著者
川本 哲郎
出版者
京都産業大学法学会
雑誌
産大法学 (ISSN:02863782)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.474-456, 2009-09

1.はじめに2.具体的な諸問題(1)情報公開と報道の自由(2)行動制限・強制治療 (ア)新型インフルエンザ対策行動計画(2009年2月改定) (イ)検疫法の停留処分 (ウ)行動制限・強制治療の正当化根拠 (エ)人権侵害の救済手段 (オ)被害の補償 (カ)医療資源の配分(3)医師の応召義務(4)予防接種被害3.おわりに
著者
沖林 洋平 神山 貴弥 西井 章司 森保 尚美 川本 憲明 鹿江 宏明 森 敏昭
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.31, no.Suppl., pp.149-152, 2008-02-10 (Released:2016-08-04)
参考文献数
7
被引用文献数
1

本研究では,児童生徒の情報活用の実践力と情報モラルの関係について調査を行った.情報活用能力実践尺度得点と情報モラル課題について学年間比較を行った結果,次の2点が明らかとなった.まず,全般的な情報活用の実践力は,中学生の方が小学生よりも高かった.つぎに,情報モラルについては,小学生と中学生ともに情報モラル意識と情報活用の実践力に関連が見られた.また,全般的な情報活用の実践力については,中学生の方が小学生よりも有意に高く,とりわけ,情報活用の実践力の中でも「収集力」「判断力」「処理力」について,中学生の方が小学生よりも有意に高かった.また,情報モラルの高さと家庭における教育に関連があること,初等中教育課程での学校教育における総合学習等の授業における授業実践の効果が示唆された.
著者
藤原 悟 吉村 元 西矢 健太 大嶋 圭一 川本 未知 幸原 伸夫
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.785-787, 2017 (Released:2017-12-27)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

症例は67歳男性.全身麻酔下での開心術後1日目の抜管直後より,嗄声,構音障害,舌の左側偏倚を認めた.頭部MRIでは原因病変を認めず,軟口蓋麻痺はなく,耳鼻科診察で左声帯不全麻痺を認めたため,Tapia症候群(反回神経麻痺と舌下神経麻痺の合併)と診断した.神経症状は緩徐に改善し,発症4ヶ月後にはほぼ完全に回復した.Tapia症候群は稀ではあるが,全身麻酔時の気管内挿管の合併症等として報告されている.本例では左口角から挿入していた経食道超音波のプローブが左咽頭後壁を圧迫したことが原因と考えられた.本例は術中の経食道心臓超音波検査によって生じたTapia症候群の初めての報告である.
著者
川本 静香 渡邉 卓也 小杉 考司 松尾 幸治 渡邉 義文 サトウ タツヤ
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.1-12, 2014-07-30 (Released:2014-08-26)
参考文献数
30
被引用文献数
1

本研究では,うつ病患者と類似した抑うつ症状を持つ非臨床群を抽出し,その特徴を検討した。うつ病患者および非臨床群のBDI-II項目得点に対し,k-meansクラスター分析を行った結果,抑うつ状態が軽症の非臨床群の全員と中等症の非臨床群の一部の者が非抑うつクラスターへ分類された。一方,残りの中等症の非臨床群と重症の非臨床群の全員が抑うつクラスターへ分類された。このことから,軽症の非臨床群の抑うつ症状は,重症度の高いうつ病群とは類似性がないことが明らかになった。また,重症の抑うつ状態にある非臨床群と重症度の高いうつ病群には類似性が見られた。ただし,中等症の非臨床群については,その一部の者に重症度の高いうつ病群との類似性が認められる一方で,見られない者も確認された。
著者
王 財源 池田 裕子 遠藤 宏 川本 正純 藤川 治 吉備 登 北村 智 森川 和宥 河内 明
出版者
関西鍼灸大学
雑誌
関西鍼灸短期大学年報 (ISSN:09129545)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.25-29, 1997-10-25

『山海経』東山経には"その下箴石多し",『説文解字』にも"〓石をもって病を刺す", 『帝王世紀』には"太昊九針を製し"などの記載文が認められる。中国医学の歴史はその時代の発展状況に応じて,鍼灸医学,漢方医学,気功学も多くの学説が唱えられた。注目すべきことは,何時の時代にしろ,学説,学派の出現が多いほど,学術論争が激しく,また中国医学の発展も加速されていた。今回は学派の地域別,手技別分類を行い,悠久な鍼灸医学発展の歴史を,古代中国文献を参考に明らかにするものである。尚,筆者らはチベット医学,モンゴル医学を調査するために,敦煌の莫高窟を始めとする内陸部にも現地調査を進めるが,これには限界があるため,本文では現在調査中のものを触れずに報告する。
著者
川本 諒 五條堀 眞由美 柴崎 翔 松吉 佐季 鈴木 総史 平井 一孝 植田 浩章 金澤 智恵 高見澤 俊樹 宮崎 真至
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.402-409, 2016 (Released:2016-10-31)
参考文献数
24

