著者
森田 弘彦
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.200-214, 1981-11-25 (Released:2009-12-17)
参考文献数
41
被引用文献数
5 4
著者
波部 剛 高森 一乗
出版者
特定非営利活動法人日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.256-265, 2008-06-30
被引用文献数
2

近年,歯科治療において,審美的,理工学的などの用件より接着技術が頻用されている.口腔を対象とする歯科臨床において,接着の阻害因子である湿度のコントロールが重要である事実を,In vitroの多くの研究,すなわちその上昇により接着強さが低下するという結果が明らかにしている.しかし,口腔の湿度分布やその防湿効果に関する研究は少なく,その詳細は不明である.今回われわれは,今後主流を占めるであろう接着臨床に必要となる基礎データを,口腔の環境面からのアプローチとして,口腔内の温・湿度に着目し,その分布とエア・ブロー,サクション,ラバーダム防湿による変化を検討した.事前に本研究の主旨を説明し同意が得られた,顎口腔機能に異常を認めない成人10名,平均年齢31±4歳(男性5名,女性5名)を対象に行った.なお本研究は,明海大学倫理委員会承認番号A0607に則って行った.測定装置として温・湿度センサ(THP-B4T,神栄)を用い,温湿度変換器(THT-B121,神栄)を用いて,データ記録装置(midi Logger GL200,グラフテック)にデータを記録した.PC上で解析ソフト(midi Logger Software,グラフテック)を用いて検討した.実験1 口腔内温・湿度分布上顎前歯ならびに臼歯の唇(頬),口蓋側にそれぞれ湿度センサを配置し,その温・湿度が安定するのを待って測定を行った.実験2 エア・ブロー,サクションによる温・湿度の変化上顎第一大臼歯頬側部にセンサを配置し,エア・ブロー,サクションをそれぞれ5,10秒行い,処置前後の温・湿度の変化を経時的に観察した.また同部にラバーダム防湿を行い,その変化も測定した.口腔の湿度においては,後方にいくほどその湿度の上昇が観察され,温度も上昇が観察された.相対湿度ならびに絶対湿度の測定においていくつかの差異が認められた.各防湿法の比較においては,エア・ブローならびにサクションにおいて,温・湿度の低下が観察されたが,その影響は一時的なものであり,それぞれを中止すると,ただちに温・湿度の上昇が観察された.ラバーダム防湿においては,防湿後の温度の変化はほとんど観察されないが,有意な湿度の低下が観察され,その効果は持続的で安定していた.部位的な差異同様,相対湿度と絶対湿度においていくつかの差異がみられた.以上の結果より,口腔内の温・湿度の分布に差があること,持続的な防湿効果はラバーダム防湿のみに観察されること,エア・ブロー,サクションにより温度が大きく変化することにより,相対湿度ではなく絶対湿度が湿度の指標として適切であることが明らかとなった.
著者
南谷 幹夫 八森 啓 金田 一孝
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, pp.1817-1827, 1986

