著者
松井 清夫 坂本 弘 滝川 寛 杉浦 静子
出版者
公益社団法人日本産業衛生学会
雑誌
産業医学 (ISSN:00471879)
巻号頁・発行日
vol.6, no.8, pp.445-448, 1964

Some facts related to menarche and menstrual disorder were reported in the previous report. This study was undertaken to clarify the factors affecting to take menstruation leave. Three hundred sixty-nine female workers in a chemical industry were observed from April, 1962 to December, 1963. And a comparison was made between female and male workers in the same workshop, regarding the rate of absence for reasons. Until March, 1963, the female workers were paid no wages for days of absence owing to menstruation; but, after April, 1963, wages during the menstruation leave became paid to them. By this change of terms of payment, the absence because of menstruation increased after April, 1963. Hence, a comparison in the rate of absence because of menstruation was made numerically between the period before March and that after April, 1963. The results were as follows. Before March, the monthly and weekly variation of the rate of absence because of menstruation could not be seen. But, after April, the rate decreased in the period 5th to 7th and 25th to 27th of a month. The rate of absence for reasons other than menstruation (i.e. private reasons, illness) also decreased in the same periods of a month among both females and males. The decrease at the end of a month is explained by the fact wages are paid in the period 25th to 27th of a month. The rate of absence was higher in the middle than at the end and beginning of a week. This fact may be considered as due to the influence of the information, that the absence because of menstruation including the off-day in undesirable, by the labor union of this workshop.
著者
瀬古 千佳子 松井 大輔 松川 泰子 小山 晃英 渡邉 功 尾崎 悦子 栗山 長門 水野 成人 渡邊 能行
出版者
一般社団法人 日本消化器がん検診学会
雑誌
日本消化器がん検診学会雑誌 (ISSN:18807666)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.30-41, 2016 (Released:2016-02-01)
参考文献数
23

ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)感染は胃がんの確実な発がん因子である。H. pylori感染から慢性萎縮性胃炎への進展過程における摂取食品との関連については多くの先行研究が行われているが, 栄養素摂取量との関連についての報告は少ない。そこで, 本研究はH. pylori感染者における慢性萎縮性胃炎陽性者と陰性者の栄養素摂取量の差異を検討した。対象者は京都在住の35歳から69歳までの健診参加者4,330人のうちH. pylori感染陽性者1,251人とした。解析対象者はこの内の栄養素摂取量算出を完了した女性296人とした。年齢, 喫煙, ビタミン剤服用, エネルギーによる補正を行い, 各栄養素摂取量を三分位に分けてロジスティック回帰分析を行った結果, カルシウムの中等量摂取, 多量摂取, 及び多価不飽和脂肪酸の中等量摂取は有意に慢性萎縮性胃炎のリスクを低めていた。これにより, これらの栄養素が慢性萎縮性胃炎進展の抑制と関連している可能性が示唆された。
著者
島田 延枝 寺沢 敏夫 内藤 統也 松井 洋 星野 真弘 向井 利典 山本 達人 斎藤 義文 國分 征 町田 忍 SHIMADA Nobue TERASAWA Toshio NAITO Tsuguya MATSUI Hiroshi HOSHINO Masahiro MUKAI Toshifumi YAMAMOTO Tatsundo SAITO Yoshifumi KOKUBUN Susumu MACHIDA Shinobu
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
vol.98, pp.1-23, 1997-11

1994年2月20日01UTに発生した太陽フレアは, その伝播過程で強い惑星間空間衝撃波を生じた。太陽風中をモニターしていたGEOTAIL衛星は, 翌日2月21日09UTにこの衝撃波と遭遇し, 粒子分布や磁場等のプラズマ状態を詳細に観測することができた。その結果, このイベントに幾つかの特筆すべき現象がみられることが明らかになった。高周波まで及ぶ比較的強い磁場波動が観測された他, イオンのみならず, 電子に於いても衝撃波フェルミ加速の結果といえる分布とエネルギースペクトルが得られた。1AUに於いて電子の衝撃波統計的フェルミ加速のはっきりした証拠が得られることは, 大変希である。本稿では, 電子の衝撃波フェルミ加速現象の報告を中心に, それに関連する観測結果を述べていきたい。
著者
松井 徳光
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.169-175, 2016

