著者
石塚 譲 川井 裕史 大谷 新太郎 石井 亘 山本 隆彦 八丈 幸太郎 片山 敦司 松下 美郎
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.1-9, 2007 (Released:2007-08-21)
参考文献数
37
被引用文献数
4

季節や時刻による行動圏の変動をみるために, 成雌ニホンジカ2頭にGPS首輪を用いて, 経時的な位置を調査した. 調査期間は, それぞれ, 392日と372日で, シカの位置は0時から3時間毎に計測した. 2頭の年間行動圏面積はともに森林域と水田周囲とを含む43.7 haおよび16.3 haであり, 行動圏の位置に季節による変動はみられなかった. 個体1の季節別コアエリアは, 四季を通して水田周囲に位置し, 個体2でも夏期以外は水田周囲に位置した. 時刻別コアエリアは, 12時および15時では森林域に, 0時および3時では水田周囲に位置した. 以上の結果から, GPS首輪を装着した2頭の成雌ニホンジカは, 大きな季節移動をせず, 日内では, 森林域 (昼) と水田周囲 (深夜) を行き来していると考えられた. また, 行動圏とコアエリアの位置から農耕地への依存度が高いことが推察された.
著者
松下 峻也
出版者
日本マス・コミュニケーション学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.145-163, 2018

<p> In March 1954, when the United States tested a hydrogen bomb over the</p><p>Bikini Atoll in the Marshall Islands, the Daigo Fukuryu Maru, a Japanese fishing</p><p>boat, was exposed to the radiation. The crews of the boat suffered from</p><p>'acute illness', such as burns or loss of hair, within a short period of time, and</p><p>one of them died from leukaemia in September same year. This tragedy was</p><p>widely reported by the radio, the newspapers, the newsreels and the photo </p><p>journalism magazines, and ever since has been known as 'the Daigo Fukuryu</p><p>Maru Incident' in Japanese society. Yet, other Japanese fishing boats, the residents</p><p>of the Marshall Islands and the US soldiers who participated in the 1953</p><p>tests were also exposed to 'nuclear fallout' at that time. In such cases, the physical</p><p>effect of the radiation started to emerge much later, in the form of diseases</p><p>such as cancer. These effects, unlike the 'acute illness' of the Daigo Fukuryu</p><p>Maru crews, had been overlooked for decades by most of the media, with the</p><p>exception of very few TV programmes which documented their suffering. However,</p><p>these cases came to receive public interest after the Fukushima Daiichi</p><p>Nuclear Power Station Accident in 2011 and the following radioactive contamination</p><p>of large areas. It is in this context that the handful of past TV programmes</p><p>on the subject became important; in hindsight, by confronting the</p><p>'delayed effect', they were already describing the wider context of the radiation</p><p>exposure of the 'the Incident'. In that sense, these TV programmes, stored</p><p>and now open to the public as part of the archive of television; are important</p><p>resources not only for the re-examination of the incident; they also provide</p><p>significant implications for post-2011 Japanese society.</p>
著者
松下 洋一
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
1988

制度:新 ; 文部省報告番号:乙694号 ; 学位の種類:工学博士 ; 授与年月日:1988-10-13 ; 早大学位記番号:新1464 ; 理工学図書館請求番号:1247
著者
松下見林
出版者
村上勘兵衛
巻号頁・発行日
vol.[2], 1694
著者
本田 親久 平野 公孝 松下 洋一 鄧 鋼
出版者
Japanese Society for Engineering Education
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.3_138-3_143, 2007 (Released:2007-06-13)
参考文献数
2
被引用文献数
1 1

An educational project for promoting the practical professional engineers has been carried out using a special fund from the Ministry of Education (MEXT) , since the fiscal year 2005 after five sixths of the departments were accredited from JABEE. Some typical activities of the project such as design education for the mechanical engineering, motivating self-directed learning for the chemical engineering, and a small-size class for the electrical engineering are described.
著者
本田 親久 平野 公孝 松下 洋一 〓 鋼
出版者
公益社団法人 日本工学教育協会
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.138-143, 2007-05-20
参考文献数
2
被引用文献数
1 1

