著者
岡崎 篤行 野澤 康 井上 年和 今村 洋一 川原 晋 大場 修 澤村 明 岡村 祐 池ノ上 真一 井上 えり子 松井 大輔 西尾 久美子
出版者
新潟大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2020-07-30

元来、料亭は宴席以外にも冠婚葬祭や公式会合、商談など日本人の生活と密着していた。しかし、現在ではその役割が他施設へ移り、都市の料亭街が消滅しつつある。一方で、和食や料亭の価値は見直され、重要な観光資源にもなっている。ひとつの重要な建築類型といえる料亭は、あらゆる日本の伝統文化を包括的に継承する場であり、花柳界や業界団体、支援・連携する行政、民間組織など様々な組織が関わっている。このように、ひとつの地域文化システムといえる料亭について網羅的視点で捉え、関連組織・活動の変遷、料亭の分布とその変遷、料亭建築の規模と保全活用の実態を明らかにする。
著者
鮫島 由香 澤 菜穂 田畑 麻里子 松井 徳光
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.100-103, 2017 (Released:2019-09-05)
参考文献数
8

鰹出汁を用いてスエヒロタケ Schizophyllum commune (NBRC4928)の菌糸体を培養したところ,マルト培地で培養した菌糸体と比較して抗酸化活性が高かった.鰹出汁培地で培養した菌糸体中にエルゴチオネインの生産が確認された.エルゴチオネインの収量は乾燥菌糸体1 gあたり1.01 mgであり,培地1 L当たりの生成量は12.9 mgであった.鰹出汁培地を用いた場合では乾燥菌糸体1 gあたりの収量は少なかったが,培地1 Lあたりの収量は生成する菌糸体が比較的多かったため従来報告されている収量より高かった.
著者
吉光 真人 上野 亮 松井 啓史 小阪田 正和 内田 耕太郎 福井 直樹 阿久津 和彦 角谷 直哉
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.143-147, 2020-08-25 (Released:2020-10-02)
参考文献数
11
被引用文献数
1

われわれはLC-MS/MSを用いた迅速簡便な6種類防かび剤分析法を開発した.イマザリル,o-フェニルフェノール,チアベンダゾールに加えて,2011年以降に防かび剤としての利用が認められたフルジオキソニル,アゾキシストロビン,ピリメタニルを測定対象とした.迅速かつ簡単な分析法の確立を目指し,残留農薬分析法と抽出操作を共通化した.また,試料からの抽出液1 mLを充填剤量500 mgのOasis HLBカラムに負荷,アセトニトリル8 mLで溶出する精製法を採用した.次いで,オレンジ,グレープフルーツ,レモンに6種類の防かび剤を添加して添加回収試験を行ったところ,真度は89.7から100.0%,室内精度および併行精度はそれぞれ,1.5から5.0%,0.5から4.9%となり,食品中に残留する農薬等に関する試験法の妥当性評価ガイドラインの目標値を達成した.定量限界は,o-フェニルフェノールでは1 mg/kg,その他の防かび剤では0.2 mg/kgとなり,防かび剤の基準値よりも低い値であった.本分析法の有用性を確認するため,2017~2019年に市販柑橘類の分析を行ったところ,検出された防かび剤は表示との整合性が確認された.また,基準値を超過する濃度の防かび剤が検出された検体はなかった.
著者
栗山 典子 石川 知美 長村 紀子 和田 博子 松井 淑江 石郷岡 均
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.127-130, 2002-08-25 (Released:2009-10-29)
参考文献数
9

黄斑剥離を伴う片眼性の網膜剥離に対し、観血的な網膜剥離手術を施行した症例を対象に術後の近見立体視機能について検討した。黄斑剥離を認める片眼性の網膜剥離眼中、術後の遠見矯正視力が0.8以上、左右の不同視差が3D以内のもの42例42眼を対象としTitmus stereo tests (TST)およびTNO stereo test (TNO)を用い近見立体視機能の検査をした。TSTでは良好群、中等度良好群、不良群に分類した結果23眼(54.8%)が良好群、17眼(40.5%)が中等度良好群、2眼(4.8%)が不良群となった。TNOでは良好群と不良群に分類した結果27眼(64.3%)が良好群、15眼(35.7%)が不良群となった。黄斑剥離を伴う網膜剥離眼では術前に中心視力が低下するものの、網膜復位後矯正視力が0.8以上の症例では良好な立体視が得られた。
著者
青山 裕彦 坂本 信之 松井 浩二
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

