著者
及川 一摩 物部 浩達 中山 健一 木許 崇寿 土屋 和彦 ハインリッヒ べノア ギヨン ダニエル 清水 洋 横山 正明
出版者
THE JAPANESE LIQUID CRYSTAL SOCIETY
雑誌
日本液晶学会討論会講演予稿集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.223-223, 2006

液晶相、あるいはその異方的な高次の秩序構造を反映した固体結晶相を含有する液晶性半導体は、電子材料として有望と期待される。我々は、カラミティック液晶の液晶相、およびその固体結晶相に着目し、チオフェンをベースとした高移動度液晶系の構築を行っている。今回高いドリフト移動度を示す8-TNAT-8の結晶性薄膜を用いて電界効果トランジスタの試作と測定、そして薄膜の分析を行い、FET特性と薄膜の秩序構造について考察した。
著者
藤原 しのぶ 春日 敦子 菅原 龍幸 橋本 浩一 清水 豊 中沢 武 青柳 康夫
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.191-196, 2000-03-15
参考文献数
18
被引用文献数
2 4

栄養添加物の混合割合を変えることにより段階的に窒素量の異なる菌床培地を設定し,培地窒素量と子実体中の窒素量との関係について検討した.<br>菌床培地とそれぞれの培地から発生した子実体の全窒素量との間には強い相関が認められた(p<0.001).窒素量の多い菌床培地から発生する子実体ほど窒素含有量が高くなるという相関関係が,同一の栽培方法と種菌を用いて得られたシイタケについて確認された.<br>シイタケ子実体に含まれる主要な窒素含有成分(総アミノ酸,遊離アミノ酸,核酸,キチン)中の窒素量は,全て培地の窒素量と有意な相関が認められた.特に培地窒素量との相関性が高かったのは総アミノ酸と遊離アミノ酸であった.また,レンチニン酸含有量と培地窒素量との間には明確な関係は認められず,むしろ栄養添加物の種類によって含有量に差が認められた.<br>栄養添加物の種類や混合割合などの菌床培地の組成を変える試みは,現在のところ収穫量の増加を主な目的としているが,発生する子実体の質も制御できる可能性が示唆された.
著者
杉浦 祥 清水 明
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.368-373, 2015

マクスウェルやボルツマンにより創始された統計力学は,ギブズにより「アンサンブル形式」の統計力学として完成し,物理学の礎の一つとなった.しかし,その基本原理については,未解明な部分も残され,教科書の記述も様々である.アンサンブル形式では,等重率の原理に基づき,「(統計)アンサンブル」と呼ばれる確率集団を導入する.そして磁化や相関関数といった力学のみで定義できる物理量(力学変数)の平衡値は,この確率集団での平均値(アンサンブル平均)として求めることができる.しかし,熱力学で登場する,温度やエントロピーといった量(純熱力学変数)は,力学変数として表すことができない.そこで,純熱力学変数は,von Neumannエントロピー(古典系の場合Shannon entropy)や分配関数から求める.しかし,統計力学の基本原理である等重率の原理の本質は,アンサンブル平均ではなく,「ほとんどのミクロ状態がマクロには同じだ」ということである.即ち,温度や体積といったパラメーターを指定した時にあり得るミクロ状態の個数は組み合わせ論的に増大し,すぐに天文学的な数になる.このミクロ状態達のうち,圧倒的多数が平衡状態とみなせる状態であり,マクロ物理量を測った時に同じ測定値を返す.それとは異なる測定値を取るような非平衡状態はずっと少ない.その結果,平衡状態も非平衡状態もひっくるめたアンサンブルを作ってアンサンブル平均を求めれば,その値はほぼ100%を占める平衡状態での値になる.この「典型性」こそが,等重率の本質なのである.それならば,天文学的な数のミクロ状態についてアンサンブル平均を計算する必要は必ずしもない.我々は最近,マクロな量子系における典型性に着目し,熱力学的平衡状態を代表する,熱的な量子純粋状態(Thermal Pure Quantum state,略してTPQ state)をたった一つ用意するだけで統計力学の全ての結果が得られることを示した.つまり,磁化や相関関数といった力学変数がTPQ stateの期待値により計算されるだけでなく,熱力学関数のような純熱力学変数すらも適切なTPQ stateの規格化定数から得られる.TPQ stateは,アンサンブルの持つエネルギーの確率分布と非常に近いエネルギー分布を持つ量子純粋状態の中から,一つをランダムに選び出した状態であり,物理量のゆらぎまでも再現する状態となっている.アンサンブル形式では,熱ゆらぎの効果はアンサンブルを導入した結果生じる古典混合によって取り込まれると見なすことができた.しかし,TPQ stateを用いた定式化では,量子純粋状態の内部に量子エンタングルメントを作ることで,熱ゆらぎも量子ゆらぎの一部として取り込んでいる.その結果,たった一つのTPQ stateが統計力学で興味ある全ての物理量を正確に与えるのである.たった一つの量子純粋状態で熱力学的平衡状態が記述できるという事実は,理論的な興味のみならず,応用上もメリットをもたらしている.その例として,本記事では代表的なフラストレーション系である,カゴメ格子系上のハイゼンベルグ模型の数値計算結果を示す.
著者
河野 潤一 清水 晃 梅田 史郎 木村 重
出版者
神戸大学農学部
雑誌
神戸大学農学部研究報告 (ISSN:04522370)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.p85-92, 1990

