著者
佐伯 功 木村 豪志 春木 佳奈 佐藤 忠夫
出版者
一般社団法人 表面技術協会
雑誌
表面技術 (ISSN:09151869)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.717, 2011 (Released:2012-09-22)
参考文献数
13

This study examined Ni-P electroplating with saccharin sodium salt. Hardness of the deposited films increased concomitantly with increasing concentration of the saccharin sodium salt in the plating bath. It reached Hvm = 822 at the concentration of 8.3 mol m−3. Crystallites in the films were too small to account for film hardening by the Hall-Petch mechanism.
著者
木村 毅
出版者
松蔭女子学院大学
雑誌
研究紀要 = Shoin review
巻号頁・発行日
no.8, pp.1-25, 1966-12-28

文林第1号にも掲載
著者
木村 毅
出版者
松蔭女子学院大学
雑誌
研究紀要 = Shoin review
巻号頁・発行日
vol.8, pp.1-25, 1966-12-28

文林第1号にも掲載
著者
鈴木 渉 大廣 義幸 塚越 博之 木村 博一
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.230-236, 2015-03-20 (Released:2017-07-28)
参考文献数
19
被引用文献数
6 6

わが国では,大量調理施設において,食品従事者由来ノロウイルス(NoV)の食品への二次汚染が原因と推定される大規模食中毒事例が多数発生している.したがって,このような事例を減らすため,調理従事者からNoV を迅速かつ高感度に検出し,対策を講じることは重要であると思われる.現在,NoV 検査法は,主に逆転写リアルタイムPCR(rRT-PCR)法を主体とした遺伝子検査法が使われているが,高感度であるもののコストが高く煩雑なため多検体測定は困難である.遺伝子検査法以外には一般的に簡易で経済的な酵素免疫測定法(ELISA 法)やイムノクロマト法(IC 法)があるものの,感度が十分とはいえない.われわれはこれらの問題を解決すべく,生物発光酵素免疫測定法(BLEIA 法)による全自動NoV 検出システムを新たに開発した.群馬県で発生した感染性胃腸炎事例および健常者ボランティアの糞便計232 検体による評価を,既報のrRT-PCR 法を基準として,BLEIA 法と市販遺伝子検出キットであるloop-mediated isothermal amplification 法(LAMP 法)で実施した.結果,BLEIA 法とrRT-PCR 法の感度,特異度および一致率は,それぞれ93.1%(135/145),100%(87/87)および95.7%(222/232),LAMP 法とrRT-PCR 法ではそれぞれ91.0%(132/145),98.9%(86/87)および94.0%(218/232)となった.BLEIA 法の測定値(COI)とrRTPCR 法より求めたウイルス量とは良好な相関性(r=0.72)があり,またその回帰式とBLEIA 法のカットオフ(COI=1)との交点より検出限界は105 から106 コピー/g 糞便と推測された.類縁ウイルスなどの感染性胃腸炎ウイルスと反応はみられず,交差反応は認められなかった.以上のことから,BLEIA 法は既報のrRT-PCR 法やLAMP 法と同等の感度を有し,ハイスループットなNoV 検査システムであることが示唆された.また,今後の日常的な多数の検便検査,すなわち大量調理従事者などのNoV 検査に応用可能であることも示された.
著者
木村 英明
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.3-8, 2017

