著者
金児 正史 成川 公昭 平野 康之
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学研究紀要 鳴門教育大学 編 (ISSN:18807194)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.90-100, 2015

The contents of the lectures and the learner's reaction in the pre master's course in a mathematical domain are reported here. Two contents in the lectures are designed, the area of a circle and an isoperimetric problem. All learners were middle school students and have got high motivation for mathematics. Although the learners know the formula of the area of a circle well, they have little experiences which make them realize that the formula does really hold. In the first lecture, an argument − to compare the areas of inscribed regular polygons with the one of a unit circle, whose idea comes to the usual measure theory in the future, was explained. Through the process of calculating the areas of various kind of inscribed regular polygons to a unit circle, the learners appreciated that the area of a unit circle is really equal to π and convinced themselves of the fact. In the latter lecture, they have considered an isoperimetric problem and showed that the equilateral triangle has the largest area among the triangles with constant perimeter. Although a few mathematical concepts and treatments have been required to follow the procedure of the arguments, they overcame these difficulties eagerly and recognized two contents of mathematics in the pre master's course. Through the program in the pre master's course in a mathematical domain, we noticed that learners with high motivation for mathematics study many advanced contents extensively and extend their interests for themselves only with the help of introducing well−suited orientations and with the proper support to give some necessary concepts.
著者
岐部 智恵子 平野 真理
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.108-118, 2019-11-01 (Released:2019-11-03)
参考文献数
42
被引用文献数
1 6

本研究の目的は日本語版青年前期用敏感性尺度(HSCS-A)を作成し,その信頼性と妥当性を検討することであった。本尺度の原版は感受性反応理論の枠組みに立脚し児童期から青年期の感覚処理感受性を測定するものとして開発されている。本研究では青年前期版作成を目的として中学1年生から高校1年生までの942名(女子44%,男子56%)を対象に研究を行った。探索的因子分析の結果,原版同様の易興奮性(EOE),美的感受性(AES),低感覚閾(LST)から成る3因子構造が見出され,直交する一般性因子を含むbifactorモデルが適していることが示された。さらに,パーソナリティ,情動性尺度との関連から構成概念妥当性を検討し弁別性を示す結果が得られ,内的一貫性も許容範囲であることが確認された。これらの結果から,HSCS-Aは感覚処理感受性を測定するおおむね妥当な尺度であることが示された。
著者
中居 賢司 平野 三千代 伊藤 忠一 宮川 朋久 加藤 政孝
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.173-179, 1988-04-30 (Released:2010-09-09)
参考文献数
11

ホルター心電図でST-Tを評価するために, (1) 限られた誘導数と胸部双極誘導に伴う問題, (2) 虚血性と非虚血性―特に体位性ST-T偏位の鑑別, (3) 24時間記録における意義と問題について検討した.ホルター心電図によるST-Tの評価として; (1) ST偏位は用いた誘導により異なり (CM5>CC5, m-II>m-aVF) , CM5誘導は不関電極の影響を受け新たなST偏位を生ずる可能性がある. (2) 体位性ST-T偏位の多くは瞬時に変化し, STトレンドグラムはBox型を呈する. (3) 虚血型ST偏位は60秒以上の経過を有し, STトレンドグラムはcrescendo-decrescendo型を呈する.ST偏位は用いた誘導および体位により異なる可能性があり, その規準化は難しい. (4) 虚血型ST偏位の判定および発生機序の評価には虚血時の心拍数の応答にも留意すべきである.今後, 記録方式を含め機器の改良, 誘導法の標準化が必要と考えられる.
著者
河野 尊臣 平野 直人 森下 泰成
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2016年度日本地球化学会第63回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.220, 2016 (Released:2016-11-09)

