著者
木村 武志 鮫島 守 野村 昌功 森田 淳 溝口 秀城 石原 守
出版者
The Japanese Society of Fish Pathology
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.147-151, 2006-12-15
被引用文献数
3 13

養殖トラフグのヘテロボツリウム症対策として, 産業動物の駆虫剤であるフェンベンダゾールのプロドラッグ, フェバンテルの有効性を検討した。フェバンテルはトラフグに経口投与後, 体内で速やかに活性型のフェンベンダゾールへ代謝された。魚体重1kg当たり12.5mgと25mgを5日間, 50mgを3日間連続で投与すると, 成虫の88%以上, 未成熟虫の95%以上が駆虫され, フェバンテルの有効性が明らかとなった。
著者
領家 美奈 中森 義輝
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.136-146, 1996-02-15
被引用文献数
17

分類と回帰を同時に分析するファジィクラスタリングについて考察する。与えられたデータ集合から高木・菅野のファジィモデルを同定する際, 前件部同定のためのデータのファジィ分割と後件部同定のための回帰分析を調和的に実行する問題である。Hathaway and BezdekのFuzzy c-Regression Modelsは, 与えられたデータ集合に対していくつかの回帰モデルをあてはめ, クラスタリングと回帰係数の同定を同時に行うアプローチである。本稿では, そのアプローチをファジィモデリングに利用するために, 規範の改良と適応型アルゴリズムを提案する。また, 数値実験により提案した手法の有効性を示すとともに, 世界の人口問題に関連するファジィモデルの構築という実際問題へ応用する。
著者
森山 智浩 福森 雅史 北野 英敏
出版者
太成学院大学
雑誌
太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.169-197, 2007-03-31

「近接」/「交換」概念を表示する英語前置詞及びスペイン語前置詞に注目し、各々の多義構造を概念的見地に立脚して観察することによって、その意味変化の背景に「言語形態が変われども、外界事象を概念化する人間の認識には共通性が存在している」ことを実証する。なお、認知言語学及び史的意味論の手法によって導き出された概念的メカニズムを実際の英語語彙学習指導及びスペイン語語彙学習指導に活用した研究成果についても論旨は及ぶ。
著者
菅森 義晃
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.112, no.6, pp.390-406, 2006-06-15
被引用文献数
7 9

本論では,層序や構造に不明な点が多かった京都西山地域の中・古生界の層序区分を行った.研究地域の中・古生界は構造的上位の高槻層(再定義)と島本層(新称)及び下位の丹波帯に区分される.年代未詳とされた従来の高槻層は,砕屑岩主体の上部ペルム系高槻層と中部三畳系島本層に区分されることが明らかになった.一方,丹波帯は構造的上位から本山寺コンプレックス(再定義),出灰コンプレックス(再定義)及び田能コンプレックスに細分される.本山寺コンプレックスから三畳紀新世前期,出灰コンプレックスから三畳紀新世後期及び田能コンプレックスからジュラ紀古世を示す放散虫化石が,それぞれの砕屑岩から産出する.これらの丹波帯の各コンプレックスはその層相及び構造から付加複合体と判断され,丹波帯の付加・形成が三畳紀新世前期には始まっていたと考えられる.
著者
宮森 恒 粕谷 英司 富永 英義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.95, no.582, pp.1-8, 1996-03-15

本稿では, 画像構造化モデルVDAの概念に基づいたデータ構成をとることにより, 任意形状の映像コンテントを編集加工機能の対象として扱える符号化方式を提案する. 本方式では, 符号化されるデータ列が, 映像情報の符号化データである素材データと, 各素材データを指定された表示属性をもつ出力情報に変換するための記述を行なう加工用データから構成される点が特徴である. ここでは, 任意形状に対応した直交変換に関する比較実験を行ない, SADCTに対するスキップスキャニングを用いた場合, 境界部分を含むブロックの係数に要する符号量を境界部のブロック数の割合に応じて70〜80%に抑えられることを確認した. また, 映像コンテントの編集加工機能は従来方式の問題点を解決し意図した基本性能が実現されていることを確認した.
著者
森 信介 長尾 眞
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, pp.2093-2100, 1998-07-15

