著者
土屋 篤志 大藪 直子 後藤 英之 堀内 統 吉田 雅人 西森 康浩 大塚 隆信 武長 徹也 杉本 勝正
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.567-569, 2011

We investigated the shoulder function of the frozen shoulder after an average of thirty months (12 to 108 months) of the conservative treatment. In this study, 17 shoulders of 16 patients (13 males and 3 females) of non-traumatic frozen shoulder without rotator cuff tear were investigated. The mean age of all cases was 66 years old, ranging from 47 to 76 years old. At an average of 30 months follow-up, the clinical results and shoulder function including subjective and objective evaluation, range of motion and shoulder strength using micro FET, were investigated. The mean JOA score was 63.7 points at the initial treatment and 82.5 points at the end of the treatment. After thirty months of the treatment, JOA score was improved to 93.4 points. About 88% of the patients were satisfied with their daily living, although 16.7% of the patients changed sports activity level or their work. Seven of 17 patients who were satisfied with their ADL, restricted some concrete action related to shoulder function such as scratching their back. The range of motion of flexion, abduction and external rotation of the affected side tended to be lower compared with the normal side, but not significantly. The strength of the shoulder of the affected side was improved without a significant difference from normal side. The prognosis of the frozen shoulder was relatively good with a little discomfort for living and a limitation of sports activity.
著者
白石 和弥 石森 裕康 奥村 一 下薗 健志 糸山 享
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会報 (ISSN:13471899)
巻号頁・発行日
vol.2017, no.64, pp.122-125, 2017

<p>神奈川県におけるミナミアオカメムシの分布状況を明らかにするため,2015年から2016年の2年間にわたり,同県内の複数地点の圃場における発生を調査した。2015年の調査では,川崎市において神奈川県内では初めてとなるミナミアオカメムシの発生を確認した。2016年の調査では,川崎市に加えて藤沢市,横浜市でも発生を確認し,小田原市に設置された予察灯への誘殺も確認した。以上の結果から,日本国内での分布域を拡大しているミナミアオカメムシが神奈川県においても定着している可能性があるため,今後の継続的なモニタリングが必要と考えられた。</p>
著者
森岡 武史
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会全国大会研究発表論文集 日本社会情報学会 第22回全国大会
巻号頁・発行日
pp.138-141, 2007 (Released:2010-01-22)

In many of online communities like BBS, the members anonymously communicate with each other. Such anonymous communications cause "deindividuation." According to the SIDE model of social psychology, deindividuation has the effects on the individual inclination to conform to group norms. This paper shows how deindividuation affects the order of online community in terms of not individual psychology, but the structural processes of the social systems. This paper is based on the research of the two internet BBS. In this research, the discourse analysis is used which is based on the automatic coding by computer like text mining.
著者
森 充広 森 丈久 渡嘉敷 勝 中矢 哲郎 藤原 鉄朗 齋藤 豊
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.80, no.2, pp.87-95, 2012

上水道,工業用水などと共用されている農業用水路トンネルは,ライフラインとしての社会的重要度も高く,優先的に機能診断を行うべき施設であるにもかかわらず,断水が困難であり,機能診断に苦慮している.そこで,通水状態での農業用水路トンネルの機能診断を簡易的に実施することを目的として,流水中に高感度CCDカメラを搭載した装置を放流し,覆工に発生しているひび割れ等の変状を記録する一次診断が可能な調査システムを開発した.本システムの特徴は,高感度CCDカメラが常にトンネルの壁面に正対しつづける壁面自動追尾機能を導入したことである.実証試験によって本システムの性能を確認した結果,幅1.5mm以上のひび割れ,遊離石灰,漏水状況などを検出することができ,通水状態での一次診断として有効であることを確認した.
著者
旭 浩平 森 海里 中山 雅人 西浦 敬信
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J104-D, no.4, pp.186-197, 2021-04-01

パラメトリックスピーカは,音響信号の振幅によりキャリアと呼ばれる超音波を変調した振幅変調波を大音圧で放射することで超指向性を実現する.振幅変調波を放射すると,空気の非線形性により,音響信号が自己復調する.しかしながら,パラメトリックスピーカは空気の非線形性に基づいて音響信号を復調しているため,復調音の音圧が小さい.また,パラメトリックスピーカから振幅変調波を長時間放射することにより,超音波素子の疲労破壊が発生し,周波数ピーク雑音が発生する.そこで,本論文ではアドバンスドキャリアを用いてこれら問題を解決する手法を提案する.アドバンスドキャリアとはパラメトリックスピーカのもつ各問題点を解決するための最適なキャリアであり,キャリアの波形や周波数を目的に合わせて制御する特徴をもつ.具体的には,復調音の音圧を改善するために,キャリアの波形がもつエネルギーを増幅した矩形アドバンスドキャリアを最初に提案する.次に,周波数ピーク雑音を低減するために,キャリア周波数が超音波素子の共振周波数を中心に時間遷移する周波数アドバンスドキャリアを提案する.評価実験の結果,各提案手法の有効性を確認した.
著者
森 龍太 今井 海里 大野 栄治 森杉 雅史
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.I_31-I_41, 2014

