著者
遠藤 小太郎 吉田 真悟 中嶋 貴裕 行本 正雄 武田 邦彦
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.420-426, 2006
被引用文献数
1

&nbsp;&nbsp;The respective awareness of the Intergovernmental Panel on Climate Change (IPCC), the Japanese government, media and citizens about the change of sea level at some future date due to climate change was surveyed and analyzed. Three official reports from the IPCC, the white paper on the Quality of the Environment in Japan from the government, the articles in the Asahi Shimbun newspaper from about the past 20 years, and the questionnaires by the Japanese and local governments conducted towards citizens were used. The results of this investigation were that the IPCC concluded in their past three reports that the sea level was estimated to be lower because of ice in the polar regions due to climate change, the Japanese government did not describe this point clearly, the newspaper drew the opposite conclusion from the IPCC and the understanding of citizens was that the change in climate caused the sea level to rise. These differences were due to the lack of or misunderstanding of scientific knowledge such as Archimedes's Principle and the migration of fluid materials, and to the psychological trend of human beings. It is necessary for the government and media to clearly explain and announce these scientific facts in a modern society which maintains a close relationship to science.<br>
著者
武田 富美子 當間 孝子 大友 元 宮城 一郎
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.169-173, 1999
参考文献数
9
被引用文献数
2 1

幼児が長時間生活をする保育所のダニを調べた。沖縄県宜野湾市と西原町の保育所5カ所で, 1997年2月と7月に3歳児の部屋の床, 昼寝時に使用されるゴザ, 敷布団, 毛布(タオルケット)から塵を集めた。ヤケヒョウヒダニが優占種だった。ダニ数は2月に3,740(サンプル数17), 7月に2,204(サンプル数19)で, 7月の方が少なかった。36サンプル中15サンプルで, 1m^2あたり100以上のダニ数が検出された。ゴザに最も多くのダニが検出され, 2月の総ダニ数の50.2%, 7月の68.9%を占めた。
著者
神戸 嘉一 武田 美加子 土屋 公幸 吉松 組子 鈴木 仁 鈴木 莊介 矢部 辰男 中田 勝士 前園 泰徳 阿部 愼太郎 石田 健 谷川 力 橋本 琢磨
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.289-299, 2013

クマネズミはthe <i>Rattus rattus</i> species complexとも称され,複数の種からなる種複合体である.日本には古くに移入した東アジア地域起源の<i>Rattus tanezumi</i>(2n=42)に加え,新規に移入したインド地域が起源の<i>R. rattus</i>(2n=38)の2系統が存在する.本研究ではこれらクマネズミ系統の日本列島における分布および移入の歴史を把握することを試みた.毛色関連遺伝子<i>Mc1r</i>(954 bp)をマーカーとし,奄美大島産を含む36個体の塩基配列データを新規に収集し,既存の配列データと合わせ,日本列島の17地点,さらに比較対象として用いたパキスタン産を含め,総計133個体のデータを基に系統学的解析を行った.その結果,小樽,小笠原諸島および東京の3地域で<i>R. rattus</i>型が認められ,これらの地点では<i>R. tanezumi</i>型とのヘテロ接合体も存在した.これらの結果から,既存系統への浸透交雑が一部の市街部,港湾部および離島で進行している実態が明示された.一方,琉球列島の自然林では,<i>R. rattus</i>型の<i>Mc1r</i>ハプロタイプは認められなかった.これは,新たな外来系統<i>R. rattus</i>の定着や浸透交雑を起こさない何らかの要因が存在する可能性を示唆する.琉球列島には独自の<i>Mc1r</i>配列の存在も認められ,他地域とは遺伝的に分化した集団として位置づけられる可能性も示唆された.<br>
著者
出口 一郎 荒木 信夫 前島 伸一郎 武田 英孝 古屋 大典 加藤 裕司 棚橋 紀夫
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.749-754, 2008 (Released:2008-10-30)
参考文献数
15
被引用文献数
1 2

