著者
長島 裕二 石崎 松一郎 松本 拓也 寺尾 依咲 堤 一磨
出版者
東京海洋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

フグの毒化機構解明のため、薬物動態解析法によりトラフグにおけるテトロドトキシン(TTX)の体内動態を調べた。TTXはトラフグ消化管から速やかに吸収され、血漿中では一部血漿タンパク質と非特異的に結合し、ほとんどが遊離型として存在すること、TTXは毒化の初期段階として肝臓に取込まれるが、肝臓におけるTTXの初回通過効果は極めて小さいことが明らかになった。cDNAサブトラクション法で、TTX投与したトラフグの肝臓で発現増大したcDNA1136クローンからトランスポーター関連遺伝子11クローンを得た。
著者
金 由澤 田中 和博 山田 五代治 松本 洋一郎
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.66, no.644, pp.1126-1131, 2000-04-25
被引用文献数
1

It is reported recently that the pump head deterioration near the best efficiency point, from single-phase flow to the choke due to air entrainment became less in a screw-type centrifugal pump than in a general centrifugal pump. Moreover, at a narrow tip clearance, the pump head became partially higher in two-phase flow than that in single-phase flow. However, the internal pressure fluctuations on this pump due to air entrainment have not been studied yet. For that reason, we have examined the influences of void fraction, flow coefficient and impeller tip clearance on pressure fluctuations in the casing. At narrow tip clearance, the pump head increment in two-phase flow mainly depends on the pressure increasing in the volute casing. And the void fraction became larger, the influence of tip clearance on pressure distribution became less. Moreover, we have observed the internal flow patterns by using a stroboscope and a halogen sheet light. Then, we have investigated the influences of flow coefficient on air-water two-phase pump performance.
著者
松本 興助 有井 士郎 田邉 博典 水本 洋
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
Dynamics & Design Conference
巻号頁・発行日
vol.2004, pp."418-1"-"418-5", 2004-09-27

This paper deals with two types of trajectory planning method for three-link flexible arms. By using the desired trajectories obtained by the proposed methods, the flexible arms can rotate from each initial position to desired locations in given movement execution time without large troublesome vibrations. And additional feedback control devices besides the controller of existing actuators are not necessary. In order to confirm the effect of the desired trajectories on reducing the vibrations of the flexible arms, the responses of the three-link flexible arms were simulated numerically. It can be seen from the numerical results that the vibrations of the flexible arms were reduced enough by using the desired trajectories.
著者
松本 豊士
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会九州支部会報 (ISSN:02853507)
巻号頁・発行日
no.32, 1969-07-30

昭和42年度より,九州農試と共同研究事業として発足した水稲品種育成事業を,より良く明確に進めるために,過去11ヵ年間に当分場で供試された水稲奨励品種決定試験の資料をもとにして,当該地方における収量阻害要因のうち,気象要因,生物要因をとりあげ,その関係を逐次解明しようと試みた。今回は,供試数122品種,53系統を〔I〕移植期,〔II〕出穂期の2群に別け,それぞれの群別における穂数,穂長,千粒重,および移植後30日間,出穂前25日間,同じく15日間,出穂後30日間の日照時間が収量におよぼす影響について調べた。その繍果〔I〕移植期では5月15日〜5月25日植,〔II〕出穂期では,8月15日〜8月25日の作型が安定した様相を呈していることがわかった。
著者
地頭薗 隆 下川 悦郎 松本 舞恵 加藤 昭一 三浦 郁人
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学農学部演習林報告 (ISSN:03899454)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.33-54, 1995-10-20