An educational project for promoting the practical professional engineers has been carried out using a special fund from the Ministry of Education (MEXT) , since the fiscal year 2005 after five sixths of the departments were accredited from JABEE. Some typical activities of the project such as design education for the mechanical engineering, motivating self-directed learning for the chemical engineering, and a small-size class for the electrical engineering are described.
著者
川上 浩 惠畑 隆 松下 肇
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.535-544, 1992-06-01 (Released:2010-01-28)
参考文献数
62
被引用文献数
1 2

Many nucleoside analogues, which lack 2'-substituents, have been known to be a useful compound as anticancer and anti-virus agents. On the other hand, synthesis of these derivatives utilizing the condensation reactions between sugars and nucleic bases have a difficulty in the stereoselectivity of these reactions. In this paper, our investigation on the condensation reactions with some 2-deoxysugars are discussed in the point of stereoselectivity. Transformations to 2', 3'-dideoxynucleosides and 2', 3'-didehydro-2', 3'-dideoxynucleosides are also described.
著者
松下 秀鶴 森 忠司 後藤 純雄
出版者
公益社団法人 大気環境学会
雑誌
大気汚染学会誌
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.220-227, 1982

タバコ副流煙中のN-ニトロソアミンの新しい分析方法を開発した。本法は, 次の各操作すなわち, 液体-固体捕集系による副流煙中N-ニトロソアミンの捕集, ジクロロメタンによるN-ニトロソアミン抽出, 抽出溶液のK-D濃縮器および窒素気流吹きつけによる濃縮, そして熱エネルギー検出器付ガスクロマトグラフィー (GC-TEA) によるN-ニトロソアミンの分析から成り立っている。<BR>副流煙中N-ニトロソアミンの捕集には, 1N KOH, 0.5Mスルファミン酸水溶液, 脱水剤 (Na<SUB>2</SUB>CO<SUB>3</SUB>) そしてサーモソルブ/Nチューブを直列につないだ捕集系を用いた。この系では, 副流煙中に8ppmの高濃度二酸化窒素を含む場合でも, アーティファクトニトロソアミン生成がなく, N-ニトロソジメチルアミン (NDMA) やN-ニトロソピロリジン (NPYR) に対して99%又はそれ以上の高い捕集効率が得られることが判った。高い分析再現性を得るために, 溶媒抽出の際, 既知量のN-ニトロソジーn-ブチルアミンを内部標準溶液として試料溶液に加えた。また, 本法で用いたGC-TEAは, クリーンアップ処理の簡素化にたいへん有効であり, 高感度であった。<BR>本法を若干の国産銘柄タバコ副流煙中のNDMAとNPYRの分析に適用した。喫煙は国際喫煙モードで, 定容量型自動喫煙器を用いて行った。分析結果の再現性は高く, その変動係数はNDMAで4.9%, NPYRで2.9%であった。また副流煙中のこれらN-ニトロソアミン含量は銘柄によって異なり, その値はタバコ1本当たりNDMAで190~370ng, NPYRで90~210ngであることを認めた。
著者
松下 秀鶴 森 忠司 後藤 純雄
出版者
公益社団法人 大気環境学会
雑誌
大気汚染学会誌
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.339-345, 1983

