著者
日高 水穂
出版者
関西大学国文学会
雑誌
國文學 (ISSN:03898628)
巻号頁・発行日
vol.104, pp.500-485, 2020-03-01

田中登教授古稀記念特集号
著者
本村 敏明 日高 哲志 秋濱 友也 片木 新作 BERFOW Mark a. 森口 卓哉 大村 三男
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.685-692, 1997-03-01
参考文献数
25
被引用文献数
6

カンキツ類縁種には病害虫抵抗性等の有用遺伝子を有するものが多く,育種素材としての活用が期待されている.しかし,カンキツとの類縁関係が遠くなると交雑は困難となる.これを克服する手段として細胞融合が考えられる.ここでは細胞融合法の適用限界を知るために,カンキッとカンツ類縁種の電気融合を行い,融合後の胚様体の発育について調査を行った.<BR>材料には,ミカン亜科カンキッ連のトリファシァ亜連,カンキツ亜連(カンキツを含む),バルサモシトラス亜連およびワンピ連のワンピ亜連とメリリア亜連内の種を用いた.<BR>一般的にカンキッと分類的に近縁な組合わせにおいて雑種個体の作出が容易であった.カンキッ連カンキッ亜連内のカンキッと他の種との電気融合では,多くの組合わせで融合後の胚様体形成,シュートの再分化,発根が容易であった.カンキツとカンキツ連バルサモシトラス亜連の電気融合では,比較的シュートの形成は容易であった.しかしながら,その発根は困難なために,接ぎ木したところ,一部は植物体にまで生長したが,奇形葉を呈するものも多かった.ワンピ連との組合わせの電気融合では,個体再生は極めて困難で,分化しても異常な個体しか得られなかった.カンキッとカンキッ連トリファシア亜連との電気融合では,カンキツとワンピ連よりも類縁関係が近いにもかかわらず個体再生は困難であり,体細胞雑種作出の可能性は低かった.
著者
中島 左代里 天野 めぐみ 伊東 憲子 橘川 英一郎 菅 義浩 立川 智美 西郡 武史 原田 真紀子 堀 明日香 本城 祐子 内藤 徹 日高 理智 横田 誠
出版者
九州歯科学会
雑誌
九州歯科学会総会抄録プログラム 第62回九州歯科学会総会
巻号頁・発行日
pp.25, 2002 (Released:2004-02-20)

我々は, 北九州市内の小学生253人を対象に, 歯周病学的パラメータのPMA index, CPI, Plaque indexと口呼吸が疑われる徴候の口唇閉鎖困難, 鼻閉塞, 前歯部唇側歯肉増殖, テンションリッジ, 前歯部齲蝕, 口唇乾燥, 口臭, 高口蓋を調査し, その関係を検討した. その結果, Plaque indexの値は, 口呼吸の原因になるとされる口唇閉鎖困難が認められる者はそうでない者に比べて有意に高値であり, 口呼吸の結果生じるとされる前歯部唇側歯肉増殖, テンションリッジ, 前歯部齲蝕においても, 徴候がある者はない者に比べて有意に高値であった. また, 鼻閉塞が認められた者は少なく, 鼻性口呼吸を行っている者は少ないと考えられた.
著者
北風 浩平 川口 浩太郎 山田 哲 日高 正巳 和田 智弘 島田 憲二 福田 能啓 道免 和久
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Ca0258, 2012