Ⅰ.はじめに人類がアフリカで誕生したことを明らかにしたR.ダート博士は、その人類を「殺し屋のサル」と称した。古代メソポタミア、バビロニアの英雄・ギルガメシュも、王宮の守り神「ライオンを絞め殺す巨人」として描かれる。今日に目を転ずれば、無差別殺戮、移民・難民の排斥などの悲劇が世界に拡散している。歴史の生き証人、世界歴史遺産の破壊も報ぜられている。いずれもが、仮に捨て難き本性のなせる業とすれば、人類に未来はなかろう。 一方、近代科学が導入され始めた明治時代以来、日本列島人の起源を巡り、南方説がしばしば語られる。考古学は、混沌とした「虚実皮膜」の世界にまで分け入り、遺跡、遺物を通して人類が歩んできた歴史的事実を究める学問、とされる。はたしてどうか? 北海道の先史時代を話題の中心に据え、北半球の中・高緯度地帯に繰り広げられた人類のダイナミックな移動、ヒトとモノの交わり、豊かな心性世界などを紹介する。結びとして、日本列島人の起源論に関する今日的到達点を概述する。Ⅱ.氷河期の極北に挑むホモ・サピエンス 700万年ほど前に誕生した人類は、やがて生まれ故郷のアフリカを飛び出し、ユーラシアへの旅を開始。180万年ほど前の最古級の原人化石と礫器の出土が、グルジアのドウマニシ遺跡から報じられているが、原人、旧人の足跡は、北欧など高緯度地帯を除くユーラシアの広い範囲に及ぶ。特に、南シベリアのアルタイ、中部シベリアなどに中期旧石器時代のムスティエ文化の洞穴・開地遺跡が多数残されており、旧人、すなわちネアンデルタールによる拡散、人口増加は疑いない。近年の遺伝子研究の進展により、われわれの直接の祖先である新人、いわゆるホモ・サピエンスは、20万年ほど前にアフリカで誕生し、再び世界へ旅したことが説かれている。ミトコンドリアDNA分析から導き出された「イヴ仮説」である。その当初、ネアンデルタールとホモ・サピエンスとの遺伝的交雑はなかった、あるいはネアンデルタールはホモ・サピエンスによって絶滅に追い込まれたという不確かな説が支配的であったが、北回りルートのユーラシアでの考古学的証拠からは、両者の密接な交流、交雑は否定できない。注目すべきは、現在より平均7〜8度も低かった最終氷期最盛期、ホモ・サピエンス、すなわち後期旧石器時代の人類が、マンモス動物群などの豊かな資源に支えられながら各種の道具や技術を高度化させ、多くの遺跡を残している事実である。コスチョンキ、メジリチ、マリタ遺跡など大規模な拠点集落があちこちに位置し、しかもとりわけ厳しい酷寒の極北にまで生活圏を拡大させている。北回りルートでの人類の拡散を物語る確かな証しである。今から3〜1.5万年ほど前、北方ユーラシアに拡散したホモ・サピエンスが、日本列島やアメリカ大陸へも歩を進めている。マンモスの牙を巧みに利用する驚くべき技、細石刃を埋め込んだ植刃尖頭器(組み合わせ道具)など最新の道具を駆使する人々が、北海道に足を踏み入れたことは間違いない。なおこれまでのところ、更新世の人類化石と見られるものが琉球列島に偏在し、日本列島の後期旧石器文化の起源を南方に求める見解が有力とされる(小田静夫2011他)。ただし、それら「石器を使わぬ人」を起源とするには難がある。現状の考古学的証拠からはユーラシアでの人類拡散の北回りの波が日本列島に及んだものと予察する。Ⅲ.黒曜石はるかな旅人類は、道具を製作し、巧みに使いこなす類い稀な生物である。700万年間に及ぶ長き人類進化の歴史も、道具の発達に支えられてきたと言えよう。道具にふさわしい石材を求めて、人びとははるかな旅を続けてきた。北海道のオホーツク海に近い遠軽町・白滝赤石山(標高1147m)は、日本最大級の黒曜石産地で、置戸、十勝三股、赤井川と並ぶ北海道を代表する黒曜石産地である。黒曜石の化学組成分析法により出土石器の産地が同定され、産地から運び出された黒曜石の動き、先史時代人類の営みの一端が具体的に明らかにされている。後期旧石器時代に、シベリアに住む集団が獲物や黒曜石を求めて白滝など北海道に進出し、集団間のやり取りを通して、白滝産黒曜石の原礫、あるいはその半加工品、完成品などが本州(遠くは山形県) やサハリンにまで運び込まれている事実は動かし難い。とりわけ、細石刃を特徴とする集団での長距離移動、遠隔地への搬出が著しい。最新の情報によると、白滝産黒曜石が中国東北部の吉林省にまで運ばれているという。なお量こそ比較にならぬが、白滝産黒曜石の遠距離移動は、続縄文時代まで続く。Ⅳ.縄文時代のおしゃれと死への祈り1.3万年ほど前に始まり、1万年以上の長期にわたって農耕も持たずに存続した縄文文化は、世界にも稀有な文化と言えよう。