著者
泉 大樹 徳安 宏和 武田 賢一 坂口 泰人 磯和 理貴 唐下 泰一 清水 英治
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.443-446, 2011
参考文献数
14

背景.ピーナッツによる気管支内異物は高齢者での報告例は少ない.症例.生来健康な79歳女性.4カ月間続く咳嗽と胸部X線検査で右下肺野の浸潤影を認めたため当科入院となった.胸部CTでは右下葉気管支内腔に軟部陰影および右下葉の浸潤影を認めた.細菌性肺炎として治療を行ったが症状の改善を認めないため気管支鏡検査を施行した.右肺底区気管支内に異物を認め,鉗子,吸引で摘出し,異物は病理検査でピーナッツと診断された.病歴を再調査したところ咳嗽が出現した2カ月前にミックスナッツを摂取していた.結論.基礎疾患のない高齢女性の閉塞性肺炎で発見されたピーナッツによる気管支内異物の1例を経験した.高齢者の肺炎をみたときには気管支内異物を念頭に置いた詳細な問診が必要と考えられた.
著者
関田 寛 武田 明治 内山 充
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.57-63, 1983
被引用文献数
1

多種多様の果実野菜類が世界中で大被害をこうむっているミバエ類に対して, 唯一有効なくん蒸剤であるとして植物検疫上世界各国で使用されているEDBには近年発癌性のあることが判明して以来, 食品衛生上重大な危ぐの念が抱かれるに至った. これを契機として, 著者らはEDBくん蒸後に輸入された生鮮果実類中のEDBの簡便迅速な残留分析法の確立を検討し, あわせて著者らの方法を用いて実態調査を行った.<br>1) EDBは果実類 (可食部) の均一化試料の水混和物から Dean-Stark 蒸留装置を用いて留出し, ヘキサン層に移行させ, ヘキサン層を液相分離用ロ紙を用いてろ過したものをECD付きガスクロマトグラフィーを行うことにより, 簡便かつ迅速に, しかも, 高感度かつ高精度に定性及び定量することができた. 本法におけるEDBの検出限界は0.005ppmであった.<br>2) 今回検討した果実類のうちで, グレープフルーツ以外の全ての果実試料検液のガスクロマトグラム上にそれらの果実成分に由来する大小多様のきょう雑ピークが観察された. これらのきょう雑ピークの除去法を検討したところ, 残留農薬分析に常用されている活性化フロリジルを検液中に直接添加することにより, レモン, オレンジ及びマンゴー試料の場合には, きょう雑ピークのみを完全に除去することができた. この方法により, レモン及びオレンジの場合には, ガスクロマトグラフイーの所要時間を大幅に短縮することができ, マンゴーの場合には, 保持時間が近接しているためにEDBとまぎらわしいきょう雑ピークを除去することができた. しかし, このフロリジル添加法は, パパイヤの成分に由来する検液注入約3時間後に出現する巨大なきょう雑ピークを消失させる効果は, 全く認められなかった.<br>3) 今回の調査結果では,1981年10月に米国から輸入されたレモンから0.045~0.617ppm, ネーブルオレンジから0.042~1.890ppm, 同時期にハワイ州から空輸されたパパイヤから0.084~0.465ppmのEDBが検出された. そしてこれらの一部のものには, 厚生省が定めたEDBの残留許容値 (0.13ppm) を越えるものがあった. 他方, 同時期にメキシコから輸入されたグレープフルーツからは0.040ppm以下の極めて低いEDB残留が認められたに過ぎなかった. また, 1982年3月フィリピンから空輸されたマンゴーからは, EDBは全く検出されなかった.<br>4) 生鮮果実類中に残留するEDBは, その初期濃度が同一でも, 果実の種類, 果実の保管貯蔵場所の室温あるいは通風換気の状況によって, その経時的減衰の動向が大きく異なることが推測された.
著者
久下 周佐 関根 僚也 色川 隼人 武田 洸樹
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.147-151, 2022 (Released:2022-02-01)
参考文献数
25

