著者
堀尾 文彦 村井 篤嗣 小林 美里
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

ビタミンCであるアスコルビン酸(AsA)の欠乏時には肝臓のヘムタンパク質であるシトクロムP-450(CYP)が減少し、薬物代謝能が低下する。しかし、このAsAの作用機構は明らかではなかった。本研究の結果、AsA生合成不能のODSラットのAsA欠乏時には肝臓のヘム分解の律速酵素であるヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)の発現上昇が起こることを見出し、それに続いてCYP量の減少することを証明された。そして、AsA摂取下でもHO-1誘導剤投与が肝CYP量の減少させることを見出した。本研究により、AsA欠乏によりヘム分解が亢進して肝CYP量の減少をもたらすというAsAの新規な生理機能を提唱できた。
著者
杉生 憲志 枝木 久典 平松 匡文 菱川 朋人 春間 純 髙橋 悠 村井 智 西 和彦 山岡 陽子 佐藤 悠 胡谷 侑貴 木村 颯 伊達 勲
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.384-392, 2022 (Released:2022-06-25)
参考文献数
7

Digital subtraction angiography (DSA) の三次元画像やslab maximum intensity projection (MIP) 画像に加え, DSAとMRIやCTとのfusion画像により, 血管と脳・神経や骨構造との関係性が明瞭に描出可能となり, 血管機能解剖の理解が容易となった. 本稿では, 各種疾患の具体例を示しながら, われわれが行っている臨床例の実際を紹介したい. これら最新の診断技術と解剖を熟知した血管内治療医が詳細な術前診断を行うことによって病態理解が深まり, 開頭術を含む脳神経外科全体の治療成績が向上することが期待される.
著者
山田 弘之 久保 将彦 村井 須美子 坂倉 康夫
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.80, no.7, pp.1163-1168, 1987-07-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
12

Large doses of metoclopramide as an antiemetics were administered to 9 patients recieving cisplatin (CDDP) (50mg/m2) for head and neck cancers. Metoclopramide, 2mg/kg was administered four times intravenously on the first day of CDDP therapy and once a day on days 2-7. Neither emesis nor nausea occurred in 8 of the 9 patients (89%). Side effbcts were minimal: mild sleepiness(66.7%)and diarrhea(22.2%). It is concluded that the antiemetic effect of intravenous metoclopramide in large amounts can prevent cisplatin-induced emesis.
著者
加藤 俊介 村井 一 野城 智也
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.169-174, 2022-05-01 (Released:2022-05-27)
参考文献数
7

個々の住宅の性能の元,運用で住宅の温熱環境の快適性を確保するために,Building Element(以下,B.E.)の意味構造にそって,B.E. の振る舞いの情報蓄積が有効と考える.そこで本論文では,3 階建て木造戸建住宅1 棟の空間とB.E(建具.・空調機器)の「意味構造」「状態」「振る舞い」に関する情報をセマンティックデータモデルを用いて記述した.そして,その情報をもとに分析を行い,影響の大きい階段室周辺のB.E. を操作することで空気対流を制御し,複数の部屋に部分暖房の熱を融通し,快適性を確保できる可能性を検討した.

1 0 0 0 OA 衣笠城

著者
村井弦斎 著
出版者
春陽堂
巻号頁・発行日
1895
著者
田坂 裕司 白鳥 貴久 芳田 泰基 村井 祐一
出版者
The Visualization Society of Japan
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.36, no.142, pp.7-11, 2016 (Released:2017-07-01)
参考文献数
12

不透明液体の時空間流動情報の取得が可能な超音波流速分布計(UVP)を用いたレオメトリの紹介を行った.速度場には応力,歪み,歪み速度の関係を表すレオロジー物性が反映されるため,シンプルな流れの体系において流れ場計測を行い,それを解析することでレオロジー物性を取得することが可能である.この解説記事では,流れの体系として振動回転を付与された円筒容器内流れを採用し,これを用いて分散気泡液体の実効粘度評価と,チキソトロピー性流体の一種であるモンモリロナイト懸濁液の時間依存して変化するレオロジーの評価を紹介した.それらに加えて,レオロジーモデルを使用しないレオロジー物性の評価法として新しく導入した概念である,flow surfaceについて解説した.
著者
村井 祐一 PARK HYUNJIN 熊谷 一郎
出版者
北海道大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2018-10-09