【はじめに、目的】 膝に問題をかかえる患者の臨床所見の一つとして腸脛靭帯(iliotibial tract:以下ITT)の硬さが報告されている。ITTと外側広筋(vastus lateralis:以下VL)の硬さの関係について生体で検証した報告はなく、下腿内旋可動域(以下:下腿内旋)との関係を検証した報告もない。本研究では、健常男子大学生のITT・VLの組織硬度と下腿内旋を測定し、ITTの硬さならびに下腿内旋に影響を及ぼす因子について検討することを目的とした。【方法】 対象は、本研究の目的、測定方法に同意の得られた健常男子大学生12名(年齢21.4±1.0歳)の左右2膝、計24膝とした。また、対象者の膝関節に整形外科疾患、関節不安定性、関節弛緩性がないことを確認した。ITT、VLの硬さは組織硬度計OE-210(伊藤超短波株式会社)を用いて測定した。測定肢位は検査側下肢が上方の安静側臥位(膝関節伸展位)とし、測定部位をITT:大腿長遠位5.0%、VL:大腿長遠位67.1%とした。ITT、VLは触診及び超音波画像診断装置HS-2000(本多電子株式会社)を用いて確認した。測定中の筋収縮による影響を除外するため、表面筋電図計TELEMYO2400Tv2(Noraxon社)を用い、筋活動の有無を確認した。下腿内旋はMuaidi Q.Iら(2007)の方法を参考に下腿内旋測定装置(以下:装置)を作製し、他動運動を行った。大腿骨内・外側上顆、下腿近位1/3の脛骨粗面にマーカーを貼付し、大腿骨内・外側上顆マーカーを結ぶ線と脛骨粗面マーカー(棒状)のなす角度の内旋トルクを加える前後の差を下腿内旋角度と定義した。測定肢位は端坐位(両上肢腕組み、体幹・骨盤中間位、股関節屈曲90°・内外旋0°・内外転0°、膝関節屈曲90°、足関節底・背屈0°)とし、足関節内・外果を結ぶ線の中点を装置の回転軸上に設置し、距骨中間位で距骨関節面の前縁を結んだ線が装置に対して平行になるようにした。測定前にゴニオメーターを用いて測定肢位、口頭指示・触診により筋収縮の有無を確認し、2.548N/mの内旋トルクを代償運動・摩擦抵抗に注意して加えた。下腿回旋運動軸上1.37mの位置にデジタルカメラOptio M30(PENTAX社)を固定し、内旋トルクを加える前後に撮影を行った。膝関節周囲軟部組織の粘弾性の影響を考慮し内旋トルクを加え、装置の数値が一定になった後、 10秒間その位置を保ち撮影を行った。組織硬度は各部位3回測定し、3回の平均値を代表値とし、単位は%10Nとした。下腿内旋は測定画像を画像処理ソフトウェアImageJ1.34(NIH)に取り込み、角度を求めた。10回施行中、中間4回の平均値を代表値とした。統計処理として各々の代表値からITTとVL組織硬度の関係、下腿内旋とITT組織硬度の関係、下腿内旋とVL組織硬度の関係をPearsonの相関係数(r)を求め検証を行った。尚、有意水準は5%(p<0.05)とした。【倫理的配慮、説明と同意】 対象者には文書を用いて研究の趣旨を十分説明し、同意を得た。本研究は兵庫医療大学倫理審査委員会の承認(第10025号)を受け、実施した。【結果】 ITT組織硬度は71.7±3.2%10N、VL組織硬度は61.4±3.3%10N、下腿内旋は1.5±1.6°であった。それぞれの結果からPearsonの相関係数(r)を求めた所、ITTとVL組織硬度はr=0.169(p=0.429)、下腿内旋とITT組織硬度はr=-0.028(p=0.448)、下腿内旋とVL組織硬度はr=-0.079(p=0.357)となり全て有意な相関関係は認められなかった。【考察】 本研究の結果より、健常男子大学生では、ITTの硬さに対するVLの硬さの影響は少なかった。ITTの硬さに影響を与える因子として、先行研究の結果から股関節周囲筋等の影響も考えられており、今後検討する必要がある。また、ITTならびにVLの硬さは、下腿内旋にもあまり影響を及ぼさないことが明らかとなった。下腿内旋に影響を与える因子としては、kwak S.Dら(2000)はITT以上に下腿に直接付着している外側ハムストリングスの影響が強いと報告しており、今後さらなる検討が必要である。本研究の限界として、除外基準を設定したものの、関節の硬さには個人差があるため、対象者によっては十分な内旋トルクが加えられなかったことも考えられる。今後、実際にITTやVLのタイトネスを抱えた対象者に対する検討、さらに動作時もしくはVLの筋収縮時に検討が必要である。【理学療法学研究としての意義】 臨床場面で様々な部位に痛みを誘発したり、大腿と下腿のニュートラルなアライメントを阻害する腸脛靭帯付近の硬さの原因を探ることで、迅速かつ効果的な理学療法アプローチの立案につながる。
著者
小汐 千春 石井 実 藤井 恒 倉地 正 高見 泰興 日高 敏隆
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.1-17, 2008
参考文献数
52

