著者
石井 信之 木庭 大槻 許 多 佐藤 イテヒョン 清水 千晶 田中 俊 林田 優太郎 菅原 美咲 水野 潤造 武藤 徳子 鈴木 二郎 室町 幸一郎 下島 かおり 藤巻 龍治 宇都宮 舞衣 山田 寛子
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.38-43, 2020

<p> 目的 : 現在では, 歯科用実体顕微鏡や拡大鏡を使用した拡大視野下の長時間にわたる精密歯科診療が求められ, 歯科医師や歯科衛生士の正確な手技への支援や肉体的負担を軽減できる歯科診療支援システムの開発が必要とされている. 本研究は歯科診療アシストスーツを開発することで, 歯科診療の精密性向上, 診療成功率の向上, および歯科医師や歯科衛生士の肉体的負担軽減を目的とする.</p><p> 材料と方法 : 歯科診療アシストスーツの上腕負担軽減効果を解析するために, 表面筋電図による解析と定量評価機能を有した臨床シミュレーション装置を使用した臼歯部窩洞形成を実施した.</p><p> 結果 : 歯科診療アシストスーツを作動することで, 上腕二頭筋および上腕三頭筋の平均振幅値はいずれも有意に減少し, 上腕の負担軽減効果が認められた. 臼歯部窩洞形成の客観的総合評価は, 歯科診療アシストスーツ作動前と比較して作動後に有意な高得点を示した.</p><p> 結論 : 本研究で開発した歯科診療アシストスーツは, 上腕二頭筋と上腕三頭筋の緊張を軽減することによって, 診療精度の向上と長時間診療における術者の負担軽減を可能にする装置であることが示された.</p>
著者
田中 悟
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.139-160, 2009-06-30 (Released:2017-07-14)

子安宣邦による「国家神道」論が提起しようとした問題は、その後の議論において正当に受け止められたと言えるだろうか。本論文は、「国家」や「国民国家」といったタームを手がかりとして、「国家神道」をめぐる従来的な議論に若干の新たな認識視座を導入しようという試みである。宗教学的な「国家神道」研究はこれまで、「神道」研究(の一環)とみなされ、「国家」研究の側面が疎かにされてきた。しかし「国家神道」は、政治学的な「国家」の枠組みにおいても把握が目指されねばならない研究対象である。「神道とは何か」と同時に、「国家とは何か」が問われねばならない。「国家神道」は、両者の問いの相関として議論されねばならないのである。そこで筆者が提示しようとする「国家神道」の新たな認識視座とはすなわち、「国家とは何か」という問いをそれ自体としてまず直視し、「国家」と「神道」との相関を問う、関係論としての「国家神道」論である。
著者
田中 啓太
出版者
立教大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

ジュウイチは東アジアにのみ生息するカッコウ科托卵鳥で,ルリビタキなどの小鳥に卵を産み込み,雛を育てさせる.ジュウイチの雛は翼の裏側に口内と同じ色をした皮膚裸出部(以下翼角パッチ)があり,給餌にやってきた宿主にたいし,翼を持ち上げ,この翼角パッチをディスプレイするという,他の鳥類では確認されていない,非常に珍しい特徴を持っているが,これまでの研究からこのディスプレイは宿主により多くの餌を運ばせるための適応であり,ジュウイチの雛は翼角ディスプレイによって生育に十分な餌量を確保しているということがわかっている.これは恐らく宿主は翼角パッチと雛の嘴を区別できず,雛の数を実際よりも多いと錯覚してしまうためであると考えられる.本研究では宿主が実際に雛の数を多く錯覚しているのかどうかを検証した.これまでの観察から,ディスプレイされた翼角パッチの数が増加するにつれ,宿主が巣に滞在する時間が長くなるということが確認された.このことから宿主の在巣時間は提示されている数に対する特異的な反応であるということが考えられる.そこで,托卵されていないルリビタキの巣を用い,雛の数を人工的に増減させる実験を行った.現在までに得られている最新の成果を以下の国内・国外における学会にて発表し,議論を行った.7月23日より29日までフランス・トゥールで行われた国際行動生態学会第11回大会にて口頭発表『Does a Horsfield's hawk cuckoo chick deceive hosts numerically?』,8月13日より19日までドイツ・ハンブルクで行われた第24回国際鳥学会議にてポスター発表『Does a Horsfield's hawk cuckoo chick deceive host parents numerically?』,9月15日に盛岡大学農学研究科で行われたCOEフォーラムにて『ジュウイチの雛による宿主操作-鳥類における認知と寄生者による搾取-』,3月19日より23日まで松山大学で行われた日本生態学会第54回大会にてポスター発表『ジュウイチの雛による宿主操作:宿主は雛の数を認識しているのか?』を行った.また,9月15日より19日,盛岡大学で行われた日本鳥学会2006年度大会にて自由集会『統計モデルによるデータ解析入門:線形モデルとモデル選択』を企画し,講演『統計モデル入門』を行った.現在,宿主であるルリビタキの親鳥による数に対する反応と,ジュウイチに寄生されたときの行動に関し,宿主が自分の雛を育てているときの雛の数と,ジュウイチに托卵された場合の翼角パッチの数に対する反応を比較した論文を執筆中である.ここで用いられている寄生されていない巣における親鳥の行動は,実験を行っていない,自然状態でのものであり,実験処理に関してはまだ十分な例数は確保できていないため,今後も引き続き研究を継続していく.
著者
バトラー キャサリン 田中 美保子 香川 由紀子
出版者
東京女子大学
雑誌
東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.131-156, 2020-03

