著者
小野田 正利 佐藤 晴雄 吉川 武彦 野田 正人 古川 治 楠 凡之 松本 剛 和井田 節子 岩切 昌宏 山野 則子 瀧野 揚三 西川 由紀子 新井 肇 小林 正幸 山下 晃一 岩永 定 入澤 充 嶋崎 政男 清水 和夫 清水 和夫 嶋崎 政男
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

2000 年代に入ってわが国の学校現場では、教職員と保護者の間に時として激しい対立やトラブルが生じようになり、それらをどのように解決していくか、あるいは減少させていくかという課題が生まれてきた。本研究は、このような問題現象が増加している理由や背景の分析はもちろんのこと、具体的にどのようにすれば、トラブルが大きくならずに解決につながっていくかを考察したものである。このために研究者のメンバーの専門領域をより学際的なものとし、教育学だけでなく、法律学、精神医学、臨床心理学、福祉学などの幅広いものとして構成した。そこで得られた研究成果を、全国の12か所でシンポジウムとワークショップを開催する形で発表したが、これらの成果の多くは、6つの書籍などの成果物として結実した。
著者
福井 博一 景山 幸二 松本 省吾 松本 省吾
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

根腐病抵抗性の4倍性Rosa multifloraと根頭がんしゅ病抵抗性をのPEKcougelを交配し、複合抵抗性台木の育成を目指した。得られた種子から胚を摘出して胚培養を行った。遺伝子マーカーを用いて交雑後代の検証を行った結果、3個体のF1個体が得られた。これらのF1は根頭がんしゅ病と根腐病に対して高い複合抵抗性が確認できた。接木親和性検定の結果、' F1 No.1'、' F1 No.5'が台木として有望であった。
著者
松本 清 OGUNWANDE I.A.
出版者
九州大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2004

ナイジェリア産植物であるAcacia Tortilis葉中に含まれる精油成分をGC及びGC-MS分析により明らかにした。すなわち、本植物葉をジエチルエーテル(室温、1昼夜処理)にて抽出を行い、濃縮物を被険試料とした。GC条件として、DB-5及びDB-FFAP(ともに30m*0.32mm)カラム、60-240℃(3℃/min)、FID検出を採用した。また、GC-MS分析条件としては、DB-5カラムを用いて、イオン化電圧70eVで行った。ピークの同定は、GC法によるretention index値の一致並びにGC-MSライブラリーによる推定によって行った。その結果、本植物葉より収率0.12%のオイル状香気濃縮物を得ることができ、GC及びGC-MS分析の結果、本被険物のオイル組成はモノテルペン類20.4%、セスキテルペン類52.2%、脂肪族並びに芳香族化合物(17.2%)で構成されていることを明ちかにした。最終的に69種類の揮発性化合物を同定することができた。この中で、主要香気成分は、α-humulene(12.0%),α-cadinol(10.6%),nerolidol(9.9%),γ-cadinene(7.4%),α-phellandrene(4.7%),ρ-cymene(4.0%),(E)-carveol(3.1%),γ-terpinene, methyl eugenol(ca2.0%)及び2-(E)-octenal(6.0%)であると判断された。本植物葉はハーブ系素材としての展開が期待されるが、主要香気成分組成を考慮すると、すっきりとした清涼感のある素材としての活用性が期待される。
著者
堀場 裕紀江 木川 行央 岩本 遠億 深谷 計子 松本 順子 鈴木 秀明 西 菜穂子 李 榮 山方 純子 田所 直子
出版者
神田外語大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

第2言語(L2)としての2種類の日本語語彙テスト(語義・語連想)を開発し、中級から超級までの学習者と母語話者を対象にした大規模調査を行った。語彙知識は語の頻度と種類、知識の要素、母語背景などの影響を受け、量的・質的変化を伴って発達することを検証した。語彙知識とL2読解(日本語・英語)の関係についても実証的研究を行った。また、文脈における語彙の形・意味・使用に関する特性について理論的・記述的な言語研究を行った。
著者
小倉 幸雄 松本 裕行 塩谷 隆 富崎 松代 三苫 至 半田 賢司
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

確率変数の取る値の空間を一般化する研究は,理論の上からも,応用数学の立場からも重要なテーマであろう.それをファジィ集合の空間に取り,極限定理を調べるのが本研究の目的である.この空間では,位相の入れ方によって可分性が壊れることがあるので注意を要する.本研究の一つの成果は,大数の法則,中心極限定理それにマルチンゲール収束定理は,可分性が壊れる一様位相を入れた空間でも成り立つことを突きとめたことである.方法としては,単調性を用いる方法と,分割を細かくするときのパラメータに関するエントロピーの可積分性を出して,経験分布の理論に持ち込む手法を取った.大偏差原理については,可分性がより大きな影響を与えるが,Levyの距離による位相についてまでは,自然な条件の下でCramer型の大偏差原理が成り立つことを得た.Skorohod位相と一様位相の場合は,やゝ強い条件の下で成り立つことを得た.また,この条件をみたす具体例を求めたが,これはM.Arcones : Large deviations of empirical processesの一つの定理の反例になっている.また自然な条件の下で,Sanov型の大偏差原理が成り立つことも得た.速度関数を具体的に求める問題は,簡単な場合しか出来ていないが,一つの例では,2つの測度の相対エントロピーになることが分かった.次に,研究分担者の松本裕行とともに,一次元ブラウン運動B(t)とその時刻tまでの最大値M(t)について,cM-Xがマルコフ過程になるのは,c=0,1,2の場合のみであることを得た.これは,15年度からの継続の研究であるが,Levyの定理(c=1の場合)とPittmanの定理(c=2の場合)を補完するものである.
著者
千種 雄一 松本 淳 桐木 雅史 川合 覚 松田 肇 及川 暁 佐藤 孝
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.125-127, 1998
被引用文献数
4 16