症例は59歳女性.突然の眩暈,嘔吐のため当院へ救急搬送された.頭部MRI拡散強調画像上,左上小脳動脈灌流域に急性期脳梗塞所見を認め,加療を開始した.入院後上記症状の改善を認めたが,入院5日後に施行した神経心理学的検査では記憶・遂行機能などの認知機能の著明な障害を呈し,SPECTでも両側基底核,小脳,側頭葉,頭頂葉および前頭葉におよぶ広範な血流低下がみられた.入院約1カ月および2カ月後の神経心理学的検査では認知機能の著明な改善を認め,SPECTでも上記部位の血流は改善していた. 本症例は小脳梗塞にて認知機能障害を呈したCerebellar cognitive affective syndromeと考えられた.従来,認知・行動障害は小脳後方領域の障害,また感情障害は虫部の障害と関連があるとする報告や,認知障害は後下小脳動脈領域の障害で生じ,上小脳動脈領域の障害では生じないという報告があるが,本症例では上小脳動脈領域の梗塞で遂行機能障害を呈し,情動性変化は認められなかった.
著者
村岡 裕紀 武田 健吾 熊渕 善太 河合 克浩 川畑 敬志 本多 茂男
出版者
一般社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学会誌 (ISSN:13439677)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.228-230, 2008
被引用文献数
1

Electromagnetic wave shield characteristics were studied for Co and Cu thin films prepared by magnetron sputtering with multipolar magnetic plasma confinement (MMPC) . The characteristics were measured utilizing the Kansai Electronic Industry Development Center (KEC) Method. Results show that the electric field and magnetic field shield effects depend significantly on the thickness of the Co and Cu thin films. The shielding effectiveness of 1 &mu;m-thick deposited Co films for electric and magnetic fields was 69 dB and 51 dB, respectively, measured at 800 MHz. For Cu films, the effectiveness was 77 dB and 61 dB, respectively. It was demonstrated that the electromagnetic wave shield effeet of Co and Cu thin films, which is dependent upon the film thickness, is the result of attenuation loss and the skin effect.
著者
宮本 達也 中込 宙史 武田 正之
出版者
山梨大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

膀胱上皮細胞にPiezo1が発現しており、膀胱伸展刺激を感知し、尿意や蓄尿機能の調節を担っているのではないかと考え、研究を行った。マウス膀胱上皮にはPiezo1が発現していた。またPiezo1は伸展刺激に応答して細胞内にCa2+の流入させることが分かった。またPiezo1阻害薬であるGsMTX4は、膀胱上皮におけるPiezo1を阻害し、伸展刺激反応を鈍化させ、蓄尿に有利に働くことが分かった。
著者
村山 徹 長谷川 浩 宮沢 佳恵 武田 容枝 村山 秀樹
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.314-318, 2010-07-15 (Released:2010-09-01)
参考文献数
28
被引用文献数
3 2

夏秋作における有機および慣行栽培ミニトマトの品質成分の実態を明らかにするため,有機および慣行栽培ミニトマトを各16圃場から試料を得,果実特性とアスコルビン酸,リコペン,β-カロテン,糖類,遊離アミノ酸,クエン酸含量およびエチレン生成量を調査した.有機栽培ミニトマトでは,慣行栽培のものと比較して,果実硬度が小さく,アスコルビン酸とリコペン含量が有意に高かった.また,エチレン生成量が有意に低かった.これらの差違の原因として,実際に流通している有機と慣行栽培ミニトマトには熟度に差がある可能性が推察された.
著者
千綿 かおる 武田 文
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.206-213, 2010
参考文献数
17

