著者
日高 三郎 Saburo HIDAKA 福岡医療短期大宇歯科衛生宇科・草木社 Department of Dental Hygiene Fukuoka College of Health Sciences SomokuSha Fukuoka
雑誌
日本歯科医史学会会誌 (ISSN:02872919)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.16-21, 2001-02-20
参考文献数
24
被引用文献数
1

古い伝承文献である法華経経典の中から歯科医学関連の単語として,歯,口,舌を含んだ語句を採り出しそれらの表現について検討した.歯,口,舌の語句は特徴的に三十二相・八十種好の中で釈尊の尊貴な姿を賛えるために使用されていた.一方,病的ないし不健康状態については歯の着色・形状・歯並び,口臭,舌の病気に関する表現が見られた.病的状態の原因について,仏法では善因善果,悪因悪果という因果応報で説明している.このことは現代人の考える病因論とは非常に異なっている.しかし,これら法華経中の歯,口,舌に関する表現の中には現代に通じるものがあり,われわれの健康・審美思想は法華経経典から強く影響を受けていると考えられた.
著者
富永 大悟 日高 茂暢 室橋 春光
出版者
北海道大学大学院教育学研究院附属子ども発達臨床研究センター
雑誌
子ども発達臨床研究 (ISSN:18821707)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.35-39, 2017-03-15

発達障害のある青年は、自尊感情の低下が自己喪失感へと結びつき、学校や会社などのコミュニティから居場所を失ってしまう。本研究は、社会参加が難しくひきこもりがちな青年に対し、社会につながるための支援を検討することを目的とした。本研究では、青年とその保護者がもつ問題意識について実 態調査を行った。実態調査の中から、ひきこもりがちな青年とその保護者を対象とした訪問支援とICTを活用したSNS 型居場所支援を平行して実施した。その結果、就労や将来に関する不安や引きこもり状態では達成されにくい対人交流欲求が認められた。またSNS 型居場所支援は、在宅であっても支援につながり得ることへの高い期待をもたらした。本研究により、訪問支援とは異なるコミュニケーションの場として、支援者とのつながりを感じられる補助的な拠点として、SNS による居場所支援の可能性が示唆された。
著者
日高 昇治
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.322-328, 2010-03-15
著者
日高 三郎 東納 恵子 岡本 佳三
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.165-172, 2005-07-30 (Released:2018-03-23)

洗口剤の口腔内リン酸カルシウム沈殿物形成(歯石形成, エナメル質再石灰化)に与える影響の可能性を調べるため, 洗浄, 抗菌, 殺菌, 抗炎症, 抗口臭, 湿潤効果のいずれかを1〜3つもつ9種類の市販洗口剤のin vitroリン酸カルシウム沈殿物形成に対する抑制能をpH低落法を用いて測定した.その結果は, ハイザック^[○!R]>コンクールF^[○!R]&gtモンダミン^[○!R]>GUM^[○!R]>レノビーゴ^[○!R]>リステリン^[○!R]>1/15希釈イソジン^[○!R]>1/50希釈ネオステリングリーン^[○!R]>絹水^[○!R]の順であった.さらに, これらの抑制能は抗歯石剤エチドロン酸の濃度範囲10〜60μMで比較すると, より強いかほぼ同じ能力のものであった.ハイザックはその成分中に促進剤を含んでいながら, その効果からは最強の抑制剤であった.これらのことから市販の洗口剤が副作用として抗歯石・抗エナメル質再石灰化作用を有する可能性が強く示唆された.このため, 洗口剤の適用にあたっては抗石灰化効果を考慮に入れておく必要があると思われる.
著者
日高 照晃 石田 武 張 佑林 専徳 博文 笹原 政勝 谷岡 良弘
出版者
山口大学工学部
雑誌
山口大学工学部研究報告 (ISSN:03727661)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.p93-100, 1988-10