アルコール症と痴呆症の60歳の女性患者が自宅で転倒しガラス窓に頭部を突っ込み同部に弁状創をおった。しかし患者は何ら創傷部の手当をしないで放置した。10日後に精神科を受診した折, 医師が創部に60匹余りのヒロズキンバエの3齢幼虫を見い出した。従来言われているハエ症を惹起しやすい状態, 病態にアルコール依存症と痴呆症を加えることを提唱する。
著者
小山 恵美 仲 隆介 松本 裕司
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

執務空間の光環境を非定常的に時間変化させるようにデザインすることで、知的「ひらめき」につながる覚醒度、自律神経活動、心理状態などを含む生理的・心理的活性度が向上する傾向がみとめられた。また、心拍変動をモニターし、ワーカー個人の生理的・心理的活性度変動を反映した光環境の制御タイミングを盛り込むことで、光環境の非定常的時間変化が知的「ひらめき」につながる活性度に及ぼす影響が増大する可能性がみとめられた。
著者
松本 啓子
出版者
公益財団法人大阪市博物館協会
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

鎖国期、17世紀後半の輸入陶器のマジョリカ・アルバレルロは、寸胴形の壺で、foglie文の葉を縦に描く。ヨーロッパには部分的に一致するものはあるが、同一型式の壺はない。foglie文も16世紀後半に限られる。アルバレルロは同一規格の薬壺で薬局や病院の棚に並ぶ。これらを運営するカトリック修道院からの注文品である。マジョリカ窯調査例では、アルバレルロの窯の占有割合は高く、カトリックの意匠も見られることから、マジョリカ工房にとってカトリックは最上の顧客とみられる。宗教改革によるカトリック衰退に伴い、旧来のマジョリカ工房も17世紀に入ると廃れ、代わってカトリック色の薄い工房がオランダ語圏北部で台頭する。大坂出土品は後出の窯で注文焼成された可能性が高いことがわかった。
著者
荒金 英樹 井口 美保子 見越 志麻 仁田 美由希 松本 史織 閑 啓太郎 北川 一智 宮川 淳 徳地 正純 宮本 保幸
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.1381-1385, 2012 (Released:2012-12-17)
参考文献数
8
被引用文献数
1

京都府歯科医師会による口腔サポートセンター事業は歯科の併設されていない病院、施設へ歯科チームを派遣し、病院、施設、在宅間の継続した歯科治療、口腔ケアを目的に設立、当院でも2008年より介入が開始された。当院での口腔サポートセンターの活動状況と看護師への意識調査を行ったので報告する。口腔サポートセンターへの依頼は2012年4月現在250名、平均年齢は79.5歳、科に片寄りなく利用されていた。月平均利用者数も年々増加、その活動は院内で広く認知されていた。看護師からは口腔環境の改善、業務負担軽減で高く評価され、継続した介入をほぼ全員が希望した。しかし、退院後の継続利用は10%程度に留まり、院内での連携の問題や退院後の継続利用への理解等の課題も浮き彫りになった。口腔サポートセンターは、院内での栄養サポートチーム (Nutrition support team; 以下、NSTと略) 活動にとって有用な活動であり、今後、栄養を介した地域連携の核となる可能性があると考えられる。
著者
木村 幹 大嶽 秀夫 下斗米 伸夫 山田 真裕 松本 充豊
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、現在の各国政治に顕著に見られる「ポピュリズム現象」に注目し、その原因と各国の事情について分析したものである。研究の概要は以下のようなものである。1)「ポピュリズム」の概念に対する検討。本研究においては、従来の錯綜した議論の中から、ポピュリズムを政治家や政党の「戦略」としてのポピュリズムと改めて位置づけた。2)戦略としての「ポピュリズム」が採用されるに至った各国の事情。本研究におしては、主たる検討対象として、日本、ロシア、台湾、韓国の4カ国を取り上げ、その具体的な状況について検討を行った。3)各国に共通する状況と世界的な「ポピュリズム」現象が持たされた理由。本研究では、その理由として、従来の政治体制、就中、政党と議会に対する信頼の低下が、各国の政党や政治家をして、政治的リーダーシップの獲得・維持のための合理的な選択として、政治家の個々の個人的人気に依拠せざるを得ない状況を作り出していることを指摘した。また、このような政党と議会に対する信頼の低下の背景に、冷戦崩壊とグローバル化の結果として、各国の従来の政治システムが機能不全を起こしていることがあることを明らかにした。以上のような、本研究は今日も続く、世界各地の「ポピュリズム」現象とその結果としての不安定な政治状況に対する包括的な理解を築くものとして、大きな学問的意義を有している。そのことは、本研究の成果が既に国際的な学術会議や、雑誌論文として公にされ、国内外に広く反響をよんでいることからも知ることができる。
著者
松本 有
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