脊椎動物は分節的に構成されていると考えられるが,その発生的基本単位は体節である.体節自身から発生する骨格や筋はもとより,脊髄神経や交感神経系の分節的形成も体節によって支配されている.本研究では脊椎動物のボディプラン形成機構を考察するため,体節から中軸骨格が形成される機構,とくにその胸部を特徴づける肋骨の部域特異的形態形成機構を題材に取り上げた.1.肋骨形成の3区画:体節周囲組織の肋骨形成との関わりを調べ,椎骨と結合している短い部分(近位肋骨)は神経管の底板や脊索に,その遠位にある長い部分(遠位肋骨)は表皮外胚葉に依存して発生することを示した.遠位肋骨はさらに壁側板に進入する部分(遠位肋骨胸骨部)としない部分(遠位肋骨椎骨部)の2区画に分けられる.これは近年提唱された(Burk, A),abaxial, primaxial区画にそれぞれ対応する.2.遠位肋骨形成と体節分化:表皮外胚葉と体節との相互作用を物理的に阻害すると,皮筋板の外側部(Sim 1),皮筋板辺縁近傍の椎板(Scleroaxis)の形成不全が示された.これらの遺伝子発現領域が遠位肋骨の形成に関わるのであろう.3.体壁筋の部域特異的形態形成〜腹壁筋の発生的分節性(1)体節の発生運命:腹壁の筋はほぼ第27体節のみからできることを移植実験から示した.その他の腰部体節は,肋骨のみならず,体壁筋も形成しないのである.(2)神経支配:ところが腹壁筋の支配神経は胸神経であった.筋の発生由来と支配神経の由来する分節が異なっており,支配神経からは筋の発生由来をいうことはできない.4.四肢形成と肋骨形成:胸部に四肢を誘導すると遠位肋骨胸骨部ができなかった.abaxial区画については,体壁と四肢が相補的に形成されるのである.5.中軸骨格原基の部域特異性の決定:体節形成の最も初期,原始線条から陥入する直前に,すでに決定されていることを,当該部位の移植と,そのHox遺伝子群の発現,形態形成能から示した.
著者
松井 憲子 井上 昌子
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.28-32, 2020-08-31 (Released:2020-09-02)
参考文献数
15

慢性呼吸不全患者では,気管支炎,肺炎などの呼吸器感染症を契機に,急速に呼吸器症状が悪化することがあり,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪では,患者のQOLや呼吸機能を低下させ,生命予後を悪化させる.したがって,急性増悪により緊急入院した際は,速やかな回復への支援と合併症の予防が重要である.急性・重症患者看護専門看護師は,患者とその家族に寄り添い,早期回復を目指す実践と医療チームの協働を先導する役割が求められる.今回,急性増悪した慢性閉塞性肺疾患の患者において,急性期のリハビリテーションと合併症予防のケアによって,人工呼吸器離脱を支援した症例を報告した.症例は,入院当初は体外式膜型人工肺による補助循環が必要な状態であったが,第8病日に人工呼吸器離脱に至った.この症例で,急性・重症患者看護専門看護師の実践と多職種協働を振り返り,急性増悪した慢性呼吸不全患者の回復を支えるケアについて検討した.
著者
松井 靖浩 及川 昌子 一杉 正仁
出版者
一般社団法人 日本交通科学学会
雑誌
日本交通科学学会誌 (ISSN:21883874)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.11-19, 2016 (Released:2018-03-01)
参考文献数
9

都市部における自転車の走行状況を明確にすることで、交通事故発生メカニズムを解明し、交通安全対策を行うための基礎資料に資することを目的とする。本稿では、最初に朝の通勤時間帯に信号機のない交差点における自転車乗員の行動特性を分析した。その結果、自転車の交差点進入時の平均走行速度は3.09m/sであった。また、進行方向に向かって道路中央より左側と道路の左路側帯を走行する自転車乗員が86%を占め、多くの自転車が道路の左側を走行していることが分かった。ただし、この交差点の左角には建物があり、交差道路を行き交う車両、自転車、歩行者が自転車乗員には死角となり、交差点進入直前まで認識が困難な環境であった。このように、道路の左側を走行する自転車がある程度の走行速度を保ち、安全確認をせずに交差点に進入する自転車乗員の行為は、とくに走行音を伴わない電気自動車や自転車が接近した場合、出会頭による車両等との衝突事故の起因になり得ることが予想される。次に、車両に搭載したドライブレコーダより取得できるニアミスデータを用い、車両と自転車との接近状況を分析した。車両と自転車との接近状況について、死亡事故とニアミスを調査した結果、いずれの事象も車両が直進し、前方を自転車が横断する事例が最も多い傾向にあった。本結果から、ニアミスデータは事故状況を把握する上で活用可能であると考えられる。そこで、ニアミス事象において車両が直進し自転車が横断するケースに着目し、衝突予測時間(TTC)を算出した。その結果、建物や車両などの物陰から自転車が飛び出す場合のTTCは、障害物なしの状態で飛び出す場合のTTCと比べ有意に短いことが判明した。これら2つの結果より、自転車乗員、車両運転者共に建物などの障害物により見通しが悪く、相手を認識できない場合、出会い頭での交通事故に至る可能性が極めて高くなることが推察される。今後、本分析結果に基づき、自転車専用のカーブミラー等の新規設置により視界が改善されることが望まれる。さらに、自転車検知型被害軽減装置の開発や保護性能評価手法において、本分析結果が反映されることが期待される。
著者
松井 賢一
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2005

制度:新 ; 文部省報告番号:乙1982号 ; 学位の種類:博士(政治学) ; 授与年月日:2005/9/21 ; 早大学位記番号:新4097