A strain wave gearing (commonly known as harmonic drive gearing) has been widely used as the reduction gear drive in industrial robots. Assembling an industrial robot system with an input motor, a strain wave gearing and an output arm, the amplitude of vibration in the robot system had been measured previously. Translating the robot system into an equivalent vibration model, the vibration occurred in the robot system was analyzed theoretically to compare the theoretical value with the experimental one and to determine the cause of the vibration with following result : The amplitude of the vibration occurred in the robot system was influenced by the variation of the spring stiffness and by the composite error in meshing, due to the machining and assembly errors of elements.
著者
佐々木 史郎 吉本 忍 日高 真吾 齋藤 玲子 右代 啓視 宮地 鼓 ベレズニツキー セルゲイ マイコヴァ ナジェージュダ ソコロフ アンドレイ ペルヴァーク ヴィクトリア シャグラノヴァ オリガ プタシェンスキー アンドレイ
出版者
独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では日本とロシアの博物館に収蔵されているシベリア、極東ロシアの先住諸民族と日本の先住民族アイヌの織機と布製品を調査し、北方寒冷地域における織布技術の分布と布の機能を明らかにしようとした。その成果として、以下の2つの結論を得ることができた。第1には、北方寒冷地域における独自の織布技術と布の分布が、当初の予想に比べてはるかに北に広がり、種類も豊富だったことである。第2には、アイヌの事例が他の北方諸民族と比べると特異で、近代化の波に洗われたのにもかかわらず、独自の織布技術と布を現代まで継承してきた点である。それはそれらが民族アイデンティティと結びついていたからではないかと考えられる。
著者
長谷川 隆則 森松 文毅 川本 恵子 日高 智
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.343-350, 2015-08-25 (Released:2015-09-30)
参考文献数
28
被引用文献数
1

自給飼料活用の更なる推進のため,北海道ではイアコーンサイレージ(ECS)の利用検討が行なわれている.本研究では,ECS給与が肥育豚の産肉性に及ぼす影響を検討した.肥育豚(平均65.4kg)を6頭ずつ3区分し,市販配合飼料を給与した対照区,配合飼料80%+ECS 20%の混合飼料を給与したECS区,配合飼料60%+ECS 20%+デンプン粕主体エコフィードサイレージ(EFS)20%の混合飼料を給与したECEFS区を設け,平均117.9kgまで肥育した.飼料(乾物)要求率は,対照区とECS区では同等で,ECEFS区では全期間平均で有意に高かった(P < 0.05).各試験区の肉質は,背部皮下脂肪中のスカトール含量が,対照区と比較してECS区,ECEFS区で有意に低かった(P < 0.05).以上から,20%量のECSを配合飼料と置換しても生産性に影響なく,産肉の不快臭を減少させる可能性が示唆された.
著者
大山 敬三 神門 典子 佐藤 真一 加藤 弘之 日高 宗一郎
出版者
国立情報学研究所
雑誌
学術情報センター紀要 (ISSN:09135022)
巻号頁・発行日
no.12, pp.111-120, 2000-03
被引用文献数
1

学術情報センターで開発中のオンラインジャーナル編集・出版システムは,学協会や大学が刊行する学術雑誌の執筆・編集・出版のすべての工程を電子化・オンライン化し,学術研究成果の流通を効率化するものである.学協会が運用して編集に利用するインハウスシステムは多様な編集部体制や文書形式に対応できる設計となっている.学術情報センターが運用してオンライン出版に用いるシステムは強力な検索能力を持ち,多数の購読者支援機能を提供する.本稿では,このシステムについて,著者,編集担当者,購読者などの視点からの機能や利用方法を説明し,学協会における活用方法を紹介している.
著者
都丸 敬一 日高 醇
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.65-69, 1957

1954年にわが国で製造されていた紙巻6種,刻3種及びそれらの屑,葉巻1種及びパイプ2種の21の製造工場の製品について,TMVの含まれている状態を研究した。紙巻は実験した126例中123例(97%),刻は42例中36例(86%),屑はそれぞれ124例(98%)及び41例(98%),葉巻は3例中3例,パイプの日光は3例中3例TMVが検出された。桃山は3例中にいずれも検出されなかつたが,そのうちの焦がしてない黄色の成分からは検出された。N. glutinosaを用いたlocal lesion法による結果では,紙巻と刻,及び各々とその屑の間の濃度の差には,一定の傾向は認められなかつた。ゴールデンバット新生及び光の3例の濃度は同一重量の罹病生葉に含まれる量の5×10-4~10-4であつた。罹病生葉の汁液は10-6まで病原性をもつから,伝染原としてはかなりの濃度であろう。電子顕微鏡による観察では,製品たばこから抽出して精製したTMVの長さの分布は,紙巻を接種したタバコ及びTMVの普通系を接種したタバコからとつたTMVとほぼ同様であつたが,前2者には短い粒子の多い傾向があつた。
著者
井川 房夫 日高 敏和 黒川 泰玄 米澤 潮 小林 祥泰
出版者
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
雑誌
脳卒中の外科 (ISSN:09145508)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.262-266, 2015 (Released:2015-09-29)
参考文献数
15
被引用文献数
5 4