東京都内に広く分布するモンシロチョウ Artogeia rapae (=Pieris rapae)およびスジグロシロチョウ A. melete (=P. melete)の2種のシロチョウについて,東京都内全域において,過去にどのような分布の変遷をたどってきたか調べるために,アンケート調査,文献調査およびフィールド調査を行った.その結果,特別区では,1950年代から1960年代にかけてモンシロチョウが多かったが,1970年代以降スジグロシロチョウが増え始め,1980年代には都心に近い場所でも多数のスジグロシロチョウが目撃されるようになったが,1990年代以降,再びスジグロシロチョウの目撃例が減少し,かわってモンシロチョウの目撃例が増加したことが明らかになった.さらにこのようなモンシロチョウとスジグロシロチョウの分布の変遷は,特別区以外の郊外の市町村や島嶼部でも見られることがわかった.
著者
日高 健 鳥居 享司
出版者
富民協会
雑誌
農林業問題研究 (ISSN:03888525)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.309-317, 2005-12-25
参考文献数
11

マグロは日本における最も重要な水産物の一つであるが、近年養殖マグロの輸入量が急増し、日本のマグロ市場に大きな影響を与えている。最大の養殖マグロ生産国であるオーストラリアではミナミマグロSouhern Bluefin una(SB、hunnus maccoyii)が養殖されており、その生産は2000年には年間9、000トン、3億豪ドルを超える規模に達した。その産業的特徴は、養殖関連産業が豪州南部のポートリンカンに集中していること、養殖用の小型魚採捕や養殖管理が政府によって厳しく管理されていること、研究機関が集積し、生産者と深く関わっていること、および出荷先は日本であり、日系輸入業者との関わりが強いことである。M.ポーターの競争優位論に基づいて国際競争力を評価すると、関連産業と養殖用小型魚漁獲割当のポートリンカンヘの集中によって、豪州国内での新規参入は予想されず、また売り手も同地の関連産業に限定されるため、国内では優位性を持っている。しかし、スペインを初め、地中海における養殖生産国および生産量が急増している。地中海諸国で養殖されるクロマグロは日本市場ではミナミマグロより高く評価され、ミナミマグロはクロマグロの代替品として位置づけられる。さらに豪州から日本への輸出は日系輸入業者に全面的に依存するため、輸出に関してイニシアティブをとりにくい.生産コストなどの内部的な要因については十分検討されていないものの、外部環境要因からすると豪州におけるマグロ養殖業の国際競争力は脆弱であると言うことができる。その対策として、良質な肉質に基づく差別化戦略が必要であろう。
著者
山代 智子 日高 陽 野北 里花 箱嶋 夕子 福永 晋太郎 山路 稔 新名主 輝男
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.72, 2004

大澤らの結合経由相互作用理論に基づき、[3<sub>n</sub>]シクロファン類の光化学反応を用いて高歪み化合物であるヘキサプリズマン誘導体の合成に挑戦している。現在までに[3<sub>3</sub>]シクロファンの光化学反応が行われ、ヘキサプリズマン誘導体を経由したと考えられる、新規かご型化合物の単離に成功している。ヘキサプリズマン誘導体の安定化を目的としたフッ素化[3<sub>3</sub>]シクロファンの光反応では、対応するヘキサプリズマン誘導体の分子イオンピークを得、現在生成物を確認中である。今回は種々の[3<sub>n</sub>]シクロファン類の光化学反応について生成物などについて発表を行う。
著者
林 友直 横山 幸嗣 井上 浩三郎 橋本 正之 河端 征彦 大西 晃 大島 勉 加藤 輝雄 瀬尾 基治 日高 正規
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集: M-3SII型ロケット(1号機から3号機まで)(第1巻) (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
no.29, pp.141-171, 1991-06

