著者
片岡 弘明 田中 聡 北山 奈緒美 村尾 敏
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.350-356, 2013 (Released:2013-07-09)
参考文献数
31

2型糖尿病患者の骨格筋量の低下に影響を及ぼす因子を検討した.対象は2型糖尿病患者111名(男性58名,女性53名)で生体電気インピーダンス方式体組成計を用いて上下肢筋量を測定し,糖尿病に関連する因子との関係について男女別に検討した.上肢筋量および下肢筋量を従属変数としたステップワイズ重回帰分析の結果,男性の上肢ではHbA1c,下肢筋量では糖尿病神経障害とHbA1c,女性の下肢筋量では,糖尿病神経障害,LDLコレステロール/HDLコレステロール(L/H)比が有意な独立変数として選択された.本研究の結果から2型糖尿病患者の骨格筋量の低下には,男性では糖尿病神経障害とHbA1c,女性では糖尿病神経障害とL/H比が関与していた.2型糖尿病患者の骨格筋量低下に関連する因子は複数存在しており,さらにこれには性差が存在していることが明らかとなった.
著者
原田 晋 森山 達哉 田中 昭
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.708-713, 2011-06-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
14

症例1,28歳女性.液状のローヤルゼリーを初めて一口試食した直後より,頸部の紅潮・気分不良・腹痛・下痢が出現.症例2,21歳女性.ローヤルゼリーグミを初めて食べた数時間後より鼻閉・両側眼周囲の腫脹が,さらに10日後に同じグミを摂取した4時間後より鼻閉・呼吸困難・全身の紅潮〜膨疹が出現.プリックテストで両者共にローヤルゼリー自体で陽性であったため,ローヤルゼリーアレルギーと診断した.初回摂取時に発症した理由としては,過去に知らず知らずの間にローヤルゼリーに対して既感作であったとの機序を考えたが,症例2ではヨモギの特異的IgEおよびプリックテストが共に陽性であり,ヨモギアレルギーとの交叉反応によって発症した可能性も疑われた.ローヤルゼリーは本来クラス1アレルゲンと考えられているが,過去にも初回摂取後の発症の報告例が多く認められており,花粉類などとの交叉反応により発症に至るクラス2アレルギーの可能性も考慮した上で検索を行う必要があると考えた.
著者
橋本 和幸 田中 理恵 倉橋 朋子 上野 道子
出版者
了德寺大学
雑誌
了德寺大学研究紀要 (ISSN:18819796)
巻号頁・発行日
no.5, pp.7-18, 2011

20世紀半ばにその名前が登場した芸術療法の技法は多様であるが、その中に粘土を用いた造形活動もある。粘土は立体的な表現が可能で、可塑性が高い、多くの人が幼児期に使ったことがあるなどの特徴を生かした利用をされている。本研究では、このような粘土造形を行った際の心理状態を数量的データにより調査することを目的とする。そのために、一般大学生40名を対象に粘土造形を試行させて、粘土に触った感想と制作物の題名を調査した。結果は、感想からは「手触り」や「素材の特徴」など10個のカテゴリ、作品の題目からは「動物」や「キャラクター」など7個のカテゴリが得られた。この結果から、粘土を扱うとその手触りから退行が促進され、癒しの効果が得られることが明らかになった。そして、粘土を触った感想は、思考、感覚、感情という3つのレベルから考えられることも分かった。また、柔らかさを中心に手触りについての感想が多かった。さらに、粘土の使用はコミュニケーションツールにもなると考えられ、グループワークへの活用も期待できる。
著者
仲 智彦 小木曽 望 木村 公洋 田中 宏明 Naka Tomohiko Kogiso Nozomu Kimura Kimihiro Tanaka Hiroaki
出版者
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(JAXA)(ISAS)
雑誌
第32回宇宙構造・材料シンポジウム:講演集録 = Proceedings of 32nd Symposium on Aerospace Structure and Materials
巻号頁・発行日
2016-12

第32回宇宙構造・材料シンポジウム(2016年12月9日. 宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所 (JAXA)(ISAS)), 相模原市, 神奈川県資料番号: SA6000087007レポート番号: A06
著者
小西 文昂 廣田 敦士 松尾 星吾 家原 瞭 小原 宗一郎 加賀 ゆうた 鶴田 穣士 脇上 幸洋 金尻 良介 深田 智 田中 一晶 岡 夏樹
雑誌
2017年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集 (ISSN:1884197X)
巻号頁・発行日
vol.2017, 2017-09-15

SeqGANは、DNNによる学習と評価を交互に繰り返し行うことで精度向上を図る学習生成モデルの一種である。本研究の目的は、SeqGANを用いて、人か機械、どちらが詠んだ俳句か判別しにくい俳句を生成することである。
著者
田中 誠也 磯田 弦 桐村 喬
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.100267, 2015 (Released:2015-04-13)