本研究は,知的障害者施設入所者への職員の歯磨き介助に対する負担感(以下,歯磨き介助負担感)が職員個人に関する要因や歯磨き介助の要因とどのように関連しているかを明らかにすることを目的とした.東海地区の一県内に所在する知的障害者入所施設43施設のうち協力の得られた27施設職員527名に無記名自記式質問紙調査を行い,有効回答393名(74.6%)について分析した.歯磨き介助負担感と各変数との関連について単変量解析を行い,有意な関連の認められた変数について相互に強い相関のないことを確認したうえで独立変数として投入し,歯磨き介助負担感の有無を従属変数とする多重ロジスティック回帰分析を行った.その結果,歯磨き介助負担感と単独で有意な関連が認められた項目は,職員の性別が「男性」(OR=2.31;95% CI=1.39-3.84),歯磨き介助対象者の状況のうち「歯肉が腫れている」者が多い(OR=2.96;95% CI=1.79-4.90),歯磨き介助時に「頬側を磨く頻度が少ない」(OR=2.45;95% CI=1.48-4.08),「入所者に口を開けてもらえなくて困る」(OR=2.61;95% CI=1.54-4.42),「歯磨き姿勢が難しくて困る」(OR=1.99;95% CI=1.13-3.53),「歯磨き時間が短くて困る」(OR=1.85;95% CI=1.02-3.35)であった.以上のことから,知的障害者施設入所者への職員の歯磨き介助負担感を軽減するうえで,男性職員に対する歯磨き介助技術向上の支援,入所者の口腔状態に対応した歯磨き介助方法を学ぶ研修,歯磨き介助が必要な部位を特定できるPlaque Control Record等の利用,短時間で歯磨き介助ができる電動歯ブラシの使用,歯磨き介助効果をあげるフッ化物応用等を検討する必要があると考えられた.
著者
白井 郁子 武田 祐子
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.258, 2010

本研究では、横浜市港北区に2008年3月に開店した複合型商業施設「TRESSA横浜」の顧客カードの情報をもとにGISを利用した詳細な商圏分析を行い、顧客の空間分布の実態を明らかにした結果を報告する。<br><br>TRESSA横浜は、オートモール&ショッピングエリアというタイプの車の販売を含む複合型商業施設である。東急東横線の日吉駅・綱島駅・大倉山駅・菊名駅、JR鶴見駅・新横浜駅の各駅からバスで20分程度の場所に位置しており、車での利用が多い。トヨタの物流拠点整備工場の跡地に開発され、その敷地面積は7万m<sup>2</sup>,テナント220店舗、収容可能駐車数2700台である。<br><br>TRESSA社の独自システムで管理されている顧客データベースの一部の変数を抽出したデータを利用した。このデータには、会員番号、自宅の郵便番号、性別、買上回数、買上金額、DM発行数が含まれており、サンプル数は11万4千件である。また記録された期間は、TRESSAが開店した2008年4月以降2009年9月までである。<BR><BR>顧客カードの郵便番号を住所変換し、CSISアドレスマッチングサービスを利用して経緯度座標を付与することで、顧客の郵便番号区ごとの分布図を作成した。さらに、TRESSAからの距離帯ごと、郵便番号区ごとに会員数、買上回数、買上金額を集計し、顧客の空間分布、売上実績の実態を明らかにした。また、国勢調査の小地域統計より、顧客分布と人口分布との関係を検討した。<BR><BR>顧客カードを利用したGISによる商圏分析の結果は、以下に要約される。1)顧客の分布は、TRESSAから3km圏で全顧客の約50%、5km圏で全顧客のおよそ70%を占めていた。このゾーンは、TRESSAが戦略とする10km圏よりも相当狭いエリアである。また買上金額では、2km圏に全体の50%、4km圏までで全体の80%にのぼる。2)4km圏外であっても、TRESSAより南西に位置する港北区南部と神奈川区西部にかけての地域、およびTRESSA北部にあたる川崎市中原区の会員比率が高い。3)DM発行は、その70%が4キロ圏内で行われているが会員比率の多寡は考慮されていない。4)人口密度と会員比率の多寡には、相関はみられない。以上より、大型商業施設であるTRESSAの商圏は、その規模に相応しない地元完結型と見なされる。
著者
武田 剛
出版者
佐伯史談会
雑誌
佐伯史談
巻号頁・発行日
no.235, pp.1-11, 2019-11
著者
近藤 照彦 武田 淳史 武田 信彬 下村 洋之助 谷田 貝光克 小林 功
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.131-138, 2008 (Released:2010-08-06)
参考文献数
15
被引用文献数
1

