著者
林 和弘 黒沢 俊典 松田 真美
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.408-415, 2012-09-05 (Released:2012-09-01)
参考文献数
8

MEDLINEに収録されている医学系雑誌のうち,日本が発行国のものについて,発行形態,電子ジャーナルプラットフォーム利用状況,Science Citation Indexの採録状況について調査を行ったところ,非商業誌が多く,電子ジャーナル化率が非常に高いことがわかった。また,Science Citation Indexにも採録されている雑誌のインパクトファクターを分析したところ,国内外のプラットフォーム利用でほとんど差がないことがわかった。また,インパクトファクターの経年変化を見ると,日本の電子ジャーナルプラットフォームを利用している雑誌のインパクトファクターの伸びは,他海外プラットフォームを利用している雑誌と比べて大きいことがわかった。さらにその国内外のプラットフォーム利用別にオープンアクセス化の状況を見ると,国内プラットフォーム利用のオープンアクセス化が非常に高く,両者に大きな差があることがわかった。
著者
松田 真希子 松田 佳子
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌 (ISSN:18813968)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.36-37, 2016 (Released:2016-12-22)
参考文献数
6

In recent years, task-based Japanese teaching materials, such as Dekiru Nihongo (DK), have been published. This study provides a practical report of an intensive Japanese language program using the textbook DK for international university students, comparing it with the program that uses Minna no Nihongo (MN). The results indicate that students can improve their listening and production skills more by using DK, less grammatical knowledge is provided in DK, and academic contextualization is required to fulfill students' learning needs.
著者
松田 真里
出版者
日本フランス語フランス文学会関西支部
雑誌
関西フランス語フランス文学 (ISSN:24331864)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.39-48, 2023-03-31 (Released:2023-11-10)

Dans les oeuvres de Proust, on remarque la présence d’un grand nombre d’animaux humbles : têtards, libellules, colimaçons, poissons divers, abeilles, protozoaires, etc. qui relèvent de l’infra-animalité, selon la terminologie d’Anne Simon. L’intérêt pour les animaux, notamment dans les études philosophiques, est important de nos jours, et des recherches sur les animaux chez Proust ont déjà été menées. Raymonde Coudert a abordé différents aspects du sujet. Anne Simon a lancé un projet sur les animaux en littérature qui a donné lieu à beaucoup d’articles. Pauline Moret-Jankus a traité ce sujet sous l’angle de la biologie. Nous allons remarquer que les animaux humbles sont influencés non seulement par l’intérêt de l’histoire naturel de son époque mais aussi par la littérature. Nous allons étudier par exemple l’humble mouche et la chenille dans les Plaisirs et les jours et Jean Santeuil. « Humble » vient du latin humilis, qui signifie « bas, près du sol, peu élevé ». Dans le texte, une simple chenille est présentée comme « augure certain de la présence du dieu Eté ». Dans ses lettres, Proust a employé la métaphore d’animaux humbles (ver de terre, ver à soie, araignée ou guêpe fouisseuse) pour se représenter lui-même et pour représenter son idéal comme écrivain. Dans La Recherche, les animaux humbles sont encore davantage présents. Ils sont utilisés comme un moyen d’exprimer des pensées profondes et de se retrouver soi-même. Après l’obtention du prix Goncourt, Proust cite plusieurs fois le vers de La Fontaine : « L’autre exemple est tiré d’animaux plus petits. »
著者
松田 真希子 タン ・ティ・キム・テュエン ゴ ・ミン・トゥイ 金村 久美 中平 勝子 三上 喜貴 Makiko MATSUDA Thi Kim Tuyen THAN Minh Thuy NGO Kumi KANAMURA Katsuko NAKAHIRA Yoshiki MIKAMI
雑誌
世界の日本語教育. 日本語教育論集 = Japanese language education around the globe ; Japanese language education around the globe (ISSN:09172920)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.21-33, 2008-06-30