南鳥島は無数の海山列が存在する西太平洋上にあるが、地形的に見てどの海山列にも属さず、成因はわかっていない。本研究では、岩石学的、地球化学的手法を用いて溶岩の観察と分析を行い、島を形成した火成活動の起源を明らかにする。南鳥島山麓海底で行われた潜航調査では溶岩流地形、火山丘地形、リッジ地形の3地域で潜航動画の撮影と溶岩の採取が行われた。今回、溶岩の産状・形態の観察、薄片観察を行い、更に岩石のXRF、ICP-MSを用いた全岩組成を分析した。各3地域では枕状溶岩が観察されたが、産状には明確に違いが見られた。岩石はすべてアルカリ玄武岩に分類され、微量元素分析から周囲の海山列とは成因が異なることがわかった。さらに薄片観察、HFS元素を用いた比較から、これら各火山地形の3地域の違いも見られた。以上から、南鳥島では3種類の火成活動があり、ホットスポット火山に見られる盾状期、再生期といった成長過程を示している可能性がある。

1 0 0 0 播磨鑑

著者
平野庸修 著
出版者
播磨史談会
巻号頁・発行日
1909
著者
平野 潔
出版者
弘前大学人文学部
雑誌
人文社会論叢. 社会科学篇 (ISSN:13450255)
巻号頁・発行日
no.26, pp.125-141, 2011-08-31
著者
平野 奈緒美 石田 賢哉
出版者
日本香粧品学会
雑誌
日本香粧品学会誌 (ISSN:18802532)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.209-222, 2019-09-30 (Released:2020-09-30)
参考文献数
23

It is well known that fragrances influence our senses. Fragrances used in cosmetic products are no exception. Not only masking the odor of the product base, they give various impressions such as freshness, comfortableness and newness, and provide higher added value to products. In this report, we describe the fragrance development with a focus on raw materials, functional materials, and creation by perfumers. In addition, it is necessary to understand the regulations and environment issues related to fragrances and cosmetics.
著者
丹田 勝敏 富樫 正樹 竹内 一郎 力石 辰也 小柳 知彦 金川 匡一 平野 哲夫 関 利盛 坪 俊輔
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.83, no.12, pp.1970-1977, 1992
被引用文献数
3

CYAの適正な投与法が移植成績の向上に重要と考え, 移植後早期3ヵ月間の急性拒絶反応とその後の graft の予後に影響を及ぼすと思われる諸因子について retrospective に検討した.<br>対象は1986年3月から北大泌尿器科・市立札幌病院腎移植科及び関連病院にて, CYA中心の免疫抑制法 (2剤: CYA+PRD 10例, 3剤: CYA+PRD+AZAまたはMIZ 44例) で治療した生体腎移植患者54例である. 各症例を治療期間 (1期: 移植日~15日, II期: 16~30日, III期: 31~60日, IV期: 61~90日) に分け, 急性拒絶反応の有無とその後の graft の予後との関係を, CYAの副作用軽減を目的とした併用薬剤 (AZAまたはMIZ) の有無, CYAの初期投与量, CYAの血中 trough level の3項目を中心として検討した.<br>各治療期間においてAZAまたはMIZの有無, CYAの初期投与量は急性拒絶反応出現頻度と有意な関係を認めなかった. しかしCYA trough level がI期で150ng/ml未満, またIII期で100ng/ml未満の場合に有意に急性拒絶反応の発症頻度が高かった (p<0.01).<br>graft の予後については, CYAの初期投与量は有意な関係を認めなかった. また, AZAまたはMIZの併用も2剤治療群と比較して graft 生着率に有意差を認めなかった. 一方CYA trough level がI期で150ng/ml, III期で100ng/ml以上の至適レベル到達症候群の graft の生着率はそれ以外の群と比べ有意に高かった. (p<0;05).<br>以上より特に移植後早期3ヵ月以内のCYA trogh level は移植成績の向上に重要と思われた.
著者
平野 悠一郎
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.53-64, 2004-03-01 (Released:2017-08-28)
参考文献数
25
被引用文献数
5