日本産およびアメリカ産肝蛭を家兎に単数感染させ,各種変化について検索した。臨床症状は認められなかった。肝蛭卵および沈降抗体の検出時期は多数感染例と同様であった。肝病変は,肉眼的にも組織学的にも軽微であった。血液性状は,白血球数および好酸球数の若干の増加を認めた。血清の生化学的性状は,日本産肝蛭感染家兎において感染後9-10週に,GPT活性および総コレステロールの上昇を認めたが,そのほかでは著しい変化はなかった。肝蛭単数感染家兎の胆嚢から採集した虫卵の孵化率は,多数感染例におけるそれより低率であった。感染虫体の発育状況は,単数および多数感染例とも同様であった。 / Rabbits were experimentally infected either perorally with a single metacercaria or intraperitoneally with a newly excysted juvenile fluke of Japanese Fasciola sp. and American Fasciola hepatica. No clinical signs were noted. Fluke eggs were first detected in feces at the 63rd and 53rd post infection days for F. sp. and F. hepatica, respectively. Precipitating antibodies were first detected in sera at the 4th post infection week for both of the Fasciola species. Gross lesions showing adhesions, haemorrhages, nodules, scars, hyperplasia of connective tissue and thickening of the bile duct were all moderate. Histopathologically, tract lesions and haemorrhages were noted. In hematological examinations, no remarkable changes were observed in erythrocyte counts, leukocyte counts and hemoglobin content. Eosinophil percent increased in 6-8 weeks after infection. In biochemical examinations of sera, no remarkable changes were noted in concentrations of total protein, albumin and globulin, and the GOT activity. The GPT activity and total cholesterol concentration increased at the 10th and 9th post infection weeks, respectively, in the rabbits infected with F. sp. Hatching rates of fluke eggs that were collected from the gallbladder of the infected rabbits were 5-46% for F. sp. and 7-51% for F. hepatica. While, hatching rates of eggs that were collected from those infected with a multiple dose of Fasciola were 18-57% for F. sp. and 67-81% for F. hepatica. Body size and development of the inner organs of the flukes recovered from the rabbits that were infected with a single dose were the same as those recovered in the infections of multiple dose of the Fasciola species.
著者
清水 千秋 福原 忠信
出版者
長崎大学水産学部
雑誌
長崎大学水産学部研究報告 = Bulletin of the Faculty of Fisheries, Nagasaki University (ISSN:05471427)
巻号頁・発行日
no.10, pp.25-37, 1961-01-31

The quantitative compositions of fatty scids in the blubber oils and head oils of Tursiops sp. (Hando Iruka), Pseudorca sp. (Okigondo Kuzira) and Grampus sp. (Hanagondo Kuzira) were determined (Table 7a, 7b and 7c). In this analysis, fatty acids were previously fractionated to the liquid and solid acids by the Urea adduct-MeOH method1) before fractional distillations (Table 2a, 2b and 2c). After the fractional distillations, the number of double bond of the methyl ester of unsaturated fatty acids were estimated by the paper chromatography of their mercuric compounds²). On the fatty acids of their blubber oils, the saturated and unsaturated acids were about 20% and 80% respectively, and about 80% of them are C₁₆, C₁₈ and C₂₀ acids. On the Pseudorca sp. and Grampus sp,, the fatty acids of C₁₆ dominate (about 40%), and on Tursiops sp. the fatty acids of C₁₈ are main part (about 34%). The saturated fatty acids of their head oils are about 75% of Tursiops sp. and Pseudorca sp., but are 52% of Grampus sp., and the unsaturated fatty acids of one double bond are about 20% of the former and about 50% of the latter. The saturated fatty alcohols are about 92% of the unsaponifiable matter and 85% of them is hexadecanol in the head oil of Pseudorca sp. (Table 9).
著者
清水 一彦
出版者
江戸川大学
雑誌
江戸川大学紀要 = Bulletin of Edogawa University
巻号頁・発行日
no.26, pp.159-172, 2016-03

出版とは情報を編集して公開する行為である。出版行為の結果としての出版物には,書籍,雑誌,ムック,コミックス,新聞,そして印刷メディアからの拡張である電子書籍,電子雑誌などがある。江戸川大学マス・コミュニケーション学科出版研究ゼミナールでは,新聞記事制作も出版行為の一部として千葉日報社主催のチバ・ユニバーシティ・プレス(CUP)に参加している。本稿ではCUP の教育効果を個別的に論考する。具体的な教育的効果としては,①体感的にジャーナリズム的な思考を獲得できること,②新聞に書くことでうまれる責任と社会的影響を実感できること,③メンタル面でのストレスが連帯感と技術習得をうながすこと,そして④取材量の確保ができることの4 点があげられる。
著者
兵頭 昌雄 大岩 忠彦 岩澤 宏哲 清水 英寿 中山 一大 藤江 康光 堀越 哲郎
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 開発工学部 (ISSN:09177612)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.213-222, 2000-03-10
被引用文献数
1

