著者
佐久間 俊雄 倉持 寛太 斉藤 英樹 増谷 雪雄 望月 美千代 森下 諦三
出版者
日本土壌肥料學會
雑誌
日本土壌肥料学雑誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.197-202, 1989
被引用文献数
3

以上の実験結果および考察はつぎのように要約できる。 1)軽水電界水素ガスをキャリアーガスとして用いることにより,検出加減を低く維持し,繰返し精度および再現精度を向上することができ,天然存在率以下のD/Hを精度良く測定できる。 2)この場合,較正曲線は良子な直線性を示し,D/H測定の信頼幅は,反複数40以上で3ppm以内(100〜1000ppmの範囲),反複数5でも8ppm以内(100〜260ppmの範囲)であった。3)市販超高純度水素をキャリアーガスとして用いる場合,軸正曲線の直線性には問題はないが,繰返し精度・再現精度は,軽水電界水素ガスをキャリアーガスとして用いたときよりやや悪かった。 4)土壌サンプルを用いた直接真空蒸留にはサンプルフラスコを大容量にするのが効率的であり,精度を損なうこともなかった。 5)テンションライシメータ法は土壌水の継続サンプリングに適しており,pF=2.5相当程度以上の水分率で有用であった。抽出に伴う同位対効果はわずかではあるが認められ,補正の必要があった。6)圃場実験に際しては,土壌水による希釈が著しく,自然存在率付近から300ppm程度までのD/H範囲における測定が多くなり,高い再現性度が要求される。軽水電界水素ガスをキャリアーガスとして用い,一連の測定ごとに2点較正することによって,測定日の違いによる誤差を補正して満足すべき結果を得た。
著者
森本 夏歩 藤澤 忠盛 新井 千夏 中村 麻里 堀 美沙 津田 実咲 加藤 未央 杉山 瑞季 中島 利沙子
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第63回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.51, 2016 (Released:2016-06-30)

ピクトグラムのはじまりは、交通と技術革新による発展が世界規模で進行し、コミュニケーションへの全く新しい特殊な要求が生まれてきたことに起因する。2020年の東京オリンピックが開催され、それにより外国人観光客が今以上に増えることが予想される。その外国人観光客に向けて、必要とされる三つの観点からピクトグラムを制作・研究した
著者
宮武 信春 森 正三 古田 勝久
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.385-392, 1978-08-30 (Released:2009-03-27)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

We developed the method which recursively identify the multi-attribute utility function based on the observation data which consist of the paired comparison questions and answers. In this method, the weights (w1, w2, …, wn) of additive utility function U(a)=∑ni=1wi·ui(ai) are regarded as random variables and the gaussian sum approximation method is used to estimate the posteriori probability density function of the weights conditioned by the data of comparative judgements. In order to test the applicability of this method, we applied it to the following two examples, (1) estimation of the value of time, (2) evaluation of the psychological burden of trip route.
著者
遠又 靖丈 寳澤 篤 大森(松田) 芳 永井 雅人 菅原 由美 新田 明美 栗山 進一 辻 一郎
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.3-13, 2011 (Released:2014-06-06)
参考文献数
16
被引用文献数
8

目的 介護保険制度の二次予防事業の対象者把握には,25項目の基本チェックリストを用いている。しかし,基本チェックリストによる要介護認定の発生予測能を実地に検証した報告は少ない。本研究の目的は,基本チェックリストの各項目や各基準について,要介護認定の新規発生に対する関連の程度とスクリーニングの精度を検証することである。方法 2006年12月に宮城県大崎市の65歳以上の全市民を対象に,基本チェックリストを含む自記式質問紙を配布した。有効回答者のうち要介護認定の情報提供に同意し,基本チェックリストの回答項目数が 2 項目以上で,ベースライン時に要介護認定を受けていない者を 1 年間追跡し,死亡•転出した者を除外した14,636人を解析対象とした。解析には性•年齢の影響を補正するために多重ロジスティック回帰分析を用い,基本チェックリストの各項目と二次予防事業の対象者の選定に用いられる各分野の該当基準に該当した場合のそれぞれで,1 年間の新規要介護認定発生のオッズ比と95%信頼区間(95%CI)を推定した。また各分野に関して,感度と特異度を算出し,Receiver operating characteristic (ROC)分析を行った。結果 二次予防事業の対象者の選定基準に該当する者は5,560人(38.0%),1 年間の要介護認定発生者は483人(3.3%)であった。基本チェックリストの全項目が,要介護認定発生と有意に関連した(オッズ比の範囲:1.45~4.67)。全ての分野の該当基準も,要介護認定発生と有意に関連した(オッズ比の範囲:1.93~6.54)。そして「二次予防事業の対象者」の基準のオッズ比(95%CI)は3.80 (3.02–4.78)であった。各分野のうち,ROC 曲線下面積が最も高かったのは「うつ予防•支援の 5 項目を除く20項目」であり,7 項目以上を該当基準にすると,「二次予防事業の対象者」の基準を用いた場合に比べ,感度は変わらないが(7 項目以上を該当基準にした場合77.0%,「二次予防事業の対象者」の基準を用いた場合78.1%),特異度は高かった(それぞれ75.6%,63.4%)。結論 基本チェックリストの各項目や各基準は,その後 1 年間の要介護認定の新規発生の予測に有用であった。しかし,項目や分野によって関連の強さや予測精度は異なり,基準値には改善の余地があった。
著者
周 光平 森田 秀樹 浅野 翔一 長 等 相模 成一郎
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.219-226, 1986

