著者
後藤 光與 是枝 忠子 黒沢 みつる 立沢 慶美 高橋 淳子
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.379-386, 1980

尿たんぱく定量法として界面活性剤(トリトンX-100)を添加したトリクロール酢酸-ポンソーS改良法について検討し, Pesceらの法, 佐々木らの改良法, ビウレット法およびその他の方法と比較した。この方法は温度やA/G比による影響がほとんどなく, ビウレット法との相関係数は0.998と良好な直線相関を示し, 高感度で満足すべき再現性を示した。操作はKingsbury-Clark法のように一段階ではなく簡便さはやや劣るが, 主な利点は, 高感度でしかもアルブミンとγ-グロブリンとでほぼ同じ感度を示し, 特異性が高い点が挙げられる。
著者
酒井 洋 鈴木 文直 小林 国彦 後藤 功
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.15, no.7, pp.671-676, 1993
被引用文献数
2

症例は, 結核性瘢痕性左主気管支狭窄と思われる62歳の女性。労作時呼吸困難で発症し, 左無気肺が進行したため, バルーン拡張術にて狭窄部を拡張し, 直径10mm, 全長30mm, 2連のGianturco-Rosch型self-expandable metallic stentを留置した。無気肺は直ちに改善し, 6カ月後の現在経過は良好であり, 本法の有用性を示した。本法の良性気管・気管支狭窄に対する適応としては, 0.035インチのガイドワイヤーと先端径3mmの拡張用バルーンカテーテルが狭窄部を通過でき, 局所に活動性の感染が無い例であると思われた。また, metallic stent挿入時には, 挿入用シースが咽喉頭部で屈曲することがあり, 最初から挿管チューブを併用すべきであると思われた。
著者
(故) 江口 彌 谷垣 昌敬 武藤 邦夫 土屋 博嗣 後藤 英司 佐藤 俊樹
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.6, pp.1102-1108, 1989-11-10 (Released:2009-10-21)
参考文献数
7
被引用文献数
6 7

気相が共存しない状態で, 均一水溶液中の亜硝酸の消失速度を, 288~313Kで測定して, 速度解析を行った.水溶液中での亜硝酸の自己分解は, 既往の気液系で行われた研究で導かれている素過程にしたがって起こるが, 気相が存在しない場合には, 溶解度の小さい生成物である一酸化窒素の放出が抑制され, 気液系では無視できる逆反応の影響が大きくなる.また, 亜硝酸は自己分解で消失するだけではなく, 溶存酸素による液相酸化によっても消失する.この反応系においては, 亜硝酸の自己分解における迅速な第1素過程で生成する一酸化窒素の溶存酸素による液相酸化が律速過程である.以上の考察に基づいて, 溶存酸素が存在する水溶液中における亜硝酸の総括消失速度を, 一酸化窒素の液相酸化速度を考慮して導いた.また, 総括反応速度定数および総括反応平衡定数の温度依存性を明らかにした.
著者
後藤 忠男 衣浦 晴生 長岐 昭彦 樋口 俊男
出版者
東北森林科学会
雑誌
東北森林科学会誌 (ISSN:13421336)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.23-28, 2006

昆虫病原性糸状菌<i>Beauveria bassiana</i>を培養したシート型不織布製剤によるマツノマダラカミキリの防除効果を明らかにするため,野外試験を行った。成虫羽化脱出前年の10月末に被害材に製剤を施用した結果,幼虫の材入孔数に対する成虫脱出孔数の比率は2施用区において0.28, 0.33となり,対照区の0.54に比べ有意に低く,それぞれ期待羽化数の38.9%, 47.7%のマツノマダラカミキリが減少したと推定された。羽化脱出成虫を防除対象として,脱出開始2週間前に被害材に製剤を施用し,成虫脱出用の開口部を残してポリエチレンシートで被害材を覆った結果,捕獲後2週間以内に95%以上の個体が感染死亡し,成虫に対し防除効果が極めて高いことが示された。また,感染成虫の後食量は健全虫に比べ約40%にまで有意に減少した。本シート型不織布製剤では成虫を即効的に死亡させられなかったものの,マツノザイセンチュウの大量離脱や雌成虫の産卵開始までにはほとんどの個体が感染死したことから,昆虫病原性糸状菌による成虫防除はマツ材線虫病の拡大防止の手段として利用できると考えられた。
著者
後藤 俊夫
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.40, no.11, pp.1062-1067, 1982-11-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
1

