著者
鈴木 雅之 武藤 世良
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.291-302, 2013-03-30 (Released:2013-05-24)
参考文献数
35
被引用文献数
1 1

本研究では,学業水準の高い高校に所属している生徒を対象に,一般的な高校生の学業水準と自身の学業水準との比較過程が,学業的自己概念に与える影響について検討した。また,社会的比較の影響を調整する要因として,生徒の持つ達成目標に着目し,調整効果についても検討を加えた。高校生589名を対象に質問紙調査を実施し,解析を行った結果,国語と数学の両科目において,学業成績と学校内での比較過程,栄光浴効果の影響を統制しても,一般的な高校生との比較過程が学業的自己概念に影響を与えていることが示された。この結果から,平均的な基準と比較して,自身の学業水準を高いと捉える生徒ほど,高い学業的自己概念を持つ傾向にあることが示唆された。また,社会的比較の効果に関して,達成目標による調整効果はみられなかった。
著者
安藤類央 武藤佳恭
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.29, pp.77-80, 2006-03-17

本論文では、N色グラフ彩色可能判定問題に関して、パラモジュレーション(等号調整導出)をベースにした定理証明に、Hot List Strategyと呼ばれる計算戦略を適用することの有効性を示す。同計算戦略を用いると、等価代入の手法によっては目的する節が導出される前に冗長な節生成が起きる場合について、冗長な節の生成(遅延)によるCPU時間の削減を行うことが可能になる。グラフのN彩色判定問題において、等号調整導出による推論が適用できること、さらに等号調整導出の推論プロセスは、Hot List Strategyに対して効果的な適合をすることを示した。評価実験では、非ハミルトングラフであるぺテルセングラフを対象にし、彩色判定の際の生成節数やCPU時間を測定し、その結果推論の遅延と計算コストを削減できることが明らかになった。In this paper, we discuss the effectiveness of applying hot list strategy for paramodulation based N-coloring graph problem. This ATP (automated theorem proving) strategy reduces is designed to deal with a substantial delay in going to a retained conclusion, which makes it possible to reduce the CPU time occurred by redundant generated clauses. We show that paramodulation could used for formulating graph coloring problem and hot list strategy is suitable for controlling paramoudlation based resolution. In experiment, CPU time and the number of generated clauses is presented in solving coloring problem of Petersen graphs.
著者
林 宏紀 伊東 樹希 西尾 典晃 武藤 敦子 犬塚 信博
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.177-181, 2014-01-05 (Released:2014-01-07)
参考文献数
12
被引用文献数
1

Social Network Analysis is a field of sociology, where networks, such as human relations, are investigated in order to understand roles of persons in social context. In this paper, we propose a method for this aim using the method of formal concept analysis (FCA) and ego-centric networks. FCA is a formal tool which extinguishes concepts from instances and their attributes. Our proposed method deals with persons in a network as instances and some graph structure appeared in a local network, which is called an ego-centric network, of a person as attributes. It clarifies the relationship between social nature and human relationship structure possessed by each individual in the network relationships with friends. We examined the proposal method using data acquired by a questionnaire on friendship and social attributes to students. Some groups characterized by the method had statistically significant ratio of students who possess some social attributes.
著者
吉澤 純一 武藤昭一 田中 秀雄 植田 孝夫 西田正吾 坂口 敏明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.638-646, 1988-07-15
被引用文献数
2

各種設備を高信頼度で維持・運用するためには 機器そのものの高信頼化を図ると共に 運転・保守に携わる要員の教育・訓練が重要である一方 今日のCAIは多種メディア機器の発達 認知科学の発展 そして新しいプログラミング・パラダイムの出現を背景に 従来にない新しい教育・訓練環境を提供できるようになってきている.このような背景の下に 筆者らは電力設備に携わる保守員の教育支援を題材に メディアテクノロジー 知識工学 認知科学の成果を取り入れた保守教育支援システムADVISOR(ADvanced VideoInStructOR)を開発した.ADVISORでは インタフェース中心主義の立場から教育支援することを試みている.すなわち 学習対象の理解を支援するために各学習ステップの概念的意味や具体的内容 各学習ステップの全体に対する重要性 学習空間における現在位置等が逐次把握できる教育的インタフェースを ビデオディスクやピットマップ・ディスプレイを利用して実現している.また 他の対象に対しても学習空間が容易に構築できる 構築ツールを用意している.本論では まず ADVISORの設計思想について述べる.次に 実現されている教育的インタフェースの機能とその実現方法について説明する.
著者
武藤 香織
出版者
The Health Care Science Institute
雑誌
医療と社会
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.70-82, 1995