氷河期を過ぎた日本列島の豊かな自然の恵みに支えられてのことであろうが、一方で、極東での新石器文化成立期に対比可能な縄文時代の草創期、あるいは縄文時代の「オホーツク文化」にも準えることが可能な早期の「石刃鏃文化」を好例として、縄文文化が独自の展開をしたとは言え、情報もモノも入らぬ閉ざされた世界では決してなく、ヒトとモノが行き交う開かれた社会であったことは注目されよう。ところで、人類が人類である理由のひとつに、死者を埋葬する行為を上げることができよう。埋葬は、いつ始まったのか? 何故、わざわざ埋葬するのか? また、埋葬された人々には、当時の服装やおしゃれの姿を残す貴重な事例が知られている。縄文人の精神文化はどのようなものであったのか? ここでは、北海道にのみ知られる巨大で、計画的な竪穴式集団墓、そして他に類を見ない大量の漆製品に彩られた貴重な合葬墓の例を紹介しつつ、今から3000年ほど前の縄文人の他界観、優れた装飾の一端を垣間見る。前者は、恵庭市柏木B遺跡で全容が初めて明らかにされた縄文時代後期後葉の竪穴式集団墓であるが、直径10〜20mほどの大きな円形の竪穴を構築し、その床面、ローム中の淡い黄褐色の床面に深さ1m以上の楕円形の土坑を掘り、順次、遺体を埋葬していった集団墓地である。納められた遺体にはベンガラが厚く撒布され、石棒や石斧、ヒスイ製玉類など被葬者にゆかりの装身具や副葬品が副えられた。中には、複数の遺体が同時に埋葬されたケースも含まれる。また遺体の埋納、掘削土を被覆、埋め戻し完了後に大きな柱状節理の角柱礫を土坑墓の前後に立てる例、あるいは大きな円礫を周辺に廻らす例、あるいは大量の円礫を土坑墓上に集積する例などがあり、墓標の社会的役割が注意される。竪穴式集団墓の構築当初から、所属集団別、階層別などによって人々の葬られる場所が想定されていたことを示唆する。きわめて計画的な共同墓地であったことが理解されよう。石棒、あるいは呪具を有する男性の族長、呪術師(シャーマン)がまとめる社会、緩やかな階層社会が浮かび上がってくる。千歳市キウスでは、竪穴径が40mを超える巨大なものも知られている。一方、縄文時代後期末葉の恵庭市カリンバ遺跡では、櫛、腕輪、首飾り、頭飾り、帯などの漆製品、鮫歯、玉類など大量の装身具・副葬品に彩られた多数の遺体を埋葬した比類のない合葬墓4基(各々7人、4人、2人、5人の合葬)が、単葬墓多数とともに発見されている。大量、多種多様の漆製品はもちろん、色鮮やかな飾りに身を包まれた多くの人物がどのような関係にあったのか、またいかなる理由を持って同時に埋葬されたのか、断片的な人骨片から断定することは難しいが、墓の主人は、赤い漆塗り帯を装着した女性シャーマンの墓、一緒に眠る人物たちについては、推測たくましくすればそのシャーマンに身を任せた女性たちとみなすことができよう。シャーマニズムの精神世界、そして男性によってまとめられる社会がやがて女性によってまとめられる社会へと変動する様子を垣間見ることが許されよう。Ⅴ.北に広がるヒトとモノの交流縄文時代以降について、稲作文化から切り離された「停滞する北海道の文化」というイメージが固定化されてきた。しかし、続縄文時代以降も、狩猟、漁撈を主体とした自律的な経済・文化を繁栄させ、本州からの強い文化的影響、ヒトやモノの流動の余波を受けながらもその独自性を保持し続ける。一方で、北方の人々との交わりを通して独自の文化変容を遂げてきた。ここでの具体的な言及は省くが、続縄文文化や擦文文化、オホーツク文化などを特色づける各種の道具や住居構造、埋葬様式などにその変遷が表示されている。また、自家生産できなかった金属製品、貴重な奢侈品などに時々の距離関係がよく表れている。Ⅵ.日本列島での人類進化史 近代化の黎明期、シーボルト父子による「アイヌ説」、E.モースによる「プレ・アイヌ説」、J.ミルンによる「コロポックル説」など欧米の研究者たちによって発議された「日本列島人」のルーツを探る議論は、坪井正五郎、小金井良精、鳥居龍蔵らに引き継がれ、華々しく繰り広げられたことはよく知られていよう。正確には、遺伝子研究が急速な進展を見せる今日なお、この課題に対する確かな回答は得られていない、というのが実情であろう。(以降はPDFを参照ください)
著者
木村 操
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1208, pp.155-158, 2003-09-15