米国メルク社研究所が創製したImipenem (MK-0787) はThienamycinの<I>N</I>-Formimidoyl誘導体であり, グラム陽性, 陰性菌を通じて広範囲の菌種に対し優れた抗菌活性を示すばかりでなく, <I>Pseudomonas aeruginosa</I>, Gentamicin (GM) 耐性<I>P. aeruginosa, Enterococcus faecalis, Bacteroides fragilis</I>を含む嫌気性菌に対しても有効とされる。MK-0787の欠点とされるRenal dipeptidaseによる水解不活化や腎毒性の阻害剤として開発されたCilastatin sodium (MK-0791) との等量配合によつて新しい化学療法剤としてMK-0787/MK-0791が登場した。<BR>ここでは本剤の小児科領域の各種感染症に対し使用した結果について述べる。<BR>吸収, 排泄については11歳児, 3歳児に対しそれぞれ13.2mg/kg, 16.1mg/kgを30分点滴静注し血漿中濃度を測定したところ, MK-0787のピークは点滴静注終了直後で, それぞれ56.33, 55.98μg/mlであり, T1/2は1.21, 1.04時間であつた。<BR>MK-0791のピークは点滴静注終了直後で53.73, 22.99μg/ml, 1時間には10.54μg/ml及び測定不能であり, その後も検出し得なかつた。投与後6時間までの尿中累積回収率はMK-0787はそれぞれ82.9%, 63.6%であり, MK-0791のそれは57.9%, 74.6%であつた。<BR>臨床使用成績では急性扁桃炎, 溶連菌感染症, 気管支肺炎, 蜂窩織炎, 敗血症の疑, サルモネラ症の6例に本剤を投与し, 著効3例, 有効3例と全例に効果を認めた。<BR>副作用は臨床的にも臨床検査においても特に異常は認められなかつた。
著者
金森 克浩 坂本 清美 村 一浩
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.22, pp.38-39, 2006-08-26

発達障害児の言語心理指導への活用を目的として「産・学・官」三者による協働体制により、療育現場や教育現場での指導に活用を目的として、多点入力の可能なタッチパネルディスプレイと療育支援ソフト「たっちゃんのコネク島」開発した。本システムでは、肢体不自由児や重度の知的発達の遅れのある子ども、自閉性障害の子どもへの指導場面で、自己効力感の高まり、因果関係の理解やコミュニケーション場面を作り出すなどの効果が見られた。本発表では、そのシステムの概要と指導事例を報告する。
著者
河野善弥 馬場 健 山崎安挙 大森 麻理
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.59, pp.17-24, 1993-07-08
被引用文献数
5

人の設計から設計技術を抽出し,エキスパートシステムで再利用するソフトウエア自動設計方式の報告である.ソフトウエアの増殖性の為に所謂保守コストは開発コストより大きくなる.そこで,初期の人による開発から技術を抽出して再利用し自動化する.まず,人の開発工程をモデル化すると,ハンモック状の網に単位設計ノードを配置した分散形式と見做せる.次に,開発工程を階層的に展開して単位設計ノードの特性を系統的に抽出する.このようにして出来る網状の分散システムを漸進的に研究し,エキスパートシステムで実現する.第1次として,電話交換ソフトウエアについて,概要設計フロー図からの自動生成の例を述べている.This paper reports an automatic software design by simulating human design. Accumulated cost of software maintenance is larger than the initial development cost. It is intended to extract design knowledge from the initial human design and reuse it to automate following design. Human development process is modeled to be a hammock-like network with unit design processing nodes. By hierarchically decomposing a development process, it becomes possible to extract design knowledge. Thus gained distributed system is realized by cooperative expert systems in an evolutional way. The first stage results on telephone switching software are reported.
著者
岡田 清己 遠藤 克則 野垣 譲二 川田 望 吉田 利夫 佐藤 安男 森田 博人 熊谷 振作 北島 清彰 岸本 孝
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.77, no.6, pp.1000-1005, 1986
被引用文献数
1

過去12年半にわたり経験した腎外傷(皮下損傷)122例を集計し,その即時手術の適応に関し検討を加えた.外傷度分類は腎挫傷,軽度腎裂傷,高度腎裂傷,腎断裂傷,腎茎部損傷に分類した.これは術前の臨床症状と画像診断にて分類した群と,術中の手術所見を合わせて分類した群とを比較すると約4分の1は誤謬を生じていた.今後画像診断学の進歩により診断率は高まるものと期待している.今回の臨床的検討より次のことが要約される.腎挫傷は待期療法が選択される.軽度腎裂傷も手術の必要はなく,待期療法で観察することが望ましい.高度腎裂傷の場合,待期療法では腎感染が増悪し,腎障害が進行し,手術の時期を逸してしまうことがある.そのため,即時手術が必要である.腎断裂傷,腎茎部損傷は待期的に観察せずに即時手術を行うべきである.特に重要なことは,高度腎裂傷との診断が得られたら,即時手術を行うことである.
著者
森本 茂
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.17, pp.p26-34, 1989-03