本論では,倫理委員会の存在意義と役割を再検討し,イギリスの生命倫理政策を概観するとともに,日本の状況を振り返って問題点を指摘することを目的としている。<BR>倫理委員会は,病院内倫理委員会(HEC),施設内倫理委員会(IRB),そして国家倫理委員会の3つに分けることができる。イギリスでは,被験者を伴う実験計画を規制するために,LRECsがIRBとして1970年代に設立された。政府はLRECsを軌道に乗せ,さらに生殖技術と遺伝子治療の規制を行うにあたり,1982年に「ヒトの受精と胚研究に関する臨時調査委員会」を,1989年に「遺伝子治療の倫理に関する委員会」を設立した。これらの委員会の勧告によって,2つの独立した規制主体が設立された。「ヒトの受精と胚研究に関する認可機関(HFEA)」と「遺伝子治療諮問委員会(GTAC)」である。HFEAは法定機関であり,GTACも近い将来そうなるであろう。<BR>以上のことから,イギリスが生命倫理の政策形成において一貫したパターンを持っていることがわかる。つまり,ある特定の先端医療と倫理の問題が生じると,国家臨時調査委員会が倫理的,社会的,法的な観点から問題を調べる。その勧告に沿って,政府は独立した認可機関を設立する。この機関がLRECsの活動を助け,個々の研究・治療計画を認可する機能を持つ主体となる。また,この機関はその分野での国家倫理委員会の役割も果たしている。<BR>こうした方針が全く見いだせていない日本に鑑み,いくつか問題点を指摘できる。まず,アメリカに一方的に依存した政策形成から離れることである。そのためには,医学界がイニシアチブを取って,専門家集団としての責任を果たすことが期待される。次に,日本の倫理委員会の役割と機能をはっきりさせる必要がある。特にメンバーを多彩な分野から選ぶことには注意を払うべきである。また,これらの倫理委員会に提言を行うような単一の国家倫理委員会が設立されれば,一貫した包括的な政策形成のために役立つであろう。最後に,社会科学の研究者は,生物医学に関する他国の政策を比較研究することによって,状況改善に貢献しなければならないと考える
著者
小出 あつみ 山内 知子 武藤 亜有 大羽 和子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.18, pp.92, 2006

<BR><B>目的:</B>最近、食肉中に存在する抗疲労ジペプチド、アンセリン(Ans)・カルノシン(Car)に抗酸化作用があることと、牛肉・豚肉に比べ鶏肉中に多く含まれることが報告された。本研究は、鶏肉中のAas・Carを有効に活かす貯蔵と加熱調理操作を探ることを目的に実施した。<BR><B>方法:</B>試料は屠殺後32時間以内のブロイラー(B肉)、三河赤鶏(M肉)、名古屋コーチン(K肉)の生肉、貯蔵肉、加熱調理肉を用いた。Ans・Carの含有量比較は、部位別、種類別、貯蔵方法別、加熱調理操作別に行った。加熱は電子レンジ、真空調理、スチーム、フライ、ロースト、ボイルで行った。試料肉を5%スルホサルチル酸溶液で抽出し、Ans・Car含有量を ODS C18カラムHPLC法で測定した。ラジカル捕捉活性は試料肉を80%エタノールで抽出し、DPPH法で測定した。<BR><B> 結果:</B>ジペプチドのAns・Car含有量は生肉、貯蔵肉、加熱肉で、もも肉より胸肉で有意に多かった。これらの含有量比率(生の胸肉⁄もも肉)は、Ansで3.28倍、Carで2.84倍が最大であった。鶏種類別では、Ans・Carともに有意にB肉に多く、K肉で少なかった。胸生肉比較で、AnsではB肉中にK肉の1.16倍、Carで2.15倍と多かった。塊生肉を冷凍貯蔵してもAnc・Car量は変化しなかったが、ミンチ肉にして冷凍貯蔵すると有意に増加した。増加量はB胸肉よりK胸肉で多く、Ancは1.43倍、Carは2.3倍に増加した。加熱調理操作によりAns・Car量は全般に減少したが、B胸肉の真空調理、ボイル(茹で汁含む)で、K胸肉のスチーム、フライでAns量は変化しなかった。

1 0 0 0 OA 南路志

著者
武藤, 致和
出版者
巻号頁・発行日
vol.巻52,
著者
武藤 学
出版者
JIBI TO RINSHO KAI
雑誌
耳鼻と臨床
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.S61-S66, 2005