核酸内包薬物送達システム(Drug Delivery System; DDS)開発では、細胞外環境における高い安定性と標的細胞内における効率的な核酸分子の放出という二律背反的な性能が要求される。本研究では生体内における蛍光共鳴エネルギー移動(Fluorescence Resonance Energy Transfer; FRET)計測を行った。DDSの血中安定性、組織移行性、細胞内安定性、核酸放出といった評価法を確立した。
著者
鈴木 雅人 松本 章代 北越 大輔 松本 章代
出版者
東京工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

一般の手書き文章では,字形に筆者の癖が強く現れ,また文章自体が日本語構文に合致しない場合が多いため,高い認識精度を実現するのが困難であった.本研究では,日本語構文の変遷・誤用に対する対策として,自然言語処理やデータマイニングを用いた,日本語構文解析の自己組織化モデルと,筆者の癖などに対応可能な標準パタン作成のための学習パタンの自己生成に関する研究を行った.その結果,従来の方法に比べて,手書き文章の認識精度を改善することができた.
著者
松本 幸夫 渡辺 正 河内 明夫 松本 堯生 加藤 十吉 森田 茂之 西田 吾郎
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1988

本研究の性格上、研究成果は多岐にわたるが、ここではその全般的特徴を述べ、特記すべき事項を挙げる。全般的には、低次元多様体に関連する分野で特に活発な研究が行なわれたことが目立つ。研究計画で述べた数理物理学と低次元多様体論の関連はその後も深く追求された。個別的な事項を掲げる、C^*環の研究の中で発見された結び目の新しい多項式(Jones多項式等)の位相幾何的統制力は河内の「イミテ-ション理論」によりかなり明らかになった。ゲ-ジ理論と4次元多様体論の共通の基盤であるインスタントンのモジュライ空間は、計量構造(松本堯生を中心とする広大グル-プ)と位相構造(東大グル-プ)が共に深く研究された。最新の成果として、2次元共形場理論に由来する新しい3次元多様体の不変量の発見(河野)が著しい。この不変量は、曲面の写像類群と本質的に関係するが、写像類群のコホモロジ-は、森田茂之の研究によって、その構造がかなり明らかになった。とくに、写像類群の特殊な部分群(Torelli群)とCasson不変量の関係の解明は深い成果と言える。ゲ-ジ理論の3次元版と言うべきFloerホモロジ-群の計算が吉田朋好によって精力的に遂行され、シンプレクティック幾何のマスロフ指数との関連が発見された。3次元双曲幾何の分野では、小島、宮本による測地境界を持つ3次元双曲多様体の最小体積の決定は特筆に値する。低次元多様体論以外の分野では、幾何構造の入った葉層構造(稲葉・松元)、Godvillon-Vey類(坪井)、同変sコボルディズム論(川久保)、複素空間への代数的群作用に関する上林予想(枡田等)、完全交差特異点(岡睦雄)、Approximate Shape理論(渡辺)がある。昭和63年〜平成元年に20余の研究集会と2つの合同シンポジウム(静岡大学・福島大学)を開催した。結論として、本研究は当初の目標を十分に達成し、更に新たな研究課題を見出したと言える。
著者
松本 健吾 星野 輝彦 今泉 隆志
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.105-111, 2014 (Released:2014-06-05)
参考文献数
12
被引用文献数
1 2

抗菌薬の適正使用をすすめる上で,「介入とフィードバック」による監査は重要である.当院における「介入とフィードバック」をより推進するため,抗菌薬適正使用支援システム(本システム)を構築した.本システムにより,細菌検査結果に基づいた検出菌一覧やアンチバイオグラムのような有用な情報を速やかに作成できた.これらの情報に基づいて,抗菌薬の適正使用状況を確認し,必要に応じて,薬剤師は処方医へ薬剤変更などの処方提案を速やかに実施した.その結果,細菌検査を実施した患者の中で処方提案を行った件数は,10件(3.6%)より57件(17.5%)へ大きく上昇した.またシステム構築前後の処方提案に対する受入れ率は,それぞれ90.0%と75.4%となった.またシステム構築後において,処方提案に対し受入れた方が,受入れなかった場合よりも臨床効果の有効率が高い傾向が見られた.本システムは,短時間で抗菌薬の適正使用を監査するうえで有用である.今後,病棟薬剤師と連携し,対象患者は抗菌薬療法を行うすべての患者へ広げる予定である.