたのみであった。Cx. pipiens pallensの唾液腺抽出物を用いたin vitro実験では, TAME, BTEEおよびATEEの加水分解, 血液凝固阻止活性および溶血活性は検出されなかった。イオン交換高速液体クロマトグラフィー分析では, Cx. pipiens pallensの唾液腺抽出物中にhistamine, putrescine, spermine, およびspermidineが検出されたが, serotoninは検出されなかった。
著者
川本 裕輔
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.4_67-4_83, 2016-10-25 (Released:2017-01-14)

本論文では,暗号系の安全性を検証する方法について,暗号理論の初歩からコンピュータ上で安全性証明を書く最先端の研究までを解説する.暗号系の安全性は攻撃の確率や計算量を用いて定式化されるため,その数学的証明は煩雑であり,しばしば間違いも生じる.そこで,安全性証明を形式手法で記述し,証明の正しさをコンピュータ上で機械的に確かめる研究が盛んになっており,様々な検証ツールが開発されている.その中でも,検証ツールEasyCryptは,従来のツールよりも簡単に,厳密な安全性証明が得られる.本論文では,まず,確率的多項式時間チューリング機械の間のゲームとして暗号系の安全性を定式化し,ゲームの書き換えによって安全性を証明する手法を説明する.次に,確率関係ホーア論理を用いた安全性証明の形式化について述べ,検証ツールEasyCryptを用いて安全性証明を書く方法を紹介する.なお,本論文は暗号理論や定理証明支援系についての知識を仮定していない.