著者
後藤 淳
出版者
新潟大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

福島原発事故被災地における効率的な除染に資する事を目的に、指向性があるガンマ線自動車走行サーベイシステムを開発した。開発したシステムは、異なる6方向(自動車の進行方向の前後左右及び上下)に向けて設置した6台の鉛遮蔽体付検出器で構成され、それぞれの方向から入射するγ線の計数率を個別に測定できる。被災地での実測結果より、開発したシステムが、指向性があるガンマ線自動車走行サーベイシステムとして機能する事を示した。
著者
後藤 聖太 斎藤 恭一
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.7-14, 2016-01-15 (Released:2016-01-22)
参考文献数
11

東京電力福島第一原子力発電所の1~4号機取水口前の海水エリアに,原子炉建屋などから漏出した汚染水の一部が流れ込んで16万トンの海水が汚染されている。この汚染海水の処理には,吸着材をそのまま投入・浸漬後に回収する方式が「簡便,確実,そして安全」で有効である。港湾内汚染水から放射性セシウムやストロンチウムを除去するために,組み紐に成型した吸着繊維がその海水エリアに試験投入・浸漬されている。本稿では,セシウム除去用の吸着繊維の作製法や性能について解説する。
著者
木田 恵理奈 後藤 春彦 佐藤 宏亮
出版者
The City Planning Institute of Japan
雑誌
都市計画論文集 = Papers on city planning (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.481-486, 2011-10-25
被引用文献数
2 1

本研究は、水神祭の運営における商店街組織と地縁組織の連携による社会関係資本構築のプロセスを示すことを目的とし、以下の4点を明らかにした。(1)水神祭復活以前の水神社及び八幡神交会と商店街の関わり、(2)商店街再開発に伴う水神社の変遷、(3)水神祭の運営における各主体の関係構築過程、(4)水神祭復活による効果
著者
阪本(後藤) 純子
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.1075-1083, 2011-03-25

ヴェーダ文献(紀元前1200-500年頃)に残る太陰太陽暦では,月の形態および月と白道近辺の恒星の位置関係により月日が決定される.祭式の日時を決定するために月の朔望と運動が注意深く観察され,naksatra-「月宿」の概念が成立する.月は朔から朔の間(1朔望月:約29.53日),白道近辺にほぼ等間隔に位置する恒星(群)に順次近づき,朔の夜(amavasya-)には太陽と合一して姿を消す.これらの恒星(群)(RVでは太陽を含む)はnaksatra-「(月が)到達する所」「月宿」と呼ばれ,月と恒星との位置関係を示す指標となる.krttikas(Pleiades昴)を起点とするこれらの恒星(群)は,ヨーロッパ青銅器時代の考古学遺品(Nebra Sky Disk)が示唆するように,ヴェーダ期を遙かに遡る古代に起源を持つ可能性がある.Naksatra崇拝や婚姻・戦闘等のために吉祥なNaksatraを選ぶ風習は,光(太陽・火)を崇め闇・夜を避ける傾向の強いヴェーダ祭式よりも,むしろ民間儀礼において発達し,部分的にシュラウタ祭式に取り入れられた形跡が伺える.Naksatraの列挙はAtharvaveda XIX 7,Yajurveda-Samhitaマントラ(Agnicayana火壇第五層のNaksatra煉瓦:Maitrayani Samhita II 13,20,Kathaka-Samhita XXXIX 13,Taittiriya-Samhita IV 4,10),Taittiriya-Brahmanaマントラ(15,1:Naksatra祭?),マントラと散文(III 1:Naksatra献供)に見られ,さらに部分的にTB散文(I 5,2-3:Naksatra解説)にも残るが,いずれも後代の補遺部分とみなされる.これらのNaksatraの列挙は,朔望月に基づく28 Naksatra方式と恒星月に基づく27 Naksatra方式に分類されるが,前者は月と恒星の位置を正確に反映せず,後者は朔望月の日付と対応しない.この矛盾を解決するために,上記Agnicayanaのマントラおよびシュラウタ・スートラでは,本来は次元の異なる概念である満月・朔の夜を27 Naksatraに付け加えるなどの工夫が試みられる.より平易な28方式は一般大衆の民間儀礼に好まれ,より正確な27方式は祭官学者間に普及したことが上記文献から推測される.(後者はJyotisa以降の天文学において黄道の均等な27区分に変質する.)
著者
中野 倫靖 後藤 真孝
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.1771-1783, 2013-06-15

