著者
池上 春香 永井 宏平 松橋 珠子 小林 直彦 武本 淳史 吉廣 卓哉 井上 悦子 樋口 智香 守田 昂太郎 内堀 翔 天野 朋子 田口 善智 加藤 博己 入谷 明 松本 和也
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.141-152, 2015-05-25 (Released:2015-06-18)
参考文献数
17

黒毛和種肥育牛の枝肉形質を推定するバイオマーカー候補タンパク質の同定を目的に,枝肉形質情報ならびに腎周囲白色脂肪組織のプロテオーム解析情報を搭載した統合情報管理システムを運用し,プロテオーム解析データを持つ去勢牛200頭から,5つの形質(枝肉重量・ロース芯面積・バラの厚さ・皮下脂肪の厚さ・BMSナンバー)に関して上位と下位の2群を選抜して,この2群間で314個のタンパク質スポットの発現量と枝肉成績との関連性を検討した.各形質の上位群(平均値+標準偏差)および下位群(平均値−標準偏差)として抽出した個体間の各スポットのタンパク質発現量を比較した結果,合計でタンパク質45種類(90スポット)の発現量に有意な差が認められた.これらタンパク質の一部について,代謝経路における位置付けを行なうとともに,vimentinのウエスタンブロット解析より発現量を検証したところ,枝肉形質を推定するバイオマーカー候補タンパク質としての可能性が示唆された.
著者
小林 美月 新宅 純二郎 朴 英元 藤本 隆宏
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, pp.235-246, 2014-06-25 (Released:2015-06-25)
参考文献数
3

Chinese manufacturing companies are facing challenges under severe global competition and wage rising in domestic market. They have to transform their organizations from low cost operation to higher quality and the more advanced technologies. Through the interview at Geely Automobile in Hang Zhou, China, we could identify a series of efforts for their transformation. The company executed strategic change in 2007 and quality management improvement in 2010. It has formulated a new corporate vision and strategy to provide the higher value to the customer, without participating into the cost competition in the market. In order to realize the strategy, the company has begun technical improvement instead of mimicking other companies' products. It started to focus on in-house R&D, learning from world-top class company. M&A with Volvo is considered to be a typical learning example. As for quality management, the company aggressively brought competitors' management essence into it, such as Toyota Production System. To facilitate such transformation, Mr. Li, the founder of Geely, played an essential leadership with foresight and logicality after all. Geely's transformation is not yet popular for all Chinese manufacturing companies, but some companies have already begun such a commitment to strategic change or quality improvement. However, our research is exploratory and we are not sure how much the spirit of quality management and improvement is penetrated in the actual workers.
著者
小林 健太 加藤 有己 谷口 丈晃 丸山 徹 伊藤 通浩 五斗 進 竹山 春子 藤渕 航
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO) (ISSN:21888590)
巻号頁・発行日
vol.2015-BIO-42, no.58, pp.1-2, 2015-06-16

多数の難培養微生物で構成される海洋環境の理解を促進するために,メタゲノム解析に注目が集まっている.しかしながら,メタゲノムのリード群を完全にアセンブルすることは困難を極めることが知られている.近年,次世代シークエンシング技術の発展とともに,1 細胞ゲノムデータが利用できるようになってきた.本稿では,近年の利用可能な技術の動向を踏まえ,メタゲノムおよび 1 細胞配列データが与えれたとき,アセンブリ,遺伝子の構造および機能推定を行うパイプラインを発表する.具体的に,リードの前処理,アセンブリとアノテーションに特化したパイプラインを提供し,遺伝子アノテーションのマップの可視化を可能とするものである.
著者
河田 剛毅 前川 博 小林 睦夫 斉藤 北
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.57, no.540, pp.2812-2817, 1991-08-25

Spanwise eddy diffusivity of heat was measured in a flat-plate turbulent boundary layer with a constant spanwise temperature gradient and different intensities of free-stream turbulence. Comparison was made with the usual kinematic eddy viscosity measured in parallel. According to the experimental results, the ratio of these eddy diffusivities is strongly influenced by the free-stream turbulence. However, in the vicinity of the wall, this ratio approaches a certain universal distribution which is independent of the intensity of free-stream turbulence.
著者
林 良雄 PILLAIYAR THANIGAIMALAI
出版者
東京薬科大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