1. Brief history of total syntheses of natural products. 2. Total syntheses are likened to mountain climbings. 3. Purpose of the total syntheses of natural products. 4. Total syntheses of natural products having polyfunctional groups. 5. Epilogue.
著者
木村 純二 平 潔 後藤 伸治 泉水 裕二
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.7, pp.1122-1123, 1988-07-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
12

Conformational analyses of 2′, 3′-O-methylene- [1], 2′, 3′-O-isopropylidene- [2], 2′, 3′-O-isobutylmethylene- [3], 2′, 3′-O-diheptylmethylene- [4], and 2′, 3′-O-diphenylmethyleneuridine [5] are examined by interpretation of proton magnetic resonance coupling constants and quantitative application of the nuclear overhauser effect (NOE). Dihedral anglesφ 1′, 2′ and φ 3′, 4′ in DMSO-d6 at 22±1°C are slightly broadened in the order [1]>[2]>[3]≅[4]≅[5] because of the effect of steric barrier of alkylidene group. Under the same conditions, these compounds are found to exist primary in the syn-like conformation from NOE measurement. It is clarified that the population of the anti-conformation such as 2, 2′- and 2, 3′-anhydro nucleosides increases ([4]>[5]≅[3]>[2]>[1]) with the increase of bulkiness of the substituent of 2′, 3′-O-alkylidene group.
著者
後藤 智香子 近藤 早映 林 和眞 小泉 秀樹 三木 裕子 辻 麻里子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.113-121, 2021
被引用文献数
2

<p>近年、保育施設の開設を巡って地域社会から反対の声があがっている状況を踏まえ、本稿では特に住宅市街地内の公園を活用して施設を整備した際に地域社会から反対の声があがった事例に着目する。そして、行政の保育施設整備担当者と住民へのインタビュー調査をもとに整備の実態を明らかにした上で、整備の手続きや要件について考察する。具体的には、各事例について、保育施設整備に関する自治体の計画、公園の状況(空間面・利用面)、施設計画、行政が当該公園を選択した理由と経緯、地域住民への計画公表から収束までの経緯、争点と対応、開設後の状況に着目して、整備の実態を明らかにした。最後に、地域住民参加型の計画プロセスの必要性、公園の利用実態や場所の価値の把握の必要性、残された公園の管理運営や代替公園の整備もあわせて計画する必要性という観点から整備の手続きと要件を考察した。</p>
著者
後藤 智香子 近藤 早映 林 和眞 小泉 秀樹 三木 裕子 辻 麻里子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.1168-1175, 2019
被引用文献数
1

<p>近年、保育施設の開設を巡って地域社会から反対の声があがっている状況を踏まえ、本稿では特に住宅市街地内の民有地を活用して民間事業者が施設を整備した際に地域社会から反対の声があがった事例に着目し、複数主体(行政担当者、事業者、地域住民)へのインタビュー調査をもとに整備の実態を明らかにした上で、整備の方法について考察することを目的とした。具体的には、3事例について、保育施設整備に関する自治体の計画、事業者、当初計画地の立地状況(地域の空間状況、社会状況)と施設計画、事業者が当該敷地を選定した理由と経緯、地域住民への計画公表から収束までの経緯、争点と対応、開設後の状況に着目して、整備の実態を明らかにした。最後に、都市計画などと連携した立地計画の必要性、地域単位での敷地の検討の必要性、近隣住民の声と地域の公共性とのバランスという観点から整備の方法について考察した。</p>
著者
牧野 俊一 後藤 秀章 岡部 貴美子 井上 大成 大河内 勇
出版者
Forestry and Forest Products Research Institute
雑誌
森林総合研究所研究報告 (ISSN:09164405)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.121-128, 2021 (Released:2021-11-09)
参考文献数
17

