著者
饗庭 照美 尾崎 彩子 李 温九 章 貞玉 康 薔薇 松井 元子 南出 隆久 大谷 貴美子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.180-186, 2002-05-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
18
被引用文献数
2

要約本研究では,2種類の塗りの皿(黒色,朱色)に物相型を用いて形作った飯を盛り付けて日韓の学生に示し,それらに対するイメージ特性をSD法によって調査した. 物相型は日本料理で伝統的に用いられている丸梅,もみじ,末広と,日本料理では用いられることのないハート型を加えた5種類を使用した. パネルは,日韓の食物系の女子学生である. 評価尺度は「上品な - 下品な」,「美しい一みにくい」などの形容詞対30項目を設定し,7段階評価で行った. その結果,日本と韓国では異なるイメージがあることが示されたため,統計処理にSPSSを用いて因子分析を行った. 日本で抽出された第1因子(α=.799)を構成する形容詞対は『情緒的感覚の因子』,第2因子(α=.779)の形容詞対は『華やかさの因子』と名付けた. 韓国で抽出された第1因子(α=. 899)は『嗜好性の因子』,第2因子(α =.844)は『目立ちやすさの因子』と名付けた. 抽出されたこれらの因子について日韓で比較してみると,日本において物相飯は季節感やハレ(めでたさ)を演出している情緒があるものというイメージが示唆された. しかし,韓国では物相飯を単に形のイメージとしてとらえ,その形の嗜好で評価が行なわれていた. 本研究から,食物の形や色に対する評価は,日常的に接しているその国の食文化に影響を受けていることが示唆された.
著者
古本 太希 浜田 大輔 片山 綾音 松井 祐 川村 由佳 友成 健 加藤 真介 西良 浩一
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.531-539, 2020 (Released:2020-12-18)
参考文献数
31

【目的】人工膝関節全置換術(以下,TKA)後患者の階段降段動作では,同年代健常者の遠心性膝関節伸展モーメントを再現できているのかを明らかにすること。【方法】対象は,術後1 年以上経過し降段動作が1 足1 段様式で可能なTKA 群8 例と同年代高齢者である健常群10 例とした。降段動作解析は,三次元動作解析装置と床反力計を用いて矢状面の関節角度,関節モーメント,関節パワーと表面筋電図にて下肢筋活動を計測した。主要な計測項目である膝関節伸展モーメントの第1 ピークの立脚前期(20%)と第2 ピークの立脚後期(80%)ですべての計測データを比較した。【結果】TKA 群の降段動作時の遠心性膝関節伸展モーメントは,立脚前期および立脚後期のいずれも健常群よりも有意に低かった。【結論】TKA 後1 年経過しても階段降段動作では,同年代健常者の遠心性膝関節伸展モーメントを再現できていなかった。
著者
松井 良明
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.213-225, 2007-03-10 (Released:2007-06-21)
参考文献数
39

This study gives a historical account, in order to urge a perspective of modernization of sports through a criminal law in Britain, the Highways Act of 1835. The British Parliament had recognized the illegality of street games, but through the process of drafting the Highways Act of 1835, there is an explication how the process had impacted modernization of sports. During the parliamentary session in 1831, an amendment was introduced for the first time to consolidate the Turnpike Act of 1822, s.121. The parliament would have utilized the Turnpike Act of 1822, s.121 to extend the law to not only the turnpike, but the highways as well. The Turnpike Act had banned ‘bull-baiting, bull-running, football, tennis, fives, cricket, or other games’ on the turnpikes by making a nuisance on the common law into a basis. The select committee of the House of Commons in 1833, however, required to remove ‘football, tennis, fives, cricket, or other games’ from the bill. After that, ‘football or other games’ were appended to the bill by the select committee of the House of Lords in 1835. The Parliament approved the legality of some sports activities on highways with the Highways Act of 1835, s.72. It has actually eradicated the original element of the bill that led to nuisance on highways, in order to keep a public right of smooth passage. However, the Act of 1835, s.72 was so limitative with the Houses of Commons and Lords that ‘tennis, fives, and cricket’ had been deleted from the content. On the analysis of the Parliament journals, it is obvious that the regulations of street games had been changed a few times in the Parliamentary sessions from 1831 to 1835. The political judgment determined some prohibited street games by the statute. Especially, the requirement by the select committee of the House of Commons supposed to expel all of ball games from the bill, though the select committee of the House of Lords appended ‘football, or other games.’ As the result, the Highways Act of 1835, s.72 left the door open, to modernize ‘tennis, fives, and cricket’ on the British highways.
著者
李 崇至 谷内 昇一郎 松井 美樹 多賀 陽子 郷間 環 榎本 真宏 今出 礼 西野 昌光
出版者
一般社団法人日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.205-213, 2020-06-20 (Released:2020-06-19)
参考文献数
23