日本では,1992年にUNESCOの世界遺産条約を締約した後,2013年末までに17件が世界遺産リストに登録されている.そのうち,白神山地はそこに広がるブナの原生的自然林およびそれに付随する公益的機能によって世界自然遺産に登録されているが,そのブナが温暖化の進行により衰退の危機に瀕している.もし世界遺産登録後のモニタリングにより顕著な普遍的価値を失っていると判断されると,世界遺産リストから抹消されることとなる.本研究では,温暖化による世界自然遺産への影響として白神山地の世界遺産登録抹消を想定し,それによる白神山地観光訪問への影響を分析した.その際,旅行費用法に基づく仮想行動法を用いて,白神山地のレクリエーション価値の変化を推計した.
著者
村上 博哉 神谷 修平 柘植 政宏 葛谷 真美 森田 健太郎 酒井 忠雄 手嶋 紀雄
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.387-392, 2016

鉄鋼に含まれるリンは,冷間脆性を起こす原因物質となることから低含有量であることが望まれている.その一方で,切削性や耐候性の向上を目的として添加されることもある.そのため,リンの含有量は厳密な管理が必要不可欠である.しかし熟練者の一斉退職に伴い,化学分析の技術継承が危ぶまれており,視覚情報を取り入れた効率的な継承支援策の確立が喫緊の課題となっている.標準的な定量法として「JIS G 1214鉄及び鋼─りん定量方法」があるが,初心者がこの定量操作を行うと,過塩素酸白煙(蒸気)によるリンの酸化処理の開始の見きわめが早まる傾向が見られた.これはリンのオルトリン酸イオンへの酸化が不十分という好ましくない状況を招く.そこで本研究では技能伝承の一助として,適切な状態から過塩素酸白煙処理が行われるように,この操作を可視化した.また,鉄鋼試料分解後のモリブドリン酸青吸光光度法をスキルフリーなフローインジェクション分析(FIA)法によって自動化した.本法により2種類の認証標準物質中のリン濃度を定量した結果,両物質の定量値共に保証値と良く一致した.
著者
中山 佳美 森 満
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.265-272, 2011
参考文献数
34
被引用文献数
1

8020運動が提唱されてから20年以上経過しているが,いまだに多くの者が達成できておらず,北海道でも同様の状況である.今回,高齢者が歯を20本以上保つ要因について,北海道道東地域において調査を行った.町広報誌による一般応募から参加した現在歯数19本以下の高齢者79人(男性19人,女性60人)をケースとし,十勝地域高齢者歯のコンクール被表彰者である現在歯数20本以上の高齢者85人(男性60人,女性25人)をコントロールとして,身長,体重,治療中の疾患の有無,食習慣,口腔保健行動など全38項目について調査した.これらの38項目を説明変数,現在歯数を目的変数として,男女別に単変量ロジスティック回帰分析を行った.その結果,男性においては,現在歯数が20本未満と関連があった要因は,年齢が78歳以上などの8要因であり,女性においては,BMIが高いなどの8要因であった.これらの単変量解析で有意であった変数を用いて,stepwise法による多変量解析を行った結果,現在歯数が20本未満と関連があった要因は,男性では年齢が78歳以上,飲酒をほとんどしない,加工食品をほとんど食べないおよびかかりつけ歯科医がいないことで,女性ではBMIが23以上,運動が30分未満および糸ようじや歯間ブラシを使用していないであった.これらの結果を活用して,北海道道東地域の自治体の健康計画を推進する必要がある.
著者
木村 恵 壁谷 大介 齋藤 智之 森口 喜成 内山 憲太郎 右田 千春 千葉 幸弘 津村 義彦
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.124, 2013

クローナル繁殖は植物の個体群動態と遺伝構造を特徴付ける重要な要因である。本研究では全国のスギ天然林13集団を対象に、クローナル繁殖の1つである伏条繁殖の頻度を明らかにし、遺伝要因と環境要因が伏条繁殖に与える影響を調べた。核SSR8座を用いたクローン解析の結果、10集団で伏条がみられ空間遺伝構造に強く影響していた。伏条の頻度は集団間で異なったことから、説明変数に環境要因(積雪深)、遺伝要因(Structure解析による<i>Q</i>値)、個体サイズ(胸高断面積合計:BA)、目的変数に各ジェネットが伏条繁殖するか否かとジェネットあたりのラメット数の2項目を用いて一般化線形混合モデルによりモデル選択を行った。その結果、伏条するか否かには<i>Q</i>値、積雪深との交互作用、BAが選択され、積雪の多い地域では個体サイズが小さく、遺伝クラスター1に由来しないジェネットほど伏条を行うという結果が得られた。またジェネットあたりのラメット数はBAが小さいほど減少する傾向がみられた。以上から、スギにとって伏条は氷期のような厳しい環境下で個体群を維持するための重要な繁殖様式として機能してきたと考えられた。
著者
森 聖治 中村 栄一
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.144-151, 2003-02-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
41
被引用文献数
1 3

Recent development in the use of high-precision quantum chemical calculations for the investigation of the mechanisms of synthetically important organometallic reaction is reviewed. The review is focused on the following issues that have be the subject of much discussion in the society of synthetic organic chemists for many years : (1) Nucleophilic addition to carbonyl compounds, (2) osmium-tetraoxide-catalyzed dihydroxylation, (3) organocopper reactions, and (4) Simmons-Smith cyclopropanation.
著者
森 進一
出版者
日本西洋古典学会
雑誌
西洋古典学研究 (ISSN:04479114)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.1-12, 1980

『法律』のなかで,「最も難解な節の一つ」とされている,859c6-864a8の箇所をとりあげて考察してみたい.初めに,その箇所をとりあげた意図について,簡単に述べてみる.