本課題ではオンラインレオメトリーを開発・実現するために,スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH)との共同開発を行った.またETHとの連携をもつEPFL(スイス連邦工科大学ローザンヌ校),中国・天津大学とも間接的な共同研究を進めた.2020年度は以下の項目について成果を得た.[1]粒子画像流速測定法PIVにより非ニュートン流体の外部流を対象として速度ベクトル場の計測結果から圧力場と粘度場を同時に定量可視化するツールを開発した.カルマン配列渦がシアシニング性をもつ非ニュートン流体では渦核が高粘度,渦周囲が低粘土になり渦運動が下流に長時間持続し運動量散逸が相対的に低下することを発見した.この成果は流体計測の国際誌 Flow Measurement and Instrumentationに発表された.[2] 複数の振動周波数が混在するせん断ひずみ流れを超音波パルスドップラー法UVPによりの時空間速度分布を計測することによりレオロジー特性をマッピングするという新手法を開発した.これによりエマルジョンや気泡懸濁液における複素粘度特性を取得することに成功した.成果は日本機械学会論文集に掲載された.[3]熱移動を伴う食品の表面における冷却プロセスを3次元で計測するColor PIV技術を開発した.この結果,表面の凹凸や祖度に影響を受けた乱流境界層の内層構造を定量計測することに成功した.この成果は日本機械学会流体工学部門講演会にてETHの研究者と共著で発表された.[4]ゲルを媒体とする非ニュートン流体の運動機構について国際共著論文として英文誌 J. Non-Newtonian Fluid Mech.に掲載された.以上についてはコロナ禍における2国間の移動制限のためETHと北海道大学の間で2週に1回のペースでweb会議を実施し,最新の情報交換と研究推進会議を重ねた.
著者
松田 雛乃 村井 源
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.289-296, 2020-05-23 (Released:2020-06-30)
参考文献数
10
被引用文献数
1

本研究では日記の重要性に着目し,書き手の属性による文体特徴の差異の分析を行った.ブログから文章を収集し,文体特徴を示す単語を抽出した.tf-idfを用いて作成した単語ベクトルで因子分析を行い,老年男性・老年女性・若年男性・若年女性の4カテゴリの文体特徴を分析した.その結果,属性による文体の差異が判明した.また,全カテゴリ共通の文体特徴などが見られた.
著者
都筑 学 宮崎 伸一 村井 剛 早川 みどり 飯村 周平
出版者
中央大学保健体育研究所紀要編集委員会
雑誌
中央大学保健体育研究所紀要 (ISSN:09104046)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.7-33, 2019-06-25

This study aimed to examine how university students use SNS (Social Networking System) and which psychological factors effect on their SNS utilization . The participants were 720 undergraduate students in Chuo university. They were asked to complete web questionnaire which consisted of the following questions; (a) possession of account of LINE, Twitter, Instagram and Facebook, (b) utilization time per day for LINE, Twitter, Instagram and Facebook, (c) utilization frequency per week for LINE, Twitter, Instagram and Facebook, (d) the degree of importance for using LINE, Twitter, Instagram and Facebook, (e) Smartphone dependency scale for use with Japanese university students (Matsushima, etc., 2017), (f) Praise seeking and rejection avoidance need scales (Kojima, Ota & Sugawara, 2003), (g) Critical thinking disposition scale (Hirayama & Kusumi, 2004) and (h) Attitude for SNS contribution. The obtained findings showed that all of students used LINE and nearly 80 percent of students simultaneously used LINE, Twitter and Instagram. Utilization frequency and time of four SNS were tended to have positive correlation with each other. SNS utilization frequency and time were positively related with Smartphohe dependency and praise seeking, but negatively related with critical thinking disposition. Three cluster of SNS utilization were extracted by laten profile analysis. Finally, psychological function of using SNS and implication of the obtained results was discussed.
著者
村井 拓人
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会研究発表大会予稿集 2021 秋季 (ISSN:24320382)
巻号頁・発行日
pp.250-269, 2021 (Released:2021-10-16)
参考文献数
14

