著者
勝沼 孝臣 渡沼 敏夫 加藤 義治 関 啓介 金子 貴広 村上 洋 清水 礼子 久野 敏行
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.168-174, 2015-06-30 (Released:2015-08-01)
参考文献数
13

The first requirement of implant treatment is to obtain sufficient bone quantity in the implant placement area. We have developed a method to obtain new bone and bone apposition nonsurgically using minor tooth movement (MTM) before insertion of implants. Here, we report two cases treated using this approach that both had satisfactory outcomes. Case 1 was a 46-year-old woman with insufficient vertical bone quantity in the area where the maxillary right first molar was lost. There was some distance between the root apex of the second premolar and maxillary sinus. In this case, the maxillary second premolar was distally moved to the area of tooth loss using MTM. The period of orthodontic treatment was 13 months. An implant was inserted in the original area in which the second premolar had been present. The superstructure was then placed on the implant. Four years have passed since this treatment and the outcome is satisfactory. Case 2 was a 29-year-old man with insufficient vertical bone quantity in the area where the maxillary right first molar had existed. The root apex of the second premolar touched the maxillary sinus. The maxillary second premolar was distally moved using MTM. The period of orthodontic treatment was 10 months. An implant was inserted into the newly made space and the superstructure was placed on the implant. Metamorphosis was observed in the remodeled bone wall of the maxillary sinus attached to the distal part of the moved maxillary second premolar. After three years and two months, the outcome is favorable. These two cases show that the MTM approach makes it possible to obtain new bone and bone apposition and to insert an implant in the newly made space in the original bone.
著者
清水 美憲
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 37 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.22-23, 2013-09-06 (Released:2018-05-16)

数学科授業の国際比較研究を通して,日本の数学科授業の諸相にみられる固有性が明らかになってきた。本研究では,この固有性についての探求の一環として,授業における「演劇性」に焦点を当て,経験豊かな教師による授業と授業後のインタビューデータを分析した。その結果,教授・学習行為や数学的内容が一つの主題の周りに一貫性をもったまとまりとして想定される一話完結型や連続型のドラマのような授業構想の特徴が見いだされた。
著者
清水 徹男
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

髄液ヒスタミン値が過眠症状に依存性に低値であることが明らかになった。コントロ-ルに比べて、HLA-DR2陽性で脱力発作のあるオレキシンが低値のナルコレプシ-だけではなく、オレキシン値は正常である特発性過眠症、DR2 陰性や脱力発作のないナルコレプシ-でもヒスタミン値は有意に低値であった。しかしながら、リタリン等の中枢神経刺激薬を内服している症例では、対照群との有意差は認められなかった。ナルコレプシ-ではリタリンの内服の有無にて、オレキシン値に変化はないが、ヒスタミン値に関しては、高値になる傾向がみられた。ヒスタミン値は、睡眠時無呼吸症では対照群と同等な値であった。
著者
清水 邦彦
出版者
追手門学院大学博物館研究室
雑誌
Musa : 博物館学芸員課程年報 (ISSN:13470574)
巻号頁・発行日
no.30, pp.9-14, 2016-03-25

小規模博物館 / 地域博物館 / 歴史系博物館 / 調査・研究 / 展示
著者
西谷 陽志 坂井 瑠実 申 曽洙 森上 辰哉 清水 康 稲田 紘
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.287-295, 2010-03-28 (Released:2010-04-28)
参考文献数
18
被引用文献数
1 6

透析患者に対し,治療を円滑に行うために必要なシャントの日常管理のうちでも,特に狭窄の診断は極めて重要である.シャント音の聴診はシャント狭窄を簡便に診断する方法として日常的に用いられている.臨床経験上,狭窄の進行に伴って高調なシャント音が聴診されることが知られているが,この診断には客観的な基準がなく,聴診者の主観に頼っているのが現状である.そこでわれわれはこの診断基準の確立に向けた基礎的研究として,シャント音を周波数解析し,狭窄度と周波数スペクトルの関係について解明することを試みた.方法としては,まず患者のシャント(動静脈吻合)の吻合部より中枢部に向けて3~6箇所の部位で複数のシャント音を記録し,短時間フーリエ変換により周波数スペクトルを算出した.次にシャント狭窄度とシャント音の周波数スペクトルとの関係をスペクトルの平均値の有意差により解析した.その結果,吻合部(シャント狭窄部より上流域)および狭窄部上では,狭窄の進行に伴い高周波数帯域のスペクトルの割合が有意に大きいことが確認された.一方,中央部(狭窄部より下流域)では基本的に狭窄度と周波数帯域との間に有意差は確認できなかったが,狭窄部直後の部位については中間周波数帯域のスペクトルを中心に有意に大きくなることが確認された.流体力学理論上,特に吻合部,狭窄部,また,狭窄部直後の中央部では狭窄の進行に伴って乱流が発生し,その影響で高周波数帯域のスペクトルが上昇するものと考えられる.以上の結果から,シャント音による客観的な狭窄度診断のアルゴリズムが確立できることが期待された.
著者
石原 与四郎 髙清水 康博 松本 弾 宮田 雄一郎
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.120, no.Supplement, pp.S41-S62, 2014-08-31 (Released:2014-12-26)
参考文献数
40
被引用文献数
2 2