M-3SII型ロケットでは, M-3S型と異なり, 新たに装備されたサブブースタSB-735の性能計測等のために, サブブースタにテレメータ送信機を搭載した。また, サブブースタの分離状況を画像伝送するため第2段計器部に画像伝送用テレメータ送信機を搭載し, さらに3号機では新たに開発された第3段モータの性能計測のために, 第3段計器部を設けてテレメータ送信機を搭載する等の大幅なシステム変更がなされている。搭載テレメータ送信機で新規に開発されたのは, 画像伝送用テレメータ送信機で, M-3SII型ロケットの試験機であるST-735ロケットで予備試験を行い, 地上追尾系を含めて総合的に性能の確認を行ったのち, M-3SII型1号機から本格的に搭載された。地上系では, 第2段モータの燃焼ガスが通信回線に大きな障害をもたらす等の問題が生じ, 2号機から高利得の18mパラボラアンテナを使用し, 従来の高利得16素子アンテナに対する冗長系を構成した。また, 第3段目の機体振動計測データ等を伝送していた900MHz帯テレメータは3号機から送信周波数がS帯へ変更されたのに伴い, 地上受信アンテナとしてはこれまで使用していた3mφパラボラアンテナをやめ衛星追跡用10mφパラボラアンテナを使用する事となった。データ処理系では, 計算機によるデータ処理が本格化し, 姿勢制御系, 計測系, テレメータ系のデータ処理のほか, 従来のACOSやRS系へのデータ伝送に加えM管制室へもデータ伝送が出来るようになった。コマンド系では, 1&acd;2号機は従来と同様であるが, 3号機から第1段の制御項目等を増やす必要からトーン周波数を増し, コマンド項目を3項目から6項目にし, さらに操作上の安全性を向上させた。集中電源は, 充電効率や管理の点等から見直しをはかり, 従来M-3S型で用いられていた酸化銀亜鉛蓄電池に替わりニッケルカドミウム蓄電池が使用されるようになった。資料番号: SA0167008000
著者
日高 昇平
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.AI30-H_1-10, 2016-11-01 (Released:2016-11-02)
参考文献数
30

A long-standing dream in research on artificial intelligence (AI) is to build a strong AI, which understands and processes the input, unlike a weak AI which just processes it as programmed. Toward realization of this dream, we need a mathematical formulation on what understanding is. In the present study, starting off by revisiting Shannon’s mathematical theory of communication, I argue that it is a model of information transmission but not that of information understanding, because of its common codebook shared by the sender and receiver. I outline the steps to build a model of information understanding, by seeking possibilities of decoding without the shared codebook. Given the model of information understanding, I discuss its relationship to other known problems in AI research, such as the symbol grounding problem and frame problem.
著者
日高 陽 山代 智子 安武 幹雄 新名主 輝男
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.255, 2004

当研究室では以前より、ヘキサプリズマン誘導体の合成を目指して[3<sub>n</sub>]シクロファン類の光化学反応を行なっている。そのなかの[3<sub>3</sub>]シクロファンについては詳細に検討されており、今回はこの[3<sub>3</sub>]シクロファンのベンゼン環の1,3,5位にメチル基を有するシクロファンについて光化学反応を行った。この光反応においては、本来からの溶媒反応以外に、g-シクロデキストリンに包摂させたシクロファンの光化学反応も行なった。
著者
日高 祥信 松元 光春 臂 博美 大迫 誠一郎 西中川 駿
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.161-167, 1998-02-25
被引用文献数
24

遺跡出土骨の同定のための基礎資料を得るために, 現生の鹿児島県産のタヌキ(雄35例, 雌45例)とアナグマ(雄16例, 雌8例)の頭蓋骨, 下顎骨を肉眼的, 計測学的に検索した。肉眼的観察による雌雄差は, アナグマの側頭骨頬骨突起と後頭鱗のみにみられた。頭蓋骨の実測値は, 24の計測部位中タヌキは5部位, アナグマは12部位で, また, 下顎骨は, 11部位中タヌキは9部位, アナグマは10部位でそれぞれ有意な雌雄差がみられた。両種の比較では, 頭蓋骨の長さに関する計測部位と下顎骨の殆どの計測部位でタヌキが有意に大きかった。雌雄判別式の判別効率は, タヌキでは低いがアナグマでは高く, また, 種の判別式の効率は100%であった。最大骨長推定式は, 頭蓋骨では長さ, 下顎骨では長さと高さの計測値から得られた式の決定係数が高かった。これらの結果は, タヌキとアナグマの遺跡出土骨を同定する基礎データになることが示唆された。
著者
日高 祥信 松元 光春 大迫 誠一郎 豊島 靖 西中川 駿
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.323-326, 1998-03-25
被引用文献数
15