受入研究室におけるこれまでの研究から、SARSシステインプロテアーゼを阻害できる新しい阻害機構として、親電子性アリールケトン構造が有効であることを確認し、P1部位側鎖部にピロリドン型環状構造を有するアミノ酸誘導体およびカルボキシル基部分にチアゾール-2-ケトンを有するトリペプチド型化合物(Cbz-Val-Leu-amino-3-oxo-3-(thiazol-2-yl)propyl)pyrrolidin-2-one)が比較的良好なウイルスプロテアーゼ阻害活性を有することが解っていた。実用的創薬化合物の創製に向た阻害活性向上のために、平成23年度はP4部位およびアリールケトン部位の構造活性相関を進め、親水性構造をP4位に有し、10nMレベルの強い阻害活性(Ki)を示すトリペプチド誘導体を見いだすに至った。本年度においてはこの研究を更に進め、P3部位を除去した「ジペプチド型ペプチドミメティクス」の創製に新たに挑戦した。即ち、P3位Val残基の除去した。その結果、最初は酵素阻害活性が大きく低下したが、種々の誘導体を合成し、構造活性相関を検討したところ、阻害活性が徐々に向上し、先ずは中程度であるが興味深い酵素阻害活性を示すジペプチド型化合物を得ることに成功した。そこで、この化合物のP3位にあるN-arylglycine構造に注目し、構造最適化を行なった結果、酵素阻害活性(Ki)値が6nMという強力な阻害活性を示すジペプチドミメティック化合物を得た。標的プロテアーゼとのコンンピューターを用いたドッキングスタディーから、この化合物のIndole環窒素原子が、プロテアーゼのGlu166残基と新たな水素結合を形成することが示唆された。この相互作用は、化合物がプロテアーゼを強力に認識する上で有効であったために、阻害活性が大きく向上したものと考えられる。
著者
志和地 弘信 遠城 道雄 林 満
出版者
日本熱帯農業学会
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.107-114, 2000-06-01
参考文献数
11
被引用文献数
7 3

ダイジョ(D.alata)およびナガイモ(D.opposita)のそれぞれの数系統とジネンジョ(D.japonica)について, 塊茎の肥大生長に対する種および系統の光周反応を比較検討した.夏至前後の6月1日と7月1日に, 植え付け後60日目の株に対して, 10時間日長の短日処理を20回行った.6月の処理では, 塊茎の肥大生長は全ての種および系統において促進された.一方, 7月の処理において, 塊茎の肥大生長は, ダイジョの早生および晩生系統において促進されたが, ダイジョの極早生系統, ツクネイモ群およびジネンジョにおいては促進されず, ナガイモ群およびイチョウイモ群では逆に抑制された.この結果から, 塊茎の肥大生長は第一義的には短日によって促進されるが, 短日に対する反応の程度は, 塊茎の生育段階によって異なり, 塊茎の生長の緩慢期における処理は肥大生長を旺盛期へと転換させて促進的に作用するが, 生長の転換期の処理では促進効果が無く, 転換期以降の処理は逆に抑制的に作用することが明らかになった.ダイジョの極早生系統の塊茎は14時間日長の条件下では温度条件を変えても, 肥大生長の転換は誘起されなかったが, 12時間日長の条件下では転換された.温度は肥大生長の転換には影響を及ぼさなかった.このことから, 短日はダイジョの塊茎の肥大生長を旺盛な生長へ転換させる主要因であることが確認された.しかし, ナガイモおよびジネンジョの塊茎は, 14時間日長の条件下では肥大生長の転換が認められなかったが, 緩慢な生長を続け, ダイジョの反応とは異なることが明らかになった.熱帯原産のダイジョにおいて, 感光性が弱く, 極早生の形質を有する系統は温帯での栽培が可能であると推察された.
著者
乗原 隆 加藤 譲 奥村 修造 小林 智 山本 光雄 池永 哲二 出口 隆志 平田 正
出版者
The Japanese Society for the Study of Xenobiotics
雑誌
薬物動態 (ISSN:09161139)
巻号頁・発行日
vol.6, no.6, pp.887-897, 1991
被引用文献数
1

