著者
福井 真理子 阪口 紗季 松下 光範
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:21888914)
巻号頁・発行日
vol.2016-EC-39, no.1, pp.1-8, 2016-03-09

本研究では,実物体に映像を足し合わせることによって,秘匿された情報を視覚化する手法を提案する.提案手法では,錯覚を応用したエンタテインメントであるスキャニメーションの技法をプロジェクションマッピングに応用する.それによって,実物体の外観に付与されたパタンに対し,プロジェクタからの投影映像のパタンを重畳することによって,情報を視覚化することを可能とする.これにより,それぞれ単体では意味をなさない物体の外観と投影映像が重なり合ったときにのみ,意味のある情報として視覚化できるといったインタラクションが実現できる.
著者
松下 晴彦
出版者
教育思想史学会
雑誌
近代教育フォーラム (ISSN:09196560)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.83-91, 2010

古屋論文は、多くの課題を提示しているが、主要なテーマは1888年のデューイによる個体性、個と普遍(国家、社会)、民主主義の観念の検討である。古屋論文では「中心化と脱中心化」(モナドロジー)という方法をとるが、本稿では、観念の歴史(認識)という観点から、有機体的観念論期のデューイ思想の発展を辿る。すなわち「1888年のデューイというモナド」に焦点化するというよりも、初期デューイ思想の形而上学的・倫理学的展開において、ライプニッツや民主主義がどのように扱われたかという視点である。「個と普遍」論争については、古屋論文がライプニッツを起点としているのに対し、デューイ(タルド)とライプニッツを結ぶ線は、アリストテレスに行き着くこと、またこの観念史を19世紀末に受け継いだパースが個的なものに対し、「不確定なもの」から解釈している点を再評価する。
著者
上田 厚 青山 公治 藤田 委由 上田 忠子 萬田 芙美 松下 敏夫 野村 茂
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.55-66, 1986-05-30 (Released:2011-08-11)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

菊栽培従事者の男子47%, 女子62%に, 作業に関連した鼻, 呼吸器症状および皮膚症状がみられた。前者は選花作業時'後者は農薬散布時に自覚されることが多いようであった。菊および農薬に対するパッチテスト, プリげクテスト'血清免疫グロブリン値測定, 鼻汁検査などにより, 前者の症状は即時型, 後者は遅延型アレルギーの関与が示唆された。また, これらのアレルギー学的検査所見の有無と, 菊および農薬の暴露量には若干の関連が認められた。アレルギー所見は, 菊の品種別では, 大芳花に最も高率で'ついでステッフマン, 金盃, 寒山陽などであったが'主として大輸株に即時型'小菊株に遅延型の症状が集積している傾向を認めた。しかしながら, 各品種と検査所見との関連をφ係数で検討すると'アレルギー学的検査所見との関連のとくに著しい品種は検出されなかった。また'皮膚症状については, パッチテスト成績などよりみて, 菊よりもむしろ農薬の関与が強いと思われる成績が得られた。このように, 菊栽培従事者の多くは, 作業に伴い菊や農薬の慢性的な暴露を受け, それに感作された状態にあることが確かめられた。さらに, それらによるアレルギー症状は, その他の作業環境における種々のallergenに様々に修飾されて発現するものであることが示唆された。
著者
松下見林
出版者
村上勘兵衛
巻号頁・発行日
vol.[1], 1694
著者
三宅 敢 淺木 大明 清水 雅宏 松本 一人 西原 雄祐 橋本 義人 松下 友久 島田 伸二 伊藤 康尚
出版者
一般社団法人 日本液晶学会
雑誌
日本液晶学会討論会講演予稿集 (ISSN:18803490)
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

<p>We achieved a super low power consuming LCD panel with an n-FFS mode driven by IGZO-TFTs at low frequency. In this paper, we report the development of a new photo-alignment process for n-FFS, which prevents light-leakage and mura caused by conventional rubbing processes. In addition, we also developed high reliable liquid crystal and photo-alignment materials, which reduce flicker in low refresh rate driving. These technologies have already been applied to the Generation Eight factory, and are being adopted to small/middle sized LCDs for smartphones, tablet PCs, notebook PCs and so on.</p>
著者
松下 直弘
出版者
拓殖大学
雑誌
拓殖大学論集. 人文・自然・人間科学研究 (ISSN:13446622)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.68-94, 2007-03-25

