著者
湯本 桂 清水 慶一
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.74, no.645, pp.2515-2519, 2009-11-30 (Released:2010-04-01)
参考文献数
3

The main building of Old Tokyo Science Museum (The Nihonkan of National Museum Nature and Science at present) is a first real science museum which was build in Japan. Director Yasuji AKIHO established “Dynamic Museum” about the new museum design concept which was the conclusion that he researched western science museums. This museum building plan was designed on the Akiho's concept.Akiho's concept was mainly to capable to use museum facilities to activity of “Dynamic Museum”. It was the reason that Akiho intend to include to the lecture hall, library, laboratory, dining hall, because to activity of museum was not popular in Japan, and not understand it's importance. This museum planning concept was one mile stone of the Japanese museum building history.
著者
塩野 寛 清水 惠子 松原 和夫 浅利 優 安積 順一 清水 惠子 塩野 寛
出版者
旭川医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

除草剤として世界的に広く使用されているパラコート(PQ)は、急性毒性として肺及び肝腎障害を生じ、慢性毒性(環境毒性として)では中枢神経障害を生じることがしられている。マウスを用いた実験から得られた生存曲線より、各種抗酸化剤及びACE阻害薬は、PQ毒性を抑制し生存率の向上が認められた。一方、PQによる中枢神経障害を抑制したドパミン作動薬やドパミントランスポーター阻害薬は、肺障害にはむしろ促進的に作用した。ACE阻害薬は、抗酸化作用があることが知られている。ACE阻害薬によるPQ毒性軽減には、酸化的ストレス抑制が関与していると考えられる。そこで、この機構を解明するために、PQ投与後2日及び4日後の肺組織ホモジネートについて、SDS-PAGEを行った。Cleaved caspase-3及びnitrotyrosine抗体によって、ウエスタンブロットを行い、抗体で染色された蛋白量はアクチンを指標として半定量化した。PQによって、nitrotyrosine抗体に反応する蛋白質が著明に増加し、PQ肺毒性に一酸化窒素による酸化的ストレスの関与が示唆された。このnitrotyrosine抗体に反応する蛋白質を免疫沈降法を用いて精製したところ、Mn-SODと考えられた。Mn-SODは、活性中心tyrosine残基を有し、ニトロ化されると活性を消失することが知られている。従って、PQによる酸化ストレスはさらに増大されることが示唆された。一方、アポトーシスの指標であるCleavedcaspase-3は、PQによって、わずかに検出された。この変化はPQ投与後2日後から著明に観察された。Captoprilによって、これらの蛋白質の出現が著明に減少した。従って、ACE阻害薬はPQによる酸化障害を防御し、PQ中毒時の治療薬として期待できる可能性が示唆された。
著者
清水 肇 松島 啓信
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.1072-1078, 2019
被引用文献数
1

<p>沖縄における密集市街地は木造建物が比較的少ない一方で狭隘道路・通路が入り組んだ状態にあることが特徴である。本研究は那覇市の密集市街地を対象に、避難路の状況の改善可能性を検討したものである。緊急避難路利用協定、防災空地整備、緊急避難路形成型協調建て替えの3つの手法を設定し、手法を適用した状態を仮定して、避難路の幅員、避難路沿いの木造・非木造建物、二方向避難路の3つの指標で評価を行った。避難路の幅員、雛路沿いの木造・非木造建物の指標は各種手法の適用によって大きな改善は見込めないが、二方向避難路については改善の可能性があることが見出された。緊急避難路利用協定は避難路の状況を改善する潜在的な可能性があり、さらに3つの手法を組み合わせて適用することにより効果を高めるられる可能性がある。</p>
著者
清水茂著
出版者
舷燈社
巻号頁・発行日
2008
著者
前川 理沙 勝又 淳子 関 大成 日出山 拓人 佐藤 望 平 賢一郎 清水 潤 椎尾 康
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.107, no.11, pp.2316-2323, 2018-11-10 (Released:2019-11-10)
参考文献数
9

