著者
松本 健治 國土 将平
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

大学生164名で男女別に体脂肪率,皮下脂肪厚,BMIと自己の体型認識との関連性を検討した 男>女の有意項目はBMIと除脂肪体重で,女>男の有意項目は体脂肪率,体脂肪量及び胸部を除く9部位の皮下脂肪厚であった、男では体重とBMIにおいて体脂肪率,体脂肪量,除脂肪体重及び10部位全ての皮下脂肪厚と有意相関があった。女でも男と同傾向で,体重と体脂肪率との間及びBMIと体脂肪率との間のr^2は男よりも低かった。体脂肪率が従属変数で,身長,体重,BMI及び10部位の皮下脂肪厚が独立変数の重回帰分析の結果,男は腹部,体重,大腿前部,胸部の4変数(R^2=.77),女は上腕背部と肩甲骨下部のみが採用された(R^2=.53)。男女間で自己の体型認識に有意差があり,女は,「太っている」が60%以上みられた、測定項目との関連は,男女とも,BMIが最も強かった(男:r=.83,女:r=.75)。体型評価尺度で,女は65%が,「自分でみた感じ」が非常に重要と答え,男女間で有意差(P<.001)があった。また「体重」と「筋肉量」にも男女間で有意差があった。男は「他人や友達との比較」と体脂肪率との間で,負の有意相関がみられた.女ば「他人や友達との比較」とBMI,体脂肪率,体脂肪量,上半身6部位の皮下脂肪厚との間で,負の有意相関があった、男は身長と体重で有意に高値を,女は,有意に高身長と低体重を理想としていた。それが,理想BMIの18.6にもみられた,脂肪を落としたい部位の有無で,女は99%があると答え,有意な男女差とも一致しており,部位は男女ともお腹が最多で,有意差はなかった。太もも,お尻,腕は,女が有意に高率であった、今後の自分の体型は,女が有意に高率で80%以上がやせたいと答えていた。他人と比較しての体型認識は,女が有意に高率で60%以上が太っていると答えた 体質的に食べても太らないかは,女が有意に高率で75%以上が太りやすいと考えていた
著者
松本 健 小浦 利弘
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.807-811, 2001-12-05
被引用文献数
1

難溶性の硫酸バリウムの分解方法として, 融解剤に硫酸水素アンモニウムを用いる, 迅速簡便な方法を確立した.硬質ガラス製試験管に硫酸塩試料の約10mgと硫酸水素アンモニウムの約2gを入れて混合した後, ガスバーナーの小さなフレームで試験管の底部を550〜600℃に加熱する.分解が進むに従って融解物は無色透明になり, 約5分間の加熱で十分である.冷却後, 固化した融解物を0.05M EDTA-アンモニア水溶液(アンモニア濃度; 3.5M)に加熱溶解し, 溶液中のバリウムを誘導結合プラズマ発光分析法あるいはフレーム光度法で定量する.本法を難溶性のバリウム鉱石の分解に応用し, 試料中のバリウムを定量したところ, 試料を炭酸塩融解して得た値とよく一致した.
著者
松本 利恵 唐牛 聖文 米持 真一 村野 健太郎
出版者
公益社団法人大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.357-373, 2002-11-10
被引用文献数
8

2000年7月の三宅島大噴火以降,関東地方では著しい大気中のSO_2濃度の上昇や大気降下物の酸性化が観測されている。そこで,埼玉県における大気降下物や大気中のS0_2濃度に対する三宅島火山の影響について検討を行った。1999年4月から2001年3月にかけて埼玉県内5地点で酸性雨ろ過式採取装置を用いた大気降下物の観測を行った。その結果,関東地方各地で大気中のS0_2濃度が上昇した2000年8月から10月は,1999年の同時期と比べて,大気降下物のpHは低下,nss-SO_4^2-の降下量は増加し,硫黄酸化物の大気降下物への汚染寄与が大きくなった。騎西に設置した酸性雨自動イオンクロマトグラフ分析装置により降雨量1mmごとに測定した2000年9月から10月初めの降雨のイオン種濃度変動と上空に存在する気流の関係を検討した。その結果,上空に三宅島から騎西へ向かう気流が存在するときに降雨のpHの低下およびnss-SO_4^2-濃度の上昇が生じ,高いときにはnss-SO_4^2-が陰イオンの約90%を占めていた。更に気流の方向により降雨の酸性化やnss-SO_4^2-濃度上昇の程度が短時間で変化したことから,火山から約220km離れた騎西の降雨に対する三宅島火山起源の硫黄酸化物の影響が明らかになった。降雨を伴う期間の騎西における大気中SO_2濃度変動について検討したところ,火山放出物が安定した上空を移流する場合には大気安定度が,強風に吹き下ろされて低空を移流する場合には三宅島からの輸送経路途中の降雨による洗浄効果が大きな要因となっていた。
著者
松本 美鈴
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 59回大会(2007年)
巻号頁・発行日
pp.226, 2007 (Released:2008-02-26)

