著者
大黒 將弘 宮崎 哲弥 森田 逸郎 大谷 朋広 長尾 康之 久保田 文人 鈴木 正敏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.410, pp.7-10, 2004-10-28
被引用文献数
5

架空区間を含んだ約200kmのITU-TG652準拠の既設シングルモードファイバで構成された、JGNII光テストベットを用いて、単一チャネルの単一偏波160Gbit/s光信号伝送実験を行った。強度変調(OOK:on-offkeying)方式と差動位相変調(DPSK:differential phase shift keying)方式の特性比較を行い、 DPSK変調方式を用いることで, OOK変調方式よりも良好な伝送特性を得た。さらに、DPSK変調方式と偏波スタビライザを併用することで、OOK変調方式に比べて2.5dB以上Q値の向上が得られ、200km伝送後も安定な伝送特性が得られた。
著者
宗森 純 堀切 一郎 長澤 庸二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.143-153, 1994-01-15
被引用文献数
28

ネットワークで結合された複数台の計算機による発想支援システム郡元(Groupware for new idea generation support system)を開発した。本システムは分散協調型KJ法と知的生産のためのカードシステムを計算機上で融合したものである。KJ法は川喜田二郎によって開発された(頭文字をとってKJ法)手法で、複数の人による発想法の体系的技術の一つである。分散協調型KJ法は複数の計算機上で行われる。参加者はテーマに添って意見を出し、それを類似性によっていくつかのグループに分け、そこから結諭を導き出す。本システムの特徴は、分散協調型KJ法の結果をカードシステムを模擬したデータベースに自動的に保存し、再利用できるようにしたことにある。本諭文では郡元を3台もしくは4台で行う分散協調型KJ法の学生実験に適用した緒果と紙面上で行ったKJ法の結果とを、意見の数、文字数、かかった時間などをパラメータとして比較して述ぺている。
著者
田齊 秀章 平松 和昭 森 牧人 四ヶ所 四男美
出版者
九州大学
雑誌
九州大学大学院農学研究院学芸雑誌 (ISSN:03686264)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.173-183, 2004-10

近年、流域の物理性がある程度考慮され、集中定数型と分布定数型それぞれの特徴が組み合わされたモデルとして、準分布定数型貯留モデルであるOP-MODELが注目されている。OPMODELは、地下水貯留部の水収支は集中定数型として扱い、地表流出および地下水涵養までを含めた表層および土壌部分は分割されたグリッドごとに分布定数型として扱うという特徴を持つ。すなわち、地下水は集中定数型の特長である単純な構造で表し、流路網を形成する地形や、時空間的に変動する流出寄与域については分布定数型モデルのパラメータで表現される。OPMODELの特長は、DEMから計算される地形指標をもとに、流域表層土壌の空間的な乾湿状態を計算し、地表流の発生を空間的に算定できる点にある。本研究では、御手洗水試験流域(流域面積0.095km2)を対象とし、山地小流域の長短期流出解析におけるOPMODELの適用可能性の検討を行った。7個の未知パラメータの最適値探索には単純GAを用いた。検討の結果、単純GAによる最適値探索で得られたパラメータを使用することで、ハイドログラフの低位部から高水部までを良好に再現可能であり、山地小流域の長短期流出解析にOPMODELが有効であることが明らかになった。なお、本研究で検討したOPMODELでは、流域が乾燥状態にある時に少量の降雨があった場合、計算ハイドログラフに流量の上昇波形が出現しないという問題点が見られた。これは、1.根群域の水収支に用いられた蒸発散位の過大評価、2.流域の表層土層厚は流域内で一様でないにもかかわらず、OPMODELの根群域の計算および関連パラメータは流域内の全グリッドで共通としていること、3.河道降雨の影響、などが考えられたがこれらの点は今後の課題としたい。
著者
遠原 大地 後藤 玲子 伊東 弘樹 森 一生 鳥越 繁治 中川 辰二 因泥 栄一郎 武山 正治
出版者
日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.255-260, 2004-04-10
被引用文献数
2 2

We developed a support system for pharmaceutical counseling services using a handheld computer loaded with HS-WIN. HS-WIN is standard software for pharmaceutical counseling services that is compatible with Windows X-P, 2000 and 98. Our support system is linked to the pharmacy network system of Oita University Hospital. It enables various kinds of information to be retrieved from the pharmacy network system and shown on the display of a handheld computer. This includes drug information, names, sex, birth dates, heights and weights of patients as well as clinical department and ward-related information. The handheld computers are the VAIO PCG-U 1 and PCG-U 3 (SONY, Inc.) and they are used at the bedside. To evaluate the effectiveness of our system,we measured the time required for the management of medication histories and patient counseling records for three wards.The system was able to reduce the time required per patient by an average of 34 minutes.
著者
松山 聡 久保 喜平 大橋 文人 高森 康彦
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.201-203, 1997-03-25
被引用文献数
2 8