遺跡出土骨同定のための基礎資料を得るために, 現生の鹿児島県産のタヌキとアナグマの上腕骨, 橈骨, 大腿骨および脛骨を用い, 骨幹中央部を計測学的ならびに組織計測学的に検索した.各骨の骨幹中央部の幅や前後径, 髄腔面積には種差がみられた.また, タヌキでは緻密骨の厚さと面積が, アナグマでは骨幹中央部の幅, 前後径および髄腔面積が, 全ての骨で雄が大きい傾向を示した.各骨間の組織構造に相違は認められなかったが, オステオン層板の形状に種差がみられた.即ち, タヌキでは3〜5層の層板からなるほぼ円形のオステオンが, アナグマでは3〜8層の層板からなる大小様々で, 円形もしくは楕円形を呈するオステオンがみられた.組織計測でオステオンの占める割合は, 全ての骨でタヌキが大きかった.タヌキ, アナグマの両種とも, 雄はオステオンの短径が大きく, オステオンの占める割合も大きい値を示した.一方, 雌ではオステオンの短径が小さく, その数は雄よりも多かった.以上の観察結果から, 両種の長骨の組織構造に種差および雌雄差のあることが分かり, 今後古代遺跡から出土する骨を同定する際の十分な基礎データになることが示唆された.
著者
佐々木 良一 石井 真之 日高 悠 矢島 敬士 吉浦 裕 村山 優子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.2120-2128, 2005-08-15
参考文献数
13
被引用文献数
17

