著者
渡邊 保貴 小峯 秀雄 安原 一哉 村上 哲 ベ ジェヒョン 豊田 和弘
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.788-799, 2010

水道事業から排出される浄水汚泥を道路構成材料として有効利用する上で,浄水汚泥の排出量が少量であることから一般の土質材料と混合して利用することが検討されている.しかしながら,こうした混合利用の効果は力学的側面から検討されることが多く,環境負荷低減の側面からは十分に検討されていない.本研究では,最終処分量の削減や天然資材の保全の観点から浄水汚泥の環境価格を定義し,浄水汚泥を砂質土と混合利用したときの環境負荷低減効果を貨幣価値に換算した.その結果,浄水汚泥の混合利用は必ずしも環境負荷低減に結びつかず,浄水汚泥を単体で利用することが最も望ましいこと,そして,浄水汚泥を混合する場合には,混合する天然資材の量を減少させることが重要であることを示した.
著者
相原 建人 渡邊 啓太 土肥 永生 金子 祥平
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.1313-1318, 2019 (Released:2019-09-25)
参考文献数
6

これまでCPVAの性能向上を目的として,CPVAの振動低減性能について解析可能な理論解析法を構築してきた.また構築した理論解析法により性能向上に寄与する振り子重心軌道を提案している.本研究では実際に重心軌道が異なる二つの実機を試作し,性能評価試験を行い理論解析結果と比較することで理論解析法の有効性を検証する.
著者
仲泊 聡 斎藤 奈緒子 渡邊 公恵 渡辺 文治 末田 靖則
出版者
日本ロービジョン学会
雑誌
日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
巻号頁・発行日
vol.6, pp.55, 2005

【目的】一般に、読書中の眼球運動を観測すると、主に衝動性眼球運動が観察され、きわめて短い時間にある範囲を読み取っているということが知られている。このような短時間提示された視標を瞬時にして視認する能力が、動揺視患者においてどうなっているかは大変に興味深い。なぜなら、もしそのような能力が高いのであれば、文字を瞬間提示することによりエイドを作成することができ、逆に低下していれば、この現象を用いて動揺視の程度の評価を行うことが可能であると考えられるからである。今回、我々は、これを確かめるために動揺視患者の視覚短期記憶を測定した。<BR>【方法】対象は、異常眼球運動を有する脳幹出血・梗塞患者6名、両側迷路障害患者2名、大脳性動揺視患者1名と正常コントロール6名であった。全症例に簡易視野検査にて視野欠損のないことを確認したうえで視覚短期記憶検査を行なった。視覚短期記憶検査は、白背景に130msの間、黒点を提示し、この数を答えさせ、数を増減して臨界算定個数を測定した。また、刺激提示直後にランダムドットマスクと刺激黒点を多数提示するマスクを提示し、これらの条件での測定をも行なった。各マスク条件における正常群と動揺視群の平均値の差を検定した。<BR>【成績】全被験者において視野障害はなかった。正常者における平均臨界算定個数はマスクなし8.8、ランダムドットマスク6.3、黒点マスク3.6であった。一方、動揺視患者における平均臨界算定個数は同様に5.4、3.8、1.9であり、すべてのマスク条件において、正常群に比べ動揺視群では、臨界算定個数が有意に低下していた。【結論】動揺視患者の視覚情報処理障害の一側面として視覚短期記憶の障害が認められた。この現象のメカニズムについては明らかではないが、その異常は極めて明瞭であり、動揺視の程度判定の視標として視覚短期記憶の程度を示す臨界算定個数が有用であることが示唆された。
著者
八巻 ゆみこ 富澤 早苗 増渕 珠子 上條 恭子 中島 崇行 吉川 聡一 長谷川 恵美 小鍛 治好恵 渡邊 趣衣 橋本 常生 大塚 健治
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.33-36, 2021-02-25 (Released:2021-03-04)
参考文献数
12
被引用文献数
2