茨城県北部の、林齢が異なる天然広葉樹二次林10か所(林齢1~178年)と、スギ人工林8か所(3~76年)においてマレーズトラップを用いた有剣ハチ類の採集を4~11月に行った。広葉樹二次林系列では1年間で合計12科167種3605個体、スギ林系列では11科136種2645個体が得られた。種数が最も多かったのはギングチバチ科で、クモバチ科がそれに次いだが、個体数ではクモバチ科がどの林分でも最も多かった。有剣ハチ類全体の種数と個体数は、広葉樹二次林系列、スギ人工林系列ともに林齢3~4年の林分で最多で、いずれにおいても林齢とともに減少した。有剣ハチ類の多くは若齢林分を好んで出現したが、より林齢の高い林分に偏って出現する種も見られた。
著者
武長 徹也 竹内 聡志 後藤 英之 吉田 雅人 西森 康浩 大塚 隆信 杉本 勝正 大藪 直子 土屋 篤志 多和田 兼章
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.1121-1123, 2009

<B>Background:</B> The purpose of the present study was to evaluate the clinical results of conservative treatment for rotator cuff tears.<BR><B>Methods:</B> 33 shoulders of 28 patients were evaluated and diagnosed as having rotator cuff tear with magnetic resonance image or ultrasonography in our institution. There were 13 male cases (17 shoulders), and 15 female cases (16 shoulders). The average age of the 33 shoulders at the time of the diagnosis was 70.9 years old (range 56 to 82 years) and their mean follow-up period was 37.5 months (range 12 to 106 months). With respect to tear size, 4 shoulders were categorized as massive tears, 5 were large tears, 14 were medium tears, 9 were small tears. There was 1 partial tear at the bursal side. The clinical results were evaluated by Japanese Orthopaedic Association shoulder scoring system (JOA score) and pre and post therapeutic active range of motion was also investigated.<BR><B>Results:</B> The average JOA score improved from 69.2 points at first exam to 84.0 points at the final follow-up. However, younger patients (less than 60 years old) showed deterioration. Improvement of active range of motion has been confirmed from 139 to 156 degrees in elevation, from 135 to 150 degrees in abduction, from 57 to 63 degrees in external rotation and from L2 to L1 level in internal rotation at the final follow up.<BR><B>Conclusion:</B> In most of the cases, clinical results of conservative treatment for rotator cuff tears were satisfactory except for younger and active patients.
著者
清水 徳朗 北島 宣 野中 圭介 吉岡 照高 太田 智 後藤 新悟 豊田 敦 藤山 秋佐夫 望月 孝子 長崎 秀樹 神沼 英里 中村 保一
出版者
Public Library of Science
雑誌
PLOS ONE (ISSN:19326203)
巻号頁・発行日
vol.11, no.11, 2016-11-30

ミカンの親はどの品種? : 遺伝解析により60種以上のカンキツ類の親子関係が明らかに. 京都大学プレスリリース. 2017-01-13.
著者
田中 愼 福田 勝洋 後藤 信男 松沢 昭雄
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.251-255, 1993

1年齢以上のハタネズミの副腎皮質を組織学的に観察し, この種の特徴と性差を検索した。ハタネズミでは皮質全体が雌に比べて雄でより薄く, マウス・ラットと同様であるのに対して, シリアンハムスター・マストミスとは逆であった。雄では束状層が厚く, 網状層が極めて薄く, マウス・ラット・シリアンハムスター・スナネズミと類似しているがマストミスとは逆であった。雌では束状層と網状層が各々外層と内層に区分できた。雌では網状層が厚く残り, 雄と際立った差を示し, マウス・シリアンハムスター・スナネズミ・マストミスと異なっていた。光顕レベルでこの種に特異な付加層はみられなかったが, 雌の網状層内層はこれにあたる可能性が示唆された。ハタネズミの副腎皮質はその食性の特異さからも更に検索を進めるのに値する対象と考えられた。