シリーズ作品を書くことには様々な難しさがある。とりわけボストンの「グリー ン・ノウ物語」("Green Knowe" books)シリーズのように、最初から計画されていたのではなく、成功したため、もともとは独立した作品からシリーズになったものはなおさらである。おそらく最も厄介な問題は、続編に前作との同一性と相違性という二つの相反するものが求められることをどう乗り越えるかであろう。一方、作者は、自分も読者も飽きないように、パターン化するのを避ける道を探る。本稿ではこの問題を「グリーン・ノウ」シリーズに照らして考える。特に、シリーズを通して見られる、文学ジャンルの変遷をたどることにより、ボストンの多彩さと、今まで明らかにされてこなかった技巧の様相を明らかにすることが可能である。ボストンは「グリーン・ノウ物語」で、シリーズであると意識させ続ける多くの方法をつくり上げた。まず、第一に、シリーズとしての同一性の要となるのは無論、6作品の舞台でありタイトルにもなっている館である。館は、単なる舞台という以上に、シリーズを通して様々な形で繰り返し現れる不安に対する心の拠り所、という役を務める。グリーン・ノウはいくつもの歴史をその中に抱く場所として描かれる。いわば時の貯蔵庫であり、物語と登場人物がほとんど自由にその中を行き来することができる。繰り返し登場する人物も、同一性維持のために重要な役目を担う。主には6作品中5作品に登場するオールドノウ夫人だが、主要な役割を4作品で果たすトーリーと3作品で果たすピンも少なからぬ役目を担う。他にも大勢が姿を現すか、もしくは、回想や昔話、会話を通じて繰り返し登場する。このように、人物だけでなく物や場所を再登場させることで、シリーズの世界の緊密さと堅固さが強調されている。一方、設定、テーマ、登場人物という点で「グリーン・ノウ物語」の同一性を維持しながら、ボストンが変化を取り入れていることも同等に見逃せまい。先に述べたように、実は、シリーズ全6作全てに登場する人物はいないからである。グリーン・ノウは常に主要な舞台に据えられているが、作品が焦点を当てる所は、その土地の中や周辺の特定の場所、すなわち、館、川、庭、トーズランドの茂み、もつれ島へと移り変わる。もう一つ、変化が取り入れられているのは時間である。言うまでもなく、作品は館の歴史上の様々な時代と関わる。主として現代、17世紀後半と18世紀、そしてロジャー・ドルノーのいたノルマン征服後の時代である。さらに、季節の変化もこのシリーズの特徴の一つで、第5作までで、冬(『子どもたち』( The Children of Green Knowe(1954)))春(『煙突』)、夏(『川』 と『お客さま』)、初秋(『魔女』(An Enemy at Green Knowe(1964)))を辿るが、ノルマンの少年ロジャー・ドルノーの視点で語られる最後の作品『石』(The Stones of Green Knowe(1976)) では、1年かけて館が建てられるのに合わせて、この季節の巡りが反復される。さらに、巻が進むごとに、描写される現代の時も先へ進む。また、登場人物の年齢にも重要な変化が明確にある。このように見てくると、ボストンは、22年をかけて書いた「グリーン・ノウ物語」6作品中で、同じ声、同じ館の物語としての安定性を維持しつつ、多様な文学ジャンルを用いて変化を付して、各巻ごとの魅力を創出していることが明らかになる。ボストンは、植栽やパッチワーク、いずれの芸術活動においても、変化と安定のせめぎ合いに鋭い感性を見せた芸術家であるが、創作活動においてもまた、同様の感性が発揮されているのである。そうした中から生まれた文章表現であることこそ、注目に価すると言えよう。
著者
田中 良明
出版者
南江堂
巻号頁・発行日
pp.47-51, 2021-01-01