症例は39歳,男性.亜急性に進行する下肢筋力低下で入院した.末梢神経障害を認め,ステロイドで改善したが,減量開始から1年で症状が再燃した.再入院時の胸部単純CT(computed tomography)にて乳腺腫大を認め,女性化乳房がPOEMS(polyneuropathy,organomegaly,endocrinopathy,M-protein, skin changes)症候群(Crow-Fukase症候群)を疑う契機となり,血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)の高値や骨硬化性病変等から診断に至った.胸腹水や浮腫はなく,M蛋白は陰性であった.骨病変に対する放射線治療のみで良好な経過を得た.本例は女性化乳房の検出に胸部CTが有用であった.
著者
羽藤 由美 神澤 克徳 光永 悠彦 清水 裕子 坪田 康 桝田 秀夫 永井 孝幸 ヒーリ サンドラ 竹井 智子 山本 以和子 森 真幸 内村 浩 伊藤 薫
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

学校・大学等が入試や定期考査において,それぞれのアドミッション・ポリシー,教育目標,受検環境などに応じた英語スピーキングテストを開発・実施するためのガイドライン策定を目標として,以下の(1)~(5)を完遂した。(1)京都工芸繊維大学が独自に開発し,学内で定期実施しているコンピュータ方式の英語スピーキングテストシステム(毎年約700名が受験)について,リンガフランカ(共通語)としての英語運用能力を測るテストとしての妥当性を高めるために,評定基準と採点者訓練およびオンライン採点システムを改善した。(2)上記スピーキングテストを京都工芸繊維大学の平成30年度ダビンチAO入試に導入した実績に基づき,同じ仕様のテストを学内で能力診断テストとして実施する際と入学試験の一環として運営する際の違い(公正性・公平性の担保,システムの安定性維持,リスクマネージメント,情報セキュリティーのレベル等の違い)や,入試利用の際のこれらの点に関する留意点を明らかにした。(3)京都市立工学院高校の定期考査(「英語表現II」の1,3学期末試験)において,生徒とフィリピン在住の面接・採点者をスカイプで結ぶスピーキングテストを実施した。昨年度実施分から,テスト内容の改訂(ディベートとロールプレイの組み込み),採点基準・採点者訓練の改善,効果的なフィードバックのためのマニュアル作成を行った。(4)上記(1)~(3)の遂行状況をプロジェクトのホームページを通して広く社会に公表するとともに,実践報告や,実践を通して得たデータの分析に基づくリンガフランカとしての英語能力評価(特に,採点基準と採点方法)に関する研究成果を関連学会で発表した。(5)これまでのスピーキングテスト開発・運営の実績に基づいて,2020年度から始まる民間試験の入試利用(共通テストとしての活用)の問題点を明らかにし,関連のシンポジウムやブログ,twitterで発表した。
著者
清水 美知子
出版者
関西国際大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13455311)
巻号頁・発行日
no.5, pp.91-110, 2004-03

本稿は,1950~60年代の日本における<女中>イメージの変容を,「家事サービス職業補導」「ホームヘルパー養成講習」という二つの事業に焦点をあてて考察するものである。第二次世界大戦後の混迷が落ち着きを見せるようになると,都市部では再び女中の供給が需要に追いつかない状況に陥った。そんな女中払底の対応策として労働省が打ち出したのが,家事技術者を養成して手不足の家庭に派遣するという事業である。1956年,東京・新宿に「家事サービス公共職業補導所」が開設された。同所は,未亡人等の女性を対象に短期間で家政婦や女中など家事サービス職業に必要な知識と技術を習得させる機関。いっぽう,1960年に始まった「ホームヘルパー養成講習」は,従業員家庭の主婦が出産・病気等の場合に,事業所から派遣される家事援助者を養成するプログラムである。いずれも,女中不足の緩和のみならず,就職が難しい中年女性の雇用を創出するねらいもあったらしい。これらの事業は,女中の職業的な地位を高めるとともに,"家事サービスは中年女性の仕事"というイメージを生み出した。かつて農村の娘たちの主要な働き口のひとつであった住み込み女中は,高度成長期に,家政婦やホームヘルパーといった中年女性の通勤職業にとって代わられたのである。
著者
清水 健司 岡村 寿代
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.23-33, 2010 (Released:2012-03-27)
参考文献数
33
被引用文献数
5 4