We performed a physio-psychological research on the mental, physical relaxation and health-keeping effect of Shinrin-yoku (forest walking) in Kawaba village. Eleven male and 8 female healthy elderly residents in Kawaba village, whose average age was 74.0±3.5 years old for male and 74.9±2.9 years old for females volunteered for this experiment. All members walked for one hour in the Kawaba Forest on August 17 under cloudy skies, 30-32°C temperature, 58-60% humidity, and, 0-2m/sec wind condition and walked again for another one hour in a non-forest rural agricultural area on August 21 under almost the same weather conditions. Phytoncides in the air, Profile of Mood State (POMS) test, blood pressure (BP), heart rate (HR), fasting levels of serum natural killer cell activity (NK), plasma catecholamine (adrenaline, noradrenalin and dopamine), plasma cortisol, and serum adiponectin were measured before and after walking. Phytoncides were detected in the forest and non-forest, all members showed a decrease of POMS total scale, BP, adrenalin and serum cortisol. Six (3 male and 3 female subjects) of them expressed an increase of serum NK cell activity after the forest-walking. One female showed a high serum NK cell activity after both forest and non-forest rural walking.Our experiment on the forest-walking in Kawaba village indicated that its relaxation and health-keeping effects, probably due to walking in the fresh forest air.
著者
西川 智博 武田 正之
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.355-356, 1995-03-15

近年のハードウェア進歩により、信号処理のための高速なDSPが一般レベルで簡単に入手できるようになった。このDSPを使うことにより、従来のデスクトップコンピュータのCPUだけでは難しかったリアルタイムの信号処理計算が、容易に行えるようになった。本研究では、信号処理計算や、解析計算などの高速性が要求される部分に、DSPを導入し、デスクトップコンピュータ上でのリアルタイム信号解析システムの応用として、音響信号から楽音情報などをリアルタイムに抽出する採譜システムを試作し、リアルタイムの有用性と、DSPプログラミングの工夫について研究を行った。
著者
原田 健吾 武田 由衣 工藤 司
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.557-558, 2013-03-06

イベントにおける抽選では、締め切り間際まで応募・変更・取消しを受け付け、直ちに結果を発表する場合がある。一方で、抽選の目的によっては未当選者を優先するケースや、応募者に対する評価を当選確率に反映するケースなど、目的に応じて抽選手段は複雑化する。そこで本研究では、複雑かつ大量の応募がある抽選で、応募状況を確認しながら直前まで応募の変更可能なものを対象とし、締切り直後に結果を即時に発表するための方式を提案する。具体的にはトランザクション時間データベースを用いたバッチ更新方式により、応募と抽選を並行して行うことにより、締め切り直後に抽選結果を発表できる方式とする。
著者
大竹 真紀子 廣井 孝弘 中村 良介 武田 弘 荒井 朋子 横田 康弘 春山 純一 諸田 智克 松永 恒雄 宮本 英昭 本田 親寿 小川 佳子 平田 成
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.23, 2009

マルチバンドイメージャは月周回衛星かぐや観測機器の1つであり、高度100kmの軌道から可視・近赤外波長域、合計9バンドの月面分光画像を取得する。本研究では、MIの高い月面空間分解能とS/Nを生かして月上部地殻の組成を推定した。解析対象として、月全球のクレータ約70個を直径や年代等の条件により選定・解析し、詳細な鉱物含有量比推定を行った。結果、最終選別した約30箇所のうち高地地域の直径30km以上の全クレータ(20箇所)で、極端に斜長石に富んだ(斜長石含有量が98vol.%程度以上の)岩層の分布が観測された。また、これら岩層は深さ4から30kmに分布する。月高地地域の上部地殻は、この極端に斜長石に富んだ層で構成されると考えられ、このような組成の地殻を形成するために非常に効率的なマグマからの斜長石結晶の分離プロセスが必要となることを示唆している。