著者
金 勲 阪東 美智子 小林 健一 下ノ薗 慧 鍵 直樹 柳 宇 菊田 弘輝 林 基哉
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.88, no.806, pp.300-306, 2023-04-01 (Released:2023-04-01)
参考文献数
16
被引用文献数
1

From the early stages of the COVID-19 outbreak, there have been many reports on cluster infections in clubs and bars. Meanwhile, there is no report on the indoor air environment in those places and it will limit measures for infection control. This study aims to understand the indoor air and ventilation environment and to propose practical and appropriate improvement measures for related industries. In addition to measuring CO2 concentration in clubs and bars in Tokyo, we have surveyed the voluntary measures taken against COVID-19, outlines of building and ventilation/air conditioning equipment, ventilation regime, and so on.
著者
日置 佳之 須田 真一 百瀬 浩 田中 隆 松林 健一 裏戸 秀幸 中野 隆雄 宮畑 貴之 大澤 浩一
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.43-89, 2000-08-10 (Released:2018-02-09)
参考文献数
97
被引用文献数
3

東京都練馬区にある東京都立石神井公園周辺の1930〜40年代と1980〜90年代における生物相を50余点の文献から明らかにした.また,同地のランドスケープを地図と空中写真を用いて縮尺1/2,500で図化した.2つの年代間で生物相の比較を行ったところ,すべての分類群で種の多様性が顕著に低下していることが明らかになった.また,ランドスケープの変化を地理情報システムによって分析した結果,樹林地は比較的高い率で残存していたものの,草地,湿地は大きく減少し,水路などの流水域と湧水はほぼ完全に消失していた.開放水面の面積は微増し,市街地は大幅に増加していた.同地域における種多様性の変化要因を明らかにするためにギルド別の種数変化と生育(息)地の規模変化の関係を求めた結果,種数の変化は生育(息)地の規模変化に対応していることが認められた.また,ギルドによって,生育(息)地の分断化に対する抵抗性に差異が認められた.研究の結果,地域において種多様性を保全するためには,生育(息)地として機能するランドスケープ要素(生態系)の多様性を確保することが不可欠であることが示唆された.
著者
清水 大輝 雄山 博文 若林 健一 伊藤 真史 杉田 竜太郎
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.546-550, 2021 (Released:2021-11-25)
参考文献数
20

脳空気塞栓症は,医療行為や外傷,あるいは潜水などによって生じるが,内因性疾患が原因で生じることは稀である.今回,胸部疾患および腹部疾患にそれぞれ続発した脳空気塞栓症を経験したので報告する.症例1は78歳男性.非結核性抗酸菌症と肺気腫を基礎に有し,反復性気胸を呈していた.突然の左半身麻痺・意識障害にて発症し,画像検査にて,両前頭葉に微小な空気像と両側大脳半球に多発性脳梗塞,および右肺に気管支肺炎と気胸を認めた.臨床経過と検査所見から,慢性肺疾患を基礎に気胸に起因する脳空気塞栓症と診断した.症例2は92歳男性.嘔吐後意識障害にて発症し,画像検査では,左大脳半球に空気像と両側半球に多発性脳梗塞,および小腸イレウス・腸管気腫症・門脈ガスを認め,非閉塞性腸管虚血症に起因する脳空気塞栓症と診断した.脳空気塞栓症の中には,稀ではあるが内因性疾患が原因の場合があることに留意し,全身の複雑な病態把握に努める必要がある.
著者
浜野 龍夫 林 健一 川井 唯史 林 浩之
出版者
一般社団法人 日本甲殻類学会
雑誌
甲殻類の研究 (ISSN:24330108)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.73-87, 1992-12-31 (Released:2017-09-08)
被引用文献数
6 5