【目的】小児領域におけるアナフィラキシーおよび二相性反応に関しての報告は少なく,詳細は不明である.当院で経験した症例を検討し,二相性反応の実態を明らかにする.【方法】2015年-2018年に当院外来からアナフィラキシーの診断で入院となった201症例を対象とした.患者背景,原因,症状,治療および二相性反応も含めた臨床経過について診療録を用いて後方視的に検討した.【結果】対象は201例.原因は食物158例,薬物2例,動物1例,不明39例であった.初期治療でアドレナリン筋注を行った例は132例(66%)であった.二相性反応は9例(4.5%)であった.二相性反応のリスク因子として月齢(p=0.028)とアドレナリン筋注(p=0.028)に多変量解析で統計学的有意差を認め,オッズ比(95%信頼区間)は1.01(1.0-1.3)と0.19(0.044-0.026)であった.【結論】小児アナフィラキシーにおける二相性反応の頻度を明らかにした.初期治療としてのアドレナリン筋注の重要性を改めて認識させられた.
著者
小清水 貴子 松岡 文子 山本 光世 艮 香織 小倉 礼子 河村 美穂 千葉 悦子 仲井 志乃 仲田 郁子 中村 恵美子 松井 洋子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.65, 2008

<B>研究目的</B><BR> 保育の学習は、母性の保護や子どもの成長・発達がメインである。平成12年高等学校学習指導要領解説(家庭編)では、「少子化の進展に対応して、子どもがどのように育つのかに関心をもち、子どもを生み育てることの意義を理解する学習を重視するために、子どもの発達と保育に関する内容の充実を図った」と述べられている。しかし、少子高齢社会を迎えたいま、中・高校生が小さい子どもとかかわる機会は減少している。生徒たちにとって、赤ちゃんをイメージし、小さい生命に対して自分と同じ命の重みを感じることは難しい。また児童虐待など子育ての困難さから、将来、子どもをもつことに否定的な生徒もいる。そのような生徒たちが、生命について考え、子どもを生み育てることの意義を理解するためには、保育の学習で何を取り上げ、どのような視点に立った授業をすればよいだろうか。<BR> そこで、死から生をとらえ直す授業として『誕生死』を教材にした授業を行い、その実践報告を通して保育で生徒に何を教えるか、保育の学習目標を明らかにすることを目的とする。<BR><BR><B>研究方法</B><BR> (1)メンバーの一人が『誕生死』(流産・死産・新生児死で子をなくした親の会著、2002、三省堂)を教材にした授業実践を報告する。(2)実践報告を聞いて教材や授業の視点について議論する。(3)議論を通して自身の保育の授業を振り返り、メールを利用して意見交換を行う。その後、メンバーが記述した意見をもとに議論・考察を行い、学習目標を検討する。<BR><BR><B>結果と考察</B><BR><U>(1)『誕生死』を教材とした授業実践の概要</U><BR> 授業は平成18年6月、高校2年生の選択科目「発達と保育」で実践した。『誕生死』から一組の夫婦の手記をプリントして、教師が読み聞かせを行い、読後に感想を記述させた。多くの生徒が、出産が必ずしも喜びをもたらすものではないことに気づき、生命の重みを感じていた。また、母親だけでなく父親や祖父母の胎児に対する愛情の深さを感じた様子だった。<BR><U>(2)実践報告後の議論</U><BR> 報告者は生徒の反応に手応えを感じたことから、一教材の提案として実践を報告した。しかし議論では、教材としての妥当性について賛否両論に分かれた。賛成意見では、夫婦の感情が手記に溢れてインパクトが強く、生徒の心に響くなどがあがった。反対意見では、逆にインパクトが強過ぎて生徒の心の揺らぎを受け止めるのは難しいなどがあがった。議論から、生徒に何を教え、考えさせるか、個々の教師が授業を振り返り、学習目標を明らかにすることが必要であることが分かった。<BR><U>(3)教材選択と教師が設定する学習目標</U><BR> 議論後の各自の振り返りから、保育学習の課題として「教材選択と妥当性」と「保育の学習目標」の二つの論点が明らかになった。「教材選択と妥当性」では、教師および生徒の問題意識、教師と生徒との関係性、教師の年齢や生活経験など教師自身のもつ背景が関係していることが分かった。「保育の学習目標」では、とくに生命の誕生に関する学習において、性感染症や中絶などの恐ろしさから生徒の行動抑制に重きをおく授業や、生徒自身の性をみつめることに重きをおく授業など、幅広い学習目標が設定可能である。どのような目標を設定するかは、生徒の実態から教師自身が必要と考える目標を明確にすることが必要である。<BR><U>(4)保育で何を教えるか―私たちが考える保育の学習―</U><BR> 保育では、誕生前より誕生後の子どもの発達にウエイトが置かれている。しかし、人の一生をトータルにみていくことが家庭科独自の視点である。そこで、家庭科教育の中でしか扱えない、誕生前後をつなぐ「性」「生命」を視野に入れた授業が必要である。
著者
松井 聖 吉川 卓宏 佐野 統
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.155-161, 2019-06-30 (Released:2019-08-22)
参考文献数
11