中・下咽頭癌の多くは嚥下障害などの自覚症状を伴って進行した癌で発見され、侵襲の大きな治療が余儀なくされてきた。われわれは、食道癌と頭頸部癌が重複するfield cancerization現象のメカニズムをアルコール代謝酵素の遺伝子多型の面から解析し、アルコールの第一代謝産物であるアセトアルデヒドの慢性的な蓄積が究極の原因である可能性を突き止めた。さらに、新しい内視鏡技術: narrow band imaging (NBI) を応用することで、これまで発見が困難であった中・下咽頭の表在癌の早期発見が可能であることを明らかにした。今後、中・下咽頭癌のハイリスク群がさらに絞り込まれ、これらの癌がいわゆる表在癌の段階で発見されて予後が改善されるばかりでなく、病気の進行や侵襲の大きな外科手術で発声や嚥下の機能障害が余儀なくされ日常生活で苦しむ患者が減少することを期待する。

1 0 0 0 OA 南路志

著者
武藤, 致和
出版者
巻号頁・発行日
vol.附録3,
著者
大柏 哲治 石川.京祐 山川 暁 武藤 慎太郎 宮越 勇汰 布施 健太 三浦 翔太 石井 誠士
出版者
独立行政法人 国立高等専門学校機構 旭川工業高等専門学校
雑誌
旭川工業高等専門学校 研究報文 (ISSN:03899306)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.1-18, 2016 (Released:2018-04-12)

The radishes harvested from the farm contain ones that are short-length or with a forked root. They are called as irregular radishes. The irregular radishes loaded into containers must be eliminated in the radish sizing place after harvest. The radish sizing costs momey and loses time. Therefore we have developed the device eliminating irregular radishes before they would be loaded into the container on the harvester. This eliminating device utilizes photoelectronic sensors and distance measuring sensors. Those sensors detect irregular radishes and the radishes are eliminated in the field before loaded into the container by this device.
著者
武藤 晃
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.44, no.7, pp.461, 2001 (Released:2001-10-01)
参考文献数
11

企業は効率優先型の経営によって一時的に回復をみせたが,将来への展望は依然として開けない時代において,IT化の進展に伴い,社会は急速に知識集約型へ移行しつつある。企業は,知識の創造と活用が不可欠であるとの認識から,知的資産への関心がいやおうなしに高まってきた。知的所有権(Intellectual Property=IP)は知的資産の中核を形成するものであり,この知的所有権の価値がプロパテント政策によって一層高まろうとしている。「ポートフォリオ」の語は2つの意味を持っている。古典的な「プロダクト・ポートフォリオ・マネージメント」(PPM)で代表される分析手法と,資産がどの程度の価値があるかを示す指標,あるいは,単に資産群という意味合いである。知的所有権の価値を表す指標または知的資産の評価という観点におけるIPポートフォリオの研究は,日本ではまだ始まったばかりである。しかし,「プロパテント政策」は,企業の知的資産への急速な関心と合致し,IPポートフォリオは企業経営戦略の重要な柱になってきた。IPポートフォリオの周辺の状況と,IPポートフォリオ・マネージメントの基礎的な活動をみる。
著者
武藤 祐子 小出 治都子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 68回大会(2016)
巻号頁・発行日
pp.22, 2016 (Released:2016-08-04)

目的 髪型が人物の印象に与える影響は少なくない。このことは、マンガの世界においても例外ではなく、登場人物の髪の長さや色が、キャラクターの個性を表すものとして重要な意味を持つことがある。本研究では、特徴的な髪型をしたマンガキャラクターの例として「美少女戦士 セーラームーン」に着目し、美容の技巧・文化的な視点から髪型とキャラクター設定との関係性を考察した。方法 1992年に連載が始まったマンガ『美少女戦士 セーラームーン』の文献資料を基に、主人公セーラームーン(=月野うさぎ)の頭部を5セクション(フロント、サイド、トップ、バック、ネープ)に分類し、各セクションのスタイル構成の分析を行った。結果 髪型の構成を分析した結果、各セクションに、戦士を連想させるアクティブ要素やプリンセスを連想させるエレガント要素などの、キャラクター設定と共通する印象を与える要素がスタイルとして採用されていることが分かった。また、セーラームーンのベースの髪型である「ツインテール」は、主人公の「少女」表象に附与し、更に、このベースの髪型の長さ、色、形状の変容により、物語の中の時代、その時々のキャラクターの役割、心情を表現していることが分かった。これらのことから、キャラクター設定時の髪型がその後の物語の展開に影響する可能性が示唆された。
著者
陰山 敏昭 澤 邦彦 若尾 義人 武藤 眞 渡辺 俊文 宮田 雄吉 下山 和哲 鈴木 立雄 高橋 貢
出版者
日本獣医循環器学会
雑誌
動物の循環器
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.65-70, 1993