本論文では,ユーザの歌声からその声色(こわいろ)変化を真似て歌声合成するシステムVocaListener2を提案する.本システムは,我々が以前開発した音高と音量のみを真似て歌声合成するVocaListenerの拡張であり,声色変化にも対応する.従来,主に声質変換やモーフィングのために,声質を操作する技術はあったが,ユーザが歌唱において意図的に変更する声色の変化を反映することはできなかった.VocaListener2を実現するために,まずVocaListenerによってユーザ歌唱の音高,音量および音素(歌詞)を真似た多様な歌声を合成して声色空間を構成し,その結果を用いてユーザ歌唱の声色変化を反映して合成する.市販の歌声合成システムを用いて実験した結果,構成された声色空間は聴取印象を反映しており,音高と音量に加えて声色変化も真似ることができていた.
著者
後藤 多恵 ゴトウ タエ Goto Tae
出版者
同志社大学日本語・日本文化教育センター
雑誌
同志社大学日本語・日本文化研究 (ISSN:21868816)
巻号頁・発行日
no.10, pp.61-78, 2012-03

実践報告(Report)日本語教育におけるカリキュラム・デザインの一例として、日本語能力試験の旧1 級合格者に相当する「超上級」の日本語学習者を対象としたカリキュラムを紹介する。これは、筆者が同志社大学日本語日本文化教育センターでコーディネーターとしてカリキュラム・デザインを担当した「総合科目」の事例に基づいている。「総合科目」では、教科書の内容をより深く理解する「深読みタスク」資料の作成、学生が選んだニュース記事を教材とする「今週のニュース」、論説文以外のジャンルの文章を扱うための「複数教科書の併用」、視聴覚教材によってそれらの活動を結びつける「聴解練習」などの工夫により、超上級の学習者が立体的な日本語学習を行える環境を提供した。
著者
伊藤 昭 水野 将史 後藤 強 寺田 和憲
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第17回全国大会(2003)
巻号頁・発行日
pp.208, 2003 (Released:2004-02-03)

知的な行動主体(エージェント)が社会で行動するためには、相手の行動を予測して、それに対して適切な行動をとる必要がある。このような、「相手を読む」ことの研究は、(囲碁のような)零和ゲーム、囚人のジレンマゲームのような、対称型非零和ゲームではあるものの、一般の零和ゲームではほとんどない。ここでは、「相手を読む」ことが本質的な標準ゲームを提案する。また、強化学習、進化プログラミングを用いて行動戦略の獲得を調べ、「良い」戦略の条件を検討する。また、対戦者両者が共に相手の行動を読んで自己の戦略を修正しようとするとき、どのような現象が観測されるのかを報告する。
著者
山本 政幸 石川 重遠 後藤 吉郎
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.56, pp.258-259, 2009-06-20

This study concerns the development of Gothic types in the ninteenth-century U. S. A., focusing on the formation of American Type Founders Company, the biggest type vendor which was consolidated from twenty-three small foundries. It refers the old-taste Gothic types, produced by regional foundries, that aquired lower-case and Italic characters. Then it makes clear the process of amalgamation of foundries into ATF Company which had newly organised type design section. Last it concerns the work of Morris Fuller Benton and his type desgin especially about Gothic types including Franklin Gothic (1902), Alternate Gothic (1903), News Gothic (1908), and Lightline Gothic (1908).
著者
川崎 賢一 後藤 和子 河島 伸子 佐々木 雅幸 小林 真理 KWOK KianーWo CRANE Diana MARTORELLA R KIAMーWOON Kw CRANE O
出版者
駒澤大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1997

