著者
若松 宣一 後藤 隆泰 足立 正徳 井村 清一 林 憲司 亀水 秀男 飯島 まゆみ 行徳 智義 柴田 俊一 堀口 敬司 金 昇考 土井 豊 森脇 豊
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.165-177, 1990-03-25
被引用文献数
2

金属表面にコーティングする場合と同様な方法で作製したハイドロキシアパタイト(HAP)セラミックスの破壊応力に与える水の効果を評価するために, 四点曲げ試験を0.5mm/minの条件で空気中(20℃, 相対湿度73%)と蒸留水中(37℃)で行った。そして得られた強度データを2-パラメータワイブル統計を用いて解析した。各条件において, 曲げ強さのデータは単一モードのワイブル分布に従った.このデータの表面欠陥モデルを仮定したワイブル解析は, 空気中でワイブルパラメータm=7.8, σ_0=26.2MPaと蒸留水中でm=8.1, σ_0=18.5MPaを与えた.曲げ強さの平均値は空気中で27.3MPaと蒸留水中で18.2MPaであった.この結果より, 水のような腐食性環境が定応力速度で測定される破壊応力に影響を与えることは明らかである.この影響は試料が破壊するよりも低い応力レベルで起こるサブクリィティカルなクラックの成長が原因であると考えられる.また, 本研究で推定したワイブル分布関数を用いて, 試料の寸法と試料中の応力分布が破壊応力の平均値に与える影響を予測した.
著者
重藤 えり子 佐藤 裕恵 重藤 紀和 鎌田 達 阿部 千代治 高橋 光良 森 亨
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.347-354, 1995
被引用文献数
6

A twenty-four year old male Peruvian of Japanese origin, who came to Japan in September 1990 and had been working in a minor factory in a rural area, was admitted to a hospital in March '91 with severe cough. Smear examination of his sputum smear was positive for acid-fast bacilli and his chest X-ray showed multiple cavities (Index case). Subsequent contact examination identified further four patients with pulmonary tuber culosis among his colleagues in the factory, all of whom lived in the same house with the index case.<BR>During following three years, further six patients with mycobacteriosis, two Peruvians and four Japanese, were found among the employee of that factory. M. tuberculosis was cultured from the sputa obtained from seven of these eleven patients. Another patient was diagnosed as non-tuberculous mycobacteriosis.<BR>Restriction fragment length polymorphism (RFLP) analysis carried out with five strains of M. tuberculosis isolated from these patients revealed the identical RFLP pattern which is uncommon in Japan. Still more, an isolate from another patient was subjected to RFLP analysis by chance, and was found to show the same RFLP pattern. Later epidemiological study revealed that the last patient, a 53 year-old saleswoman of boxlunch, might have some contact with the index case at her booth.<BR>Though RFLP analysis was not done for the isolate from the index case, from the identity of RFLP patterns of other isolates, clinical course and epidemiological study, it is considered that six patients were certainly, and two others were probably infected from the index case. One of the patients had a history of surgical treatment for pulmonary tuberculosis and, as RFLP analysis could not be carried out, it is not possible to determine whether his disease was due to reactivation or re-infection.<BR>Tuberculin skin test survey of 133 workers in the factory was carried out in March '91. The diameter of erythema showed bimodal distribution pattern for the Japanese workers. Considering that most of the young Japanese have been vaccinated with BCG, it is assumed that at least 40% (10/23) of Japanese workers younger than thirty years old were infected in this epidemic. All the Peruvians, who had not been vaccinated with BCG, showed positive reaction to PPD (mean diameter was 41.9mm) and were assumed to had been infected newly in this epidemics or in the past. Chemoprophylaxis were indicated for two young Peruvians only. Subsequent patients were diagnosed among the strong tuberculin reactors (For Japanese ≥50 mm, for Peruvians ≥30mm in diameter).<BR>Total delay in the diagnosis of the index case was considered to be about six months. Though he was coughing on his entrance to Japan on September '90, no reliable medical checkup was done until he was pointed out the abnormal findings on his chest X-ray image at a routine medical checkup in November '90. At that time he was recommended to go to some hospital or clinics, but he did not obey this recommendation promptly. Such a delay may cause this outbreak.
著者
中山 泰一 永松 礼夫 出口光一郎 森下 巖
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.985-993, 1993-05-15
被引用文献数
3