本研究は, 対人恐怖心性-自己愛傾向2次元モデルにおける認知特性の検討を行うことを目的とした。認知特性指標は社会恐怖認知モデル(Clark & Wells, 1995)の偏った信念を参考に選定された。調査対象は大学生595名であり, 対人恐怖心性-自己愛傾向2次元モデル尺度短縮版(TSNS-S)に加えて, 認知特性指標である完全主義尺度・自己肯定感尺度・自己嫌悪感尺度・ネガティブな反すう尺度・不合理な信念尺度・自己関係づけ尺度についての質問紙調査が実施された。その結果, 分析1では各類型の特徴的な認知特性が明らかにされ, 適応・不適応的側面についての言及がなされた。そして, 分析2では2次元モデル全体から見た認知特性の検討を行った。特に森田(1953)が示した対人恐怖に該当すると思われる「誇大-過敏特性両向型」と, DSM診断基準に準じた社会恐怖に該当すると思われる「過敏特性優位型」に焦点を当てながら詳細な比較検討が行われた。
著者
清水 則夫
出版者
山口大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1994

バ-キットリンバ腫由来Akata細胞は、細胞表面に発現する抗体を抗Ig抗体でクロスリンクする(抗体処理)と潜伏EBウイルスの活性化が起き、ウイルス産生が誘導される。この抗体処理によるシグナル伝達の遮断に働いているEBV抗原の同定をするために、亜鉛イオンにより発現誘導可能なメタロチオネインプロモーターの下流へ、潜伏感染状態で発現する9種類のウイルス抗原の遺伝子をそれぞれ挿入した発現プラスミドを作成した。得られたそれぞれのプラスミドと薬剤抵抗性プラスミドをAkata細胞へ同時に導入し、薬剤選択により両方のプラスミドDNAを保持するクローンを選択した。さらに得られたクローンから、亜鉛処理によりウイルス抗原の発現誘導が起こる細胞クローンを蛍光抗体法により選択した。得られた細胞クローンを12時間亜鉛処理してウイルス抗原の発現を誘導し、亜鉛を除いた後、抗Ig抗体を加えてさらに12時間培養し、どのウイルス抗原誘導でウイルス産生が起こらなくなるのかを蛍光抗体法で調べた。その結果、LMP1を発現している細胞クローンでは、潜伏感染しているEBウイルスの活性化が抑制されることが明らかとなった。この結果は、従来から我々が得ていた結果と矛盾しない。しかし、用いた細胞クローンでは、亜鉛処理によりLMP1の発現は、通常のEBウイルス陽性細胞で発現する量より数倍程度多く発現していた。LMP1は大量に発現すると細胞毒性があることが知られているため、得られた結果がLMP1による細胞毒性を反映していることを否定できない。現在、LMP1の発現量を通常のEBウイルス陽性細胞と同等なレベルにまで落とすための亜鉛処理の条件を検討中である。
著者
湯沢 質幸 沼本 克明 小倉 肇 清水 史 二戸 麻砂彦 岡島 昭浩 佐々木 勇 肥爪 周二 蒋 垂東
出版者
京都女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

成果の中心は次の4点にまとめられる。(1) 既に実験的に研究開発し終えた、日本漢字音データベース(大字音表)の根幹となるソフト及びデータについて、それが実用に十分耐えうるかどうかを実践形式を取り入れて検証したこと。(2)((1)を踏まえて)実用に耐えうるソフトの完成度を高めるとともに、それにのっとって日本漢字音研究における基礎中の基礎となる韻鏡データを実用に耐えうるまでに再構築し、一定の完成度に達したデータベースを作成したこと。(3) 将来における大字音表の発展・拡充を目指した基礎的な調査、研究作業を行うことができたこと。すなわち、近い将来における大字音表への複数資料の字音データ掲載を目指して一部資料について日本漢字音の整理を行えたこと。また、同様に、日本漢字音資料の発掘や調査、及び研究を行えたこと。(4) 国内外の漢字音研究者の研究の便宜を図って、実用に耐えうる『韻鏡』データを載せた日本漢字音データベースをインターネット上に公開したこと。
著者
長谷川 千洋 清水 寛之
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第12回大会
巻号頁・発行日
pp.141, 2014 (Released:2014-10-05)