タバコ副流煙中のN-ニトロソアミソ分析方法を改良した。副流煙中のN-ニトロソアミンの捕集には, 0.5Mスルファミソ酸水溶液, 脱水剤 (Na<SUB>2</SUB>CO<SUB>3</SUB>) そしてサーモソルブ/Nチューブを直列につないだ捕集系を用いた。捕集した副流煙中のN-ニトロソアミンは捕集系の各部位からジクロロメタンで抽出し, 抽出溶液を一つに集め, 内部標準としてN-ニトロソージーブチルアミンを一定量添加したのち, K-D濃縮器および窒素気流吹きつけにより約0.5m<I>l</I>まで濃縮し, GC-TEAで分離分析した。<BR>本分析方法では, N-ニトロソジメチルアミン (NDMA) とN-ニトロソピロリジン (NPYR) はほぼ完全に捕集できること, 分析結果の再現性が高く, その変動係数はNDMAで7.2%, NPYR 8.1%でであることが判った。<BR>本法を国産, 外国産タバコ各々15銘柄の副流煙中のNDMAとNPYRの分析に適用した。N-ニトロソアミン含量は銘柄によってかなり異なり, タバコ1本当りの含量はNDMAで113~544ng, NPYRで40~332ngであった。また中国産タバコの副流煙中N-ニトロソアミン含量は他の国々の値よりかなり低く, 米国産タバコのそれは国産タバコより多いことを認めた。
著者
山田 佳昭 松下 訓
出版者
神奈川県水産技術センター
雑誌
神奈川県水産技術センター研究報告 (ISSN:18808905)
巻号頁・発行日
no.1, pp.43-49, 2006-03
被引用文献数
3

1 相模湾へ流入する河川からの汚濁物質負荷量を河川等の水質データから推定した。2 各河川からの流入負担量は、窒素27.9トン/日、リン1.9トン/日、COD30.9トン/日であった。3 各河川からの流入負荷量に占める相模川と境川の割合が高い。4 負荷量の変動には流域の降水量が影響している。5 処理場放流水による負荷量も多く、その量は年々増加している。
著者
松下 由美子
出版者
和歌山県立医科大学
雑誌
和歌山県立医科大学看護短期大学部紀要 (ISSN:13439243)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.69-77, 2002-03

他の人間関係では許されないことが、「親密さ」ゆえに、夫婦や恋人の間では許されている。ドメスティックバイオレンスにおける「なぜ逃げないのか」という疑問は、暴力の被害者である女性に、別れるか否かの選択を強いるが、暴力を振るう男性側の責任は問うていない。Gelles,R.J.とStraus,M.A.は女性が逃げ出さない理由を、(1)暴力被害の程度、(2)子ども時代の虐待経験の有無、(3)女性自身の経済力、(4)子どもの有無に分けて述べている。しかし重要なのは、なぜこれらが「女性が逃げ出せない」理由となるのか、という点である。本論文は、「なぜ(女性が)逃げないのか]という疑問に、「なぜ(男性が)暴力をふるうのか」という観点から答えようとした。暴力をふるう方は自分に暴力をふるうだけの正当な理由があると思っている。そうした加害者からの巧みな理由付けにより、被害者は暴力をふるわれた原因が自分にあると思わせられる。そうして、殴った罪悪感の方は女性が負い、男性の暴力行為はそのまま続いてきた。「なぜその時に暴力を振るったのか」という問に対する男性の答えから、実に些細なことで暴力を使うことが明らかとなっている。実は、加害者が暴力をふるうのに、正当な理由が必要なわけではない。自分の非を暴力でカモフラージュし、服従の強要と権威の誇示が暴力をふるう原因として挙げられる。近代産業社会の登場は、生産労働=男、家事労働=女という性に基づく分業と、女性の経済的依存を発生させ、男性による女性の支配関係を碓実にした。そしてこの支配関係は、女性としての役割をおろそかにした、女らしく振る舞っていないという理由で暴力が許される環境を作りだし、被害者側に暴力の原因を認めさせることになり、暴力行為をより促進させていると考えられる。
著者
松下 拓樹 権頭 芳浩
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.355-365, 2000-07-15
被引用文献数
2 2