Hace mas de cuarenta anos, en la decada de los anos sesenta, la economia japonesa estaba creciendo sin cesar, y el Japon se desarrollaba rapidamente. Sobre todo, en la primera mitad de esta decada, todo el pueblo estaba muy animado preparandose para celebrar los Juegos Olimpicos de Tokio. Se construyeron edificios altos, estadios olimpicos, autopistas y por una nueva linea de ferrocarriles empezo a correr el tren bala. Asi el Japon se estaba convirtiendo en un pais muy moderno cuando llegaron aqui dos hombres destacados del mundo hispanohablante. Uno era Jose Maria Gironella (1917-2003), novelista espanol, y el otro era Atahualpa Yupanqui (1908-1992), el maximo folklorista de Argentina. Jose Maria Gironella vino al Japon en abril de 1963 y permanecio siete semanas en Japon viajando a muchos lugares come Kioto, Hiroshima y Nagasaki. Atahualpa Yupanqui vino al Japon por primera vez en enero de 1964 para dar conciertos en Japon durante varios meses, y volvio al Japon en 1966 y 1967. Ambos observaron minuciosamente a la gente y los paisajes del Japon, y dejaron escritas muchas paginas sobre las impresiones del pais asiatico. Jose Maria Gironella publico en 1964 su libro de viaje El Japon y su duende que tenia mas de 300 paginas y describio las caracteristicas de los japoneses de aquella epoca, sobre la pasion por el estudio, la emancipacion de las mujeres japonesas, la sonrisa japonesa, la religion y la ceremonia, etc. Al principio a Gironella no le gustaban nada los aspectos caoticos de la gigantesca ciudad de Tokio, pero despues se dio cuenta de la belleza escondida del Japon, y empezo a sentir simpatia por la manera de vivir de los japoneses, y al pasar por Dinamarca antes de volver a Espana concluyo que "Dinamarca era un pensamiento, el Japon era una emotion". A pesar de que hay algunos capitulos interesantes y anecdotas conmovedoras, este libro carece de interes y de originalidad para los lectores japoneses, quizas porque Gironella copio demasiado las opiniones de otras personas que tenian conocimientos profundos sobre Espaiia y Japon. La parte mas atractiva de este libro es la description de un estudiante japones que Gironella conocio en Tokio. Gironella observo con atencion a este adolescente lleno de problemas y lo describio como si fuera un personaje de una ficcion. Parece que Gironella dramatize algunas escenas reales. En contraste con Gironella, Yupanqui siempre trato de observar el Japon con sus propios ojos. Yupanqui no vino al Japon para hacer turismo sino para dar numerosos conciertos en casi todo el Japon desde Hokkaido hasta Kyushu. No tenia muchos amigos en Japon como Gironella y despues del trabajo se encontraba solo. Sentia mucha nostalgia hacia su tierra, y siempre se acordaba de su familia que estaba en Argentina, su esposa y su unico hijo. Como si fuera un diario de viaje, desde todas las ciudades escribla a su familia, y confesaba lo que sentia y pensaba a su esposa Nenette. Despues de la muerte de Yupanqui se publicaron estas cartas dirigidas a su senora recopiladas en un libro titulado Cartas a Nenette. Alli podemos leer solo el sentimiento verdadero de Atahualpa Yupanqui. A diferencia de Gironella, Yupanqui no describio el Japon copiando la opinion de los demas. Siempre tomaba una postura natural y observaba el Japon sin ningun prejuicio. Amaba, sobre todo, los paisajes del norte del Japon y encontraba cierta semejanza entre Argentina y Japon, por ejemplo, el campo, las sendas, las montanas nevadas y el ambiente de los pueblos pequenos rodeados de la naturaleza. Yupanqui observo los paisajes japoneses con los ojos de un poeta. "No olvidare nunca este pais, aunque jamas se to conocera del todo". Asi escribio a su esposa desde el Japan en 1964. ?Ahora, en que lugar del Japon se conservaran todavia los mismos paisajes hermosos que contemplo Atahualpa Yupanqui hace mas de cuarenta anos?
著者
武市 尚也 渡辺 敏 松下 和彦 飯島 節 西山 昌秀 海鋒 有希子 堀田 千晴 石山 大介 若宮 亜希子 松永 優子 平木 幸治 井澤 和大
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48100763, 2013