日本全体で高齢化が進んでいるが,RA患者は治療がよくなり,寛解に持ち込むことができるようになったため,生命予後がよくなっている.このため,RA高齢者の治療においてどのように行っていくことがよいか急務の課題と考える. 一方,高齢者の腎機能は,日本腎臓病学会から慢性腎臓病(CKD)のガイドライン2012が出されている.このデータからは,年齢別のCKDの頻度をみてみると,eGFR<60mL/分/1.73m2の割合は男性の場合,60〜69歳で約17%,70〜79歳で約28%,80歳以上で約45%,女性の場合は,60〜69歳で約16%,70〜79歳で約32%,80歳以上で約47%となっている.つまり,70〜79歳では3人に1人,80歳以上では2人に1人の割合で腎機能低下があり,腎機能を悪化させる薬剤が使いにくい現状があることを十分認識した上で治療を行う必要がある. 日本腎臓病学会の腎機能の悪い時の薬物使用のためにCKDのガイドライン2012では,クレアチニンクリアランス(Ccr/分)が>50と10〜50,<10と透析(HD)をしている区分になっている.RA治療薬をみてみると,Ccr/分が10〜50,<10とHDの区分で,使用できる薬剤はアダリムマブ,インフリキシマブ,エタネルセプト,トシリズマブ,サラゾスルファピリジンであった.メトトレキサートはCcr>50で専門医に相談となっている.2012のガイドラインであるので現在,使われている生物学的製剤,JAK阻害薬は含まれていない. また,我々も参加しているNinJaデータベースからの今年度の日本リウマチ学会の発表では,2012,2013,2014年の3年間登録された関節リウマチ患者のeGFR<30mL/分/1.73m2の群ではeGFR<60~100mL/分/1.73m2の群, eGFR<30~60mL/分/1.73m2の群と比較して,DAS28-ESR,DAS28-CRP,CDAI,SDAIのRA活動性指標において有意な低下を認めなかった.つまり,ステージG4(eGFR<15~29mL/分/1.73m2),G5(eGFR<15mL/分/1.73m2)CKD合併RA患者は活動性コントロールが困難である可能生が示された. これらの既存の報告を踏まえて,当科のデータを示しつつ,RA高齢者の腎機能とRA治療の薬剤の選択について討論を行いたい.
著者
島 晴信 大野 康亮 松浦 光洋 松井 義郎 道 健一 江川 薫 滝口 励司
出版者
特定非営利活動法人 日本口腔科学会
雑誌
日本口腔科学会雑誌 (ISSN:00290297)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.155-164, 1998-04-10 (Released:2011-09-07)
参考文献数
23