人名想起時に生じる「のどまで出かかっているのに出てこない現象(tip-of-the-tongue phenomenon)」(TOT)は,日常的に観察される現象である。本研究は大学生を対象に日本の有名人に対するTOTの特徴について調査し,TOT解消方略との関係について検討した。調査参加に同意した大学生549名に対し30人の有名人物(歴史上の有名人物15名,現在の有名人物15名)の氏名の想起を求める質問紙調査を実施し,視覚イメージ,既知感,文字情報,音韻情報の有無について回答を求め,また,個人の特性傾向として,TOT現象に対する感受性や不快感の程度,TOTの解消方略についても調べた。結果,人名に対するTOT現象は、歴史上,現在の有名人物ともに同様に生起しており,人名の想起されやすさと視覚的イメージの鮮明さ及び音韻・文字情報との関連性に比べ、TOT現象の発生率は比較的一定に保たれている可能性が示唆された。また,TOTが増えれば,能動的なTOT解消方略を用いる傾向が高くなる可能性が考えられた。
著者
清水 慶子
出版者
京都大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002

いわゆる「環境ホルモン」、内分泌撹乱物質による生殖能力や次世代への影響は、人類を含めた数多くの生物の存続を危ぶむ問題であり、基礎的な研究の必要性が高まっている。これらの原因として考えられているものは主に人工の化学物質であるが、これ以外にも約20種類の植物由来のエストロゲン様物質(Phytoestorogen)がその作用を持つといわれている。本研究では、これらの植物由来のエストロゲン様物質のサルの生殖内分泌系に及ぼす影響を、発生生物学的、内分泌学的に調べた。カニクイザルに植物由来のエストロゲン様物質を30日間連続投与した。これらのサルにおいて、経時的に採尿を行い、ステロイドホルモンの代謝産物である尿中E1C,PdGおよび尿中FSHについて酵素免疫測定法を用いて測定した。その結果、生殖関連ホルモン動態の変化や月経周期の遅延、卵胞期の延長、LHサージの抑制が観察された。これらにより、ダイゼイン投与後、これらのサルは発情持続状態となり、結果として排卵が抑制されることが分かった。また、妊娠マカクザルにイソフラボン50mg含有飼料を妊娠初期から90日間連続給餌した。これらのサルから得られた児を、4%パラホルムアルデヒドにて潅流固定し、組織切片を作成した。これらの切片を用いて免疫組織化学法により、エストロゲンレセプター(ERαおよびERβ)の局在を調べた。同時に、妊娠ザルから経時的に採血、採尿をおこない、血液イソフラボン濃度および血中、尿中生殖関連ホルモン濃度を測定した。その結果、ERαおよびERβはいずれも、オス、メス新生児ともに、視床下部の腹内側核に発現していた。これらにより、植物由来のエストロゲン様物質がマカクザルの性周期に変化を及ぼす可能性、および、視床下部におけるエストロゲンレセプターの発現が胎生期における植物由来のエストロゲン様物質により影響を受ける可能性が示唆された。
著者
清水 裕
出版者
土質工学会
雑誌
土と基礎
巻号頁・発行日
vol.36, no.8, pp.94-95, 1988
著者
清水 裕真 Abbas KHAYYER 後藤 仁志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.I_799-I_804, 2019 (Released:2019-10-17)
参考文献数
24
被引用文献数
1