頻発する自然災害や世界的な新型コロナウイルス感染症の流行による先行き不透明な超VUCA【Volatility(変動)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)】な現代において人材に求められるものは、より一層創造性を発揮させ、自ら行動し、新たな価値創出することができるスキルの向上であると考える。そのような中、P2M体系にアートの概念を取り入れることの必要性が提言され始めた。そこで本研究では、アーティストにデプスインタビュー調査を行い、その結果をテキストマイニングとコーディングによって分析し、アーティストの中に存在する暗黙知を形式化して外部から情報を得られるようにし、P2Mの中核であるプログラムマネジャーの人材開発に応用できないか検討した。
著者
村井 まや子 Murai Mayako
出版者
神奈川大学
雑誌
人文研究 : 神奈川大学人文学会誌
巻号頁・発行日
vol.154, pp.A159-A175, 2004-12-21

一人の女の子がおばあさんの家に向かう途中、森で狼に出会う。子供に寄り道の危険を論す警告話として、あるいは悪い男に食べられるうぶな娘についての性的な寓話として、「赤ずきん」は世界中でもっともよく知られているおとぎ話の一つだろう。そして、もしヒロインが赤いずきんを被っていなかったら、と考えると、この古い物語の最大の魅力はそのタイトルにもなっている赤いずきんにあるといえるかもしれない。しかし、ヒロインは始めから赤いずきんを被っていたわけではなかった。ここではまず、「赤ずきん」と呼ばれるおとぎ話が辿ってきた変遷の中で特に重要と思われる三つのヴァージョンを検討することで、赤いずきんの下に見え隠れする女性の身体をめぐる主題を明らかにする。次に、複数の「赤ずきん」とそれらについての批評をふまえたアンジェラ・カーター(Angela Carter, 1940-92)による再話「狼たちとの交わり」("The Company of Wolves," 1979)が、この伝統的なおとぎ話の解釈の可能性を開いた後に書かれうる、少女と狼、そしておばあさんの間で新たに紡ぎ出される物語として、どのようにこの主題を変奏しているかを考察する。
著者
芦田 俊樹 村井 祐一 パク ヒョンジン 田坂 裕司 永井 繁行
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集
巻号頁・発行日
vol.86, no.888, pp.20-00184-20-00184, 2020

<p>Aerodynamic drag on several types of road cones was measured by wind tunnel experiments purposing improvement of anti-fall-down functions against lateral wind blowing. By opening holes on the side surface of cones, drag coefficient decreased so that maximum endurable wind speed increased over 30 m/s in the best case. This finding contributes to three benefits in road safety; reducing the weight of the cone for workers at roads, cost cutting by manufacturers for the synthetic resin material, and also for security aspects by internal visibility preventing from hidden matters. We also found different aerodynamic characteristics due to bottom plate condition of the cones. That is, when the bottom plate opened to the inner space of the cone, small angle of inclination intensified a recovery moment that pulls back the cone to the standing attitude. This effect significantly improved the maximum endurable wind speed and was explained by the flow allowed inside the cone when the side holes were provided. Such a fluid-structure interaction was analyzed theoretically to clarify the endurance mechanism.</p>
著者
逢坂 駿也 村井 源
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.283-288, 2020

<p> 本研究では,物語から登場人物の感情状態を抽出するため12 種類の感情に分類した感情語の辞書を構築した.分析対象として「キノの旅-the Beautiful World-」という小説を選択し,辞書を用いて感情語を抽出した.感情語の抽出回数を多次元データとして扱い因子分析をかけた結果,皮肉な物語の因子・意外性の強い物語の因子・悲喜劇的な物語の因子の3 つに分類された.また各因子での登場人物の役割ごとの感情の差異を抽出した.</p>