目的 : 歯科疾患の予防という概念の普及に伴って, 機械的歯面清掃 (PMTC) を行う機会が増加している. その際に用いられるPMTCペーストは, さまざまな製品が市販されているものの, プラーク除去効果あるいは歯質に対する影響については不明な点が多い. そこで, PMTCペーストの使用がエナメル質および歯冠修復物の表面性状とプラーク除去効果に及ぼす影響について検討した. 材料と方法 : 疑似エナメル質としてステンレス板 (SUS304), コンポジットレジン試片としてFiltek Supreme Ultra (3M ESPE), 金銀パラジウム合金試片としてキャストウェルM. C. 金12% (ジーシー) を用い, それぞれ通法に従って10×10×1mmの平板に調整したものをPMTC用試片とした. これらの試片に対し, 等速コントラアングルに歯面清掃ブラシを装着し, PMTCペースト0.1gを用い, 回転数2,000rpm, 荷重250 gfの条件で, 15秒間PMTCを行った. なお, 供試したPMTCペーストは, クリンプロクリーニングペーストPMTC用 (CP, 3M ESPE), コンクールクリーニングジェル (CJ, ウェルテック), メルサージュレギュラー (MR, 松風), メルサージュファイン (MF, 松風) およびメルサージュプラス (MP, 松風) の合計5製品とした. PMTC終了後の試片について, その表面をレーザー走査顕微鏡を用いて観察するとともに付属のソフトウェアによって表面粗さRa (μm) を求めた. また, 表面に塗布した人工プラークの残存面積 (mm2) を計測することによって, 人工プラーク除去率を算出した. 成績 : PMTC後のステンレス, コンポジットレジンおよび金銀パラジウム合金試片の表面粗さは, 用いたPMTCペーストによって異なる傾向を示した. 特に, CJ, MRおよびMFはBaselineと比較してPMTC後の表面粗さが増加し, MRはほかの製品と比較して有意に高いRa値を示した. 一方, CPにおいては, コンポジットレジンおよび金銀パラジウム合金でPMTC後の表面粗さが増加したが, ステンレス板においては変化が認められなかった. また, プラーク除去率についても使用した製品によって異なる傾向を示した. 結論 : エナメル質, コンポジットレジンおよび金銀パラジウム合金のPMTC後の表面粗さの変化ならびにプラーク除去率は, 用いたPMTCペーストによって異なるものであり, 配合されている研磨粒子の成分や粒径によるものであったことが示された.
著者
川本 庸太 田山 剛崇 佐和 章弘 門出 孝美 佐島 進 吉岡 真理 三宅 勝志 森田 修之 木平 健治
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.128, no.8, pp.1221-1226, 2008-08-01 (Released:2008-08-01)
参考文献数
12
被引用文献数
2 3

Impetigo contagiosa staphylogenes is commonly treated by administering a combination of nadifloxacin and tetracycline ointments. However, it is not clear whether nadifloxacin and tetracycline are stable after mixing. The purpose of this study was to evaluate the stability of these agents in combination. We also evaluated changes in antibacterial activity after mixing. Mixing the two ointments caused tetracycline to change from yellow to brown in the admixture. Furthermore, the tetracycline content in the ointment decreased in a time-dependent manner, to about 40% at 288 h after mixing. In addition, the nadifloxacin content in the ointment did not change 288 h after mixing. In an alkaline environment (pH 9.0 and 11.0), the tetracycline content decreased and the color of tetracycline changed to brown. These results suggest that sodium hydroxide, which is an additive in nadifloxacin ointment, influences the content of tetracycline. We evaluated the chemical sensitivity of Staphylococcus aureus using disk tests. Nadifloxacin and tetracycline ointment showed the largest radius of inhibition circle, followed by the admixture 0 h after mixing and the admixture 72 h after mixing. These results suggest that the antibacterial activity is inhibited by the admixture. We propose that pharmacists should avoid mixing nadifloxacin with tetracycline ointment in the treatment of impetigo contagiosa staphylogenes and should take care to avoid interactions caused by additives in the ointments.
著者
古川 康一 植野 研 尾崎 知伸 神里 志穂子 川本 竜史 渋谷 恒司 白鳥 成彦 諏訪 正樹 曽我 真人 瀧 寛和 藤波 努 堀 聡 本村 陽一 森田 想平
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.117-128, 2005 (Released:2005-02-04)
参考文献数
52
被引用文献数
4 4