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が発生し,パンデミックを起こしてから2年以上経過したが,いまだその混乱は続き、終息の目途は立たない。一方で、COVID-19の予防や治療を目的とした医薬品の開発および使用が驚異的なスピードで進んでおり,発生後1年以内に既存薬の使用や、mRNAワクチンの開発、中和抗体医薬の開発がなされた。そして2年後の現在、経口治療薬が開発され、実用化されようとしている。本稿では、これらCOVID-19に関する医薬品の開発の状況を振り返り、期待される経口治療薬の開発の経緯、現状と今後について述べる。
著者
武田 久吉
出版者
公益社団法人 日本植物学会
雑誌
植物学雑誌 (ISSN:0006808X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.352, pp.85-96, 1916 (Released:2007-05-24)
参考文献数
14

一、やへむぐら族 (Stellalae 一名 Galieae) ニ屬スル植物ハ Didymaea ヲ除クノ外通常葉状ノ托葉ヲ有ス。二、葉状托葉ハ種類ニヨリテ各節ニ二個以上十個ニ達シ、相對シテ生ズル二個ノ眞正葉ト共ニ、輪生状ニ配列ス。三、托葉ハ其ノ數各節二個ナルトソレ以上ナルトヲ問ハズ、通例各一個ノ始原體ヨリ發生ス。然レドモ時ニハ二個ノ始原體ガ發生ノ途上ニ於テ癒合シテ、一個ノ托葉ヲ生ズルコトアリ。此ノ如キ複性ノ托葉ハ一個ノ兩岐セル中肋ヲ有スルカ又ハ完全ナル二個ノ中肋ヲ有シ、托葉ノ先端ハ多少二裂ス。四、複性ノ托葉ハ莖ノ下部又ハ上部ニ出現スルコト多ケレドモ、時ニハ莖ノ中部ニ生ズルコトアリ。莖ノ下部ニアル場合ニハ通例葉器ノ員數ノ増加ノ一段階トナリ、上部ニアル時ハ減少ノ一階梯ヲナスモノト認ムルコトヲ得レドモ、其ノ何レトモ斷定シ難キコト往々アリ。五、やへむぐら族植物ノ甲析ニ於テハ通例第一節 (又ハ時ニ第三四節ニ至ルマデ) 四個ノ「葉」即チ二個ノ眞正葉ト二個ノ托葉ヲ生ズ。而シテ或種ニ於テハ莖ノ上部ニ至ルニ從ヒテ五個以上十二個ノ「葉」ヲ生ズルコトアリ。六、葉ノ數ノ増加ハ元來各節ニ二個アル托葉ガ二裂又ハ數裂シタル結果ニ外ナラズ。七、あかね科 (Rubiaceae) 植物ノ祖先ガ各節四個ノ托葉ヲ有シタリシハ疑フノ餘地ナシト雖モ、其ノ一族ナルやへむぐら族ノ直接祖先ニ於テハ各節四個ヅヽノ托葉ノ中相隣接セル二個ノモノガ癒合シテ、終ニハ各節只二個ノ托葉ヲ生ズルニ至レルモノヽ如シ。故ニ現今生存セル種類中、各節四個ノ「葉」ヲ有スルモノハ本族中原始的ノモノナリト見ルヲ得ベク各節ニ五個以上ノ「葉」即チ三個以上ノ托葉ヲ有スル種類ハ此ノ點ニ於テ高等ナルモノナリ。八、やへむぐら族ノ植物ノ托葉ハ元來披針形ナリシナルベク、從テ常ニ此ノ如キ托葉ヲ有スル Didymaea mexicana ハ原始型ニ近キモノニシテ、みやまむぐら(Galium paradoxum)ハやへむぐら屬中最原始的ノ種類ナリ。
著者
武田 久吉
出版者
公益社団法人 日本植物学会
雑誌
植物学雑誌 (ISSN:0006808X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.352, pp.85-96, 1916