真核生物のリボソーム遺伝子(rDNA)は,ゲノム内で反復配列として数百コピー存在し,核小体の中心を形成している。このDNA領域の塩基配列は分子進化学における研究対象となっている。我々の研究室で維持されている4系統の日本産メダカ(0ryzias latipes)における18S rDNA領域の構造について研究する目的で,このDNA配列をPCR法により増幅する条件について検討した。その結果得られた最適条件は,(1)鋳型DNA量;100ng,(2)プライマー濃度;0.2μM,(3)変性;94℃1分,アニーリング;60℃1.5分,伸張;72℃2分,(4)サイクル数;35,であった。この条件下で約1.8kbと比較的長いDNA鎖である18S rDNAが増幅でき,その反応液中の収量は19.5ng/μ1であった。18S rDNAの収量をさらに増加させるために,PCR産物を鋳型として再増幅することを試みた。しかし,再増幅では,1.8kb以外の長さの異なるバンドも増幅されており,有効ではないことが明らかになった。つぎに4系統のメダカ(近交系野生型クロメダカ〔HB-32C系統〕,沼津市浮島地区で採取された野生型クロメダカ〔BMT系統〕,体色に関する変異株であるヒメダカおよびアルビノ〔i/i系統〕)のゲノムDNAをもとにPCRにより18S rDNAを増幅した。その結果いづれの系統のDNAからもほぼ同量の18S rDNAが得られ,ゲノムあたりのコピー数は一定であることが示唆された。

1 0 0 0 OA HSK標準化研究

著者
堤 正臣 清水 伸二 青山 藤詞郎
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.830-834, 1998-06-05 (Released:2009-06-30)
参考文献数
16
著者
中田昌男 伊達 洋至 河田 真作 小橋 雄一 宮井 芳明 三宅 敬二郎 森山 重治 清水 信義 寺本滋
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.141-146, 1989
被引用文献数
6

昭和51年1月から昭和62年5月までの12年間に肺多発癌8例を経験した.7例に手術を施行し, 6例は生存中である.7例中6例は呼吸機能上の問題で縮小手術を行った.肺多発癌においても呼吸機能を正確に把握し, それに対応することによって手術は可能であり, 積極的に切除することにより比較的良好な予後が期待できる.
著者
清水 結
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.F-25-F-25, 2019

<p> 筆者は,これまでスポーツ医科学施設,国内トップスポーツチーム,日本代表,海外リハビリ施設と,様々な領域や立場でスポーツと関わってきた。</p><p> 理学療法士免許取得後に主に関わってきたのは,女子バスケットボールのトップリーグのチームであった。体育系大学においてトレーナー活動を経験してきたことと,医療施設での治療に携わった経験が,現場での活動においては大きな糧となった。同時に医療現場にも身を置くことで,医療現場とスポーツ現場をつなぐ道筋,反対に間にあるギャップにも目を向けることができた。また,トップリーグおよびジュニア世代における外傷予防のための外傷調査および予防介入を行い,チームを超えるリーグ・協会組織の一員としての活動も経験してきた。</p><p> その後,日本バスケットボール協会専任トレーナーとして,女子日本代表チームに帯同する機会を得ることができた。代表チームにおいては,他チームから集まる選手を管理する点で,一チームに所属して選手に対応する場合とは大きく異なる経験となった。また,リーグに所属するトレーナーや代表に関わるトレーナーの人材不足および育成の重要性を痛感した。</p><p> その後,韓国のリハビリ施設の開設を任され,施設運営やスタッフ育成を手掛けた。トップ選手の対応に従事しながらも,言語や環境,習慣や思考など,様々な面で日本との違いに戸惑いながら,また日本のスポーツ理学療法士の存在や役割について見直すきっかけとなった。</p><p> 今回はこれまでの私自身の経験をもとに,様々な活動場所における役割とスポーツ理学療法士として心がけていることをご紹介できればと思う。また,今後多くの女性理学療法士がスポーツ現場で必要とされる中,スポーツへ参加しやすい環境づくり,人材育成について議論したい。</p>
著者
蛭田 玲子 栗林 均 清水 了典 須藤 孝一 中村 純 岩崎 裕
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学講演大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.27, pp.75, 2007

シリコンに深い穴の配列を形成し、水素雰囲気アニールによる構造変化をSEM、AFMにより観察した。適当な円開口面積と深さ及び間隔の配列の場合、熱変形により穴の上端部が閉じ、中空の縦に細長い空洞が球に変形する過程で空洞同士がつながりSON(Si on nothing)が形成される。構造によっては、新たな円柱が取り残された構造などが形成される。構造緩和による新たな構造の形成について考察する。