著者
後藤 敏 大附 辰夫
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:03736091)
巻号頁・発行日
vol.J57-A, no.11, pp.810-817, 1974-11-25

グラフの特定の2節点間のパスの長さ,あるいはカットセットの値の最大・最小を求めることは,それ自体でも意味ある問題であるが,各種の問題の部分問題として現れるので極めて重要である.従来,解法としてラベリング法に基づくグラフ的手法と線形計画法で代表される代数的手法がよく用いられているが,二つの手法が全く独立な立場から論ぜられており,両者のギャップを縮めるための研究はあまりなされていない.本文ではこれらの問題をグラフの基本カットセット行列あるいは基本閉路行列によって表されるキルヒホッフの法則を用いて線形計画法で定式化し,シンプレックス法による解法と1対1に対応した新しいグラフ的手法を導き,これらの問題が統一的に扱えることを示した.更に,シンプレックス法における基底・枢軸変換・双対性・退化などの概念がすべてグラフ理論と対応づけられることが明らかになった.又,本文で提案した方法はパス,カットセットの最大・最小問題の一般解を求めることができるため,実用的価値が高いと思われる.
著者
丸井 輝美 力武 諒子 柴田 昌和 江連 博光 伊藤 純治 鈴木 雅隆 後藤 昇
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.259-263, 2005-06-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
11

2003年度昭和大学医学部解剖学実習で, 58歳男性 (癌性悪液質・下咽頭癌により死亡) のご遺体で大動脈弓から左椎骨動脈が直接分岐する例に遭遇したので報告する.本例はAdachi-Williams-中川分類のC型に相当し, Adachiの報告では日本人の出現頻度は約5%で, 当大学の本年度解剖実習では30体中1例 (出現頻度: 3%) であった.本例は, 大動脈弓の第一枝として腕頭動脈が起始, 第二枝として左総頚動脈が分岐し, 第三枝として左椎骨動脈が大動脈弓から分岐していた.また, 左椎骨動脈は第4頚椎の横突孔に入り上行していた.一般的に左鎖骨下動脈は大動脈弓からの第三枝として起始しているが, 本例では第四枝として起始していた.
著者
増田 修士 萩谷 展之 松尾 太一 後藤 康宏 阪田 史郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.578, pp.61-66, 2007-03-01
被引用文献数
5

アドホックネットワークにおけるルーティングにおいては,通信経路の確立後に経路上の中継ノードにかかる負荷のことは考えられていない.本稿では経路を構成している中継ノードを動的に切り替えることで,初めに経路に選ばれたノードに負荷が集中してしまうことを避け,その中継ノードの周りに存在するノードに負荷を分散させる方式を提案する.提案方式は,AODVで用いられている定期的にブロードキャストされる制御メッセージを利用し,切り替えのために必要な情報をそのメッセージに付加することで動的な切り替えを可能とする.また,シミュレーション評価によって提案方式の有効性を示す.
著者
堀口 健一 松田 朗海 高橋 敏能 萱場 猛夫 角田 憲一 安藤 豊 後藤 正和
出版者
山形大学
雑誌
山形大學紀要. 農學 (ISSN:05134676)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.111-117, 2008-02-15

Summary : The objectives of this study were to investigate the fermentation quality characteristics of Chineria-Mama whole crop rice silage and to examine the effect of addition of fermented juice of silage extract (FJSE) and fermented juice of epiphytic lactic acid bacteria (FJLB) on the fermentation quality. Rice plant (Oryza sativa L. line, Chineria-Mama) was cultivated by using conventional methods and was harvested on September 8 (Sept-cutting) and October 6 (Oct-cutting), 2006. The rice plants were cut with a cutter blower into 1-3 cm pieces and were crammed into plastic pouches without (control) or with 1 % of FJSE (FJSE treatment) or FJLB (FJLB treatment) in the fresh matter. All silages were maintained indoors and opened after 1 month. FJSE and FJLB were prepared according to the following method. 100 g of the cut fresh Chineria-Mama silage and Chineria-Mama rice plant were macerated with 500 mL of water and 10 g granulated sugar was added. The mixture was incubated anaerobically at room temperature for 2 days, and then filtered through quadruple layers of cheesecloth. The filtrate was collected in a plastic bucket and blended with 10 g granulated sugar. There was no remarkable difference in crude protein, ether extracts and neutral detergent fiber content between the Sept-cutting rice plant and the Oct-cutting rice plant. The non fibrous carbohydrates content of Chineria-Mama rice plant was 33.1% Sept-cutting and 33.6% Oct-cutting in the dry matter. The pH values for silage of control, FJSE treatment and FJLB treatment were the range of 3.6-3.8. Moisture contents for all silages of Sept-cutting were higher than those of Oct-cutting (P<0.01). The lactic acid contents in the fresh matter of all silages were more than 1 %, and that of FJSE treatment silage was lowest (P<0.05) at Sept-cutting and Oct-cutting. Propionic acid was observed only in FLSE treatment silage (P<0.01). Butyric acid contents were low in the silage of control, FJSE treatment and FJLB treatment. There was no large difference in volatile basic nitrogen content among three treatment silages. The present results suggest that the fermentation quality of Chineria-Mama whole crop rice silage is good, and the addition of FJSE and FJLB prepared in this experiment can not improve on the lactic fermentation of silage. Key Words : Chineria-Mama, fermented juice of epiphytic lactic acid bacteria, fermented juice of silage extract, fermentation quality, whole crop rice silage キーワード:イネ「チネリア・ママ」,サイレージ抽出培養液,原材料由来乳酸菌培養液,発酵品質,イネホールクロップサイレージ
著者
露無 慎二 舟久保 太一 堀 要 瀧川 雄一 後藤 正夫
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.294-302, 1985-07-25