名古屋鉄道は、愛知県岡崎市で運行する路線バスで、今年2月に運転手の無免許運転を隠蔽しました。続いて6月には、愛知県警察本部や国土交通省中部運輸局に虚偽の報告をしていました。このため、7月までに竹内良吉・前取締役自動車事業本部副本部長ら関係者8人が逮捕・起訴されました。
著者
本明 寛 織田 正美 木村 裕
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.113-124, 1972-08-10 (Released:2010-07-16)
参考文献数
13

The purpose of this study was to investigate the effect of personality traits of car salesman on the sales performancesJust prior to engaging in practical business, 106 car salesmen underwent the Salesman Test which consisted of 10 personality scales (Adaptability, Creative attitude, Motivation, Alignment, Circumspectness, Sense of responsibility, Self-confidence, Version, Magnanimity and Comprehensibility).Results obtained from the analyses of relationships between the total number of cars sold over a fourteen-month peirod and the scores of the Salesman Test were as follows:1. The upper third of all subjects in respect of their sales performances had scored significantly higher than the lower third of them in Creative attitude, Motivation, Circumspectness and Self-confidence.2. Personality traits which had positive and significant correlation to the sales performances were Adaptability, Creative attitude, Motivation and Self-confidence.3. Personality traits which had positive and significant partial correlation to the sales performances were Creative attitude, Motivation, Alignment, Circumspectness and Sense of responsibility.4. Through Multiple Regression Analysis, partial regression coefficients of sales performances to the personality traits were computed. The partial regression coefficients to Creative attitude, Motivation, Alignment, Circumspectness and Sense of responsibility were positive and significant.From the above-mentioned results, it could be concluded that personality traits which had effect on the sales performances and, therefore, were useful to predict their performances were Creative attitude, Motivation and, Circumspectness. Furthermore, since the significant multiple regression coefficient was larger than any one of the correlation coefficients, the multiple prediction could be more valid than the prediction by some of the personality traits described above.
著者
金 安植 有澤 準二 三澤 顕次 木村 主幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.96, no.441, pp.37-44, 1996-12-21
参考文献数
10
被引用文献数
4

本報では変動磁場による金魚の行動と体色に及ぼす誘導電流の影響について検討を行つた。具体的には、これまでに報告している150mT静磁場と62mT、10, 30, 50, 70Hz磁場の曝露影響を踏まえ、ここでは70Hz, 62mT磁場の金魚の遊泳行動に不統一な影響が周波数そのものの影響か、または磁場強度による誘導電流の大きさによるものかを確かめるため、磁場強度を26mTに低下させ、行動観察を行った。その結果、磁場曝露期間中の金魚の遊泳行動に抑制が観察された。その一方で、曝露後の金魚に体色の変化が見られ、この原因が誘導電流にあるのではないかと考えられたため、金魚の形に近い楕円回転体モデルから誘導電流を試算した。また、その誘導電流値と同値の交流電流を金魚に流し、その体色変化を観察した。さらに、150mT静磁場での金魚の行動が亢進された原因についても詳しく検討した。
著者
田中 直義 木村 小百合 木内 幹 鈴木 あゆ野 村松 芳多子 三星 沙織
出版者
日本食品科学工学会
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.167-174, 2012 (Released:2013-10-08)

糸引き納豆は醗酵後の冷蔵中ににおいが変化してゆくことが知られており,品質の変化が早く生鮮飲食品並みの消費期限が設けられている。冷蔵中における主要なにおい物質の変化を以下の方法で検討した。(1)購入直後の市販納豆および1週間冷蔵庫中で保存した市販納豆から臭い物質を連続水蒸気蒸留抽出によりエーテルに抽出し,濃縮した。得られたエーテル濃縮液をガスクロマトグラフ-におい嗅ぎ法で分析したが,試料間の差異が大きかったのでエーテル濃縮液を10の指数関数的に希釈することにより,主要な臭い物質を検索した。その結果,主要なにおい物質として2-メチルプロパン酸エチル,2-メチル酪酸エチル,3-メチル酪酸エチルなどの低分子脂肪酸エステル,2,5-ジメチルピラジン,トリメチルピラジンなどのピラジン類,酢酸,2-メチルプロパン酸,2-or/and3-メチル酪酸などの低分子脂肪酸およびエタノールが検出できた。1週間冷蔵中で保存するとそれらの物質の中で,低分子脂肪酸エステルのにおいは弱く,ピラジン類と低分子脂肪酸は強くなる傾向にあった。(2)醗酵終了直後および冷蔵日数の異なる納豆からにおい物質をSPME法で抽出・濃縮し,ガスクロマトグラフで分析し,主要なにおい物質の変化を測定した。冷蔵日数が長くなるにつれて主要なにおい物質の中で,低分子脂肪酸エステルは減少,ピラジン類と酢酸以外の低分子脂肪酸は増加する傾向にあった。以上の結果から,冷蔵中のにおいの変化は,脂肪酸エステル類が減少し,ピラジン類および酢酸以外の低分子脂肪酸類が増加することによるものと推定した。
著者
阿部 真由子 中島 まゆみ 木村 郁美 中野 はる代
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第58回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.96, 2009 (Released:2010-03-19)