共有メそリ型の汎用高並列計算機において、非常に多数の細粒度の処理単位を並列に実行するための並列実行管理機構として、あらかじめプロセッサの台数と同数の軽量プロセスを用意しておき、これらを繰り返し使用するアクティビティ方式が提唱されている。その利点として、どのような形武の並列プログラムにも適用でき、処理単位の実行中にサスペンドがまったく発生しなげれば高い効率が実現できることが確認されている。しかしながら、ネストしたfork?join形式の並列プログラムにおいて、親処理単位が再帰的に子処理単位を生成していき、しかも、それぞれの親処理単位がそのすべての子処理単位の実行の完了を待って後処理を実行する場合、子処理単位の完了待ち合わぜによる多数のサスペンドが発生し、従来のアクティビティ方式のままでは顕著な効率の向上が得られない。本論文では、上記形式のプログラムの実行効率をも向上させるため、従来のアクティビティ方式に「遺言」とよぷ新しいコンストラクトを追加する方式を提案する、これは、後処理を子処理単位に「遺書」して親処理単位は実行を完了し、最後に処理を終える子処理単位を実行した軽量プロセスがその「遺言」を実行する方式である。この方式に基づいた並列実行管理機構を試作し、シミュレーションにより性能評価した。その結果、アクティビティ方式の利点を活かしつつ、プロセッサ時間とメモリ消費量が大幅に節減されることが示された。
著者
大森 睦弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.238, pp.15-22, 2000-07-28

今までのゲーム機は本体のみでグラフィックス処理のほとんどすべてを行っていた。非常に安くて高速なネットワークが手に入ったならば、ゲーム機のみならず、家庭での映像の窓口となるTVなども含め、特にサーバに対するクライアントとしての端末機およびサーバが、今後どうあるべきかを真剣に考えなければならない時代に突入した。
著者
山田 寛 内田 英子 四倉 達夫 森島 繁生 鉄谷 信二 赤松 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.712, pp.27-34, 2001-03-14
被引用文献数
5

本研究では、人間が自然な表情を自発した時と普遍的で典型的と言われている表情を演じる時の顔の動きを高速度カメラで撮影し、顔の特徴点の変位の測定に基づいて顔の動きの定量的な特性を分析した。自然な表情は、Gross & Levens (1995)が標準化した情動喚起刺激を被験者に提示することによって自発させた。典型的な表情の演技は、FACSの定義に基づいた。自発表出条件、演技表出条件ともに顔の各部位の動き出しの差は微細であり高速度カメラを用いたことの有効性が示された。また情動ごとおよび表出条件ごとに顔の各部の動きの量や速さに特徴的な違いが認められたが、動きの変化そのものの様相には興味深い共通性が認められた。
著者
森 幸男 相川 直幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.95, no.227, pp.15-20, 1995-09-12

本研究では、主成分分析技法を用いて日本語単母音の特徴を抽出し、不特定話者の母音の認識を試みた。本方法は、音声の短時間スペクトル包絡を用いて主成分分析を行い、各主成分ごとの主成分得点の分布を得る。この分布の幾つかは、母音ごとに集中する傾向がある。そのような主成分で任意の音声の主成分得点を求め、あらかじめ求められた分布と比較し、候補母音を決定する。本研究では、40話者の5母音を用いて分析し、任意の14話者の5母音を認識させたところ、91.4%という比較的高い認識率が得られた。
著者
河村 卓二 趙 栄済 宮田 正年 酒田 宗博 河端 秀明 郡 靖裕 小川 真実 森川 宗一郎 芦原 亨
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.142-145, 2007-03-01

1988年8月から2004年8月までの16年間に, 当科において15歳以下の小児32症例に全大腸内視鏡検査47回を含む計143回の大腸内視鏡検査を施行した. 30例は鎮静剤の静脈投与を用いて内視鏡室で, 2例は全身麻酔を用いて手術室でそれぞれ施行した. 挿入および観察は無透視一人法で行った. 血便症例は22例で, 内視鏡施行により15例 (68.2%) で出血源の同定が可能であった. 全大腸内視鏡検査は試行した47回においてすべて可能であり, 回盲部までの平均到達時間は10分22秒であった. 成人と同様に腸管洗浄液を用いた場合は前処置の効果は良好となったが, 小児での腸管洗浄液に対する受容性は低かった. 塩酸ペチジンにミダゾラムを併用した前投薬の鎮静効果はおおむね良好であり, 3例の治療を含む全検査で偶発症を認めなかった. 小児に対する大腸内視鏡検査は適正な前投薬の使用で安全に施行可能であり, 診断および治療に有用である.
著者
水谷 郷一 幕内 博康 町村 貴郎 島田 英雄 菅野 公司 森屋 秀樹 堀江 修 宋 吉男 杉原 隆 花上 仁 佐々木 哲二 田島 知郎 三富 利夫
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.82-86, 1993-01-01
被引用文献数
12