血栓症やガンなどの疾病は完治させることが難しく,医食同源・予防医学の観点に立ち,毎日の食生活からの発症を防ぐことが望ましいと考えられる.古来から現在に至るまで,清酒,ビール,ワインなどのアルコール飲料は,酵母のアルコール発酵によってつくられている.しかしながら,きのこにアルコール脱水素酵素や乳酸脱水素酵素が存在していることを発見し,アミラーゼ,プロテアーゼ,凝乳酵素の存在も確認した.多くのきのこに線溶活性および抗トロンビン活性が認められ,心筋梗塞や脳血栓などの血栓症予防に効果を示す機能性食品の開発を目指す研究を行った.酵母の代わりにアルコール脱水素酵素を有するきのこを用いてアルコール発酵を行い,機能性を有するワイン,ビール,清酒の生産を試みた.さらに,乳酸脱水素酵素,凝乳酵素,アミラーゼ,プロテアーゼなどが存在するきのこを用いて発酵を行い,新たな機能性を有するチーズ,味噌,発酵大豆,発酵梅,発酵豆乳,発酵肉などを調製した.その結果,これらの発酵食品中には,線溶活性,抗トロンビン活性,抗酸化活性が認められた.
著者
山本 雄貴 松井 尚子 平松 有 宮崎 由道 野寺 裕之 和泉 唯信 髙嶋 博 梶 龍兒
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-000976, (Released:2017-01-28)
参考文献数
23
被引用文献数
2 6

症例は60歳男性.小児期より運動後の筋疲労感や褐色尿を自覚したが症状は軽微であった.45歳頃より両下肢遠位部優位の筋萎縮,感覚障害が進行した.神経伝導検査で軸索型末梢神経障害を呈し,シャルコー・マリー・トゥース病(Charcot-Marie-Tooth disease; CMT)が疑われた.55歳より横紋筋融解症を繰り返すようになり,血清アシルカルニチン分析と遺伝子検査から三頭酵素欠損症と診断した.三頭酵素欠損症は先天性脂質代謝異常症の稀な一型であるが,末梢神経障害を合併してCMTに類似した臨床所見を呈しうる.筋症状を伴う進行性の末梢神経障害をみた場合,積極的に本疾患を疑って精査すべきである.
著者
松井 豊
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.226-232, 1981-11-20 (Released:2010-07-16)
参考文献数
11
被引用文献数
1

A structural model of helping behavior was built, which involved seven independent variables; i.e., emotional-warmth, emotional-susceptibility, locus of control, general awareness of helping norm, awareness of “on” norm, awareness of non-involvement norm, and age. Four hundred and one university students responded to personality tests covering these variables and a questionnaire on helping experiences in 26 situations. Hayasi's quantification model III (HAYASI 3) for the helping experiences yielded three axes-general tendency to help, tendency to give money for charity, and spontaneous helping tendency-and suggested that “cost of helping” is an important factor of the general tendency to help. Analyses of HAYASI 3's sample scores showed that females and religious believers were more kind and generous than males and nonbelievers. A path analysis indicated that norm awarenesses and age were direct determinants of helping tendencies, while emotional empathies were indirect determinants mediated by the norm awarenesses.
著者
松井 真人
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
山形県立米沢女子短期大学紀要 = Bulletin of Yonezawa Women's College of Yamagata Prefecture
巻号頁・発行日
no.37, pp.19-30, 2002-12-27

Abstract : This paper deals with the problem of universality and cultural variation in metaphor. I will discuss this problem focusing on dog-related metaphorical expressions found in English and Japanese. The dog metaphor plays an important role in making sense of people, objects and events in both English-speaking and Japanese cultures. It is true English shares several dog-related metaphorical meanings with Japanese, but there are also some semantic differences in the dog-related metaphorical expressions in the two languages. It will be demonstrated that these similarities and differences are closely related to the ways people have interacted with dogs in Western and Japanese cultures. Keywords : metaphor, dogs, universality, cultural variation
著者
松井 佐織 廣吉 康秀 阿南 会美 阿南 隆洋 菅原 悦子 渡辺 明彦 菅原 淳 藤田 剛 向井 秀一
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.279-285, 2014 (Released:2014-02-26)
参考文献数
11
被引用文献数
2