津波や高潮襲来時の流体力による構造物の変形や破壊,タンク内液体のスロッシング現象や船舶のスラミング現象など,流体-構造連成問題(FSI問題)は海岸工学分野に関わるものが多いが,その対策の検討には数値波動水槽の活用が有用である.粒子法は完全Lagrange型数値解析手法の一つであり,大変形を伴う界面の取り扱いに優れる.その特性を活かし,近年様々な完全Lagrange型構造解析モデルおよびFSIソルバーが開発されてきた.しかしながら,これまでに提案された手法はそのほとんどが構造解析に陽解法型のアルゴリズムを用いているため,高Young率構造物の動的解析には極めて微小な時間刻み幅が必要となり,計算コストの増大および連成解析時における流体との時間刻み幅の差異が問題となる.そこで本研究では,高次の時間発展スキームに基づいて導出した陰解法型完全Lagrange型構造解析手法を開発し,非圧縮性流体と高Young率弾性構造物のFSI解析を通して提案手法の検証を行う.
著者
清水 友美
出版者
成城大学大学院文学研究科美学・美術史研究室
雑誌
成城美学美術史 (ISSN:13405861)
巻号頁・発行日
no.22, pp.1-41, 2016-03

From the Meiji to the Taisho period, a nudity controversy surfaced several times. Hakuba-kai, which was led by Seiki Kuroda, considered the nude the basis of Western art, but the Japanese did not have sufficient knowledge of western art to understand. This lack of knowledge caused the dispute. Subsequently, authorities regulated nudity in exhibitions and publications for a long period of time. Regulation of nudity has already beenstudied, but we need to investigate the kind of nudity regulated and the regulations that influenced painters and their activities. This paper investigates the Hakuba-kai Exhibition, Ministry of Education Art Exhibition (Bunten Exhibition), and Nika Art Exhibition from the viewpoint of regulation, focusing on the transition of the depiction of the nude woman from the Meiji to the Taisho period. Before the Meiji period, women and men wore clothing that allowed them to accomplish their work. Their ideas about covering the body were not hindered by western morality-based conventions. However, by imitating western culture to enforce “Ishiki kaii jyourei, the ordinance designed to emulate foreigners’propriety,” the thought planted in the Japanese mind was that nudity was obscene. Thereafter, authorities regulated publications with nude images. Kuroda’s Le Lever, which was exhibited at the 4th Domestic Industrial Exposition, served as a challenge to authority and generated the nudity controversy in newspapers. Afterward, police required that Kuroda’s “Nude,” which was exhibited at the 6th Hakuba-kai Exhibition in 1901, be covered with a cloth below the waist. That is, this is the “koshimaki (waistcloth) incident.” The incident was the outcome of the Security Police law implemented in 1900 and led the painters of Hakuba-kai to draw nude women with waist coverings. Police and the Ministry of Education continued to regulate nudes in art after the Bunten Exhibition. The Ministry of Education told painters that they must eliminate nude images from their works, and this caused a situation in which many nude drawings were disqualified from winning awards. The Minister of Education ultimately declared that police must not invade the winning work of the Bunten Exhibition in 1917. Partially clothed woman continued to be exhibited in the art at the Bunten Exhibition, and for a short time painters drew an idealized nude. They gradually began to draw frontal nudes and increasingly created work that made the nudes in their art unrealistic. This phenomenon was common at the Nika Exhibition. Following Cubism and Fauvism, the Nika Exhibition included drawings of nude women. The characteristics of the nude images of art in the Nika Exhibition were women reclining on a bed, posing with their arms or legs held up to exaggerate their physical features, and showing nude women indoors. The authorities initially regulated art with nude woman lying in bed drawn by Sotaro Yasui. After the 5th Nika Exhibition, they stopped controlling nudity. Painters no longer presented the female form realistically. They exaggerated. The nude images drawn from the Meiji to the Taisho periods were influenced by both the regulations and because of the regulations, the numbers of works exhibited were almost influenced. Then regulation standards gradually changed from the viewpoint of bodily exposure to the viewpoint of depicting the body in realistic situations such as a nude woman reclining in bed. Considering this history, painters had to be conscious of regulations restricting the depiction of nude women, which was historically part of the depiction of women. The important issue is that these artists tried to express their ideas even though they were conscious of the regulations.
著者
清水 健太郎 小倉 裕司 後藤 美紀 朝原 崇 野本 康二 諸富 正己 平出 敦 松嶋 麻子 田崎 修 鍬方 安行 田中 裕 嶋津 岳士 杉本 壽
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.12, pp.833-844, 2006-12-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
53
被引用文献数
2