目的 近世中期以降には,砂糖生産の増加,関東しょうゆの普及,酒粕からの粕酢の製造など,調味料文化が発達した.このような調味料の普及が,和菓子,にぎりずしを初めとする日本料理の発展に寄与した.本研究では,調味料の普及が煮物料理に与えた影響を明らかにするために,江戸時代の料理書にみる煮物料理の調理方法を調査し,煮物料理に用いられる調味料の変化を捉えることを目的とした.方法 調査資料としては,『翻刻江戸時代料理本集成』(臨川書店)に所収の江戸初期から末期までの料理書36種を用いた.料理書から煮物料理の調理方法に関する記載を抽出し,使用されている調味料を整理した.今回の調査では,「煮物とは、食材の煮熟と調味を目的として,煮汁の多少に関わらず,調味料を加えた煮汁のなかで食材を焦がさないように加熱することで調理が完結する料理である.」と定義した.結果 『料理物語』(1643)では,味噌,たれ味噌,たまり,酢,煎り酒,だしなどが煮物の調味料として記載されていた.『料理網目調味抄』(1730)では,たれ味噌,たまり,煎り酒の記載はみられず,しょうゆと酒を組み合わせた調味が多くみられた.砂糖使用の初見は,『合類日用料理抄』(1689)の「煮大豆の方」においてであった.その後,『和漢精進料理抄』(1697)のような精進料理,普茶料理,卓袱料理の料理書を中心として砂糖の記載がみられた.一方,みりん酒使用の初見は,『萬寶料理秘密箱』(1800)の「赤貝和煮」においてであった.江戸後期に刊行された『料理早指南』,『素人庖丁』,『料理通』などを初めとする料理書には,煮物の調味料としてみりんや砂糖のような甘味料の記載が多く見られるようになった.
著者
水本智也 松本裕治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.4, pp.1-5, 2014-05-15

第 2 言語を学習する人が増え,コンピュータによる第 2 言語学習支援に関する研究が盛んに行なわれている.その中でも特に英語の文法誤り訂正の研究が行なわれており,文法誤り訂正の性能を競う世界規模の Shared Task が 4 年連続で開催される.学習者の犯す誤りは様々なタイプがあり,全ての誤りタイプを訂正するために,統計的機械翻訳を用いた誤り訂正が提案されている.本稿では,統計的機械翻訳による誤り訂正結果の n-best の中に,1-best の場合よりもよい訂正が含まれていることに注目する.実際の出力結果を分析することで,リランキングによる性能向上が可能であるかを議論する.
著者
高橋 真美 松本 孝
出版者
昭和女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

コレステロール低下作用を有するモナコリンKは紅麹が産生する二次代謝産物である。モナコリンK含有紅麹(紅麹)のパンへの有効活用を目的に、紅麹がパンの組織と官能評価に及ぼす影響について検討した。組織観察では、紅麹添加パンは、気泡壁にも小孔が観察された。官能評価の結果、0.05%および0.1%紅麹添加パンは、6項目において高く評価された。生体内における影響は、ラットに5週間紅麹添加パンを摂取させ分析した結果、体重変化は認められなかったが、血中の総コレステロールは紅麹無添加パン群と比較して、紅麹添加パン群は低下した。
著者
浜名 洋 松本 澄 藤本 正文 飯田 博一 藤本 正文 飯田 博一
出版者
千葉科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