一、やへむぐら族 (Stellalae 一名 Galieae) ニ屬スル植物ハ <i>Didymaea</i> ヲ除クノ外通常葉状ノ托葉ヲ有ス。<br>二、葉状托葉ハ種類ニヨリテ各節ニ二個以上十個ニ達シ、相對シテ生ズル二個ノ眞正葉ト共ニ、輪生状ニ配列ス。<br>三、托葉ハ其ノ數各節二個ナルトソレ以上ナルトヲ問ハズ、通例各一個ノ始原體ヨリ發生ス。然レドモ時ニハ二個ノ始原體ガ發生ノ途上ニ於テ癒合シテ、一個ノ托葉ヲ生ズルコトアリ。此ノ如キ複性ノ托葉ハ一個ノ兩岐セル中肋ヲ有スルカ又ハ完全ナル二個ノ中肋ヲ有シ、托葉ノ先端ハ多少二裂ス。<br>四、複性ノ托葉ハ莖ノ下部又ハ上部ニ出現スルコト多ケレドモ、時ニハ莖ノ中部ニ生ズルコトアリ。莖ノ下部ニアル場合ニハ通例葉器ノ員數ノ増加ノ一段階トナリ、上部ニアル時ハ減少ノ一階梯ヲナスモノト認ムルコトヲ得レドモ、其ノ何レトモ斷定シ難キコト往々アリ。<br>五、やへむぐら族植物ノ甲析ニ於テハ通例第一節 (又ハ時ニ第三四節ニ至ルマデ) 四個ノ「葉」即チ二個ノ眞正葉ト二個ノ托葉ヲ生ズ。而シテ或種ニ於テハ莖ノ上部ニ至ルニ從ヒテ五個以上十二個ノ「葉」ヲ生ズルコトアリ。<br>六、葉ノ數ノ増加ハ元來各節ニ二個アル托葉ガ二裂又ハ數裂シタル結果ニ外ナラズ。<br>七、あかね科 (Rubiaceae) 植物ノ祖先ガ各節四個ノ托葉ヲ有シタリシハ疑フノ餘地ナシト雖モ、其ノ一族ナルやへむぐら族ノ直接祖先ニ於テハ各節四個ヅヽノ托葉ノ中相隣接セル二個ノモノガ癒合シテ、終ニハ各節只二個ノ托葉ヲ生ズルニ至レルモノヽ如シ。故ニ現今生存セル種類中、各節四個ノ「葉」ヲ有スルモノハ本族中原始的ノモノナリト見ルヲ得ベク各節ニ五個以上ノ「葉」即チ三個以上ノ托葉ヲ有スル種類ハ此ノ點ニ於テ高等ナルモノナリ。<br>八、やへむぐら族ノ植物ノ托葉ハ元來披針形ナリシナルベク、從テ常ニ此ノ如キ托葉ヲ有スル <i>Didymaea mexicana</i> ハ原始型ニ近キモノニシテ、みやまむぐら(<i>Galium paradoxum</i>)ハやへむぐら屬中最原始的ノ種類ナリ。
著者
武田 将明 小野 正嗣 都甲 幸治 久保 昭博
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では、世界文学、フィクション論、現場との交流という3つの角度から、現代における文学研究の可能性を広げることを試みた。世界文学に関する、ともすれば英語圏中心の考え方を批評し、また、現代の文化人類学・AI研究を文学研究に応用する可能性を模索し、最新のフィクション論から改めて文学の意味を捉え直し、国内外の文学者・研究者と幅広く交友することで、批評・研究が文学の現場に生かされる可能性を模索した。
著者
齋藤 渉 上村 敏郎 大崎 さやの 隠岐 さや香 久保 昭博 後藤 正英 菅 利恵 武田 将明
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本共同研究の目的は、18世紀におけるフィクション使用の形態と機能を研究することであった。その成果は、a)理論的研究と、b)歴史的研究に分けることができる。a)理論的研究については、特に、1)フィクション理論における意図概念の検討(特に仮説的意図主義をめぐる研究)、2)対話ジャンルの概念に関する考察、3)フィクション概念と物語概念の接続の3点を挙げたい。b)歴史的研究の第一の成果は、18世紀における対話ジャンルの影響史的研究である。第二の成果として、『ベルリン月報』掲載のグロシンガー書簡に関する調査が挙げられる。
著者
岩隈 建男 山田 幸一郎 武田 幹男
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.451-456, 1983-05-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
27
被引用文献数
1 2