自然言語処理において,辞書は単語の文法的機能や意味の情報源として必要不可欠であり,辞書に登録されていない単語を減少させるため,辞書の語彙を増強する努力がなされている.新語や専門用語は絶えず増え続けているため,辞書作成の作業は多大な労力を要するのみならず,各解析段階での未知語との遭遇は避けらず,大きな問題の1つとなっている.この問題を解決するため,本論文では,nグラム統計を用いて,コーパスからの単語の抽出とその単語が属する品詞の推定を同時に行う方法を提案する.この方法は,同一品詞に属する単語の前後に位置する文字列の分布は類似するという仮定に基づく.実験の結果,本手法が未知語の品詞推定や辞書構築に有効であることが確認された.
著者
中尾 友香梨 日高 愛子 白石 良夫 大久保 順子 土屋 育子 沼尻 利通 亀井 森 三ツ松 誠 谷口 高志 田中 圭子 中尾 健一郎 村上 義明 二宮 愛理 脇山 真衣 河野 未弥 明石 麻里
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、肥前小城藩の藩主家と藩校に伝わっていた蔵書群である小城鍋島文庫の典籍を調査し、具体例として当文庫所蔵の『十帖源氏』を輪読・翻字し、分析を加えた。主要なる成果物として、2017年5月に『小城鍋島文庫蔵書解題集(試行版)』を刊行し、また2018年3月に笠間書院より『佐賀大学附属図書館小城鍋島文庫蔵「十帖源氏」立圃自筆書入本 翻刻と解説』を出版した。
著者
森 義則 川口 理作 島田 憲次 生駒 文彦
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.74, no.10, pp.1799-1811, 1983-10-20
被引用文献数
2

1974年から1982年までの9年間に兵庫医科大学泌尿器科において,201例の小児泌尿器科疾患,患者に対して内視鏡手術が施行された.その内訳は,後部尿道弁32例,前部尿道弁4例,先天性球部尿道リング状狭窄135例,後天性尿道狭窄16例,膀胱頚部狭窄8例および尿管瘤6例であった.10Charriereまたは13Charriere幼小児切除鏡を使用した.後部尿道弁および前部尿道弁に対しては TURによる弁の切除が施行されたが,結果はきわめて満足すべきものであった.先天性球部尿道リング状狭窄に対しては直視下内尿道切開が施行されたが, VUR,夜尿症,再発性尿路感染の各々に対して良い結果がみとめられた.後天性尿道狭窄のうち瘢痕組織の強いものでは数回の直視下内尿道切開を要したが,ほぼ満足すべき結果であった.膀胱頚部狭窄に対する TURの効果がはっきりみとめられたものはなかったが,これは小児の膀胱頚部狭窄は他の原因による二次的なものがほとんどであるためと思われた.その他尿管瘤に対する内視鏡手術の適応についても述べた.
著者
森本 浩行 西田 一彦 西形 達明 玉野 富雄 森 毅
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.263-268, 2000-05-01 (Released:2010-06-15)
参考文献数
14

1959 (昭和34) 年の「大坂城総合学術調査」において, 現大阪城が豊臣秀吉創建のものではなく, すべて江戸時代初期の徳川幕府による築造であることが判明した. またこの調査により, 本丸天守台南側で地下深く埋れた石垣が発見された. その後, ガスや水道の埋設管敷設に係わる調査において, いくつかの地下石垣が発見された. 特に, 1984 (昭和59) 年に行われた大手前配水池南側の調査において, 大規模な石垣垣の隅角部が発見された. これらの地下石垣は地上の石垣とは規模も積み方も異なり, 豊臣時代の大坂城ではないかと考えられている. 本研究では, 筆者らが提示している数値評価法を用いて, この地下石垣の特徴について考察するとともに, 石垣構築の技術的な面から構築年を推定した.
著者
小林 拓朗 李 東烈 徐 開欽 李 玉友 稲森 悠平
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.159-166, 2011-03-20 (Released:2012-03-01)
参考文献数
20
被引用文献数
1