本報告では,観光行動を分析する手段としてSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の1つであるツイッターの位置情報付きの投稿データを用いて,アニメ作品のロケ地またはその作品・作者と関連性があり,かつファンによってその価値が認められている場所(「アニメ聖地」)と認められている地点と,アニメファンが多く参加すると考えられるイベントに注目して,聖地巡礼者の①発地と②訪問先を分析し,観光行動研究への活用を検討する.
著者
高木 健 木下 健 寺尾 裕 井上 憲一 田中 進 小林 顕太郎 山田 通政 高橋 雅博 植弘 崇嗣 内山 政弘 江嵜 宏至 佐藤 増穂 岡村 秀夫
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.132-132, 2006

この論文では、環境負荷の小さい基幹エネルギー源として、帆走型洋上発電施設を提案している。この施設は、台風を避けながらかつ好適風力を求めて日本のEEZ内を航行するのが特徴である。また、このコンセプトの目標として、水素社会が実現される頃に、環境負荷が最も少ない基幹エネルギーとして成立することを目指している。試設計によれば、この施設は台風を上手に避ける運動性能と、充分な強度を有することが判った。また、フィージビリティ・スタディによれば、この施設3900個で石炭から得られるエネルギーに相当する日本全体の発電量の18%のエネルギーを代替することができ、2002年のCO2レベルの10%を削減できることがわかった。

1 0 0 0 OA 物産寶庫

著者
田中芳男 編纂
出版者
小森頼信
巻号頁・発行日
vol.巻3, 1874
著者
志田 嘉次郎 浜垣 秀樹 小澤 徹 田賀井 篤平 藤田 宗孝 片山 武司 鈴木 美和子 東江 昭夫 森 君江 黒岩 常祥 田中 光明 植木 昭勝 田中 亘 中田 好
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学大学院理学系研究科・理学部廣報
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.22-34, 2000-03

停年を迎えるにあたって/志田嘉次郎先生を送る/退職にあたって思い出と感謝/小澤先生を送る/退官にあたって/藤田さんを送る/理学部での40年間を振り返って/鈴木美和子さんを送る/二つの幸せ/森さんを送る/数々の思い出から/田中さんを送る/退官にあたって/田中さんを送る
著者
田中 康博 瀬尾 龍太郎 永井 雄也 森 美奈子 戸上 勝仁 藤田 晴之 倉田 雅之 松下 章子 前田 明則 永井 謙一 小谷 宏行 高橋 隆幸
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.71-75, 2008 (Released:2008-03-01)
参考文献数
15
被引用文献数
2 2

症例は58歳の女性.31歳より全身性エリテマトーデス(SLE)および抗リン脂質抗体症候群(APS)のためprednisoloneとazathioprineを内服しSLEとAPSは安定していた.2004年10月,発熱を伴う感冒様症状が出現したので近医に入院.抗生剤は無効で血小板減少が出現したので,SLEの増悪との診断のもとステロイドパルス療法が施行された.しかし,汎血球減少へと進展したので当院へ転院となった.骨髄穿刺で血球貪食像が認められ,胸部CTで肺門部を中心とするスリガラス影が認められた.同日のcytomegalovirus (CMV) antigenemiaが陽性であった.以上より,CMV関連血球貪食症候群(hemophagocytic syndrome ; HPS)およびCMV肺炎と診断.azathioprineを中止しprednisoloneを減量してgancyclovirを開始.これにより解熱し汎血球減少は改善した.現在,外来通院中でCMV感染の再発を認めていない.SLEなどの膠原病にCMV関連HPSを併発することは稀であるため報告する.
著者
石井 史 屋代 庫人 田中 美紀 杉山 茂樹 橋本 洋
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 : 日本人間ドック学会誌 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.590-594, 2004-12-20
参考文献数
9

目的:炎症性腸疾患の患者は増加してきており,特に潰瘍性大腸炎は人間ドックの便潜血反応陽性を契機に発見されることがある.方法:ドックの便潜血反応陽性で発見された潰瘍性大腸炎の例を呈示し検討した.結果:ドックの便潜血反応陽性で大腸検査をした症例201人中の2例(1%)に潰瘍性大腸炎を認めた.この2症例はともに軽症例(直腸炎型,左側大腸炎型)であり,迅速に治療を開始し,治療経過は良好であった.診断後に問診を詳細に取り直してみると,潰瘍性大腸炎によると思われる症状があっても気付いていなかったり,血便は痔からによるものと自己判断していた.結論:便潜血反応検査は大腸癌のスクリーニングが主たる目的であるが,潰瘍性大腸炎症例の増加に伴い,ドックの便潜血反応陽性を契機に診断される症例が増えると予想される.潰瘍性大腸炎を無症状あるいは軽い症状で発見できることは有意義であり,ドックで行っている便潜血反応検査もその一助を担っていると思われる.