The incidences of subarachnoid hemorrhage (SAH) in Finland and Japan are the highest in the world, with about 20-23 cases per 100,000 persons per year. Since the report of the International Subarachnoid Aneurysm Trial (ISAT) was published, the use of intravascular coil embolization (CE) for cerebral aneurysm has become more frequent worldwide. In this paper, we discuss the current situation of therapy for cerebral aneurysm in Japan according to the data of our institute, the Japan Standard Stroke Registry Study, and the Japan Neurosurgical Society.From 1999 to 2013, 543 cases of ruptured saccular cerebral aneurysms were treated in Shimane Prefectural Central Hospital. According to data, most cases occurred in men in their fifties and in women in their seventies. The mean sizes of ruptured cerebral aneurysm according to site were 7.4 ± 4.1, 7.0 ± 5.4, and 5.5 ± 2.5 mm in the internal carotid artery posterior communicating artery, middle cerebral artery, and anterior communicating artery, respectively. Aneurysms smaller than 5 mm account for 187 (34.4%) of the cases.According to the Japan Standard Stroke Registry Study, the poor outcome rates (modified Rankin scale score, 3-6) according to the ISAT criteria were 18.3% and 24.2% in the surgical clipping (SC) and CE groups, respectively. These rates were superior to the ISAT data (36.4% for SC and 25.4% for EC). According to the survey of the Japan Neurosurgical Society from 2001 to 2011, the prevalence of cerebral aneurysm cases treated with clipping decreased from 88.2% in 2001 to 71.2% in 2011. The number of ruptured cerebral aneurysms treated with clipping also decreased. However, the frequency of clipping for unruptured cerebral aneurysm was increasing.
著者
日高 優
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.43-51, 2015-02-25 (Released:2017-03-03)
参考文献数
24

背景 : 本研究では, 新人看護師が先輩看護師に求める関わりを測定する尺度を作成し, その実際と影響要因を検討することを目的とした.方法 : 先行研究を参考に尺度を作成し, 先輩看護師844名を対象に調査を行った.結果 : 作成された尺度は「新人理解行動」「関わり促進・雰囲気作り」「自身の感情コントロール」「ねぎらい」の4因子で構成されていた. 本調査では関わりを実施している先輩看護師が多かった. プリセプター経験とプリセプター研修受講経験は各因子への影響は異なり, 年齢と看護師経験年数は全ての因子でほぼ関連を認めなかった. 新人看護師が求める関わりは, 先輩看護師の基本属性に関係なく実施可能であると示唆された.
著者
新堀 左智 日高 文子 上地 由朗 Niihori Sachi Ayako Hidaka Yoshiaki Kamiji
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.18-27, 2015-06

本研究は2013年に世田谷区立松ヶ丘幼稚園5歳児年長組を対象として実施した。幼稚園園庭のプランターを用いた「イネ栽培体験」を基軸に,園児や保護者を対象に「ポットイネの観察」を合わせた2つの活動を展開した。イネを通じた食育活動から,子どもが示した反応の記録と保護者に実施したアンケート結果を絡めて,本活動の効果や役割を検討した。子どもは,イネ栽培の導入として位置づけられる概要説明時から栽培期間,調整作業を終えるまで,イネに興味を持って積極的に向き合っていた。このことは,イネ栽培を通じた他者との関わりを含めて「楽しさ」の芽生えが作業を「遊び」にしていることに加え,植物栽培および食べ物つくりにとって格好の場である幼稚園で実施したことが要因になっていると考えられた。また,本活動によって子どもが興味を持ってイネと関わることにより植物を育てる面白さを感じ,自分のおコメを得るという目的意識の中で,責任感や連帯感,思いやりを育むといった多岐にわたる効果が得られた。
著者
日高 水穂
出版者
秋田大学教育文化学部
雑誌
秋田大学教育文化学部研究紀要 人文科学・社会科学 (ISSN:1348527X)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.45-55, 1999-03

In this article, I present a semantic description of the conditionals in the Akita dialect, and provide a comparison between the Akita dialect and the standard Japanese. I discuss -ba in the Akita dialect has wider semantic distribution than its counterpart in the standard Japanese. I also discuss that the regional usage is exported into the standard Japanese whenthe speaker of the dialect speaks the standard Japanese.
著者
日高 俊一郎
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.57-62, 2004
参考文献数
13

家族の虫嫌い,虫好きに関して質問紙調査を行い,分析をした結果以下の知見が得られた。①母親に虫嫌いが多い。②虫嫌いの子どもの母親は虫嫌いである。③虫嫌いの子どもの父親は虫嫌いである。④虫好きの子どもの母親は虫好きである。⑤虫好きの子どもの父親は虫好きである。⑥父親の場合,子どもが虫好きでも虫嫌いである場合や子どもが虫嫌いでも虫好きである場合がある。