食品標準成分に基づき細分類された家庭系生ごみと事業系食品廃棄物について,それぞれ高温メタン発酵と高温水素発酵のバッチ実験を行い,メタンおよび水素ガス生成ポテンシャルを調査した.投入VSあたりメタン生成量は,原料の脂質含有率との間に有意な正の相関,炭水化物含有率との間に有意な負の相関を有しており,炭水化物系原料と比較して脂質系原料は平均値で2倍に相当する高いメタン生成量を示した.投入VSあたり水素生成量は,原料の炭水化物含有率に対して有意な正の相関,脂質含有率に対し有意な負の相関を有していた.炭水化物,脂質,タンパク質各含有率とVSあたりメタンおよび水素生成量を因子とする主成分分析の結果から,栄養成分に基づいた各原料の水素発酵またはメタン発酵それぞれの処理方式への適性評価が可能であることが示された.
著者
谷村 亮介 廣森 聡仁 梅津 高朗 山口 弘純 東野 輝夫
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとパーベイシブシステム(MBL) (ISSN:21888817)
巻号頁・発行日
vol.2015-MBL-75, no.32, pp.1-8, 2015-05-21

冬季に多量の積雪がみられる積雪都市においては,降積雪が交通流に大きな影響を及ぼしている.路面上に雪が堆積することにより,自動車が道路を走行しにくくなるだけでなく,堆積した雪が道路脇に積み上げられることで道路の幅員が狭くなるため,その道路の交通容量は大きく低下する.降積雪が道路交通に与える影響の把握は,積雪都市における交通計画管理上重要な課題である.本研究では,世界有数の積雪都市である札幌市において,ブローブカーデータから得られる道路交通情報,及び降雪量や積雪量などの気象データを収集し,これらのデータを重回帰分析によって分析することで,気象条件の変化に伴う道路交通速度の変動を推定するモデル式を作成する手法を提案する.札幌市内の実道路上のプローブカーデータを用いて提案手法によるモデル構築を行った結果,重相関係数が 0.844 の重回帰式を作成でき,雪道の交通速度の低下は気象データによってある程度説明可能であることを示した.また,複数の路線を対象にしたモデル構築の結果から,ある路線では積雪量以外にも前日最高気温が速度低下に影響を与えていたのに対し,別の路線では前日日照時間が速度低下要因となることなどがわかった.
著者
岡島 厚 大津山 澄明 永森 稔朗 中野 智仁 木綿 隆弘
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.65, no.635, pp.2196-2203, 1999-07-25
被引用文献数
19

Flow induced in-line oscillation of a structure with a circular or rectangular section was experimentally studied by free-oscillation tests in a wind tunnel. Detailed data of response amplitude of various cylinders have been acquired in a wide range of the reduced mass-damping parameter (Scruton number), by free-oscillation tests of two-dimensional cylinder spring-mounted to oscillate as a rigid cylinder. Flow induced in-line oscillation of the cylinder is certified to have two types of excitation mechanism; one is the so-called wake breathing effect accompanied with a symmetric vortex street and the other is the vortex excitation at a half of the critical reduced velocity. Also a fixed splitter plate was mounted behind a cylinder to eliminate the vortex shedding of alternate vortices from the cylinder, after Aguirre's experiments, and the results were compared with those without a splitter plate. As a result, we can classify the flow induced in line oscillation of the circular or rectangular cylinder. For a circular cylinder and a square one, two types of excitation phenomena appear in each reduced velocity region, the thin rectangular cylinder with the side ratio b/h=0.4 suffers from the vortex excitation, and the elongated rectangular cylinder with the side ratio b/h=2.5, is subjected to the wake breathing effect accompanied with a symmetric vortex street. It is found that fluidelastic characteristics of two types of in-line oscillations are quite different; i.e., the response amplitude are very sensitive to the reduced massdamping parameter, during the in line oscillation with a symmetric vortex street, while the oscillation of vortex excitation are rather insensitive.