われわれは4例の特発性食道破裂を経験しその臨床的検討を加えたので報告する.年齢は40〜63歳ですべて男性であり,4例ともに飲酒後の嘔吐を契機にして発症した.初診時に診断できたものは4例中1例のみであり,他の3例は正診できなかった.治療は1例が保存的に他の3例は手術を施行した.手術を施行した1例が敗血症で死亡したが他の3例は軽快退院となった.診断に際しては本疾患の認識が最も重要であり,胸部X線写真,胸部computed tomography(以下:胸部CTと略す),ガストログラフィンを用いた食道造影を早期に行うことが大切である.また治療は,1)破裂孔が比較的小さい.2)破裂が縦隔内にとどまっている.3)縦隔内の汚染が軽度である.4.胃内容が持続的に逆流しない4つを満たすものは保存的治療とし,それ以外の症例は手術により穿孔部の閉鎖,胸腔および縦隔内の洗浄,確実なドレナージを行うことが原則と考えられた.
著者
松井 寛二 森岡 弥生 竹田 謙一
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部AFC報告 (ISSN:13487892)
巻号頁・発行日
no.3, pp.11-16, 2005-03

4頭の木曽馬の馬房内の夜間の姿勢と体温変化の特徴を明らかにし,姿勢および体温変化と睡眠の関連を考察した。姿勢と行動はビデオカメラを用いて,体温(膣温)はデータロガを用いて記録した。姿勢は,1)立位(歩行・摂食),2)立位(休息),3)伏臥および4)横臥の4型に区分して記録した。伏臥および横臥の出現パターンには個体差が認められた。4頭平均の伏臥持続時間は16.4分,横臥持続時間は4.2分,夜間11.5時間の横臥回数は6.1回であった。体温は17時の38.1~38.6℃から早朝の37.6℃前後まで漸減した。伏臥から横臥の姿勢変化時にノンレム睡眠からレム睡眠に移行し,横臥時にレム睡眠であることが推察された。
著者
斎藤 豊文 森 健策 鳥脇 純一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.10, pp.1675-1685, 1996-10-25
被引用文献数
70

本論文では,ユークリッド距離変換を用いた3次元ディジタル2値画像に対する薄面化および細線化手法を提案し,その性質について述べる.本論文の手法は従来提案されていた手法に対して,特に図形の回転依存性が大幅に改善されている.3次元画像の薄面化/細線化は2次元画像における細線化に対応する基本的な処理であり,図形の構造解析などに利用される.しかし,従来提案されていた手法は図形を主に6方向から順に削っていくというものであり,入力図形が回転した場合,薄面化/細線化結果が大きく変化していた.本手法ではユークリッド距離変換の結果を用いることにより,図形の回転依存性を改善した.
著者
古川 幸伸 藤森 和博 新井 宏之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波
巻号頁・発行日
vol.97, no.551, pp.47-53, 1998-02-19

本稿では, PHSの新たな基地局設置場所として建物の窓に設置することを提案し, 壁面設置型双指向性偏波ダイバーシチアンテナを用いて, 実際に建物の窓に基地局を設置して伝搬測定を行った.そして, 基地局を建物の窓に設置する場合に問題となる窓ガラスの影響や基地局を設置する階, 移動局の傾き角度, 偏波ダイバーシチ受信の効果について検討した.
著者
古川 幸伸 藤森 和博 新井 宏之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.97, no.545, pp.47-53, 1998-02-19

本稿では, PHSの新たな基地局設置場所として建物の窓に設置することを提案し, 壁面設置型双指向性偏波ダイバーシチアンテナを用いて, 実際に建物の窓に基地局を設置して伝搬測定を行った.そして, 基地局を建物の窓に設置する場合に問題となる窓ガラスの影響や基地局を設置する階, 移動局の傾き角度, 偏波ダイバーシチ受信の効果について検討した.