Erwinia属軟腐病菌 (E. carotovora subsp. carotovora および E. chrysanthemi) を大根およびジャガイモに接種し, その腐敗組織内のペクチン質分解酵素活性を調べると, ペクチンリアーゼ活性がペクチン酸リアーゼ活性と同程度になるまで近づく場合があった。E. chrysanthemi (EC183) を大根熱水抽出液培地に培養すると, 両酵素の比活性が経時的に上昇した。さらに12種の植物抽出液について調べた結果, 全ての植物抽出液で同様な結果を得た。これらの結果から, 多くの植物抽出液中にはペクチン質 (ペクチン酸リアーゼの誘導物質を供給する) の他, ペクチンリアーゼの誘導物質であるDNA損傷物質が存在することが示唆された。そこで, これら12種の植物抽出液についてDNA損傷物質の存在をrecアッセイで調べた結果, 10種の植物抽出液にその存在を確認した。以上の結果から, Erwinia属軟腐病菌のペクチンリアーゼは植物体組織に存在するDNA損傷物質によって誘導される可能性が考えられ, 宿主植物の感染部位におけるその制御と病徴発現に果たす役割について考察した。
著者
後藤 嘉宏
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.534-539, 2003-11-01

ディジタル化時代の新聞では,記事のデータベース利用が増え,また速報記事が増すことで,記事が価値から離れ,事実の報道が尊ばれる。データベース利用される記事は,新聞紙面上の記事と異なり,何面に記事があるか,見出しの大きさがどの位あるかといった価値づけから解放される。その意味で検索者が主体的に個々の記事に臨める。しかしこれらの記事は,記事の置かれた背景や文脈を失う。各種データベースが充実しているディジタル化時代においても,新聞切り抜き業務が存在している理由も,このような記事の置かれた文脈・背景を重視し,さらにそれらを切り抜きのイメージ情報によって思い出す点に関係しよう。
著者
斉藤 幸子 飯尾 心 小早川 達 後藤 なおみ
出版者
Japan Association on Odor Environment
雑誌
におい・かおり環境学会誌 = Journal of Japan Association on Odor Environment (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.17-21, 2004-01-25
被引用文献数
14 8

嗅覚順応の時間依存性については、感覚的強度は指数関数的に減少すると報告されてきた。しかし、最近、持続した臭気に対する感覚的強度の評定が認知的な影響を受けることが報告された。そこで、我々は一定濃度のトリエチルアミンを10分間提示し、その時の感覚的強度の時間依存性について検討した。その結果、感覚的強度の時間依存性は5つの型に分類され、最も多いのは一度減じてまた強く感じる変動型で、指数関数型は全観測データ数の約30%だった。
著者
後藤 惠之輔 北嶋 清
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学工学部研究報告 (ISSN:02860902)
巻号頁・発行日
vol.30, no.54, pp.57-62, 2000-01

In this paper the authors carried out a barrier-free survey and tried to make a toilet map in the builing of Faculty of Engineering, Nagasaki University. Because of being a public facility, Nagasaki University is used by a lot of peoples including the disabled. Owing to the barrier-free survey with a wheelchair it was cleared that there are many barriers such as stairs, gloomy passages, and a narrow lift in the building. In a toilet map presented here not only the location but the kind of toilets are shown together with the location of stairs, slopes and the lift. Lastly the authors made a few proposals in order to improve facilities in the Faculty for barrier-free ones.