Asymmetric reduction of prochiral cyclic imines with chiral sodium acyloxyborohydrides (5 a-i), which are easily prepared by the reaction of NaBH4 with various N-acyl α-amino acids, has been investigated. Of these new reducing agents, triacyloxyborohydrides (5 c-f), derived from NaBH4 (1 eq.) and (S)-N-acylproline (3 eq.), were found to reduce 3, 4-dihydropapaverine (1) in tetrahydrofuran to (S)-norlaudanosine (2) in 60 % optical yield. The N-benzyloxycarbonyl derivative (5 c) could be isolated as a powder and characterized. The effect of solvents on this asymmetric reduction has been examined by the use of the isolated reagent (5 c) halogenated alkane solvents such as CH2Cl2 or CHCl2CH3 gave a better optical yield of compound (2) (70 % e. e.). The reagent (5 c); also reduced other cyclic imines (6 a-c) and (8) to the corresponding alkaloids (7 a-c) and (9) in excellent optical yields (70-86 % e. e.), providing an effective route to the asymmetric synthesis of these alkaloids. The asymmetric reduction of the imines (10 and 13) also proceeded smoothly to furnish the compounds (11 and 14), the precursors of TMQ and TA-073 (bronchodilating agents), in high optical yields. A possible reaction path for this reduction is also presented.
著者
武田 昌憲
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅学園研究紀要編集委員会
雑誌
尚絅学園研究紀要 A.人文・社会科学編 (ISSN:18816290)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.A1-A24, 2012

島原の乱当時の藩を一欄に示し、この中で使者を派遣した諸藩を指摘した。そしてこの乱が全国的な影響を与えたことの証左とした。
著者
武田 充司
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 = Journal of the Atomic Energy Society of Japan (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.87-91, 2008-02-01
参考文献数
1
被引用文献数
1

<p> 世界の多くの国々の資金協力によって進められてきたチェルノブイリ新シェルター建設プロジェクトは,新シェルター建設工事の実施主体となる事業者が選定され,去る2007年9月17日,ウクライナの首都キエフにおいて,関係者の間で正式契約の調印式が行われた。この契約調印は,世界を震撼させた未曾有の大事故によって崩壊したチェルノブイリ4号機を以後100年にわたって安全に管理する新シェルター建設へ向けて大きな一歩を踏み出したことを意味する画期的な出来事である。筆者は,このプロジェクトの国際顧問団の一員として,当初からプロジェクトの重要な技術的事項の決定に深くかかわってきたので,この機会に,新シェルター建設へ向けてのこれまでの歩みをまとめ,この困難な国際プロジェクトに対する一般の人々の理解を深め,関心を喚起したいと思う。</p>
著者
武田 雪夫
出版者
日本幼稚園協會
雑誌
幼兒の教育
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.21-26, 1937-05
著者
武田 寿恵
出版者
アメリカ学会
雑誌
アメリカ研究 (ISSN:03872815)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.121-139, 2021

<p>Julie Taymor's production of <i>The Lion King</i>, for which she would become the first woman to win a Tony for Best Direction of a Musical, opened at Broadway's New Amsterdam Theatre in 1997. To recreate this story of savannah animals on the stage, Taymor devised a method that she called "the double event," in which each character was simultaneously expressed by an actor's body and an animal mask or puppet. Because the actors' faces were not hidden from the audience by the masks, their skin colors were closely associated with the characters they portrayed. Skin color is a racial characteristic that is easy to identify visually. As Stephanie Leigh Batiste has pointed out, in her book <i>Darkening Mirrors</i>(2011), the skin color of African-American actors becomes part of their performance, especially in the theater. Recognizing this, Taymor deliberately cast African and Black actors, using "color-conscious casting," which consciously incorporates actors' racial characteristics as production elements. By presenting the "color" of African actors to audiences in this way, she embodied an important theme of the musical: "the power of Africa."</p><p>By contrast, the "color" of the white actors was rendered indistinguishable through facial makeup. This paper pays particular attention to the villain Scar, who is typically played by a white actor. Just as in the film on which the musical was based, Scar was the only lion who spoke with a British accent. He was depicted as a "white presence" with a stereotypical Shakespearean actor's performance style and mannerisms. In his book <i>The Great White Way</i>(2014), Warren Hoffman has argued that the "white people" who appear in most Broadway musicals are positioned as a raceless norm that cannot engender racial problems. By using makeup to paint Scar, the "white presence," brown, Taymor made it impossible for audiences to interpret Scar as a "white person."</p><p>This paper refers to the three-layered structure assigned to <i>The Lion King'</i>s white actors—actor body, animal mask, and artificial color—as "the triple event." In doing so, it demonstrates how skillfully obscuring the color of white actors can effectively force "color-blind casting." By deliberately combining color-conscious casting for Black actors with forced color-blind casting for white actors, Taymor created a phenomenon that can reasonably be considered a form of "reverse racism," as described by Anne Nicholson Weber in <i>Upstaged: Making Theatre in the Media Age</i>(2006) In disguising the color of white actors, the triple event became a pioneering staging method, serving to overturn the racial privilege of white actors.</p>
著者
吉井 英一 武田 敬
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.348-358, 1983-04-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
90
被引用文献数
2 2