KW-2228およびrhG-CSFを,10μg/kgカニクイザルに静脈内および皮下投与時の血漿中動態,白血球数増多作用について検討した.また,反復皮下投与についても検討した.<BR>1.KW-2228を単回静脈内投与により,末梢血白血球数(WBC)の著明な増加が認められた.WBCは,投与後12時間に最高値,投与前の約2倍を示し,24時間後においてほぼ投与前値まで回復した.一方,単回皮下投与においては投与後12時間に最大に達し,投与前値の約4倍を示した.反復皮下投与では投与を重ねるに従い,WBCは上昇し,10日目の12時間値では初回投与前の約6倍を示した.白血球の上昇は主に分葉核好中球の上昇によるものであった.rhG-CSFについても同様なWBC増多作用が認められ,KW-2228と有意な差は認められなかった.また,赤血球数および血小板数には大きな変動は認められなかった.<BR>2.血漿中KW-2228は,静脈内投与後二相性に消失し,このときの半減期は0.43±0.09時間(%alpha;),1.34±0.35時間(β)であった.rhG-CSFもKW-2228と同様に二相性の消失パターンを示したが,αおよびβ相の半減期はそれぞれ0.40±0.04,1.11±0.05時間であり,KW-2228に比較し短いものであった.<BR>3,血漿中KW-2228およびrhG-CSFは皮下投与後,共に2時間にC<SUB>max</SUB>13.20±3.76,8.37±2.81ng/mlを示し,その後一相性に消失した.このときKW-2228濃度は2,6,8,10,12時間においてrhG-CSF濃度に比べ有意に高く,1.5~2倍の血漿中濃度を示した.KW-2228およびrhG-CSFの消失相の半減期はそれぞれ2.03±0.64,1.34±0.49時間であった.<BR>10回反復投与後の血漿中KW-2228のC<SUB>max</SUB>は,初回投与に比べ約2/5に減少し,半減期も約2/3と短いものであった.また,AUCは初回投与の約1/4であった.rhG-CSFについてもほぼ同じ傾向であった.反復投与後の血漿中濃度においては,KW-2228とrhG-CSFの間に差は認められなかった.
著者
林 紘一郎
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.3_37-3_48, 2011 (Released:2012-03-25)
参考文献数
38

情報法という法領域はあり得るが、未だ誰も体系化に成功していない。有体物なら「占有」から「所有」へと連続的に法的な扱いを論ずることが出来るが、無体の情報には明確な「占有」も「占有の移転」も起こらない、などの特性があるからである。しかし、個人情報保護法などの試行錯誤を経て、どのような情報が法的に保護され、あるいは禁止さるべきかについて、知見が高まりつつある。そこで「情報法の基礎理論」の第一歩として、まずは「情報法の客体論」を論ずることとしたい。本稿では、アメリカ式に人格権をとりあえず捨象した「客体としての情報」を想定して、保護方式として知的財産型と秘密型を区分し、禁止方式として (負の) 財産型と不法行為型を区分する。その上で、情報に対しては「帰属」と「保用」の主体が異なること、「一財多権」が一般的であること、法を補完するライセンス契約を重視すべきことなど、法体系を整備するための要件を検討する。
著者
伊藤 将志 半井 健一郎 林 明彦 河合 研至
出版者
一般社団法人 セメント協会
雑誌
セメント・コンクリート論文集 (ISSN:09163182)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.210-215, 2014-02-25 (Released:2015-02-25)
参考文献数
4
被引用文献数
1

福島第一原子力発電所の事故により、広範囲に拡散した大量の放射性物質を適切に除染するとともに、汚染された災害廃棄物を適切に処理、処分することが求められている。そこで本研究では、モルタル中でのセシウムの吸着、浸透、溶出挙動を把握することを目的とした。実験結果から、セメントや各種細骨材にセシウムは吸着しにくく、飽水処理したモルタル供試体では、供試体表面および内部ともに80%ものセシウムは可溶性として存在していた。一方で乾燥させた供試体の表面付近では60%のセシウムが非可溶性であり炭酸化の影響が示唆された。
著者
飯田浩史 岡崎博樹 上林憲行
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.221-222, 2011-03-02

現代には過去・現在・未来を表す様々なツールやサービスがあふれているが,現代人はスケジュールに振り回され時間に管理されている.この時間に管理されるという立場ではなく,様々な出来事に対して予定を待つ喜び,思い出から懐かしさを抱いてもらえるようにする.そこで本研究では様々な面で表現・開発の自由度が高いiPhone上で,過去・現在・未来を混在させたタイムサービスを作成した.このサービスではシャボン玉の色や大きさで予定を直観的に把握できるバブル型と,今までのように入力した予定を一覧表示できるリスト型の2つのユーザインターフェースを実装している.
著者
広林 茂樹 田村 祐輔 山淵 龍夫 大薮 多可志
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌E(センサ・マイクロマシン部門誌) (ISSN:13418939)
巻号頁・発行日
vol.127, no.4, pp.258-259, 2007
被引用文献数
5 10

In this paper, we monitored the electromagnetic waves generated by human activity. We investigated a monitoring system that used the bioelectric potential of a plant. Four subjects walked on the spot at a distance of 60 cm from a rubber tree and we measured the variation in the bioelectric potential of the tree produced by the stepping motion. The results confirmed that the electromagnetic waves generated by a person walking on the spot produced a measurable response in the bioelectric potential of a plant. It was also found that this variation in the bioelectric potential varied in synchrony with the subject's walking pace.