Crayfish in Lake Mashu, Hokkaido, Japan, were captured with tangle nets in the summer of 1992. All specimens, 171 males and 517 females, had intermediate diagnostic character between two subspecies, Pacifastacus leniusculus leniusculus and P, l. trowbridgii. Although three very large individuals of unidentified crayfish were captured in this lake by poachers of trout in 1975 and 1985, there is no certain confirmation because of illegal samplings. One of the present authors took a chance to measure one of them, a fresh male crayfish with very large chelae, in 1975 when he was 11 years old and recorded only its giant size, i.e. 47 cm carapace length. However, the largest P. leniusculus collected in this study was 5.7cm in c. l. Neoteny may have occurred because there is no secondary sexual character on chelae of adult P. leniusculus males. This lake has no river. Age of the lake is estimated as about 2000 years old. Further, all species of fish and crustaceans in the lake were artificially introduced from other waters. Of crayfish, only P. leniusculus occurs and was introduced from Portland, Oregon, U.S.A., in 1930. From these, the unidentified gigantic crayfish seems to have been P. leniusculus grown to a giant size.
著者
小菅 瑠香 小林 健一 筧 淳夫
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.78, no.686, pp.765-773, 2013-04-30 (Released:2013-06-04)
参考文献数
13
被引用文献数
1 5

This study describes the effect of all single-room wards on hospital-bed management and how it differs from mixed multi-bed-room wards from a case of redesigned hospital building. Surveys were conducted for 32 days by nurses in these two types of wards with a recordkeeping of each patient's bed location, patient's nursing need degrees, and the reasons of each patient-bed transfer. It showed that both types of wards have a tendency to place patients who need high level of nursing care, around the staff station. The study concludes that the all single-room wards reduce the number of patient-bed transfers especially based on patient's request for favorable therapeutic environment.
著者
小林 健一 筧 淳夫 伊藤 昭 糸山 剛 河口 豊 郡 明宏 辻 吉隆 森本 正一 柳 宇
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.16, no.34, pp.1099-1104, 2010-10-20 (Released:2010-10-20)
参考文献数
8

In the current laws and ordinances, the matter to accommodate the tuberculosis patient who is an airborne infectious disease is not exhibited. In this study, we discussed the building standard of the medical institution which accommodate tuberculosis patient, for the purpose of showing recommendations. The medical institution to accommodate tuberculosis patients needs to keep building facilities corresponding to the airborne infection, and it is necessary to perform use based on the latest scientific evidences.
著者
足立 勝 中林 健一 東 理恵 倉田 裕文 高橋 芳弘 下川 敬之
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.1139-1145, 1999-11-15
被引用文献数
4 7

暗所下においてエチレン処理したカイワレダイコン(Raphanus sativus L.)子葉の脱緑機構を明らかにするために, クロロフィルαの分解を子葉のタンパク質を用いて検討した.粗酵素はエチレンにより脱緑が誘導されたカイワレダイコン子葉から調製した.クロロフィルα分解酵素は, H_2O_2-2, 4-ジクロロフェノール/pクマリン酸依存であった.クロロフィルα分解反応の最初の分解産物はHPLCとHPTLC分析により分析された.その分解産物が標準C-13^2-ヒドロキシルークロロフィルαのRf値/リテンションタイムと同じことよりC-13^2-ヒドロキシルークロロフィルαのRf値/リテンションタイムと同じことよりC-13^2-ヒドロキシルークロロフィルαと同定された.C-13^2-ヒドロキシルークロロフィルα生成反応はアスコルビン酸(2mM)そしてKCN(2mM)の添加により完全に阻害された.しかし, 嫌気性条件下では阻害されなかった.つまり, C-13^2-ヒドロキシルークロロフィルα生成酵素は, H_2O_2を利用した1原子酸素添加反応を触媒するペルオキシゲナーゼまたは, ペルオキシゲナーゼ作用を持つペルオキシダーゼの一種であると考えられる.さらに, 三次元蛍光分光解析により無色の蛍光クロロフィル代謝産物(FCC : Ex 350 nm/Em 455 nm)がクロロフィルαの分解につれて生成されることが明らかとなった.以上の結果よりクロロフィルαはカイワレダイコン子葉より調製したタンパク質により, 以下の反応で分解されることが示唆された.Chl α→C-13^2-HO Chl α→→colorless Rs-FCC(無色の蛍光クロロフィル代謝酸化開環産物).
著者
林 健一
出版者
日本動物分類学会
雑誌
動物分類学会誌 (ISSN:02870223)
巻号頁・発行日
no.32, pp.17-29, 1986-03-25