組織学的に mononuclear infiltrative 型の多発性の granuloma annulare の皮疹を, 電顕とmonoclonal抗体法とによって検索した。この結果, 病巣内の類上皮細胞には分泌穎粒とphagoaomeは認められず, ミトコンドリアの増数が証明された。Leu 3a 陽性リンパ球とLeu 2a 陽性リンパ球は病巣の辺縁部に存在し, 前者が後者に比し数的優位を占めていた。免疫グロブリンの沈着は全ったく認められず, 僅かにC<SUB>3</SUB>が病巣内血管に一致して証明されたにすぎなかった。<BR>以上の検索成績と文献的事実とに基づき, granuloma annulare の組織発生について言及すると共に, 免疫病理学的見地からの類推を記述した。
著者
森 昭裕 梶田 和男 山北 宜由 森田 浩之 村井 敏博 安田 圭吾 杉浦 正彦 三浦 清
出版者
一般社団法人 日本内分泌学会
雑誌
日本内分泌学会雑誌 (ISSN:00290661)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.1147-1161, 1991-10-20 (Released:2012-09-24)
参考文献数
23
被引用文献数
1 1

Recently several types of anti-pituitary-antibodies (APA) have been found in patients with pituitary disorders including hypopituitarism and diabetes incipidus, and in postpartum women. However, the pathophysiological role(s) of APA still remains unknown. In order to elucidate the clinical significance of APA, longitudinal follow-up and family study of APA in patients with hypopituitarism were performed.APA in serum was examined in a total of 11 patients with various types of hypopituitarism (7 of isolated ACTH deficiency, 1 of partial hypopituitarism, 3 of Sheehan's syndrome, 6 males and 5 females). Chronic thyroiditis was associated in 3 out of 7 patients with isolated ACTH deficiency, and empty sella was found in each one patient with isolated ACTH deficiency and partial hypopituitarism, and in 3 patients with Sheehan's syndrome. APA was examined on 2 or 3 occasions at more than a 6 month interval (longitudinal study). In 5 patients, their 16 family members were examined for the presence of APA, and pituitary functions were evaluated in 3 out of 7 family members with positive APA (family study). For pituitary function tests, arginine infusion test, TRH, LH-RH or CRH test and insulin tolerance test were performed. APA reacting to rat pituitary cytoplasmic antigens (pituitary cell antibodies: PCA) and APA reacting to rat GH3 cells and/or mouse AtT20 cells surface antigens (pituitary cell surface antibodies: PCSA) were assayed with indirect immunofluorescence method.At the initial examination, 6 out of 11 patients (55%) showed positive APA. Thepatients were divided into 3 subgroups according to the longitudinal study: the group with disappearance of initially positive APA (3 patients), the group with altered titers or types of initially positive APA (3 patients), and the group with sustained initially negative APA (4 patients). No effects of replacement therapy on the alterations of APA were observed.In 16 family members of 5 patients (each 1 with partial hypopituitarism and isolated ACTH deficiency syndrome, and 3 with Sheehan's syndrome), APA in their sera were investigated. Seven out of 16 members (44%) showed positive APA. Among 6 first-degree relatives of 16 family members, both or either one of APA and PCSA were positive in 4 (67%). Out of 10 of their second- or third-degree relatives, 3 (30%) were positive for PCA or PCSA. All of 3 relatives with positive APA studied showed mild pituitary hypofunction without any clinical manifestations.These results suggest the possibility that autoimmune mechanism-induced hypofunction as well as hereditary background might participate in the pathogenesis of some hypopituitarism, and that APA might have a causative role in such disorders.
著者
高橋 裕子 芳賀 しおり 石坂 幸人 三森 明夫
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会総会抄録集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.46, 2011

アンジオテンシン阻害酵素 2(ACE2:ACEホモログ)は、ACE作用に拮抗して血管保護に働く。我々は、膠原病の収縮性血管病変に、ACE2阻害が関与する仮説を立て、患者血清中にACE2阻害自己抗体を証明した。すなわち、精製ヒトリコンビナントACE2によるELISAで、肺動脈性肺高血圧症(PAH)、四肢末端壊死の患者(SLE, SSc, MCTD)で抗体の高値陽性17人/18、対照患者24人で低値(p<0.0005)、健常者28人で陰性であった。血清ACE2活性は、抗ACE2抗体価と逆相関し(R2 = 0.55)、患者血清IgG分画は、in vitro ACE2活性を抑制した。末端壊死が進行中のSLE 1例では、ステロイド治療+血漿浄化/DFPPにより抗ACE2抗体消失、血清ACE2活性欠損の回復をみた(Takahashi, et al: Arthritis Res Ther, 2010)。その後、新たなPAH 3人で抗体高値を確認した一方、非血管病にも高値例(7/54)を認めたが、それら血清IgG分画にはin vitro ACE2阻害作用がなかった。さらにランダムペプチドライブラリー法で得た抗体の反応部位候補2ヶ所の合成ペプチドで血清を吸収し、4患者で抗ACE2抗体価低下、in vitro ACE2阻害活性の低下をみた(p<0.05)。現在、抗ACE2-MAbによる動物モデルを作成中である。