抗アルツハイマー病(AD)治療薬として承認され、欧米で使用されているメマンチン(1-アミノ-3,5-ジメチルアダマンタン)に着目し、アダマンタンの4つの橋頭位にアミノ基と複数のアルキル基を導入する反応を検討し、3つのアルキル基とアミノ基を導入したメマンチン誘導体の一般合成法を確立することができた。併せてアダマンタンの橋頭位にアミノ基、水酸基、ニトロ基などの導入法も検討した。
著者
水本智也 松本裕治
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2014-NL-216, no.4, pp.1-5, 2014-05-15

第 2 言語を学習する人が増え,コンピュータによる第 2 言語学習支援に関する研究が盛んに行なわれている.その中でも特に英語の文法誤り訂正の研究が行なわれており,文法誤り訂正の性能を競う世界規模の Shared Task が 4 年連続で開催される.学習者の犯す誤りは様々なタイプがあり,全ての誤りタイプを訂正するために,統計的機械翻訳を用いた誤り訂正が提案されている.本稿では,統計的機械翻訳による誤り訂正結果の n-best の中に,1-best の場合よりもよい訂正が含まれていることに注目する.実際の出力結果を分析することで,リランキングによる性能向上が可能であるかを議論する.
著者
松本 佐保姫
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

肥満における脂肪組織の炎症が脂肪組織機能異常を引き起こし、ひいてはメタボリックシンドロームの発症基盤になっていると考えられるが、それらのメカニズムにはまだ多く不明な点が残されている。一方で、肥満、すなわち脂肪組織の増大は、脂肪細胞の肥大化(hypertrophy)と、脂肪細胞数の増加(hyperplasia)の2つがリンクして起きる現象である。脂肪細胞数の増加は脂肪幹細胞が増殖分化することによって新たな脂肪細胞が作られる現象と考えられる。肥大化した脂肪組織から様々な炎症性サイトカインが分泌され、全身性の炎症が惹起される可能性が示唆されているが、肥満症において、脂肪細胞肥大と脂肪細胞の増殖分化がどのように関わり合い、脂肪組織炎症、ひいては機能異常を来しているのかに関しては、まったく知見が得られていない。今までの検討により、DNA修復タンパクRad51は脂肪細胞分化と協調する細胞分裂(mitotic clonal expansion)を正に制御して脂肪細胞の増殖・分化を促進する。脂肪組織において、Rad51は脂肪幹細胞で強く発現し、Rad51^<+/->マウスの脂肪組織をフローサイトメトリーで解析すると、野生型に比べて脂肪幹細胞の数が少なく、増殖・分化能も低下していた。さらに、Rad51^<+/->マウスに高脂肪食を負荷すると、野生型と同様に脂肪細胞の肥大は惹起されるが、脂肪細胞新生が著明に抑制されていた。加えて、Rad51^<+/->マウスでは肥満した脂肪組織へのマクロファージ浸潤が著しく抑制され、炎症性サイトカインの発現も低下していた。これらの結果から、脂肪幹細胞の増殖と分化が、脂肪組織炎症の惹起に必須である可能性が示された。さらなる詳細な検討により、脂肪幹細胞は高脂肪食負荷などの肥満刺激が加わって急速に増殖分化すると、炎症性サイトカインを強く発現する細胞へと変異していく可能性が示唆された。即ち、我々の今までの研究により、脂肪幹細胞増殖分化が、脂肪組織の炎症を惹起しているというまったく新しいメカニズムの存在が明らかとなった。
著者
松本 広重
雑誌
触媒 = Catalysts & Catalysis (ISSN:05598958)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.553-554, 2006-10-10
著者
筒見 拓也 野々垣 嘉晃 田辺 瑠偉 牧田 大佑 吉岡 克成 松本 勉
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC)
巻号頁・発行日
vol.2014-CSEC-65, no.16, pp.1-6, 2014-05-15

近年,DNS リフレクション攻撃に代表される分散型サービス不能攻撃,通称 DRDoS 攻撃 (Distributed Reflection Denial-of-Service attack) が脅威となっている.DRDoS 攻撃は,インターネット上における様々な種類のサービスを悪用するため,攻撃の傾向を分析するためには単一のサービスでなく,複数のサービスを用いて攻撃を観測することが重要である.本稿では,DRDoS 攻撃に悪用される恐れのある複数種類のネットワークサービスを模擬するハニーポットを用意し,DRDoS 攻撃を観測する手法を提案する.
著者
八尾 滋 宮川 淑人 松本 孝芳
出版者
一般社団法人 日本レオロジー学会
雑誌
日本レオロジー学会誌 (ISSN:03871533)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.77-81, 1986-06-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
11