ライムのLC-MS/MSを用いた191成分の残留農薬を対象とした一斉分析法を開発し,妥当性評価を行った.試料から農薬をアセトニトリルで抽出し,無水硫酸マグネシウム,炭酸ナトリウムおよび塩化ナトリウムを加え塩析・脱水処理を行った.遠心分離を行い,上層を分取しアセトニトリルで定容した.続いて一定量をC18/GC/PSA固相カラムに負荷して精製を行い,LC-MS/MSにて測定した.従来の農産物対象の検査方法ではライムからの回収率が低かったチアベンダゾールについても回収率が向上した.厚生労働省の妥当性評価ガイドラインに従い2濃度で実施した妥当性評価では191成分中175成分がガイドラインの基準を満たした.また,都内で流通しているライム19試料についても実態調査を行い,18試料から残留農薬を検出した.本法はライムを対象とした残留農薬一斉分析に有用な分析法であると考えられる.
著者
神野 真吾 竹田 美和 茜 俊彦 平田 智也 久野 尚志 羊 億 磯貝 佳孝 渡邊 直樹 藤原 康文 中村 新男
出版者
日本結晶成長学会
雑誌
日本結晶成長学会誌 (ISSN:03856275)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, 2002

ErP/InP heterostructure is one of the candidates for realizing new functional high-speed magneto-electronic devices. We have investigated growth morphology of ErP on InP (001) and (111)A. ErP/InP heterostructures were grown by face-down OMVPE. ErP formed islands on each orientation, while island size and height were quite different between two orientations.
著者
高橋 康介 三橋 秀男 村田 一仁 則枝 真 渡邊 克巳
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.261-268, 2011 (Released:2011-12-09)
参考文献数
15
被引用文献数
1

Nonverbal communications involving physical contact convey “Kansei” information that is difficult to express in verbal communications. In this study, we proposed a method to investigate “Kansei” information in nonverbal communications, and surveyed how people perceive nonverbal communication involving physical contact. In the psychological experiment using questionnaire, we presented various words describing tapping and patting actions with Japanese onomatopoeias and sound symbolic words expressing a concept or nuance that is difficult to verbalize explicitly. Participants first imaged the situation wherein they made communication with another person through the physical contact, and then evaluated the “Kansei” information of communications and rated them by adjectives. We found that onomatopoeias added a variety of impressions to communications with physical contact. We then applied factor analysis using adjective rating to extract a factor space of the communicative actions. For both tapping and patting motion, the first factor represented atmosphere of the behavior, and the second dimension represented activeness of the physical motions themselves. We then mapped the rating scores of desirability of the communication onto the factor spaces. The scores of the first and the second factors well predict in an additive way the desirability of communication for both actions, and the influence of the first factor was stronger than that of the second factor. These results suggest that the structure of factor space represents desirability of the communication regardless of actions. The proposed method may be useful and efficient to investigate the Kansei information, factor space, and their inter-relation, of nonverbal communications.
著者
瀬古 千佳子 松井 大輔 松川 泰子 小山 晃英 渡邉 功 尾崎 悦子 栗山 長門 水野 成人 渡邊 能行
出版者
一般社団法人 日本消化器がん検診学会
雑誌
日本消化器がん検診学会雑誌 (ISSN:18807666)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.30-41, 2016 (Released:2016-02-01)
参考文献数
23

ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)感染は胃がんの確実な発がん因子である。H. pylori感染から慢性萎縮性胃炎への進展過程における摂取食品との関連については多くの先行研究が行われているが, 栄養素摂取量との関連についての報告は少ない。そこで, 本研究はH. pylori感染者における慢性萎縮性胃炎陽性者と陰性者の栄養素摂取量の差異を検討した。対象者は京都在住の35歳から69歳までの健診参加者4,330人のうちH. pylori感染陽性者1,251人とした。解析対象者はこの内の栄養素摂取量算出を完了した女性296人とした。年齢, 喫煙, ビタミン剤服用, エネルギーによる補正を行い, 各栄養素摂取量を三分位に分けてロジスティック回帰分析を行った結果, カルシウムの中等量摂取, 多量摂取, 及び多価不飽和脂肪酸の中等量摂取は有意に慢性萎縮性胃炎のリスクを低めていた。これにより, これらの栄養素が慢性萎縮性胃炎進展の抑制と関連している可能性が示唆された。
著者
米谷 昭彦 渡邊 晃
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.125, no.11, pp.1737-1742, 2005 (Released:2006-02-01)
参考文献数
5
被引用文献数
3