Chlamydia trachomatis(以下クラミジア)による直腸炎は,イクラ状・半球状小隆起が典型的内視鏡像とされるが,自験例では典型例が少なく,丈の低い隆起や隆起を伴わない例を認めた.自験例28例のうち初回内視鏡検査時に隆起性病変を認めた18例では丈の高い隆起(典型例)を3例(10.7%)に,丈の低い隆起を15例(53.6%)に認めた.隆起を伴わなかった10例(35.7%)では,びらん・アフタ・発赤などの所見を認めた.クラミジア直腸炎では,半球状小隆起以外の内視鏡所見が認められることも多いと考えられ,症例の集積と検討が必要と思われる.
著者
松井 誉敏
出版者
財団法人地球環境産業技術研究機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、種々のポリイミド膜のCO2/CH4およびCO2/N2混合ガス透過において、ブロッキング効果とそれを生じさせる要因となるナノ構造、特に未緩和体積の大きさとの関係を明らかにすることを目的としている。これらの結果をもとに、高いCO2選択性を示す膜選定のための指針を与えることが、この研究の主目的である。今年度は膜素材となる合成したポリイミド(合計9種類)の一部について、ガス透過性能測定および、17年度導入した高圧ガス収着測定装置を用いてCO2収着性能測定を行った。ヘキサフルオロイソプロピリデンテトラカルボン酸二無水物(6FDA)を酸成分に、テトラメチル-p-フェニレンジアミン(TeMPDA)、トリメチル-m-フェニレンジアミン(TrMPDA)あるいはp-フェニレンジアミン(PDA)をジアミン成分に用いたそれぞれのホモポリマー膜の気体透過性を異なる温度で測定した。その結果、6FDA-TeMPDA、6FDA-TrMPDA膜についてはCO2の透過の活性化エネルギーが負となったことから、ブロッキング効果を示す膜であることが示唆された。一方で、6FDA-PDA膜は通常の高分子に見られる正の活性化エネルギーを示し、ブロッキング効果を示さないことが示唆された。また、CO2収着量測定結果から求めたガラス状態にある未緩和体積(C'H)は、6FDA-TeMPDA、6FDA-TrMPDAで約55cc(STP)/cc(polymer)と、有機蒸気などによるブロッキング効果を示すとされている一部の置換アセチレン系高分子膜に近い値を示した。一方で6FDA-PDA膜では、通常のブロッキング効果を示さないガラス状高分子と同程度であった。これら6FDA-TeMPDA、6FDA-TrMPDAとPDA系の共重合体、ブレンド膜において、CO2に対してブロッキング効果を示す構造の遷移領域が存在するものと考えられる。この遷移領域での膜の状態、CO2に対する収着・透過性能を解析することで、最も適した分子設計指針が得られるものと期待される。
著者
松井 哲男
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.B105-B110, 1978

我々は,ハドロン多体系である植物質での新しい型の相転移として注目されているπ凝縮の問題を,核子サイドに焦点をあて,π凝縮にともなう核子系の構造変化と相転移のメカニズムを調べてきた。その際我々がとったアプローチの方法については,既に前回の研究会で報告済みであるが,今回は特に(1)我々のモデル("SCB")と京大グループの"1次元[ALS]"モデルとの対応関係,(2)核子-核子短距離相関とアイソバー・空孔偏極の効果をとり入れたより現実的な取り扱いへの予備的考察に重点をおいて,その後の研究の成果を報告した。
著者
松井 醇一
出版者
合成樹脂工業協会
雑誌
熱硬化性樹脂 (ISSN:03884384)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.145-152, 1990-09-10 (Released:2012-08-20)
参考文献数
8

繊維強化熱硬化性樹脂複合材料は, 工業用材料として重要な地位を占めている。複合材料の性質は, 素材, 積層設計及び成形加工によって決まるが, 本稿では素材, なかでも強化繊維の寄与について述べた。炭素繊維強化複合材料の場合, 繊維の高弾性率・高強度を反映して, 繊維配列方向の引張性質は抜群に優れているが, 直角方向, 層間及び圧縮性質は樹脂と界面に依存するため, 必ずしも優れているとは言えない。また, 航空機材料としてのCFRPに対する要求のひとつに, 耐衝撃性の改善があり, 熱硬化性樹脂の靭性改良の研究が進んでいる。コストについては, 複合材料の成形加工性の良否が重要であり, 使い易い樹脂及び製品の品質バラツキの生じにくい樹脂の開発に対する期待が大きい。
著者
松井 春満
出版者
教育哲学会
雑誌
教育哲学研究 (ISSN:03873153)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.55, pp.33-38, 1987-05-10 (Released:2009-09-04)

主題に対しては先ず、教育学と教育哲学のアプローチの仕方の違いを私なりに明らかにしておくことが必要であろうが、その前に、教育改革論議自体について少し述べておきたい。
著者
松下 拓 松井 佳彦
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、遺伝子組み換え技術により発現させたノロウイルス外套タンパクと、ヒト水系感染症ウイルスを、全国の浄水場から送付いただいた水道原水に添加し、回分式凝集沈澱処理実験より浄水処理性を調べた。その結果、通常の浄水処理における凝集沈澱処理でのノロウイルスVLPsを含むヒト感染ウイルスの除去率は0~2.5 log程度であることが分かった。また、大腸菌ファージMS2はヒト感染ウイルスの代替指標として使うのは難しく、大腸菌ファージφX174の方が代替指標として適する可能性が示された。