宮崎県の日南海岸沿いには,古第三系~新第三系の深海相がよく露出する.このうち日南市の猪崎には,古第三系日南層群がオリストリスとして見られる.その内部はチャネル・レビーシステムのタービダイトサクセッションから構成されるが,ソールマークや生痕化石が顕著に観察できるとともに,様々な液状化・流動化構造がよく発達していることで知られている.日南層群を不整合で覆う宮崎層群は,前孤海盆充填堆積物であり,粗粒な“宮崎相”と砂岩泥岩互層からなる“青島相”からなる.“宮崎相”は河川~浅海および,狭い陸棚をもつ斜面上に形成されたファンデルタシステムで,相対的海水準の変動と対応した堆積相の分布を示す.これらには石灰岩や波浪を特徴付ける堆積相,さらに重力流堆積物が顕著である.一方,“青島相”は海岸沿いによく露出し,全体的に単調な砂岩・泥岩互層からなる“タービダイト”サクセッションをなす.これらの“タービダイト”は,通常とは異なる堆積構造をもち,その重なりは通常のタービダイトサクセッションとは違う層厚分布を示す.そして一部には津波堆積物と考えられる厚層理砂岩層も挟在する.●本巡検では,主に日南海岸沿いに分布するこれらの深海相・タービダイトサクセッションをめぐり,様々な重力流堆積物やそれらが構成する地層を見学する.
著者
清水 弘治 伊藤 恵 金築 一摩 今井 健介 末廣 章一 織田 禎二
出版者
南江堂
雑誌
胸部外科 (ISSN:00215252)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.252-256, 2016-04-01

著者らが手術を行ったStanford A型急性大動脈解離90例を対象に、これらを術式により上行置換群74例と弓部置換群16例に分け、治療成績を比較検討した。その結果、1)手術時間、体外循環時間、心筋虚血時間、循環停止時間、SCP時間は弓部置換群で有意に長く、再開胸率も弓部置換群で高かった。2)遠隔期の累積生存率を比較すると、5年生存率は上行置換群68±6%、弓部置換群59±14%で、有意差はみられなかった。一方、術後5年の大動脈合併症回避率は上行置換群88±6%、弓部置換群68±16%でこちらも有意差はみられなかった。3)遠隔期大動脈合併症は上行置換群では9例に認められた。また、死亡例の2例以外に弓部大動脈拡大での再手術が3例、腹部大動脈拡大による手術が1例、仮性瘤形成による再手術が3例あった。殊に弓部置換群では3例で認め、死亡例1例以外の2例で下行大動脈拡大で手術が行われていた。尚、術後の末梢側拡大は両群間で有意差は認められなかった。
著者
真澄 徹 清水 邦光
雑誌
学習院大学人文科学論集 (ISSN:09190791)
巻号頁・発行日
no.20, pp.189-209, 2011-10-31

It is extremely important for the psychotherapists to examine own psychological process as well as understanding the client. “Therapist focusing” is a method of urging promotion of the experience process to be caused by touching the charge of the case with the therapist and own felt sense. One session of the therapist focusing was presented, the meaning of “Therapist focusing” in beginner psychotherapist “Trial counseling” was examined by turning around by the talk form. As a result, two points were suggested. the first point is that the process of “Close examination of the felt sense” of the therapist focusing is approximated with the understanding of the counter transference and relativity of “Therapist focusing” and assessment of client.
著者
清水 祐公子 大久保 章
出版者
国立研究開発法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

デュアルコム分光装置を用い、気体分子の振動回転スペクトル観測により温度計測を行う手法を提案し、研究を進めた。これは、気体分子の回転振動バンドの多数の吸収線の強度分布が、温度の関数となっていることを利用して温度を求める方法であり、我々はこの温度計測法を「Rotational state Distribution Thermometry: RDT」と名付けた。デュアルコム分光によりアセチレン分子の精密なスペクトルを得るとともに、RDT法により不確かさ1 K以下という良好な温度測定結果を得た。その一方で、RDT法において、分子種ごとの高精度な温度測定をおこなうためには、温度決定の不確かさをさらに低減させることが必要であった。そのため本年度は、偏波保持光ファイバーを用いた光コムによるスペクトル変化の抑制と、ガス分子の温度の精密制御を行った。通常は光コムからの出力をファイバアンプで増幅し高非線形ファイバーでスペクトルを拡大して分光に用いるが、偏波保持化により、ファイバーアンプを介さず広帯域化でき、周囲の環境(温度、気圧、振動等)の変化による偏波状態の変動を抑制することができた。また、分子温度の精密な制御をおこなうため、温度安定化モジュールの制作を行い、高精度に温度安定化可能な恒温槽に挿入した。恒温槽は液体循環式であり、- 30 oC~110 oCの温度範囲を約1~5 mKで制御した。直径15 mm、全長10 cmの分子が封入された吸収セルを銅製の均熱ブロックの中に設置し、50 mK程度で温度安定化させた。しかしながら、温度安定化されたセル内の分子から取得した吸収スペクトルのベースラインはまだ不完全であった。この原因は循環式水温層の振動によるものであると考えている。現在、振動の影響を直接受けない光ファイバー型のモジュールを製作している。これにより、1桁以上不確かさを低減させる。
著者
黒田 基樹 清水 亮 杉山 一弥 石橋 一展 木下 聡 植田 慎平 花岡 康隆 谷口 雄太 中根 正人 石渡 洋平 駒見 敬祐
出版者
駿河台大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

関東および隣接地域に関する応永元年(1394)から享徳3年(1454)の間における文書・銘文史料の集成をすすめ、4000点を蒐集した。また鎌倉府に関する基礎的研究、鎌倉公方・関東管領・各国守護など鎌倉府関係者の発給文書の体系分析をすすめた。前者については、「関東足利氏の歴史」シリーズとして、初代足利基氏から4代足利持氏の各代ごとに、『足利基氏とその時代』などの著作を成果として刊行した。