Linear and nonlinear viscoelastic properties of disperse systems of photosensitive particles were studied in relation to the degree of aggregation of dispersing particles. The disperse system has the characteristic long-time relaxation process attributed to the aggregate structure of dispersing particles. In that relaxation process, the system in which the dispersing particles aggregate in some degree shows markedly nonlinear viscoelasticity. The characteristic relaxation time in the long-time relaxation process can be closely related with the rotational diffusion of the aggregate. It is also shown that the characteristic relaxation time is independent of the dynamic strain amplitude.
著者
寺杣 友秀 小木曽 啓示 吉川 謙一 細野 忍 松本 圭司
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

(1) Goncharovによるpolylog complexからmotifの拡大の群への写像の研究を進めた。この写像の存在いくつかの仮定のもとでBeilinson-Deligneにより研究されている。その仮定のひとつがBeilinson-Soule予想とKπ1予想であるが、これを仮定せずにバー構成法を回復原理を用いて構成した。(2) バー構成法から得られるホップDGA上の余加群とDGAに付随するDG圏のホモトピー同値性を用いて、テイト混合ホッジ構造の圏の基本群をドリニュDGAから構成をした。(3) 正標数のFp-局所系を分類する副p基本群をArtin-Schrier DGAのバー構成法を用いて構成した。このともホモトピー=シャッフル積を構成することにより、群的元の概念を定義した。(4) 高次算術幾何平均を定義し、高い種類の超楕円曲線に関するTomaeの公式を用いて、ある種のCalabi-Yau多様体の周期で算術幾何平均を表す公式を導いた。(5) 種数3の曲線から得られるCayley Octadとprojective dualで分岐するCalabi-Yau多様体の周期の間に代数的対応を用いて単射を得た。またこれが外積代数の形にならないことをホッジ構造の無限小変形を用いて観察した。
著者
松本 勉 岩村 充 佐々木 良一 松木 武
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.30, pp.13-18, 2000-03-21
被引用文献数
15

計算量的仮定に基づく暗号による電子署名方式は,技術環境が変化すれば,十分な安全性をずっと保ち続けられるとは限らないという性質を持つ.よって,本来自分だけが持つはずの暗号的署名生成機能を他のエンティティが持っているという状況が生じえる.このため,自分が署名した覚えのない電子文書が提示されたとしても,自分は署名していないことを調停者に対して証明できること,すなわち「電子署名アリバイ(電子署名の非生成証明)」を実現する機構が求められる.我々は,署名生成者の署名履歴?これには他のエンティティの署名履歴との交差が含まれる場合もある?に依存して署名生成を行うという「ヒステリシス署名」とそれを基礎とする電子署名アリバイ実現機構を提案する.Digital signature is relatively getting to lose its security because of computer power improvement. On the other hand, some kind of signatures must have long term of validity (e.g. over 20 years) in practical usage. Thus, we need reliable systems to keep validity of digital signature even if the base cryptosystem is collapsed. In this paper, we propose a "hysteresis signature" based system. In our system, we can distinguish valid signature and forge one with the signature log file which is stored safely by storing it in a smart card, by chaining the signature with previous signature, or moreover by intercrossing the signature with other signers' one.
著者
松本 勉 岩村 充 佐々木 良一 松木 武
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. DPS,マルチメディア通信と分散処理研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.97, pp.13-17, 2000-03-21
参考文献数
4
被引用文献数
15

計算量的仮定に基づく暗号による電子署名方式は, 技術環境が変化すれば, 十分な安全性をずっと保ち続けられるとは限らないという性質を持つ.よって, 本来自分だけが持つはずの暗号的署名生成機能を他のエンティティが持っているという状況が生じえる.このため, 自分が署名した覚えのない電子文書が提示されたとしても, 自分は署名していないことを調停者に対して証明できること, すなわち「電子署名アリバイ(電子署名の非生成証明)」を実現する機構が求められる.我々は, 署名生成者の署名履歴-これには他のエンティティの署名履歴との交差が含まれる場合もある-に依存して署名生成を行うという「ヒステリシス署名」とそれを基礎とする電子署名アリバイ実現機構を提案する.