【はじめに、目的】 大腿骨頸部・転子部骨折 (大腿骨骨折) 患者における退院時の歩行自立度は退院先や生命予後に影響を与える. 先行研究では, 退院時歩行能力に関連する因子として年齢, 性, 認知機能, 受傷前歩行能力などが報告されている (市村, 2001). しかし, 術後1週目の筋力, バランス能力が退院時の歩行自立度に及ぼす影響について検討された報告は極めて少ない. そこで本研究では, 大腿骨骨折患者の術後1週目の筋力, バランス能力が退院時の歩行自立度に関連するとの仮説をたて, それを検証すべく以下の検討を行った. 本研究の目的は, 大腿骨骨折患者の術後1週目の筋力, バランス能力を独立変数とし, 退院時歩行自立度の予測因子を明らかにすることである.【方法】 対象は, 2010年4月から2012年9月の間に, 当院に大腿骨骨折のため手術目的で入院後, 理学療法の依頼を受けた連続305例のうち, 除外基準に該当する症例を除いた97例である. 除外基準は, 認知機能低下例 (改訂長谷川式簡易認知機能検査: HDS-R; 20点以下), 入院前ADL低下例, 術後合併症例である. 調査・測定項目として, 入院時に基本属性と認知機能を, 術後1週目に疼痛と下肢筋力と下肢荷重率を調査および測定した. 基本属性は, 年齢, 性別, 術式である. 認知機能評価にはHDS-Rを, 疼痛評価にはVAS (Visual Analog Scale) をそれぞれ用いた. 疼痛は, 安静および荷重時について調査した. 下肢筋力の指標には, 膝関節伸展筋を用い, 検者は筋力計 (アニマ株式会社, μ-tasF1) にて被検者の術側・非術側の等尺性筋力値 (kg) を測定し, 体重比 (%) を算出した. バランス能力の指標には下肢荷重率を用いた. 測定には, 体重計を用いた. 検者は被検者に対し, 上肢支持なしで体重計上5秒間, 最大荷重するよう求め, その際の荷重量 (kg) を左右測定し, 体重比 (%) を算出した. 歩行自立度は退院1日前に評価された. 歩行自立度はFIMの移動自立度 (L-FIM) に従い, 歩行自立群 (L-FIM; 6以上) と非自立群 (L-FIM; 6未満) に分類した. 統計解析には, 退院時歩行自立群および非自立群の2群間における基本属性および術後1週目の各因子の比較についてはt検定, χ²検定を用いた. また, 退院時の歩行自立度を従属変数, 2群間比較で差を認めた因子を独立変数として, ロジスティック回帰分析を実施した. さらに, 退院時歩行自立度の予測因子とロジスティクス回帰分析で得られた予測式から求めた数値 (Model) のカットオフ値の抽出のために, 受信者動作特性 (ROC) 曲線を用い, その感度, 特異度, 曲線下面積より判定した.【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は当院生命倫理委員会の承認を得て実施された (承認番号: 第91号).【結果】 退院時における歩行自立群は48例, 非自立群は49例であった. 基本属性, 認知機能は, 年齢 (自立群73.9歳 / 非自立群81.8歳), 性別 (男性; 35% / 10%), 術式 (人工骨頭置換術; 56% / 29%), HDS-R (27.2 / 25.9) であり2群間に差を認めた (p<0.05). 術後1週目におけるVASは安静時 (1.0 / 1.8), 荷重時 (3.7 / 5.0) ともに非自立群は自立群に比し高値を示した (p<0.05). 膝伸展筋力は術側 (22.0% / 13.8%), 非術側 (41.8% / 27.6%) ともに自立群は非自立群に比し高値を示した (p<0.05). 下肢荷重率も術側(75.3% / 55.8%), 非術側 (98.2% / 92.3%) ともに自立群は非自立群に比し, 高値を示した (p<0.05). 2群間比較で差を認めた因子を独立変数としたロジスティクス回帰分析の結果, 退院時歩行自立度の予測因子として, 術側膝伸展筋力 (p<0.05, オッズ比; 1.14, 95%信頼区間; 1.04-1.28)と術側下肢荷重率 (p<0.05, オッズ比; 1.04, 95%信頼区間; 1.01-1.08) が抽出された. その予測式は, Model=術側膝伸展筋力*0.131+術側下肢荷重率*0.04-4.47であった. ROC曲線から得られたカットオフ値は, 術側膝伸展筋力は18% (感度; 0.72, 特異度; 0.77, 曲線下面積; 0.78), 術側下肢荷重率は61% (感度; 0.76, 特異度; 0.68, 曲線下面積; 0.76), そしてModelは0.77 (感度; 0.76, 特異度; 0.87, 曲線下面積; 0.82) であった.【考察】 大腿骨骨折患者の術後1週目における術側膝伸展筋力と術側下肢荷重率は, 退院時の歩行自立度を予測する因子であると考えられた. また, ロジスティクス回帰分析で得られた予測式から算出したModelはROC曲線の曲線下面積において上記2因子よりも良好な判別精度を示した. 以上のことから, 術側膝伸展筋力および術側下肢荷重率の両指標を併用したModelを使用することは, 単一指標よりも歩行自立度を予測する因子となる可能性があるものと考えられた.【理学療法学研究としての意義】 本研究の意義は, 術後早期における退院時歩行自立度の予測因子およびその水準を示した点である. 本研究の成果は, 急性期病院において転帰先を決定する際の一助になるものと考えられる.
著者
松下 照男 船木 和夫
出版者
公益社団法人 低温工学・超電導学会 (旧 社団法人 低温工学協会)
雑誌
低温工学 (ISSN:03892441)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.2-9, 2004 (Released:2007-02-16)
参考文献数
10