本研究は、ベトナム人日本語学習者のための日本語の漢語とベトナム語の漢越語の対照分析である。現代ベトナム語は漢字を使用しないが、語彙には漢語からの借用語(漢越語)が多いため、韓国語・日本語と同様に漢字文化圏に属する。そのため、ベトナム語母語話者は、日本語を学ぶ際に学習ストラテジーとして漢越語知識を活性化させていることが明らかになっている(Tuyen 2003)。しかし、実際に漢越語知識がどの程度日本語学習に効果があるかはまだ明らかにされていない。そこで本研究では、ベトナム人学習者が日本語を学ぶ際、漢越語の知識がどの程度日本語学習に役立つかを明らかにすることを目的に、日本語能力試験出題語彙全約8,000語に占める二字漢字語約4,000語における漢越語との意味の一致状況を調査した。その結果、 (1)二字漢字語においては全体の5割が一致語や類似語である。 (2)1級と2級の二字漢字語については日越漢語の一致や類似が6割近くに達し、更に語彙全体に占める二字漢字語の比率も1級56%、2級46%と高くなっている。 (3)4級語彙については日越の漢字語彙の一致度は多くとも2割以下である。3級も同様に一致度は低い。 (4)和製漢語と漢越語の一致率は6割以上であり、学術専門用語であれば更に一致する可能性がある。ということを明らかにした。これにより、漢越語知識は日本語の習得に役に立つが、特に効果が発揮されるのは中級以降であること、また学術専門用語の学習には漢越語知識が役に立つ可能性が高いことが明らかになった。ただし日本語学習における漢越語の効果については個々の意味の対応の調査だけでなく、書字や音との関係性も踏まえて漢字語彙の認知処理の状況を調べる必要がある。今後の課題である。
著者
井川 房夫 日高 敏和 桑原 政志 松田 真伍 大園 伊織 知久 正明 北村 直幸 ショパン アントワン 島原 佑基
出版者
島根県立中央病院
雑誌
島根県立中央病院医学雑誌 (ISSN:02895455)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.3-12, 2021 (Released:2021-03-25)
参考文献数
34

日本は人口比MRI保有台数が世界一であり,日本人の未破裂脳動脈瘤は欧米人の2.8倍 破裂しやすいため,脳ドックが発展している.近年人工知能による未破裂脳動脈瘤診断もされるよ うになったため,未破裂脳動脈瘤のMRI画像診断,人工知能による画像診断について報告する.
著者
松田 真由美
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

申請者はこれまでに成人女性を対象に腋窩・鼠径部の冷却実験を行った。被験者はベッド上で仰臥位安静とした。氷嚢を用いて腋窩・鼠径部の冷却を60分間行うと、鼓膜温、平均血圧が上昇する傾向を示し、また、寒さによる不快感が生じた。寒冷刺激に対して、皮膚血流の減少(熱放散の抑制)、エネルギー代謝の亢進(熱産生の亢進)が起こり、深部体温が上昇する傾向になったものと考えられる。冷却により血圧が上昇傾向にあることから、循環器系への負担が増えることも考えられる。発熱時には平熱時よりも体温を上昇させるための体温調節反応が強くなると考えられ、冷却による体温・血圧の上昇や不快感は平熱時よりも強くなる可能性も考えられる。発熱時に行うケアとして、腋窩・鼠径部冷却の有益性を再考する必要があることが示唆された。
著者
松田 真一 深田 信幸 大石 昌仁 岡 宏明 原 良介 小島 愛 中野 駿 元吉 克明 五十嵐 繁樹 佐々木 裕子 亀山 菜つ子 窪田 和寛
出版者
一般社団法人 日本薬剤疫学会
雑誌
薬剤疫学 (ISSN:13420445)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.41-54, 2021-06-20 (Released:2021-07-26)
参考文献数
17

保険請求データベース(DB)や電子カルテ DB 等,日常診療の情報が記録されたリアルワールドデータ(real-world data:RWD)は,薬剤疫学研究における重要なデータ源の一つである.日本において,2018年4月より製造販売後調査の新たなカテゴリーとして,医薬品の製造販売後データベース(製販後 DB)調査が追加された.以降,医薬品リスク管理計画(risk management plan:RMP)において製販後 DB 調査が計画され,製販後 DB 調査の実践が期待されているが,現時点で結果公表まで至ったものはほとんどない.一方,海外においては RWD を用いた DB 研究成果は現時点で多数報告されている.海外と日本では,DB 自体の特性(項目・構造等)の違い,医療環境・慣習の違い等を念頭におく必要はあるが,そのような前提を踏まえて海外 DB 調査論文を精読し,研究仮説,研究デザイン,手法等を吟味することは,日本における製販後 DB 調査の計画・実行・結果の解釈を実践するうえで参考価値があると考えた.本報告の目的は,海外 DB 調査論文の批判的吟味を通じて,DB 調査の特徴や注意点を考察すること,そして,日本における製販後DB 調査の実践に役立つ提言を行うことである.本稿が,今後の製販後 DB 調査を計画・実施するうえでの一助になれば幸いである.
著者
松田 真美 黒沢 俊典 林 和弘
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.41-46, 2020-01-01 (Released:2020-01-01)