文部省の海外学術調査により1984年7月から9月にかけてギルバート,ナウルとソロモン諸島を訪れ,調査の一員として甲殻類の採集を行った.今回はそのうちのテッポウエビ科とテナガエビ科を除くエビ類について簡単に報告する.低潮時にサンゴ礁上とその周辺の浅海域でスノーケルや一部SCUBAを使って採集を行った.調査標本は2亜目,5科,20種に分類された.ナウルの採集物の中には該当するエビ類は1種も発見できなかった.ソロモン諸島で採れたモエビ科の1種Hippolyte sp.は既知種のどれにも一致しなかった.クルマエビ科の唯一の種であるMetapenaeopsis tarawaensisはその名前の通り,タラワ環礁が基産地であり,今回はアベママ環礁で採集されたが,この科のものとしては特異な分布を示し,キリバス以外からは報告がない.その他の種類はほとんどインド西太平洋種で,広い分布域を持つ.ただモエビ科の2種とオトメエビ科の2種は稀であり,今回の標本がそれぞれ2〜3回目の報告となる.日本にはこのうちの13種が分布している.
著者
神尾 幸則 稲葉 行男 渡部 修一 小山 基 大江 信哉 林 健一 千葉 昌和
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.35, no.10, pp.1634-1638, 2002-10-01
被引用文献数
10

症例は84歳の女性.脳梗塞の既往があり,心房細動,うっ血性心不全で近医通院中.腹痛,嘔気が出現し,イレウスの診断で入院となった.大腸内視鏡検査でイレウスの原因が直腸S状部の2型腫瘍のためであると判明したため,経肛門的に腫瘍口側にイレウスチューブを留置した.肝機能異常のため手術を延期していたが,入院20日目,腹痛出現,翌日には腹膜刺激症状を認め,緊急手術を施行した.開腹すると膿性腹水が骨盤内を中心に貯留しており,腹膜炎の原因は腫瘍直上の口側腸管の穿孔と判明した.手術はハルトマン手術を施行した.標本を切開したところ,癌腫の口側腸管に線状潰瘍とPTP包装薬剤を認めた.最近,PTP(press through package)誤飲による消化管損傷が増加しているが、大腸穿孔の例は本邦では5例と少なく.直腸穿孔は本症例が本邦初の報告である.
著者
石林 健一 崎村 祐介 俵 広樹 林 憲吾 加藤 嘉一郎 辻 敏克 山本 大輔 北村 祥貴 角谷 慎一 伴登 宏行
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.217-224, 2022-03-01 (Released:2022-03-31)
参考文献数
25

症例は45歳の女性で,20年前にくも膜下出血による水頭症に対して脳室腹腔シャント(ventriculoperitoneal shunt;以下,VPSと略記)挿入術が施行された.意識障害があり当院を受診し頭部CTで脳室拡大を認め,脳室ドレナージが施行された.VPSの閉塞が疑われ施行した全身CTでVPSチューブが上行結腸を穿通しており,治療目的に当科紹介となった.開腹するとチューブ状の繊維性被膜が上行結腸に付着しており,繊維性被膜を全周性に剥離するとVPSチューブが同定できた.VPSチューブを結紮,離断し,腸管に穿通しているカテーテルは抵抗なく抜去できた.腸管の瘻孔は縫合閉鎖した.VPSチューブ腹側端は髄液漏出を確認し,繊維性被膜内から出さずに閉腹した.術後第9病日に脳室ドレーン感染からの髄膜炎を来し,VPSチューブの全抜去を施行した.まれなVPSの消化管穿通の1例を経験したので報告する.
著者
橋口 一弘 若林 健一郎
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.123, no.1, pp.24-29, 2020-01-20 (Released:2020-02-05)
参考文献数
16