インターネット社会の進展につれて,リスクが増大してきており,そのリスクをどの程度どのように低減するかが重要な課題になっている.このため,住民などの意思決定者との間で合意を形成するためのリスクコミュニケーションが重要になりつつある.しかし,一口にリスクといってもセキュリティやプライバシや開発コストなどお互いに対立する概念に基づくリスクを低減する必要があり,関与者の合意を取りつつ最適な対策の組合せを求めるのは容易でない.このような問題を解決するために,(1) シミュレータや,(2) 最適化エンジン,(3) 合意形成用の表示部などを持つ「多重リスクコミュニケータ」が必要であると考えた.そして,その開発構想を固め,個人情報漏洩防止問題に試適用することにより有効性を確認するとともに残された課題が明確になったので報告する.Along with progress of an Internet society, the risk is increasing and it has been an important subject how the risk is reduced and how much. For this reason, the risk communication for forming agreement among decision-making persons, such as residents, is becoming important. However, it is not easy to search for the combination of the optimal measures, reducing the risk based on the concept which is opposed to each other, such as security, privacy, and development cost, and taking agreement. This situation requires development of the "multiplex risk communicator" with the function of which are (1) simulator, (2) optimization engine, and (3) displaying the computed result to decision-making persons. Developments design of "multiplex risk communicator" and its application to private information leakage issue is shown in this paper.
著者
川村 淳一郎 田代 勝範 池畑 雅啓 脇田 昌明 橋口 伸吾 田代 なお子 染 海王 日高 道生
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.BbPI1151, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】脳卒中片麻痺患者におけるトイレ動作・トイレ移乗とBerg Balance Scaleの関連【方法】脳卒中片麻痺患者のリハビリテーションにおいて、トイレ動作・トイレへの移乗の獲得は入院中のActivities of Daily Living(以下ADL)拡大や自宅復帰時の重要な因子とされている。そこで、脳卒中片麻痺患者におけるFunctional Independence Measure(以下FIM)のトイレ動作・トイレ移乗とBerg Balance Scale(以下BBS)を始め、各評価項目との関連性を検討する。【説明と同意】対象者は入院・外来・併設特老入所者の脳卒中片麻痺患者28名(年齢80.5±8.9歳男性11名、女性17名)。評価項目としてFIM(トイレ動作・トイレ移乗)・BBS・下肢Brunnstrom stage(以下BRS)・非麻痺側筋力(膝関節伸展筋)を計測し、歩行可能群は5m歩行速度・連続歩行距離を測定しトイレ動作・移乗動作と各評価項目との関係性を計った。さらにFIMトイレ動作・移乗が自立群と非自立群に対象者を分類し、BBS総合・静的バランス項目・動的バランス項目との関連を見た。相関についてはspearmanの順位相関係数を用いて検討した。統計学的有意水準は危険率1%未満とした。【結果】本研究は実施時に口頭にて、内容・目的を十分に説明し、患者および家族の同意を得て実施した。【考察】FIM(トイレ動作)3.0±2.0点・FIM(トイレ移乗) 3.6±2.0点であった。評価項目ではBBS18.0±17.3点・下肢BRS3.2±1.5・非麻痺側筋力4.1±0.8・5m歩行速度0.18±0.3m/秒・連続歩行距離26.9±38.3mとなった。spearmanの順位相関係数においてFIM(トイレ動作・トイレ移乗)とBBS・BRS・非麻痺側筋力・5m歩行速度・連続歩行距離で有意な正相関があった。(P<0.01) BBS総合点は自立群42.2±8.8点、非自立群11.7±11.9点・BBS静的バランス項目は自立群12±0点、非自立群5.7±3.4点・動的バランス項目は自立群32.2±8.8点、非自立群6.0±8.9点とすべての項目において有意な差を認めた。【考察】 今回の結果よりトイレ動作・トイレ移乗に対してすべての項目で相関が認められたが、単的な評価項目であるBRS・非麻痺側筋力に比べ複合的なバランス能力を必要とするBBS・5m歩行速度・連続歩行距離でより強い相関が見られた。中でもBBSには極めて強い正の相関があることが認められた。脳卒中片麻痺患者におけるBBSの評価に関しては麻痺の程度、健側下肢の筋力・歩行能力・姿勢反射、感覚系が深く関与しており、FIMのトイレ動作・トイレ移乗の項目にも深く関与していることが再確認できた。BBSに関しては過去の論文より、高齢者・脳卒中片麻痺患者のバランステストとしては、有用性は証明されており、テストの再現性も高く信頼性と妥当性が確認されている。このことからも、トイレ関連動作は高度なバランス能力を必要としている。両動作のFIM6・7の自立群ではBBS動的バランス項目(起立・着座・移乗・閉脚立位・リーチ・物を拾う・振り向き・タンデム)が可能であったことから全方向の重心移動と移動した位置で保持する能力が必要と推測される。今回の対象者である脳卒中片麻痺患者のトイレ動作でのFIM減点項目としてズボンの上げ下げが最も減点される項目であり、上下への重心移動と調節が困難であったと考えられる。また、トイレ移乗でのFIM減点項目として立位保持から着座があげられ、こちらも後方へのバランス能力が必要だったと考える。BBS動的バランス項目でトイレ動作自立群、非自立群では有意な差が認められたのは上記のような動的バランス調整能力が必要であるからである。脳卒中片麻痺患者においてバランス能力が低下している場合、生活動作としてのトイレ動作・トイレ移乗動作の完全自立は困難であり、ADLを拡大するためには人的介助あるいは福祉用具によってバランス能力を補助することが必要となってくる。【理学療法学研究としての意義】脳卒中片麻痺患者のバランス能力を評価することによってトイレ動作・移乗への介助量を推量する一つの指標になり、入院中・自宅復帰後のADL・QOL拡大を図るための対応がとれる前段階的アセスメントとなりうる。
著者
日高 一孝
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.39, no.12, pp.1148-1154, 1985-12-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
23

FM放送周波数帯は波長が長いのでアンテナが大型化する.そのため, 特にアンテナの小型化が求められてきた.本文は, 小型アンテナの基本的問題点を述べ, 最近, 小型FMアンテナ用に研究開発された具体例および研究開発の動向等を紹介する.