The purpose of the present study was to clarify the anatomical basis of the cranio-and maxillofacial rehabilitation using implants. In the present study, 30 cadavers from the dissection room were evaluated. In particular measurements of the craniofacial bones, including height, width, and thickness of the cortical bone were performed. The results were as follows:1. Orbital areaIn the lateral and superior orbital rim of the placement site of implant of orbital prosthesis, the maximal thickness of the inner and outer sides was 16.0 mm, and the minimum was 9. 2 mm. The maximal thickness of the width was 11.1 mm and the minimum was 6. 8 mm. The maximal thickness of the cortical bone was 2.5 mm, and the minimum was 2.1 mm.2. Temporal bone1) At the placement site of the implant of an auricular prosthesis, the maximum thickness of the width was 10.4 mm, and the minimum was 2. 8 mm. The maximum thickness of the cortical bone was 3.7 mm, and the minimum was 3.7 mm.2) At the placement site of the bone anchored hearing aid, the thickness of the inner and outer sides was 8.6 mm. Thickness of the cortical bone was 3.0 mm.3. Frontal and nasal boneIn the center of the frontal and nasal bone, the thickness of the inner and outer sides was 19.3 mm. The thickness of the coronal bone was 3.0 mm.4. MaxillaThe thickness of the inner and outer sites at the site 1 of the maxilla (5 mm distal to the center) was 13 mm. The thickness of the width at site 1 was 10. 1 mm. Tne thickness of the cortical bone at site 1 was 1.4 mm.From these results, the anatomical basis on the cranio-and maxillofacial rehabilitation using implants could be clarified.
著者
堤 純 吉田 道代 葉 倩瑋 筒井 由起乃 松井 圭介
出版者
地理空間学会
雑誌
地理空間 (ISSN:18829872)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.81-89, 2015 (Released:2018-04-04)
被引用文献数
1

本稿は,多文化社会の特徴をもつオーストラリアを対象に,移民の増加プロセスおよび社会経済的な特徴を把握することを試みたものである。1970年代に白豪主義が撤廃されたことは,オーストラリアが多文化社会へと舵を切る大きな契機となった。シドニーを対象に移民の増加をみると,仕事では英語を使うものの,家庭では英語以外の言語を使う人口の増加が著しい。シドニー大都市圏では,増加の著しいアラビア語人口やヴェトナム語人口などは,ポートジャクソン湾の南側の低所得者の多い地域に集中する傾向にある。一方,標準中国語や広東語を話す人口は,大多数は低所得者の多い地域に集中するものの,同湾の北側に位置する高所得者の多い地区にも相当数が進出していることがわかる。国勢調査のカスタマイズデータを分析した結果,中国系やインド系の移民は,シドニーに多く住む他のエスニックグループに比べて,学歴や所得の面で高い傾向が確認できた。
著者
吉田 道代 葉 倩瑋 筒井 由起乃 松井 圭介 堤 純
出版者
地理空間学会
雑誌
地理空間 (ISSN:18829872)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.91-102, 2015 (Released:2018-04-04)

本稿では,人口規模が縮小し,居住地が分散しつつあるシドニーのイタリア系コミュニティが,移民集団としての民族文化を表象する場所を1世の集住地ライカートに求め,コミュニティの拠点を再構築しようとする試みに注目した。ライカートは,1950年代にイタリア系移民1世の居住・商業活動の中心であったが,1970年代以降イタリア系住民の数が減少し,そのビジネスも縮小していった。この状況下で,1999年に同地区にイタリアの景観・文化をイメージした商業・居住・文化活動の複合施設,イタリアン・フォーラムが建設された。しかしこの施設は2000年代末には商業的に行き詰まり,イタリア系コミュニティの歴史や民族文化を表象するアイデンティティの場所としても機能しなかった。それでも現在,イタリア系住民の互助組織がこの施設内のイタリアン・フォーラム文化センターを利用し,イタリア系コミュニティの拠り所となる場所づくりをめざしていることが明らかとなった。
著者
大塚 雄一郎 藤田 昌樹 江川 広人 三條 恵介 藤本 舞 龍田 恒靖 松井 成幸 嶋田 淳 須田 直人
出版者
特定非営利活動法人 日本顎変形症学会
雑誌
日本顎変形症学会雑誌 (ISSN:09167048)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.32-41, 2015-04-15 (Released:2015-04-27)
参考文献数
30
被引用文献数
4