今年度は、3年間にわたる共同研究に最終年度にあたり、まとめる方向で研究を行った。初年度は、東京で、まず、芸術文化政策の比較の枠組みについて話し合い、同時に、東京を中心とする日本の文化政策を理解することにつとめた。また、この年度末には、シンガポールで会議を開催し、現地の文化政策関連の人々とも議論を行った。シンガポールは、日本とは異なるアジアの国々のひとつであり、国家を中心として文化政策をここ10年間で積極的に推進してきた社会であり、その歴史、やり方の有効性などをメンバーと共に議論をし、理解を深めた。いづれにしろ、欧米の芸術文化政策を論じる前に、アジアを回ったことは、今までの欧米中心の研究スタイルとは異なるやり方で、メンバーにも好評で、一定の成果をあげることが出来た。2年目は、イギリスのバーミンガムで会議を開き、イギリスの最近の動向について議論をした。その結果として、ロンドンのみならず、多くの都市において、文化を取り入れた都市計画が盛んになり、地方分権や民主化が進み、階級文化の境界がはっきりしなくなるなどの変化が見て取れるようになった。3年目は、仕上げとして、ニューヨークで会議を開催し、アメリカ、特に、ニューヨークの文化政策について学び、また議論することにより、これからの展望をはっきりと描くことが可能になった。それは芸術文化的活動と経済との連携がより深くなるということ、もう一つは、文化政策における、非営利的組織(いわゆるNPO)の重要度が高まり、プライバタイゼーションが進行するということである。しかし、同時に、どの国でも同じことが起こるわけではない。本研究では、さらに、来年度、ファイナルシンポジュウムを東京で開催し、「グローバル化する文化政策」というタイトルで、共同研究の最後を締めくくりたいと考えている。
著者
坂東 伸幸 後藤 孝 赤羽 俊章 大貫 なつみ 山口 朋美 佐和 弘基 西原 広史 田中 伸哉
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.142-147, 2013 (Released:2013-08-30)
参考文献数
16

穿刺吸引細胞診は甲状腺結節の質的診断のために最も有用な検査である。当院ではこれまでプレパラートに穿刺吸引細胞を吹き付ける従来法で細胞診を行ってきたが,診断率は高くなかった。そこで液状処理細胞診(Liquid-based cytology;LBC)を採用した。2007年4月から2011年5月までに従来法で穿刺吸引細胞診を施行し,パパニコロウのクラス分類で判定した426病変(従来法群)と2011年6月から2012年8月までにLBCを施行し,当院で甲状腺癌取り扱い規約第6版に準じて判定した297病変(LBC群)との比較を試みた。検体不適正についてLBC群では27病変(9.1%)であり,従来法の68病変(16%)と差を認め,同規約の付帯事項である10%以下を達成した。手術施行し,病理組織と対比できた従来法群125例においてclass Ⅲを除くと感度69.6%,特異度95.2%,正診率80.5%であったが,LBC群53例では鑑別困難例を除くと感度,特異度,正診率とも100%を示した。穿刺吸引細胞におけるLBCは従来法と遜色ないと考えられる。
著者
後藤 昭 村井 敏邦 三島 聡 石塚 伸一 村井 敏邦 葛野 尋之 水谷 規男 福井 厚 土井 政和 前田 朗 佐々木 光明
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

(1)全国の刑事施設および更生保護関連機関等に関する実態調査およびデータベース作成:統一的な調査を実施するため、「施設調査票」を作成し、全国的に施設参観を実施した。その他、元矯正施設職員、施設関係での訴訟を提起している当事者、弁護士等から、日本または海外の矯正施設の現状や新たな立法動向等についての聴き取りを行った。これらの調査から、刑事施設が現在抱えている最大の問題は過剰収容であり、それによって、施設運営も保安的観点が重視され、処遇面がおろそかにされるおそれがある等の状況が把握された。日本の刑罰システムに関する総合的なデータベース作成については、国内外のインターネット上で提供されている情報を利用しやすい形態にまとめた。その他、海外については、NGOの発行した年次活動報告書、欧州人権裁判所の重要判例関する資料を収集した。日本については、近代監獄改革関連事項に関する年表を2001年度分まで完成させた。(2)現行制度および運用に関する評価・分析、ならびに「対案の」提示:かつて本研究会が、拘禁二法案への対案として作成した『刑事拘禁法要綱案』(1996年)につき、改訂作業を行った(「改訂・刑事拘禁法要綱案」)。改訂に際しては、近年、日本においてもNGO活動が盛んとなりつつあることや、行政機関の情報公開に対する意識が高まっていること等、新しい社会の動向にも注目した。主な改訂のポイントは、施設内処遇に市民が協力するという形態を積極的に採用したこと、施設処遇に対する第三者機関としての市民の監視を充実させたことにある。刑事施設の抱える問題点に対する一つの回答でもあり、施設だけで処遇を担うのではなく、一般社会と連携しながら、また一般社会に対しアカウンタビリティを果たしながら施設を運営していくべきであるとの方向性を示したものである。改訂作業に加え、改訂要綱案に基づく施設運営の実現可能性についても検討を行った。そのために、数名の被収容者を想定し、入所時から出所時までのシミュレーションを作成した。(3)研究成果の公表およびシンポジウムの開催:以上の研究成果を広く公表するために、研究会のホームページを立ち挙げた。2002年3月9日には、法政大学において、「21世紀の刑事施設-グローバル・スタンダードと市民参加」と題するシンポジウムを開催した。