『大和物語』(為家本)一三七段の本文は次のようである。志賀の山越えのみちに、いはえといふ所に、故兵部卿の宮、家をいとをかしうつくりたまうて、時々おはしましけり。いとしのびておはしまして、志賀にまうつる女どもを見たまふ時もありけり。おほかたもいとおもしろう、家もいとをかしうなむありける。としこ、志賀にまうでけるついでに、この家にきて、めぐりつつ見て、あはれがりめでなどして、かきつけたりける、かりにのみくる君まつとふりいでつつなくしが山は秋ぞ悲しきとなむ書きつけていにける。以下、「志賀の山越え」の「いはえ」について考察したいと思うが、まず志賀の山越えの道順を明らかにしておく必要がある。
著者
小西 宏志 嶌田 聡 森本 正志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.631, pp.19-24, 2005-01-21
被引用文献数
5

最近のハードディスク・ビデオ・レコーダーやソフトウェアのムービープレーヤーには, 映像を速覧したり, シーン検索できるように高速再生機能を備えたものがある.しかし, 現状では, 1.5&acd;2.0倍速で再生する場合には音付きで高速再生されるが, それ以上のスピードで高速再生する場合には音無しで動画のみを高速再生するものが多い.これは, 高速再生において動画より音声がボトルネックであり, 音声をリニアに高速再生させた場合に聞き取れる限界が2倍速程度であるためである.本稿では, 映像速覧に適したノンリニア時間圧縮方法を提案し, 2倍速以上の音声の高速再生でもシーン検索できる程度の了解性を維持できることを実験で示した.
著者
森 一之 宮崎 英治
出版者
(一社)日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.86, no.12, pp.367-372, 2013 (Released:2014-02-06)
参考文献数
20

Wide-ranging polymeric materials are commonly used in spacecraft to meet numerous system design requirements. The tolerance of such polymeric materials against the space environment, e.g. vacuum, ultraviolet rays, radiation, atomic oxygen, etc. must be evaluated, because this environment is a known threat for materials, especially polymers. JAXA has been striving to evaluate the tolerance of polymeric materials in the space environment through both ground tests and space exposure experiments, which allows engineers in the space industry to obtain material data detailing tolerance against the space environment. This article introduces the space environment and its effect on polymeric materials, examples of damage to materials in orbit, and the evaluation capabilities for polymeric materials to be used in space at the Tsukuba Space Center, JAXA.
著者
遠藤 友基 外山 史 千葉 親文 森 博志 東海林 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.6, pp.1-6, 2015-03-13

本論文では,次世代シーケンサから得られた大量のデータに対して,大規模なゲノムのアセンブリが可能となるように,消費メモリ量の少ない de novo アセンブリアルゴリズムを提案する.実験では,E. coli K-12 strain MG1655 及びヒトの 14 番染色体から得られたリードに対してアセンブリを行った.その結果,本手法は E. coli に対しては従来手法の約 20%,ヒト 14 番染色体に対しては他手法の約 60% の消費メモリ量で de novo アセンブリが可能であることを確認した.In this paper, we propose an algorithm for de novo assembly with lower memory. In our experiments using the E. coli K-12 strain MG 1655, the average maximum memory consumption of the proposed method was approximately 20% of that of the popular assemblers. Moreover, in the experiments using human chromosome 14, the average amount of memory of our method was approximately 60% of that of the popular assemblers.
著者
森下 眞行 上田 篤嗣
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.160-160, 2008