アレルギー性鼻炎の治療選択肢は近年増加してきたが, 薬物治療の中心となるのは第2世代抗ヒスタミン薬である. 抗ヒスタミン薬は第1世代と第2世代に分類されるが, 基本的な構造は共通である. 第1世代抗ヒスタミン薬の特徴として, 脂溶性が高く組織移行性が良好である. このため中枢移行しやすくなり, 眠気などの副作用を起こす. また H1 受容体に対する選択性が低いため, ムスカリン受容体, セロトニン受容体などアミン受容体に共通構造を持つほかのアミン受容体にも結合をする. 口渇, 食欲増進などの副反応はこのためである. こういった不要な反応を軽減することを目的として第2世代抗ヒスタミン薬が開発された. 第2世代抗ヒスタミン薬の特徴として, 脂溶性が低下し血中タンパク結合が多くなった. このため組織移行性が悪くなったが, 中枢移行が少なくなり眠気などの副作用が減った. H1 受容体に対する選択性が高くなったことから, ほかのアミン受容体への結合が少なくなり, 第1世代抗ヒスタミン薬で見られた副反応が減ってきた. 一方で組織移行性の低下なども見られることから, その効果には個人差があることも理解しておく必要がある. 近年経口剤ではなく, 投与経路を変更した貼付剤の抗ヒスタミン薬が開発されてきた. さまざまな投与法の選択肢が増えてきたことで, 第2世代抗ヒスタミン薬の特徴を理解し, 患者満足度を上げるように使用することが大事である.
著者
江川 香奈 内田 聡 野田 五十樹 依田 育士 堀内 義仁 小林 健一 筧 淳夫 長澤 泰
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.76, no.669, pp.2057-2064, 2011
被引用文献数
2

The study aims at finding out potential capacity for admitting casualties suffering from devastating disasters occurred in the vicinity of hospitals within a limited time frame during ordinary day to day hospital services. Three stages of analysis on admitting casualties were carried out. As the results, quite significant implications were obtained, inter alia, number of CTs / X-rays as well as the treatment space are found to be critical factors in order to complete the treatment of casualties in limited period of time.
著者
家城 恭彦 宮腰 久嗣 永井 幸広 番度 行弘 臼田 里香 宮本 市郎 大沢 謙三 小林 健一
出版者
一般社団法人 日本内分泌学会
雑誌
日本内分泌学会雑誌 (ISSN:00290661)
巻号頁・発行日
vol.67, no.7, pp.755-763, 1991-07-20 (Released:2012-09-24)
参考文献数
16

It is generally accepted that acromegaly is often associated with hypercalciuria, but there are few reports on the frequency and the mechanisms of urolithiasis. Recently we consecutively experienced 2 cases of acromegaly with urolithiasis, and these experiences made us investigate the association between urolithiasis and acromegaly.Among 18 acromegalies from 1977 to March 1990 (10 males, 8 females, 24-64 years old), 13 cases (72%) fulfilled the criteria of hypercalciuria (urinary calcium (u-Ca) ?200mg/day or u-Ca/urinary creatinine (u-Ca/u-Cr)?0.15), and 7 cases (39%) suffered from urolithiasis that was diagnosed by KUB (4 cases) or X- ray computed tomography (CT)(3 cases). Especially in the last 2 years, 5 out of 7 cases (71%) were complicated with urolithiasis and all 7 cases were associated with hypercalciuria. These results suggest that hypercalciuria and urolithiasis are both much more frequent than previously reported.In 6 cases who were treated by pituitary adenomectomy from 1988-1989 (4 males, 2 females, 24-59 years old), we examined Ca metabolism before and after operation. Before operation, the levels of serum growth hormone (GH), u-Ca (mg/day), u-Ca/u-Cr (in all cases) and plasma somatomedin -C (Sm-C) (in 4 cases) were increased above the normal range. To determine the etiology of hypercalciuria, we performed the oral Ca load test under restriction of Ca (400mg/day) and P (650mg/day) intake. The results suggested that the hypercalciuria might be mainly due to the increased absorption of Ca from the intestine (so-called ”Absorptive hypercalciuria”). However, the levels of serum vitamin D (Vit. D) metabolites were all within the normal range before operation. After operation, GH and u-Ca/u-Cr (in 5 cases) and u-Ca (mg/day) (in all cases) decreased significantly compared with before operation, and the levels of Sm- C (in all cases), serum 25-(OH) D3, 1α,25-(OH)2D3 (in 4 cases) and 24,25-(OH)2D3 (in 3 cases) were also reduced after operation. Surprisingly, u-Ca and u-Ca/u-Cr normalized only in 4 cases who showed a reduction in 1α,25- (OH)2D3 levels after operation, although there were no correlations between u-Ca (mg/day) or u-Ca/u-Cr and 1α, 25-(OH)2D3. Significant correlations were found between u-Ca (mg/day) or u-Ca/u-Cr and Sm-C. The parathyroid function evaluated by the rapid Ca infusion test or nephrogenous cyclic adenosine monophosphate (NcAMP) was normal before and after operation.In conclusion, the high frequency of urolithiasis in acromegaly observed in this study may be strongly ascribed to hypercalciuria, and the facts that (1) in the general population, the frequency of urolithiasis has increased and (2) our methods of confirming urolithiasis were more sensitive than those described in previous reports. The cause of hypercalciuria might be partly due to increased Ca absorption from the intestine mediated by 1α,25-(OH)2D3. Now we emphasize that urolithiasis in acromegaly is more common than previously considered, so it is important to prevent severe complications of urolithiasis by early diagnosis and treatment.
著者
松浦 義昭 植田 千春 小林 健一
出版者
一般社団法人日本時計学会
雑誌
日本時計学会誌 (ISSN:00290416)
巻号頁・発行日
no.103, pp.28-41, 1982-12-25