Recent progress in the total syntheses of naturally occurring di- and tricyclopentanoid sesquiterpenes is reviewed, placing particular emphasis on the methodology for the construction of the skeletons and further on the total synthesis of quadrone.
著者
佐野 寛 武田 敏充 阿部 恵子 右田 俊彦
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.5, pp.463-465, 1990-05-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
8
被引用文献数
1

第二級アルコールであるシクロドデカノールから誘導される酢酸シクロドデシルとジフェニルシランをラジカル開始剤ジ-t-ブチルペルオキシド(以下DTBPと略記する)存在下加熱すると,デオキシ化されたシクロドデカンを生成した。この反応においてラジカル開始剤は不可欠であり,DTBPなしでは反応はまったく進行しない。またエステルとしては酢酸エステルが最もよい収率を与えた。第一級および第三級アルコールの酢酸エステルもデオキシ化されるが収率は低下した。アセチル化糖のデオキシ化では収率は低く,多量の副生物の生成が認められた。この原因としてジフェニルシランが2原子の活性水素をもつこと,およびラジカル条件下で他のシランに容易に不均化することがあげられる。
著者
千代 浩之 武田 瑛 船岡 健司 山崎 信行
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.8, pp.2365-2377, 2011-08-15

本論文では,低ジッタと高スケジュール可能性を達成するために,準固定優先度スケジューリングを提案する.準固定優先度スケジューリングは,終端部分という第2の必須部分を有する拡張インプリサイスタスクの各々の部分を固定優先度でスケジュールする.また,本論文では,Rate Monotonic(RM)を基調とした準固定優先度スケジューリングアルゴリズムRate Monotonic with Wind-upPart(RMWP)とRMWP++を提案する.スケジュール可能性解析では,RMWPはRMでスケジュール可能なタスクセットは必ずスケジュール可能であることを証明する.さらに,RMWP++は,タスクの実際実行時間に依存せず,最短周期タスクのジッタを0に抑制可能であることを証明する.シミュレーションによる評価結果では,準固定優先度スケジューリングは固定優先度スケジューリングと同程度のスケジュール成功率を発揮するだけでなく,従来のスケジューリングよりジッタを抑制したことを示した.This paper proposes semi-fixed-priority scheduling to achieve both low-jitter and high schedulability. Semi-fixed-priority scheduling schedules the part of each extended imprecise task, which has a wind-up part as a second mandatory part, by fixed-priority. This paper also proposes two novel semi-fixed-priority scheduling algorithms based on Rate Monotonic (RM), called Rate Monotonic with Wind-up Part (RMWP) and RMWP++. The schedulability analysis proves that one task set is feasible by RMWP if the task set is feasible by RM. In addition, we prove that the shortest period task in RMWP++ has zero-jitter, regardless of its actual case execution time. Simulation results show that semi-fixed-priority scheduling has approximately the same success ratio as fixed-priority scheduling and lower jitter than existing scheduling.
著者
藤原 寛 栗原 直嗣 太田 勝康 平田 一人 松下 晴彦 金澤 博 武田 忠直
出版者
社団法人 日本呼吸器学会
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.469-475, 1994

症例は48歳女性で福岡出身. 咳嗽および微熱を主訴として当科に来院し, 胸部レントゲンにて多発性の辺縁不明瞭な結節影が認められ, 血液検査では成人T細胞白血病ウイルス関連抗体が×1,024と高値を示した. 気管支鏡検査にて確定診断がつかず, 開胸肺生検が行われた. 組織は異型性のないリンパ球, 形質細胞, 組織球を中心としたリンパ系細胞が浸潤した肉芽組織で, 壊死を伴わず, 結節病変の内部および周辺の血管はこれらの細胞が浸潤している所見が認められた. 以上の所見より Jaffe の提唱する angiocentric immunoproliferative lesions (grade I) と診断し, プレドニゾロン, サイクロフォスファミドの併用療法を行い寛解が得られた. 本疾患はリンパ腫様肉芽腫症を悪性度により3つに分類したもので, 近年, EBウイルスとの関係が注目されている. 本例ではATLウイルスが発症に関係した可能性があると考えられた.