This article focuses on Poynting’s vector which is defined by a vector product of electric and magnetic fields and plays an important role in considering a flow of electromagnetic energy between power supplies and various types of electromagnetic devices in electrical, electronical and information networks. Poynting’s vector is introduced from a law of energy conservation and its surface integral on an arbitrary domain is equal to the electromagnetic power inside it. This relation can be applied to any system in which there is an interest in the energy flow. Validity of the speculation that Poynting’s vector directly gives the energy flow is examined in various cases. It is pointed out that Poynting’s vector is not equal to the energy flow in some cases. Also discussed is the condition under which the equality holds.
著者
松下 伸行 勝部 元 日原 大輔 後 輝行 兼松 幸市 吉村 真一 暦本 純一 山本 喜一
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.329-338, 2003
参考文献数
15
被引用文献数
1

This paper describes our design and implementation of a new augmented live stage system called Motion Groove. Our system is a new application of a Mixed Reality system. On a live stage, because of lighting production, the optical environment changes violently. Conventional positioning systems used for motion capture cannot be used in this environment. We have developed a positioning system that can be used during live performances on stage. The positioning system has three features. The system can recognize multiple optical beacons simultaneously up to 255. It can track optical beacons that move quickly such as when attached to the limbs of dancers. It is robust to changes in the optical environment e.g. complete darkness, spotlights, sunlight. We implemented the live stage augmentation system called Motion Groove using a positioning system, and confirmed its practicality.
著者
松下 詩穂 五十嵐 智貴 杉山 央 平尾 章成 美記 陽之介
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.451-456, 2017

近年,パドルシフトの採用が増えてきており,幅広いユーザーにとって使い易いパドルシフト開発が必要である.本論文において,パドルシフトの機能展開を行い人間工学的要因を特定した.操作性要因としてレイアウト要件を,操作感要因としてFS特性要件を設定し,要件を満たす試作品の操作性と操作感が良いことを確認した.
著者
西 基 松下 悠里子 松久 佑美
雑誌
北海道医療大学看護福祉学部学会誌 = Journal of School of Nursing and Social Services, Health Sciences University of Hokkaido
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.41-43, 2007-03-31

2002年に厚生労働省が行った労働者健康状況調査の資料を基に,週休1日制と完全週休2日制の労働者の健康状態を比較した.資料にはそれぞれの集団の特徴の記述はなかったが,週休1日制の労働者の疲労部位の特徴はサービス関係の職種に似ていたものの,ストレスはサービス関係の職種より明らかに低く,特定の職種に偏った集団とは考えにくかった.週休1日制の労働者の平均年齢は,高血圧を有する者の割合から考えて,若くはなく,また,痛風や肝臓病が比較的多かったことから,比較的男性の多い集団と思われた.このような特徴は必ずしも良好な健康状態を担保しないにも拘わらず,週休1日制の労働者の,特に精神的な健康状態は,完全週休2日制の労働者より良好であった.連続した休日は精神的疲労の回復には必ずしも効率が良いとは限らない可能性が考えられた.
著者
松下 記代美 山崎 文恵 前田 晃 荒金 兆典 川田 暁 手塚 正
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.201-205, 2003

有棘細胞癌は一旦化学療法や放射線療法に抵抗性を獲得すると治療に難渋する場合が多く,効果的な治療法の開発が求められている。この観点から言うと,少なくとも対癌免疫能の再活性化は治療抵抗性の癌に罹患している患者に残された最後の可能性の一つである。そこで我々は浸潤性有棘細胞癌に対しインターロイキン2(IL-2)の腫瘍内投与を行い良好な結果を得たのでここに報告する。患者75歳,女性。右下肢の再発性の多発性有棘細胞癌に対し10日間IL-2の局所投与を行った。IL-2の投与により腫瘍のサイズは著明に縮小し,免疫染色を行ったところ腫瘍周囲にCD1a陽性細胞の浸潤,CD8陽性T細胞優位の細胞浸潤を認め,<I>in situ</I> TUNEL染色上腫瘍細胞のアポトーシスを認めた。以上の結果より治療抵抗性の皮膚SCCに対しIL-2腫瘍内局注は有効であることが示唆された。