2010年から,3年に一度,10年にわたりMEDLINE収録 国内医学雑誌の採録数,電子化状況,インパクトファクターなどについて定点観測を行い経時変化を分析した。この間に,英文誌の割合の増加,海外プラットフォームの割合の増加,国内プラットフォームのJ-STAGEへの集約,インパクトファクターの上昇などの傾向が見られた。2017年に採録数が急減したが,多くはMEDLINEの収録ポリシーの変更に対応できなかったジャーナルであり,電子データの重要性が明らかとなった。
著者
松田 真悟
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.57-59, 2018 (Released:2019-07-30)
参考文献数
16

恐怖記憶と関連のある精神疾患の多くは有病率に性差が認められ,女性のほうが高い。この性差の生物学的背景を解明するために,恐怖記憶を忘れる過程(恐怖消去)に着目した研究が進められている。恐怖関連疾患の一つである外傷後ストレス障害の患者は恐怖消去の安定性が低いことから,恐怖消去の性差を担う分子機構を解明することで恐怖関連疾患の有病率の性差に対する生物学的背景の解明やそれを利用した新規治療法の開発へ発展することが期待される。
著者
柘植 勇人 富田 真紀子 加藤 由記 稲垣 憲彦 岩田 知之 山脇 彩 宮田 晶子 松田 真弓 中原 裕子 中島 務
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.239-248, 2011 (Released:2011-07-28)
参考文献数
28

Tinnitus Retraining Therapy (TRT) の音響療法を実施する中で, sound generatorのノイズ音に馴染むことが出来ない症例を経験する。そこで, TRTの音響療法として, 自然環境音で同様の効果が得られないかを検討した。sound generator (SG) を十分に使い慣れているTRT実施中の患者10名の協力を得て, 携帯音楽プレーヤーと耳かけオープン型イヤホン (一側耳装用) を用いて, 川のせせらぎなどの5種類の音源の試聴を行い調査した。その結果, TRTにおける音響療法は広帯域ノイズに固執する必要はなく, 自然環境音で代用できる可能性が示唆された。人によっては様々な音源による音響療法が成り立つ可能性と静寂部分が含まれている「波の音」は適さない傾向が示唆された。一方, 広帯域ノイズに似た「滝の音」が好まれるグループがあったので, SGの有効性も示された。今回の結果より, 夜間の静寂を避けて寝室に心地良い環境を作るという意味で, 自然環境音をBGMとして活用する価値も考えられる。今後は, 実際の活用症例の効果を検討する必要がある。
著者
中川 将吾 六崎 裕高 鎌田 浩史 俣木 優輝 遠藤 悠介 松田 真由美 高橋 一史 岩崎 信明 山崎 正志
出版者
南江堂
雑誌
別冊整形外科 (ISSN:02871645)
巻号頁・発行日
vol.1, no.75, pp.245-248, 2019-04-25

は じ め に 外骨格型の動作支援ロボットであるロボットスーツHybrid Assistive Limb(HAL;Cyberdyne社)を使用した機能回復訓練が脳卒中,脊髄損傷,変形性関節症といったさまざまな運動機能障害患者に対して導入され,その良好な結果が報告されている1~3).HALは関節運動の補助を行うとともに,補助された運動の変化を感覚系が中枢神経にフィードバックし,HAL取りはずし後にもその効果が継続するのではないかと考えられており,interactive bio-feedback仮説と呼ばれ,麻痺症状を呈するさまざまな疾患に対しての効果が期待できる4). HALは,脳性麻痺患者に対しても自立歩行を可能にすると報告されている5).脳性麻痺はさまざまな病型があるが,痙縮型に代表されるように,筋出力のインバランスを伴っている.重症度の分類であるgross motor function classification system(GMFCS)(表1)6)のレベルⅠからⅤに進むに従って重症化し,筋出力のインバランスも強くなってくる.GMFCSレベルⅢやレベルⅣの症例は,歩行訓練を行い,筋出力のインバランスを調整することで歩行能力を維持し,変形を予防し,介助量を減少させることが可能である. われわれのグループでは,運動機能障害を有する脳性麻痺患者に,HALを使用した歩行訓練を外来レベルで単回,また入院して集中的に行っている.本稿では脳性麻痺患者に対してのHALを使用した歩行トレーニング方法と,使用後の効果について報告した.