イヌ,ネコ,ウシ, ウマおよびウサギの正常肝臓組織より, 癌抑制遺伝子の一つと考えられているプロヒビチンcDNAの一部のクローニングをRT-PCR法により行った. その結果, 今回, RT-PCRにより増幅された部分は, 各動物種間でcDNAの塩基配列では約90%, アミノ酸配列では約95%以上の相同性を示した. したがって, これらのRT-PCR産物は, 各動物のプロヒビチンcDNAの一部であることが示唆された.
著者
森田 武志 藤木 暢也 倉田 響介 岡野 高之
出版者
The Society of Practical Otolaryngology
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.92, no.12, pp.1355-1357, 1999-12-01

A 49-year-old male was treated for chronic tonsillitis with brachytherapy 40 years ago. The inflammation of the tonsils was improved by the treatment. On August 18th, 1998, he consulted our hospital complaining of sudden throat pain. The pain deviated to the left, intensified with eating and continued for several hours every day for one month. An X-ray revealed a metallic foreign body in his left tonsil. A left tonsillectomy was done on January 14th, 1999, and the foreign body was removed completely. It was a small gold tablet, 3×1×1mm in size. A scintillation counter proved that the metallic foreign body was a radon (<sup>220</sup>Rn) seed. This is a rare case of a radon seed buried in the left tonsil of a patient for 40 years.
著者
寺沢 良夫 福田 陽一 鈴木 康義 森田 昌良 加藤 正和 鈴木 騏一 今井 恵子 高橋 寿 鈴木 富夫 関野 宏
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.84, no.12, pp.2137-2145, 1993-12-20
被引用文献数
6

1985年4月から1992年9月までの7年6ヵ月において,当院での血液透析症例1,556人に,腹部超音波検査(US)を行い,腎癌を36人(41胃癌)診断し,手術で組織学的に確認した.血液透析症例の腎癌の検出率は2.3%(43人に1人の割合)で,健常人発生の胃癌(当院健診センターで延27,933人のUS検査のうち22人の腎癌,0.079%)の29倍高頻度発生であった.36人の内訳は,萎縮腎発生15人,ACDK (acquired cystic disease of the kidney)発生18人,腎移植後の固有腎発生3人で,ACDKの8人が1側腎多発,5人が両側腎多発であった.腎癌の診断率はUS100%,CT68%,血管造影55%で血液透析症例における腎癌の診断にはUSが最も優れた検査法であった.
著者
吉野 利夫 藤川 晃三 上瀬 千春 出来 裕三 大森 静雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.25-44, 1987-01-20

今日のテレビ報道情報番組の拡充は目覚ましいものがある.大型ネットワークニュース, ローカルニュース等の充実, そして生活情報のワイドショー化等と, 報道取材合戦は熾烈を極め, 活況を呈している, 朝から夜に至るまで多彩な情報と, 視聴者の関心領域の拡がりに対応して, 放送されている.ニュースの形成もキャスターニュースから記者が現場から伝える「記者レポート」形式となり, テレビ報道は, 新聞から自立して独自のテレビジャーナリズムを追究している.「百聞は一見に如かず」という諺があるが, テレビ映像による情報の伝達は, わかり易さの点で新聞報道をはるかに凌ぐ部分がある.しかしその半面, 絵になりにくい政治・経済の仕組みや話題を, どうわかり易く, 速く, 伝えていくか, 今後の大きな課題である.このような背景のもとに, 報道, 中継技術は生放送をより志向し, 報道速報から大型イベント中継まで, 技術革新とあいまって多様な制作技術をこなすようになった.
著者
佐々木 厳 森吉 昭博 八谷 好高 永岡 紀行
出版者
Japan Petroleum Institute = 石油学会
雑誌
Journal of the Japan Petroleum Institute (ISSN:13468804)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.33-37, 2006-01-01
被引用文献数
21

水分による歴青系舗装の損傷は,表面や路床から液状浸入した水が原因であると考えられてきた。しかし,滑走路等のアスファルト舗装表層は実質的に不透水であることが多い。したがって,著者らは大気中の水蒸気(湿気)がこれらの要因であると考え,この検証のために新しい透湿試験装置を開発した。透湿試験から,たとえ表層材料が実質的に不透水性であっても,典型的な夏の暑い日の気象条件においては水蒸気透過による物質移動により大気中の水分が透過し,凝縮した水分が混合物中に多量に蓄積しうることが明らかとなった。試験装置や試験条件に関してさらなる改良を加えることが必要であるものの,透湿試験は水分蓄積メカニズムの解明とブリスタリング現象等の水分に関連する損傷を評価する有効な試験方法である。<br>