〈はじめに〉年間平均10件の頸部郭清術が行われている。 今回,頸部リンパ節郭清を受けた患者から,退院間近に頸 部から肩,上肢にかけての疼痛と上肢の挙上困難の訴えが 聞かれ,また,家族より退院後の生活についての不安が聞 かれた。このことから,早期からの退院指導が必要である と感じ,頸部リンパ節郭清術後の退院後の患者の精神的・ 身体的・社会的苦痛について調査し明らかにした。 〈研究方法〉頸部リンパ節郭清を受け,現在腫瘍外来に通 院中の20名に対し,半構成質問紙法で調査を行った。 倫理的配慮では研究の主旨説明,プライバシーの保護, データを研究以外に用いないことを書面で説明し,署名で の同意を得た。 〈結果〉予測されていた肩,上肢の疼痛,可動域制限から 手に力が入りにくく,フライパンを握りづらい,運転時な ど後方確認などの振り向き動作が難しかったなどの日常生 活の苦痛が聞かれた。 〈考察〉患者の生活背景や性別により,個別の苦痛などが ある。入院中には気付かなかったことが退院後に明らかに なることがあり,早期から患者のライフスタイルに合わせ た指導,助言が重要である。退院の方向性がみえ医師と相 談した上で試験外泊を行ってもらい,患者・家族が不安を 軽減し退院できる援助が必要である。 〈おわりに〉今回インタビュー調査した事で退院後の患者 の現状を知る事ができた。スタッフ各々が患者の状態を把 握し,個別性を考えた指導が出来ることが重要である。そ のためにはアンケート結果を基にしたパンフレットを検討 していく必要がある。
著者
木村 大治 Kimura Daiji
出版者
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発資料 = JAXA Research and Development Memorandum (ISSN:13491121)
巻号頁・発行日
vol.JAXA-RM-14-012E, pp.45-49, 2015-03-27

This study considers human contact with extraterrestrial intelligence, the so-called "first contact" in science fiction, from the perspective of anthropology and communication theory. Science fiction has performed various thought experiments regarding whether and how mutual understanding is realized in such human-alien interaction circumstances. First contact can be classified into two categories: the scaffold for understanding based on rationality and objective truth, or on embodiment and internal understanding. Finally, we discuss the existence of another layer that we call the "stance of understanding," namely, the belief that "they must be trying to communicate."
著者
木村 勇喜 百田 武司
出版者
日本赤十字看護学会
雑誌
日本赤十字看護学会誌 (ISSN:13461346)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.88-93, 2021-03-31 (Released:2021-03-31)
参考文献数
15

目的:緊急入院した高齢者で,せん妄回復時に消失したせん妄発症要因を明らかにする.方法:緊急入院した65歳以上の患者で,せん妄評価尺度(ナース版)において,せん妄を発症した35人を対象に,診療録から調査を行った.結果:せん妄回復時に消失したせん妄発症要因は,「疼痛」,「発熱」,「血清クロールの異常」,「ベンゾジアゼピン系薬剤の使用」,「侵襲の多い検査・処置」,「経皮的酸素飽和度の異常」,「治療拒否の訴え」,「不安の訴え」,「不眠の訴え」,「時計の不設置」がせん妄発症時に比べ,せん妄回復時で有意に少なかった.結論:緊急入院した高齢者のせん妄回復時に消失したせん妄発症要因が明らかになり,せん妄発症後,せん妄回復に向けた看護援助の方向性の示唆となった.