The full-digital audio amplifiers are advantageous with the points of its high power efficiency and its possibility of high fidelity due to the digital signal processing. With the full-digital amplifier, class-D amplifiers are used to drive the load with PWM signals produced from the source signal. Unfortunately, the signals are distorted when the PCM signals are converted to the PWM signals because the pulse-width modulation is a nonlinear conversion from the viewpoint of transient responses. This paper proposes a way to compensate the distortion caused by the pulse-width modulation. A feedforward compensation approach is used because of the simplicity of implementation. The distortion components are estimated with the source signals and its time-derivative signals and used to cancel out them by subtracting them from the source signals. A numerical example with two-tone test is performed to show the effectiveness of the proposed method. The distortion compensation scheme used here may be applicative to other applications.
著者
川尻 将守 渡邊 尚 井上 愛 岩谷 理恵子 平塚 明倫 保科 斉生 山本 泉 丸山 之雄 大城戸 一郎 横尾 隆
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.31-35, 2021 (Released:2021-01-28)
参考文献数
14

新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019: COVID‒19)が世界中で拡大し,感染による急性腎障害(acute kidney injury: AKI)の発生に伴い透析を必要とする患者が増加している.血液浄化装置を介した感染拡大を防ぐ必要があるが,装置の汚染状況が不明確なため,現在は約10日間装置をウイルスから隔離した状態で静置した後,他の患者へ使用する運用を行っている.今回,COVID‒19患者の血液透析に使用した直後の血液浄化装置に新型コロナウイルス(severe acute respiratory syndrome coronavirus 2: SARS‒CoV‒2)が存在するか調査し,今後の装置の運用に役立てることを目的とした.血液浄化装置の9か所で採取した検体において逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(reverse transcription polymerase chain reaction: RT‒PCR)検査はすべて陰性であった.COVID‒19患者に使用後の装置待機期間短縮は慎重に検討すべきであり,検体の採取箇所や環境等の条件を変更した追加調査が必要と考える.
著者
渡邊 淳司 藍 耕平 吉田 知史 桒野 晃希 駒﨑 掲 林 阿希子
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.311-314, 2020-12-25 (Released:2020-12-25)
参考文献数
10

How can visually impaired people enjoy watching sports and share excitement with his/her friends? Although sharing emotion is one of essential factor in sports viewing, they cannot notice other’s emotional reactions, and consequently often feel isolated. Here we propose a sports watching method using a concise haptic device for sharing excitement. The haptic device comprise two balls and a tube connecting them, and can transmit air from a ball to the other by holding a ball firmly. When two users hold a ball at each end, the users can share excitements by sending air.

1 0 0 0 OA 計算機械 II

著者
渡邊 勝 三井田 純一
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.145-151, 1949-03-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
12

1 0 0 0 OA 計算機械 I

著者
渡邊 勝 三井田 純一
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2-3, pp.85-93, 1950-01-20 (Released:2008-04-14)
参考文献数
5
著者
渡邊 朋也
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.124-127, 2007 (Released:2009-07-03)
参考文献数
6

植物各器官の連結状態およびそれらの生長規則をL-systemの文法により記述し,前回報告した3次元デジタイザを利用して収集した形態情報,生理的生育情報と併せて,3次元「仮想植物」を作成する手順を紹介する.
著者
二階堂 満 吉田 祐希 古関 健一 福村 卓也 渡邊 崇 戸谷 一英
出版者
一般社団法人 粉体工学会
雑誌
粉体工学会誌 (ISSN:03866157)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.483-491, 2018-09-10 (Released:2018-10-25)
参考文献数
14
被引用文献数
1

This study is aimed to develop a beneficial use of disposed seashells. Sanriku region in Iwate prefecture has an issue of disposals of seashells. In this study, we mechanochemically ground seashells under dry or wet conditions. We used a planetary ball mill, a tumbling ball mill, and a converge mill as mechanochemical grinding machine. After the grinding, we examined the heavy metal absorbencies of the ground materials, and of the compounds with seashell-origin hydroxyapatite (HAP). As a result, followings were found out: 1) When seashell-origin hydroxyapatite was used, it showed adequate heavy metal absorbency (Cd, Pb). 2) When mechanochemically ground scallop seashells without HAP were used, it showed adequate heavy metal absorbency (Cd, Pb). 3) When the scallop seashells are ground for long time under dry condition (mechanochemical grinding), the material tends to be amorphous, and its heavy metal absorbency becomes greater.