本研究プロジェクトにおける活動の意義は、子供から大人まで楽しくUDについて学ぶことが出来るクイズ形式の学習ゲームを開発し、県立大学として岡山県のUD普及事業推進に貢献することである。本ゲームは、高齢者疑似体験キットなどによる「バリアフリー体験会」や「街歩き調査」の事前学習として、遊びながら楽しくUD に関する知識を増やすことが出来るものである。さらに、本ゲームは、防災や環境問題、コミュニティ等についても応用が期待されるものでもある。本研究は、岡山県UDカレッジモデル事業として認定されたゲーム制作委員会と県内大学(岡山県立大学と川崎医療福祉大学)の共同研究でスタートしたものである。最初に制作したUDゲームVer1をゲーム対象である小学生数名にモニター調査を行い、問題点等を見いだし、UDゲームVer2:ゲーム名「ぐるぐるももっち」を開発した。ここでは、全体のデザインやゲームシステムの大幅な見直しを行った。さらに、ver2も同様に小学生数名モニター調査を行った。この調査では、大変好評を得ることが出来、最終的な成果を、平成19年11月開催の「まなびピア岡山2007」の会場にて発表を行った。
著者
松田 文子 永瀬 美帆 小嶋 佳子 三宅 幹子 谷村 亮 森田 愛子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.109-119, 2000

本研究の主な目的は, 数と長さの関係概念としての「混みぐあい」概念の発達を調べることであった。実験には3種の混みぐあいの異なるチューリップの花壇, 3種の長さの異なるプランター3種の数の異なるチューリップの花束の絵が用いられた。参加者は5歳から10歳の子ども136名であった。主な結果は次のようであった。(a) 5, 6歳児では, 混んでいる・すいているという意味の理解が, かなり難しかった。(b) 数と長さの問の比例的関係は, 5歳児でも相当によく把握していた。しかし, この関係への固執が, 混みぐあい=数長さという1つの3者関係の形成を, かえって妨げているのではないか, と思われた。(c) 長さと混みぐあいの反比例的関係の把握が最も難しかったが, 8歳児は, 2つの比例的関係と 1つの反比例的関係のすべてを, かなりよく把握しているようであった。(d) これら3つの2者関係を1 つの3者関係に統合することは大変難しかった。8歳から10歳にかけて大きく進歩したが, 10歳でも約 25%の子どもしか統合を完了していないようであった。このような結果は, 小学校5年算数「単位量あたり」が子どもにとって難しい理由を示唆した。
著者
森賀 一惠
出版者
富山大学人文学部
雑誌
富山大学人文学部紀要 (ISSN:03865975)
巻号頁・発行日
no.60, pp.41-49, 2014

『説文解字』に見える「亯」(五篇下亯部)は「亨」、「享」、「烹」の古字である。言い換えれば,「亨」、「享」、「烹」は同源である。「亯」字段注の「其形,薦神作亨,亦作享,飪物作亨,亦作烹,易之元亨,則皆作亨,皆今字也(その形,神に薦めるは亨に作り,亦た享字に作る。物を飪るは亨に作り,亦た烹に作る。易の元亨は則ち皆な亨に作る。皆な今字なり)」という記述によれば,「亨」は「享」、「烹」に通用するが,「享」、「烹」はそれぞれ「薦神」、「飪物」の意の專用字であるということになる。現代漢語(普通話)では「亨」はhēng 專用,「烹」はpēng 專用,「享」はxiǎng 專用と,はっきりと書き分けられているが,古くは「亨」は「享」、「烹」に通用していたようで,『廣韻』でも「亨」は脝(許庚切)小韻、磅(撫庚切)小韻、響(許兩切)小韻に見え,釋義はそれぞれ「通也」、「煑也」、「獻也,祭也,臨也,向也,歆也」となっており,「享」、「烹」は「亨」の或體字扱いである。『羣經音辨』(以下,『音辨』)の「亨」音義解釋と『經典釋文』(以下,『釋文』)の「亨」の注音状況については,概述したことがあるが,本稿では,同源の「享」「烹」も併せて『釋文』での注音状況を調査し,『音辨』の「亨」の音義解釋の妥当性を検討したい。