鹿児島県は1993年幾度となく豪雨に見舞われた。これによって県内のあちこちで斜面崩壊・土石流による土砂災害が発生し,大きな被害がでた。8月6日の災害直後,鹿児島市とその北部域の垂直空中写真が撮影された。空中写真判読に基づき,斜面崩壊・土石流の発生分布とそれによる侵食土砂量について解析を行った。得られた結果をまとめると次のようである。1)空中写真判読区域(南北方向20.6km×東西方向15.8km,面積約325km^2)に発生した斜面崩壊・土石流は大小合わせて6,500個以上にのぼった。それらの約60%は侵食域の面積が300m^2未満のものである。2)斜面崩壊・土石流による侵食域分布図に200m間隔でメッシュをかけ,200×200mグリッド内の斜面崩壊・土石流の個数を求めた。グリッド総数8,137個のうちグリッド内に斜面崩壊・土石流が1箇所以上存在するものは全体の約26%に相当した。斜面崩壊・土石流が10個以上存在するグリッドは甲突川中流域および思川中流域に集中している。3)空中写真判読区域を5区域に区分し,それぞれの区域の斜面崩壊・土石流による侵食域の面積を求めた。さらに,侵食域面積に平均的な侵食深を乗じて各区域の侵食土砂量を計算した。8月1〜2日豪雨で約1,600箇所の斜面崩壊・土石流が発生した思川流域では約500×103m^2(約8,000m^3/km^2)の土砂が侵食された。8月6日豪雨で約3,700箇所の斜面崩壊・土石流が発生した甲突川流域では約655×10^3m^3(約6,000m^3/km^2)の土砂が侵食されている。また多くの死者やJR日豊本線,国道10号の大きな被害が発生した姶良カルデラの西壁でも約55×10^3m^3(約7,000m^3/km^2)の土砂が侵食されている。4)空中写真判読区域を表層地質で大まかに3区域に区分し,それぞれの区域の斜面崩壊・土石流による侵食域の面積,土砂量を計算した。その結果,火砕流堆積物の非溶結部であるしらす区域で約942×10^3m^3(約5,OOOm^3/km^2),火成岩類区域で約224×10^3m^3(約3,O00m^3/km^2),堆積層区域で約202×10^3m^3(約4,O00m^3/km^2)であった。
著者
盛田 健彦 杉田 洋 磯崎 泰樹 吉野 正史 松本 眞 岩田 耕一郎 川下 美潮 滝本 和広 須川 敏幸 仲田 均
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

初年度は、繰り込まれたRVZ誘導変換に対して、代表者の先行研究で既に得られていた局所型中心極限定理を、応用上重要な関数を含むクラスに拡張した。2008年度以降に予定していたタイヒミュラー計量に付随した自然な拡散過程の構成については、当初予測していなかった難点にぶつかったが、幸いにしてディリクレ空間の方法によりタイヒミュラー空間のブラウン運動と思しき拡散過程の候補に至ることができた。
著者
山田 浩二 松本 弘之 松本 勉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.213, pp.159-166, 2000-07-18
被引用文献数
14

指紋照合装置の安全性に対する問題の一つとして, 指の物理的な偽造があげられる.このような偽造への対策は, 特許などで生体検知機能として様々な方法が提案されている.しかしながら, それらの機能が装置に実際に組み込まれているか否かは不明なものが多く, 実際に偽造した指を用いた評価に関しては明らかにされていない.そこで, 我々は, グミ(ゼラチン水溶液をゲル化させたもの)を材料とした指を人工的に作製し, 入手した9つの異なる指紋照合装置を用いてその人工指が受け入れられるか否かを実験的に検証した.実験結果から, 実験に用いた全ての装置においてグミ製人工指が受け入れられることが判明した.本稿では, 人工指が悪用できる場合の問題点について検討し, 人工指の作製方法と実験結果について報告する.
著者
松本 悟 田代 順孝 宮城 俊作 木下 剛
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.93-102, 1998-03-31

本研究は,都市河川とりわけ近代産業発展の舞台となった隅田川とその沿川の産業施設に着目し,これらがやがて衰退・用途転換していく過程において,河川と産業施設との関係がどのように変化してきたのかについて,河川に対する表裏の認識という視点から分析することを通じて,沿川空間のもつ地域環境デザイン上の意義と課題について考察を行うことを目的に実施した.その結果,産業施設の河川に対する表(産業インフラとして)→裏→表(環境資源として)という認識の変化が明らかとなった.そして,河川と地域との関係を媒介する場としての産業施設の位置的な重要性が指摘され,地域の論理やニーズを的確に反映した空間デザインが課題とされた.
著者
松本 嘉孝
出版者
豊田工業高等専門学校
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

