- 著者
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原田 晋
森山 達哉
田中 昭
- 出版者
- 一般社団法人 日本アレルギー学会
- 雑誌
- アレルギー (ISSN:00214884)
- 巻号頁・発行日
- vol.60, no.6, pp.708-713, 2011-06-30 (Released:2017-02-10)
- 参考文献数
- 14
症例1,28歳女性.液状のローヤルゼリーを初めて一口試食した直後より,頸部の紅潮・気分不良・腹痛・下痢が出現.症例2,21歳女性.ローヤルゼリーグミを初めて食べた数時間後より鼻閉・両側眼周囲の腫脹が,さらに10日後に同じグミを摂取した4時間後より鼻閉・呼吸困難・全身の紅潮〜膨疹が出現.プリックテストで両者共にローヤルゼリー自体で陽性であったため,ローヤルゼリーアレルギーと診断した.初回摂取時に発症した理由としては,過去に知らず知らずの間にローヤルゼリーに対して既感作であったとの機序を考えたが,症例2ではヨモギの特異的IgEおよびプリックテストが共に陽性であり,ヨモギアレルギーとの交叉反応によって発症した可能性も疑われた.ローヤルゼリーは本来クラス1アレルゲンと考えられているが,過去にも初回摂取後の発症の報告例が多く認められており,花粉類などとの交叉反応により発症に至るクラス2アレルギーの可能性も考慮した上で検索を行う必要があると考えた.