The osteotomy line in sagittal split ramus osteotomy (SSRO) has a wide variation among surgeons. Recently, short lingual osteotomy (SL), in which the lingual split is limited up to the area near the mandibular foramen, is performed in many facilities. The reason for this is that SL can reduce the amount of interference between the proximal and distal segments, and shorten the operation time compared with Obwegeser osteotomy (Ob). However, since medial pterygoid muscles (MPM) are included in the proximal segments, SL is prone to induce backward rotation and distal positioning of the mandibular ramus due to the interference between MPM and distal segments when mandibular setback is performed.The purpose of this study was to compare the postoperative outcome of SL and Ob for mandibular prognathism. Twenty-two skeletal Class III cases without lateral deviation treated by SSRO in Meikai University Hospital, were examined. Among the 22 cases, 15 and 7 cases underwent SL and Ob, respectively. The postoperative changes of the proximal and distal segments were evaluated in lateral and postero-anterior cephalograms taken immediately before the surgery (T1), immediately after the surgery (T2), and one year after the surgery (T3). At T1, there was no significant difference in SNB, FMA, or gonial angle between the SL and Ob groups. No significant difference in the amount of mandibular setback was found between the two groups. Comparing values at T1 and T2, the proximal segments tended to rotate backward in the SL group, but there was no significant difference in the anterio-posterior position of proximal segments between the two groups. Comparing values at T2 and T3, counter-clockwise rotation of proximal segments was seen in the SL group but not in the Ob group. It is likely that this rotation of proximal segments in the SL group was caused by the muscular strength of MPM attached mainly to the proximal segments. Moreover, a significant negative correlation in the amount of rotation of proximal segments was detected between T1-T2 and T2-T3 in the Ob group, but not in the SL group.These findings indicate that special attention to the rotation in SL cases is important since a wider variation in the rotation of proximal segments may occur compared with the Obwegeser method.
著者
阪井 裕太郎 徳永 佳奈恵 松井 隆宏
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.18-00027, (Released:2018-12-20)
参考文献数
34
被引用文献数
1

違法・無報告(IU)漁業由来の輸入品が国内イカ産業に与えている被害を推定した。1990年8月から2016年12月の月次データを用い,需要・漁獲・価格の3本の推定式と需給関係を表す1本の恒等式から成る連立方程式モデルを構築した。先行研究で推定されているIU漁業由来のイカ類の輸入量をもとに,これらの輸入がなかった場合の輸入量について3つのシナリオを設定し,シミュレーションを行なった。その結果,IU輸入品により,イカ産業の収益金額の15-29%にあたる243-469億円が失われていると推定された。
著者
牧 あけり 沢畑 敏洋 伊藤 涼祐 松井 大輔
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.24, no.58, pp.1217-1220, 2018

<p>This study is aim to clarify the process of urban landscape formation at the district of Kurobe River coast in Unazuki hot spring town, Kurobe City. The landscape of this district is characteristic because it is composed by Japanese-style hotels which are pushing out over the cliff of Kurobe River. The results are as follows: (1) Construction of Japanese-style hotels in this district started from the negotiation between hotel operators and electric company. (2) It is inferred that the building type which is pushing out over the cliff is inherited from before WWII through the analysis of old photos.</p>
著者
村上 裕 久松 定智 武智 礼央 黒河 由佳 松井 宏光
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
pp.2005, (Released:2020-11-10)
参考文献数
19

二次的自然としての水田やため池を繁殖場所として利用するトンボ類は、水稲の生育ステージや、ため池の植生、水位管理、周辺環境等が種個体群の存続を許容するものであったことから、水田面積の拡大とそれに伴うため池の造成により安定的な分布域を形成したものと考えられる。本研究は、ため池の水際を主な産卵場所として利用し、冬期に減水したため池の乾出した底質で卵が越冬する可能性を指摘されてきたオオキトンボを対象種とし、ため池の水位管理方針が幼虫発生に与える影響を研究した。現地調査として、本種の産卵行動が例年確認されているため池から無作為に抽出した 3地点で成熟個体および羽化後の未成熟個体のラインセンサスを行ったほか、ため池管理者へ水位管理に関する聞き取り調査を行った。また、ため池の満水位直下の砂礫を採集し、乾燥状態で管理後に翌春湛水して孵化した幼虫数を計測した。調査の結果、冬期に大きく減水したため池の干出した砂礫から多くの幼虫が発生した。ただし、他の池と同等の成熟個体が飛来し、産卵行動が確認され、冬期に減水していたにも関わらず孵化幼虫が認められないため池も存在した。
著者
佐藤 真実 榎波 清美 田畑 聖香 松井 理佳子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017