河川環境とその場に生息する生物の相互作用を仲介する堆積性有機物BOMの堆積・流出メカニズムの解明は進んでいない。そこで本研究では,BOM量の基礎的データを蓄積し,出水前後におけるBOM量変動の把握とその影響要因の解析を行った。その結果,1)BOMはサイズによりその堆積量が異なり,変動傾向にも違いが現れた。2)出水前後のBOM量の変化は,出水始めの水位上昇時にはBOM量が減少し,出水後の水位低下時にはBOM量が増加する傾向が見られた。
著者
定金 晃三 横尾 武夫 福江 純 松本 桂 有本 淳一 小林 英之 本田 敏志
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. 第III部門, 自然科学・応用科学 (ISSN:13457209)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.55-65, 1995-09
被引用文献数
1

大阪教育大学に設置された口径50cm の反射望遠鏡には,観測装置として液体窒素冷却の高性能CCDカメラが備えられている。さまざまな種類の天体観測を行いながら,このCCDカメラそのものの性能の評価と柏原キャンパスにおける天体観測性能の評価を行った。結果として,CCDカメラの冷却性能,読み出しノイズのレベル,直線性などはいずれも良好であることがわかった。空の明るさの計測を行った結果,柏原の空は市街光の影響を著しく受けており,しかも,方向によって影響の大きさが異なることが分かった。多数のイメージを計測した結果,星像の大きさの平均は現状ではおよそ4秒角である。点光源(星)を対象とした場合,120秒間の露出を4ないし5回行うことで14等台の明るさの天体の相対測光観測が0.02等の精度で行えることがわかった。We have conducted an extensive series of tests of the CCD camera which is used at the Cassegrain focus of the 50 cm telescope of Osaka Kyoiku University. Measurements of bias and dark counts, the read-out-noise, and of the linearlity show excellent performances of the camera. We also measured sky counts over the observatory, apparent stellar radius, and the statistical photometric precision of the observing system. The sky brightness is seriouly affected by the city light. The FWHM of the stellar image is, on the average, around 4 arc sec. Photometric precision of +/— 0.02 mag is achieved by the present system in measurements of 14-th magnitude stars.
著者
藤林 真美 齋藤 雅人 大田 香織 松本 珠希 森谷 敏夫
出版者
一般社団法人 日本女性心身医学会
雑誌
女性心身医学
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.86-93, 2008
被引用文献数
1

女性の就業率が増加し,多忙で不規則な生活を強いられることと相俟って,簡便で即効性の保湿・栄養効果があり,尚且つ爽快感や心地よさなどの心理的作用を期待できるスキンケアが求められている.本研究では,化粧水などの液状製剤を含浸させたシート型コスメティック・フェイシャルマスクによる心身のリラクセーション効果を自律神経活動の観点から評価することを試みた.14名の健康な若年女性(年齢21.2±0.8歳)を対象に,フェイシャルマスクを15分間装着させ,マスクの使用前・使用中・使用後の心電図を胸部CM_5誘導より測定した.自律神経活動は,心拍のゆらぎ(心電図R-R間隔)をパワースペクトル解析し,非観血的に交感神経活動と副交感神経活動を弁別定量化した.また,フェイシャルマスク使用前後に,Visual Analog Scale(VAS法)を用いて主観的心理反応(さわやかさ,うるおい感)も計測した.その結果,マスク使用前と比較して,心拍数は,使用中(p<0.05),使用後(p<0.05)に有意に低下した.総自律神経活動は,使用中に有意に増加(p<0.05),副交感神経活動については使用中(p<0.05),使用後(p<0.05)ともに顕著な増加を示した.また使用感スコアは,フェイシャルマスク使用後,さわやかさ(p<0.01),うるおい感(p<0.01)ともに顕著な上昇を認めた.これらの結果から,フェイシャルマスクの総合的な質感が,直接的あるいは間接的に自律神経系に作用し,副交感神経活動の亢進により,心拍数を減少させたことが考えられた.また短時間のフェイシャルマスクの装着により,肌のうるおい感と心理的な爽快感を生み出すことから,心身のリラクセーション効果も得られることが推察された.