本稿は,中華入民共和国期の中国において,人間と森林との関係を規定する基本法が,どのような特徴を有しつつ推移してきたのかを明らかにすることを目的としている。1963年に公布された森林保護条例を起源とし,現行の中華人民共和国森林法に至る森林関連の基本法は,国土の森林を維持・拡大するために,基層社会の森林を利用する諸活動を規制・管理するという性格を一貫して有していた。1984年森林法では,緑化を公民の義務とすることが明記され,そのための活動に人々を動員するという性格が強められた。それは,産業振興法としての林業基本法が,森林の公益的機能の重視を含めた包括的な森林・林業基本法へと変容していく,同時期の日本の推移とは明らかに異なるものであった。そのような特徴と推移は,森林の過少状況,森林破壊の加速,社会主義統治といった,中国の森林関連の法令をめぐる社会背景に基づいていた。
著者
三上 岳彦 長谷川 直子 平野 淳平 Batten Bruce
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2020, 2020

<p>弘前藩御国日記には、江戸時代の弘前における毎日の天候が記載されている。そこで、11月〜4月の冬春季における降水日数と降雪日数から、毎年の降雪率(降雪日数/降水日数)を求めて、1705年〜1860年の長期変動を明らかにした。同じく、弘前藩日記に記載された十三湖の結氷日と解氷日から結氷期間(日数)を求めて、その長期変動特性を明らかにした。次に、冬春季における弘前の降雪率と平均気温との関係を考察するために、観測データ(AMeDAS弘前)の得られる最近数十年間について、毎年の降雪率と冬春季の平均気温との関係を分析した。</p><p>1705年〜1860年の156年間における十三湖の結氷期間と弘前の降雪率の変動傾向は、年々変動、長期傾向(11年移動平均)ともに類似している。すなわち、十三湖の結氷期間が長い年や年代は寒冷で、降雪率が高く、結氷期間が短い年や年代は温暖で、降雪率が低い。長期トレンドで見ると、十三湖の結氷期間は100日間前後で一方向の変化は見られないが、弘前の降雪率は18世紀前半から19世紀前半にかけてやや減少傾向にある。1740年代と1820年代に、結氷期間と降雪率がともに低下した時期があり、一時的な温暖期と考えられる。とくに、1810年代から1820年代にかけての降雪率の顕著な低下については、従来の研究では指摘されたことがないので、さらに分析を進めたい。</p><p>観測データ(AMeDAS弘前)の得られる1983年〜2020年の38年間について、毎年の降雪率(11月〜4月)と平均気温(12月〜3月)の関係から、両者の間に負の有意な相関があることがわかった。これにより、十三湖の結氷期間や降雪率から、弘前の冬春季の平均気温変動を復元することが可能となろう。</p>
著者
杉山 健太郎 磯貝 和也 坂爪 重明 外山 聡 佐藤 博 齋藤 和英 中川 由紀 田﨑 正行 高橋 公太 平野 俊彦
出版者
一般社団法人 日本臓器保存生物医学会
雑誌
Organ Biology (ISSN:13405152)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.47-51, 2011-06-10 (Released:2014-11-26)
参考文献数
10

Renal transplant recipients are administered immunosuppressive therapy to prevent acute rejection. In particular, new immunosuppressive agents have helped to improve the allograft survival rate and reduce the rate of rejection in renal transplant recipients. The optimal dose of calcineurin inhibitors is determined by therapeutic drug monitoring. However, the pharmacological efficacy of cyclosporine and tacrolimus should be estimated using both pharmacokinetics and pharmacodynamic parameters. We therefore employed the lymphocyte immunosuppressant sensitivity test(LIST) with the 3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)-2,5diphenyltetrazolium bromide(MTT)assay procedure to evaluate renal transplant recipients. The LIST with the MTT assay procedure can predict the pharmacological efficacy of immunosuppressive drugs using peripheral blood mononuclear cellsMoreover, renal transplant recipients must be correctly treated with immunosuppressive agents and another medicines. Therefore, the pharmacist must provide instructions for all medications to maintain adherence in renal transplantation. Therefore, transplantation therapy must be based on the pharmaceutical care given by pharmacists.