雨氷発生の気候学的な地域特性を調べるため, 長野県を解析対象地域として, 雨氷発生日の特定を行い, その年平均日数の地域分布を求めた.<BR>雨氷は, 過冷却の雨滴が地物などにあたり氷になる着氷現象の一種で, 上空暖気層 (気温0℃以上) で雪片が融解して雨滴となり, それが地表付近の寒気層で冷されて過冷却の雨滴 (気温0℃以下の降水) となり発生する (melting ice process).その他, 大気全層の気温が0℃以下の場合 (supercooled warm rain process) でも発生することがあるが, ここではmelting ice processのみを対象とした.<BR>高層資料から上空暖気層の有無を, AMeDAS資料から地表付近の寒気層と降水の有無を調べ, 二つの気象条件を満たす日を雨氷発生日と定義した.過去20冬季 (1979年11月~1999年4月) について調べた結果, 雨氷の発生は3月に最も多く, 次いで12月に多いことがわかった.また, 最近6年間は雨氷発生日数が少ない傾向にある.<BR>次に, 地形因子値を用いた重回帰分析から, 年平均雨氷発生日数のメッシュマップを得た.その結果, 年平均雨氷発生日数は長野県中部と東部で多いことがわかった.特に標高との関係が強く, 山岳地域や高原地域で多くなる傾向が得られた.一方, 北部と南部の低標高地域では少ない傾向にある.
著者
松下 拓樹 尾関 俊浩 西尾 文彦
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.675-680, 2005-09-30
被引用文献数
1

2004年2月に北海道の岩見沢周辺で発生した雨氷現象について, 地上気象観測資料と客観解析資料を用いた解析を行った.その結果, 岩見沢で着氷性降水があった期間は, 22日21時30分頃から23日5時頃までであり, 雨氷が発生した地域は, 岩見沢から滝川までの約40kmの範囲と推定された.着氷性降水時, 岩見沢における地上気温は-0.5℃前後で推移し, 雨氷の形成環境としてはそれほど低い気温状態ではなかった.しかし, 雨氷表面における理論的な熱収支計算によると, 北東からの6m/s前後の風による通風効果によって負の熱フラックスが増加し, 雨氷が発達しやすい大気環境であったことが示された.
著者
香川 英介 井上 一郎 河越 卓司 石原 正治 嶋谷 祐二 栗栖 智 中間 泰晴 丸橋 達也 臺 和興 松下 純一 池永 寛樹
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.41, no.SUPPL.3, pp.S3_155-S3_158, 2009 (Released:2015-01-23)
参考文献数
6

背景 : 心肺停止患者に対し低体温療法を行うことで社会復帰率が上昇することが報告されている.  目的 : 良好な社会復帰 (FR) 可能な心停止時間について検討した.  方法 : 2003年から2008年に低体温療法を行った80人 (HT-group) と, 2007年4月から2008年5月までの院外心肺停止患者で, 自己心拍は再開したが低体温療法は行われなかった174人 (NT-group) を対象とした. 心停止時間は心肺停止から自己心拍の再開もしくは体外循環の開始までの時間と定義した.  結果 : FRはHT-groupで30人, NT-groupで20人であった. FRにおいてはHT-goupの方がより若年であった. FRに関して心停止から心拍再開もしくは体外循環の開始までの時間は独立した予後因子であった (OR 1.07, 95%CI 1.02-1.13, p<0.01). FRにおける心停止時間は低体温療法を行ったもので有意に短かった (26±15 vs 12± 5分, p<0.01).  結語 : 低体温療法により良好な社会復帰に許容される心停止時間は延長する.
著者
遠藤 文康 大脇 和浩 新保 正貴 松下 一仁 大山 雄大 新村 智己 京野 陽子 阿南 剛 小松 健司 服部 一紀
出版者
日本泌尿器内視鏡学会
雑誌
Japanese Journal of Endourology (ISSN:21861889)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.212-215, 2017