Physical skills and language skills are both fundamental intelligent abilities of human being. In this paper, we focus our attention to such sophisticated physical skills as playing sports and playing instruments and introduce research activities aiming at elucidating and verbalizing them. This research area has been launched recently. We introduce approaches from physical modeling, measurements and data analysis, cognitive science and human interface. We also discuss such issues as skill acquisition and its support systems. Furthermore, we consider a fundamental issue of individual differences occurring in every application of skill elucidation. Finally we introduce several attempts of skill elucidation in the fields of dancing, manufacturing, playing string instruments, sports science and medical care.
著者
川本 弥希 渡辺 雄貴 日高 一義
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.363-374, 2018-03-01 (Released:2018-03-16)
参考文献数
34

大学の授業設計において,学生の学習エンゲージメントの向上が注目されている.しかし,それら学習者の情意的な領域をどう捉え,評価すればいいのかの議論は十分に行われていない.そこで,学習エンゲージメントの形成へ影響を与える要因の抽出,及び関連する心理的概念の体系化を目的として,47名の日本の大学生を対象に,質的および量的調査を実施し,PARRISH のラーニングエクスペリエンス(LX)の形成に影響を与えている要因の分析を行った.その結果,PARRISHの定義にはない2つの外的要因,(1)他の授業の課題が忙しい等のその講義以外の要因や(2)友人など周囲の状況に影響を受けた等の講義品質以外の要因が抽出された.また,自律的動機,自己有用感,熟達目標,自己効力感の既存の心理尺度と,LX レベルに有意な正の相関関係があることがわかった.
著者
川本 皓嗣
出版者
大手前大学・大手前短期大学
雑誌
大手前大学論集 (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.(1)-(26), 2010

いわゆる漢文、あるいはその日本における具体的な存在様式である漢文訓読は、考えれば考えるほどふしぎなものである。その曖昧さ、正体のつかみ難さという点と、それとは裏腹の存在の重さ、巨大さ、根深さという点で、それはまさに日本文化の特性を典型的に表わしているようだ。この重要な現象が、かなり最近まで十分な注意を惹くことがなかったのは、たとえば和歌や俳句などの特異な詩の形式と同様、それが日本人にはあまりにもなじみ深い、ごく「当たり前」の制度ないし決まりだったからだろう。とはいえ、ほぼ今世紀に入った頃から、訓読をめぐる議論がようやく活発になりつつある。これは大いに歓迎すべきことだが、ただ、訓読という現象に正面から理論的な考察を加えたものは、まだそれほど多くない(もっとも、俳句であれ連句であれ、掛詞であれ切れ字であれ、あえて理論的・原理的、比較論的な穿鑿の対象にしないことこそ、日本文化の特質なのかもしれない)。そこであらためて、あえてごく初歩的・常識的な要素をも考慮に入れながら、翻訳論と比較文化論の両面から、漢文訓読という異言語読解のシステムを問い直してみたい。
著者
山下 良子 神山 秀一 山本 明日香 加納 宏樹 結城 祥充 上田 晃 川本 由加里 後藤 仁和 山本 聡
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.136, no.12, pp.1641-1649, 2016 (Released:2016-12-01)
参考文献数
28
被引用文献数
6

The efficacy of cefepime (CFPM) is known to depend on the ratio of the time that the serum levels exceed the minimum inhibitory concentration (MIC) to the dosing interval (%T>MIC). The objective of this study was to clarify the relation between %T>MIC and clinical outcome of CFPM, and to identify the optimal dosage regimen. We investigated the outcome of CFPM treatment for febrile neutropenia (FN) patients with normal renal function. Treatment success was defined as the completion of FN therapy with CFPM only. And we calculated %T>MIC for each case based on population pharmacokinetic parameters. The MIC value for simulation was set as 8 μg/mL. In logistic regression analysis, treatment success was significantly associated with the elevation of %T>MIC in the group with persistent neutropenia, yielding a receiver operating characteristic curve with an optimal cutoff value of 73.1%. Next, we simulated %T>MIC for each case under various dosing regimens. For patients whose creatinine clearance (CLcr) exceeded 100 mL/min, it was found to be difficult to attain the objective under the current regimen. In contrast, it was calculated that treatment with 2 g three times a day (t.i.d.) could attain the objective for most of the patients with 3 h of infusion. These results suggest that CFPM treatment under the current regimen is ineffective for FN patients with normal or augmented renal function, and that 2 g t.i.d. is necessary in quite a lot cases, although such use is off-label.