We have developed a very low power consumption lOOnA IC for analog quartz watch, using the current control system. As the reference voltage for the current source, we have used a circuit in which the threshold voltage of the depletion and enhancement MOS transistors and their ratio of conductance coefficient are used. For the current source, we have used the current saturation characteristic of MOS transistor. Further, this IC features excellent electrical characteristics, stable temperature characteristics and high yield, due to the CMOS Al gate process in which thin gate oxide is used.
著者
河原林 健一 HOSHINO Richard
出版者
国立情報学研究所
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

2012年度の研究は、2011年度に引き続き、グラフ理論をスケジューリング問題に応用する研究を行った。特に日本プロ野球の日程に関して、以下の条件を考慮したスケジュール作成を行った。1.ホーム、アウェイゲームの連続性(ホーム、アウェイは2カードまで)2.各球団は、他球団との対戦をほぼ平等に行う(シーズンの最後に特定カードを多数残すことのないようにする)3.休日と週末でのホームゲーム試合数の均等化4.球場が使えない日程を考慮これらの条件を満たす中で、1.全球団の移動距離の総和を最小にする2.全球団の移動数を最小化にするこの2つを満たすような日程作成を目指した。この問題は、グラフ理論で考えられている「巡回トーナメント問題」の派生問題である。本年度、上記を満たす日程作成に成功した。この研究のインパクトは、アカデミック界のみならず、3月に朝日新聞の夕刊で報告されるなど、一般の社会にも伝わったようである。また、日本のみならず、アメリカ数学会、カナダ数学会の学会誌にも上記の仕事が紹介されるなど、海外にも認知度が高い研究となった。将来的な課題としては、上記の条件以外、前年度の成績を考慮し、前年度の成績がいいチームとの対戦が続かないようにする配慮する(キャリーオーバーエフェクト)取組が残っている。この点も考慮して、将来的に日程作成を行いたいと考えている。また本研究は、数学的理論が、実社会に貢献できる良い例になったと考えている。
著者
浜野 龍夫 林 健一 川井 唯史 林 浩之
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
甲殻類の研究 (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
no.21, pp.73-87, 1992-12-31
被引用文献数
4

Crayfish in Lake Mashu, Hokkaido, Japan, were captured with tangle nets in the summer of 1992. All specimens, 171 males and 517 females, had intermediate diagnostic character between two subspecies, Pacifastacus leniusculus leniusculus and P, l. trowbridgii. Although three very large individuals of unidentified crayfish were captured in this lake by poachers of trout in 1975 and 1985, there is no certain confirmation because of illegal samplings. One of the present authors took a chance to measure one of them, a fresh male crayfish with very large chelae, in 1975 when he was 11 years old and recorded only its giant size, i.e. 47 cm carapace length. However, the largest P. leniusculus collected in this study was 5.7cm in c. l. Neoteny may have occurred because there is no secondary sexual character on chelae of adult P. leniusculus males. This lake has no river. Age of the lake is estimated as about 2000 years old. Further, all species of fish and crustaceans in the lake were artificially introduced from other waters. Of crayfish, only P. leniusculus occurs and was introduced from Portland, Oregon, U.S.A., in 1930. From these, the unidentified gigantic crayfish seems to have been P. leniusculus grown to a giant size.