腸管内には多彩な細菌群がバランスを保ち共存しており,腸内環境を整えると同時に生体へ豊富なシグナルを送り続けている。腸管は,侵襲時の主要な標的臓器(target organ)であり,腸内細菌叢の維持は腸上皮におけるバリア機能の維持と感染防御の点で極めて重要と考えられる。しかしながら,急性期重症病態の腸内細菌叢や腸内環境に関する検討はほとんどされていない。われわれは,SIRS患者の腸内細菌叢と腸内環境の変化を明らかにし,近年注目されているシンバイオティクス(synbiotics)療法(“善玉”生菌+増殖物質)の有効性を評価した。研究結果を含め,侵襲時の腸管機能と腸管内治療に関して総説する。(1) SIRS患者において,腸内細菌叢および腸内環境は著しく崩れる。「善玉菌」であるBifidobacteriumとLactobacillusは健常人の1/100-1000程度に減少し,「病原性」を有するブドウ球菌数は,健常人の100倍程度に増加した。腸内細菌叢の崩壊と同時に,短鎖脂肪酸の産生は減少し,腸管内pHは上昇した。このような腸内環境の悪化は腸内細菌叢をさらに崩す(“腸内環境の悪循環”)と考えられる。(2)シンバイオティクス療法は,SIRS患者の腸内細菌叢および腸内環境を維持し,経過中の感染合併症を減少させる。シンバイオティクス投与により,BifidobacteriumとLactobacillusが高く維持され,腸管内の短鎖脂肪酸,pHも保たれた。また腸炎の発生だけでなく,肺炎や菌血症の合併を有意に減らした。シンバイオティクス療法が感染症の合併を防止するメカニズムに関しては,今後の検討を要する。(3)現在,急性期重症病態に対する標準化された腸管内治療は存在しない。シンバイオティクス療法は,腸内細菌叢を保持し,腸内環境と腸管機能を保つ点で生理的であり,重症患者の臨床経過を改善する有望な腸管内治療法と考えられる。
著者
清水 昭俊
出版者
国立民族学博物館
雑誌
国立民族学博物館研究報告 (ISSN:0385180X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.543-634, 1999-03

マリノフスキーは,「参与観察」の調査法を導入した,人類学史上もっとも著名な人物である。その反面,彼は理論的影響で無力であり,ラドクリフ=ブラウンに及びえなかった。イギリス社会人類学の二人の建設者を相補的な姿で描くこの歴史叙述は,広く受け入れられている。しかし,それは決して公平で正当な認識ではない。マリノフスキーがイギリス時代最後の10年間に行ったもっとも重要な研究プロジェクトを無視しているからだ。この論文で私は,アフリカ植民地における文化接触に関する彼の実用的人類学のプロジェクトを考察し,忘却の中から未知のマリノフスキーをよみがえらせてみたい。マリノフスキーは大規模なアフリカ・プロジェクトを主宰し,人類学を古物趣味から厳格な経験科学に変革しようとした。植民地の文化状況に関して統治政府に有用な現実的知識を提供する能力のある人類学への変革である。このプロジェクトは,帝国主義,植民地主義との共犯関係にある人類学のもっとも悪しき実例として,悪名高いものであるが,現実には,彼の同時代人でマリノフスキーほど厳しく植民地統治を批判した人類学者はいなかった。彼の弟子との論争を分析することによって,私は,アフリカ植民地の文化接触について人類学者が観察すべき事象とその方法に関する,マリノフスキーの思考を再構成する。1980年代に行われたポストモダン人類学批判を,おおくの点で彼がすでに提示し,かつ乗りこえていたことを示すつもりである。ラドクリフ=ブラウンの構造機能主義は,この新しい観点から見れぽ,旧弊な古物趣味への回帰だったが,構造機能主義者は人類学史を一貫した発展の歴史と描くために,マリノフスキーのプロジェクトの記憶を消去した。戦間期および戦後期初めの時期におけるマリノフスキーの影響の盛衰を跡づけよう。