【目的】食育に関する意識調査では約三割の人が日本の食文化を受け継いでいないと回答している。本調査では、福井の食文化を守るための基礎調査として年中行事の実施と実施率の変化、行事食の喫食率について明らかにする。<br />【方法】平成28年7月に福井県在住の782人を対象に自記式質問紙法によるアンケート調査を行った(回収率71.6%)。内容は、行事の実施と実施率の変化、行事食の喫食率、後世に残していきたい行事とその理由などである。昭和57年、平成8年、平成18年の行事の実施については、谷ら<sup>1)</sup>の調査結果を用いた。<br />【結果】現在も行事食を喫食している行事は、「正月」(94.9%)、「大晦日」(80.7%)、「クリスマス」(70.3%)、「冬至」(63.1%)、「半夏生」(49.8%)となった。行事の実施率の変化としては、「正月」、「節分」がほぼ横ばい、「七夕」、「お盆」、「秋祭り」、「報恩講」が年々下降した。後世に残していきたい行事としては、「正月」(96.5%)、「大晦日」(82.4%)、「ひな祭り」(63.9%)、「お盆」(60.9%)であった。後世に残していきたい理由としては、「季節が感じられるから」(71.5%)、「日本の伝統だから」(57.0%)が高かった。一方、後世に残さなくていいと考える理由としては、「元々、実施していないから」(34.6%)、「行事を知らないから」(33.2%)であった。とくに子世代では、後世に残していきたい理由として「楽しいから」(55.9%)、残さなくていいと考える理由として「行事を知らないから」が親世代、祖父母世代に比べて有意に高かった。行事食の喫食率は、「冬至のかぼちゃ」、「半夏生の焼き鯖」、「天神講の焼きカレイ」が高くなった。これらの料理は、店で入手しやすく、家庭で作りやすいことから喫食率が高くなったと考えられる。<sup>1)</sup>谷洋子ら:仁愛女子短期大学卒業論文集より
著者
宮沢 知修 松井 健郎 小川 清久
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.247-251, 1989-11-01 (Released:2012-11-20)
参考文献数
5

Objective: It has been reported that the acromiohumeral interval (hereafter referred to as AHI) narrows in rotator cuff tears (RCT). In many cases, however, it does not. In this study we re-examined the clinical significance of the AHI.Subjects and method: AHI was studied in the f ollowing: normal shoulders, as the control group,55 cases,55 shoulders; RCT (massive: 45·46; complete: 62·64; partial: 51·52), periarthritis: 57·66, and unstable shoulder: 63·85. The AHI was measured as the distance between the humeral head and the under surface of the acromion in a standingposition A-P view (internal and external rotations and neutral position) and scapular Yview.Results: In normal shoulders the internal rotation AHI was the widest, at 8-16 mm (average 11.3 mm), indicating a significant difference from other roentgenographic directions and measurement values. Concerning the neutal-position measurements in normal shoulders and each disease condition, the AHI was 3-12 mm (average 6.9 mm) for the massive tear group, and this represented the most narrowing found and was significantly different from all of the other groups measured.Conclusion:1) The AH I in normal shoulders expands with internal rotation and narrows with external rotation.2) In AHI measurements, important considerations are consistency of the positioning and the angle of roentgenography, and the most appropriate view is the neutral position.3) With a roentgenographic method in standing-position, the AHI measu r e ment is clinically significant only in diagnosing a massive RCT.4) As a diagnostic standard for a massive RCT, an AHI of 6 mm or less is appropriate, but allowances should be made for 52% of false negatives and approximately 18% of false positives.
著者
竹下 隆晴 市川 誠 李 宙〓 松井 信行
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.117, no.1, pp.98-104, 1996-12-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
9
被引用文献数
31 37

This paper presents a position sensorless drive of a salient-pole brushless dc motor with a sinusoidal flux distribution. The algorithm is based on the estimation of back emf which is identified by the errors between the actual and estimated currents. Since the direction and amplitude of the estimated emf correspond to the rotor position and speed respectively, the position and speed can be estimated. The stability of the estimation and the design of the estimation gains are examined.The proposed algorithm were verified by using a 6-pole, 200W, 3000rpm test motor. In the results, the sensorless speed control range from 50rpm to 4000rpm under 0_??_100% load was obtained. The estimation algorithm is stable for any position error and any emf error.