犬の僧帽弁閉鎖不全症 (MR) は小型犬に多く認められる傾向にある。そこで本邦で飼育頭数の多いマルチーズのMRの発生状況について疫学的検討を行った。対象は1986年1月より1991年1月の5年間に来院したマルチーズのうち, 生存例392例と死亡例68例の計460症例について検討を加えた。診断方法は聴診において僧帽弁口部に最強点を有する収縮期逆流性雑音の聴取された症例に対して, 単純X線検査あるいは断層心エコーでMRを診断した。その結果, 症例数に雌雄差は認められなかった。聴診上, 収縮期逆流性雑音が聴取された症例は全症例の23.5%であり, 心雑音症例の97%がMRと診断された。MR症例における雌雄比は1 : 1.4と雄に多く発生する傾向が認められた。年齢との関係に関しては, 心雑音が最初に指摘された年齢は5歳齢が最も早かったが, 最多聴取年齢は9歳であった。また, 死因に関しては, 心不全で死亡した割合は雄では54%, 雌では32%であり, 心不全で死亡する割合も雄の方が高い傾向が認められた。
著者
米陀 佳祐 三田 誠一 ヤン チェンシー ドー コク フイ テヘラニ ホセイン 江川 万寿三 武藤 健二
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.165-170, 2016 (Released:2018-01-29)
参考文献数
16
被引用文献数
2

本研究では公道自動走行の性能評価のための仮想自動運転システムを提案する.これによりリアルタイムな自己位置推定・周辺環境の認識・周囲に合わせた最適な意思決定を可能とする.また,高速道路でのレーンチェンジ走行において,熟練ドライバの走行データと本システムの出力経路との差異から意思決定の安全性を検証する.
著者
猪爪 陽子 金澤 信幸 玉虫 俊哉 徳間 由美 岸本 和幸 佐合 悦子 高津 由子 武藤 敏男
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 第30回関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
pp.14, 2011 (Released:2011-08-03)

【目的】神経難病は進行性であり,身体運動機能の低下に加え様々な症状を呈し,本人はもとより介護に当たる家族をも苦しめる。当院でも老々介護・一人介護が多く,介護疲れを感じるケースもある。リハビリテーションでは,神経難病の患者様(以下,患者)が少しでも身体運動機能・精神機能を維持・向上させ,自分らしく楽しく暮らせるよう援助していくことが目標となるが,同時に患者を支える介護者・家族の支援(以下,介護者支援)も重要と考える。そこで,介護者支援の取り組みを開始したので報告する。 【方法】介護者支援で必要な事として1.勉強会 2.介護者ネットワーク作りを考えた。勉強会では1)病気に対する正しい知識を得る2)介護力を高める技術や知識を得る3)患者に対する理解を深める,をテーマとし平成21年度に3回実施した。介護者ネットワーク作りでは1)介護者同士のつながりをつくる2)情報交換を通じて新しい力を生み出す3)介護者自身の心の整理を促すことを目標とし,グループワークを中心に22年度に5回開催した。対象者は,神経難病デイケアに通院されている患者家族を中心に声をかけ,医師,看護士,医療ソーシャルワーカー,理学療法士,言語聴覚士,作業療法士で対応した。スタッフ側では事前の学習会や事後ミーティングを行い,参加者には毎回アンケートをお願いし意向調査した。 【結果】勉強会では,延べ参加人数105名(内介護者57名),アンケートから「大変参考になった」「少しの工夫で楽に介護できることがわかりました」等の意見をいただいた。介護者ネットワーク作りでは,延べ参加人数81名(内介護者58名),アンケートから「皆さんの悩みは殆ど自分と同じでほっとした」「接し方を変えてみようかなと思った」等の感想が得られた。また,長期介護を続けられている方の意見に感心し,妻,夫,嫁等立場の違う人の話に共感を示す場面も見られた。介護者とスタッフとの会話が増え,介護者同士で話をしているのを多く見かけるようになった。次年度への要望として「自分自身のためにぜひ開催してほしい」という意見を多くいただいた。 【考察】神経難病患者や家族を取り巻く環境は多様で一様に支援を考えることはできないが,ポイントとして1)誰に何を相談できるのかがわかる事2)自分ひとりではないと思える事3)介護者が自分自身を見つめ直す時間ができる事が重要であると考える。今回の取組みで我々は介護者の思いを知ることができ,コミュニケーションを取りやすくなった。介護者は介護に対する認識が深まり,前向きに取り組もうとされていると考えられる。介護状況は変化するので,勉強会・グループワーク等の支援を継続していく必要があると考える。