<p> モーセレーションで吸引困難な硬結 (beach balls, BB) の出現予測因子を検討. 対象 : 聖路加病院で2014/1-2016/6実施されたHoLEP症例でバーサカットによりモーセレーションされた248例. 方法 : 目的変数をBBの有無, 説明変数を年齢, BMI, PSA, 尿閉既往, 膿尿, Dutasteride内服, 前立腺推定容積, MRIでのnoduleの有無, 中葉の存在として統計学的検討を施行. 期間中に3種類のモーセレータチューブを使用しており, その影響も検討. 結果 : BB発生は20.6% (51/248). BB出現時モーセレーションは27分延長. 単変量解析ではPSA中央値 (BB無vs有=4.69 vs 6.84 p=0.016), 前立腺容積 (53.1 vs 81.9, p<.0001) が有意だったが, 多変量解析では容積のみ有意であった (OR 1.031, p<.0001). チューブは1世代に対し, 2世代でBBの出現が増加 (OR3.69, p=0.005). 前立腺容積のROC解析ではAUC0.743, カットオフ値は61ml (感度61.2%, 特異度78.45%) と算出された.</p>
著者
松尾 翔平 井川 大輔 宮本 幸典 齋藤 泰洋 松下 洋介 青木 秀之 野村 誠治 林崎 秀幸 宮下 重人
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
石炭科学会議発表論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.14-15, 2014

The fracture analyses for coke models reproducing the form of the non-adhesion grain boundaries were performed using the rigid bodies-spring model. The coke model was developed by the random arrangement of the coal particle polygons and expansion of the polygons based on experimental results. As a result, many springs at the gap or edge of the non-adhesion grain boundaries were fractured, and the arrangement and shape of the non-adhesion grain boundaries were supposed to affect the fracture of the coke. Furthermore, the coke with the larger blending ratio of the low-quality coal fractures with the weaker strength. This is because the number of the non-adhesion grain boundaries increases, and the size of the boundaries becomes larger and the shape of the boundaries becomes complex.
著者
高橋 啓子 松下 純子 後藤 月江 遠藤 千鶴 金丸 芳 有内 尚子 田村 咲江
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.17, pp.166, 2005

<br>【目的】昨年、徳島県の魚食の実態について調査した結果、魚の入手方法では自給、もらうという回答が多かった。そこで本研究はその背景を明らかにするとともに、魚食の状況や魚を使用した郷土料理の摂取について現状を把握することを目的とした。<br>【方法】魚食の状況を把握するために、徳島県居住者を対象に学生を通してアンケート用紙を配布し、留め置き法により記入してもらった。留め置き期間は約2週間で、実施時期は2004年11月_から_2004年12月である。<br>【結果】アンケ_-_ト回答世帯は86世帯であり、調理担当者は40歳代(50.6%)、50歳代(28.3%)であった。魚を購入以外で入手する方法では趣味で釣る(28.3%)、釣ったものをもらう(62.7%)であった。このことは三方を海に囲まれ、大きな河川にも恵まれた環境にある徳島県の余暇の活用として釣りをする人口比率が高いことを裏付けている。摂取頻度の多い魚の調理法は焼き物(37.3%)、なま物(19.8%)であった。また、購入する魚料理も焼き物(26.5%)、なま物(23.0%)、煮魚(13.8%)、すし(13.3%)の順に多く、すしについては二世代世帯の方が三世代世帯よりも購入する割合が高かった(χ2検定:p=0.046)。徳島県の魚を使った郷土料理の摂取状況を現在と過去(10-20年前)で比較すると、アジ、アユ、ボウゼ(イボダイ)などの姿ずしは調理して食べることが少なくなり、購入して食べる割合が高くなっていた。一方、鮎の塩焼き、太刀魚の酢の物などは過去、現在も手作りで食べられていた。徳島県の魚の摂取頻度は現在も多いが、手間のかかる姿ずしなどは中食という形で摂取されている傾向が明らかとなった。