Summary▪COVID-19ではさまざまな肺外症状を呈することが報告されている.▪ウイルスが標的の細胞を直接傷害して生じる可能性が高いものから,宿主免疫の影響,さらには血管内皮細胞傷害の結果生じる臓器障害など複数の機序が想定されている.▪肺外症状としては,COVID-19の症状で比較的特異度が高いとされている味覚・嗅覚障害,凍瘡様の皮疹や斑状丘疹に代表される皮膚症状,下痢などの消化器症状,一般的なウイルス感染でみられる頭痛・めまいから意識障害・脳卒中までみられる精神神経症状,心筋障害などの心血管障害,過剰な自然免疫の賦活化によるとされるmulti-system inflammatory syndrome in childrenなどがある.
著者
ジャリリナスラバディ サイード 糸井 龍一 ヴァルディマルソン ポール 藤井 光 田中 俊昭
出版者
日本地熱学会
雑誌
日本地熱学会誌 (ISSN:03886735)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.113-121, 2011-07-25
参考文献数
19

サバラン地熱地域はイラン国の東北部に位置し,現在開発が進められている。建設予定のシングルフラッシュ型発電所の分離熱水が有するエネルギーとエクセルギーは生産流体の全エネルギーおよび全エクセルギーのそれぞれ54.8%,41.4%を占める。分離熱水は複合発電および地域熱利用システムに利用することができる。この分離熱水活用のためにシングルフラッシュ型発電所と併せた複合発電システムとしてバイナリー発電を採用した場合のフィージビリティスタディをおこなった。その結果バイナリー発電所の出力として17,151kWが得られた。エネルギーおよびエクセルギーに関する数学モデルを構築し,それをソフトウェアEngineering Equation Solverを用いて解析を行った。その結果,凝縮器と蒸発器において最大のエクセルギー損失が発生し,エクセルギー全損失に占める割合はそれぞれ12.1%,33.4%である。バイナリー発電所のエネルギー効率およびエクセルギー効率は,それぞれ6.25%および34.4%である。さらに,グラスマン図を用いてバイナリー発電所内におけるエクセルギーの全体的な流れを示した。これらの結果より,エクセルギー解析を行うことは生産されたエネルギーを地熱発電所にて最適に利用するうえで有用であることを明らかにした。
著者
溝井 令一 植田 真一郎 田中 耕一郎 千葉 浩輝 奈良 和彦 山元 敏正
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.1-7, 2019 (Released:2019-08-26)
参考文献数
34

神経変性疾患の連続74例について気血水スコアを用い気虚,気鬱,気逆,血虚,瘀血,水滞の有無(証の病態6項目)を評価し,同年代のその他神経疾患の連続149例を比較対照として比較検討した。年齢,性別,重症度も共変量とした多変量解析の結果,神経変性疾患ではその他の神経疾患と比較して血虚,水滞,気鬱の順で関連性が高く,調整済みオッズ比(95%信頼区間)はそれぞれ3.02(1.43-6.48),2.37(1.13-5.11),2.33(1.01-5.44)だった。神経変性疾患と最も関連性が高い証は血虚であった。四物湯類(四物湯加減)の処方を考慮することは,患者の苦痛軽減に寄与できる可能性がある。自覚症状に加え脈候,舌候,腹候など東洋医学的な尺度を用いた治療効果の判定が必要である。
著者
富岡 直美 田中 智子 大野 宏之
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.44066, (Released:2020-12-22)
参考文献数
21

本研究は,USRへの意識を醸成するためにFD・SDで実施した教職協働初任者研修の実践とその評価を行うことを目的としている.研修は,大学の社会的価値を向上させる方法について初任教職員がディスカッションする形式で2019年2月に実施した.ルーブリック,アンケート,感想の記述を分析した結果,次の2点の成果が見られた.第1に,USRをベースとした研修内容により参加者が大学での仕事に社会的な価値を見出すことができたことである.このことは,「教職員のUSRへの意識を醸成することは,仕事の価値を感じることにつながる」という本研究の仮説を支持している.第2に,教職協働で多様な価値観を持つ人々と対話する研修方法により,参加者の視野を広げる機会となったことである.併せて,研修が初任者同士の感情の共有や情報交換の場としても機能したことも示唆された.
著者
田中 陽 佐古 博恒 齋藤 繁
出版者
Japan Society of Pain Clinicians
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.153-155, 2003-04-25 (Released:2009-12-21)
参考文献数
4

三叉神経第1枝の帯状疱疹では, ぶどう膜炎や角膜炎を合併することがまれではない. 今回われわれは, 3例の眼疾患を合併した症例を経験した. 第1例 (透析治療中の77歳の男性) は, 皮疹出現後8日目より角膜潰瘍とぶどう膜炎が発症し, 次第に悪化した. 第2例 (55歳の女性) は, 皮疹出現後8日目より角膜浮腫とぶどう膜炎が発症した. 第3例 (68歳の男性) は, 皮疹出現後15日目より表層性角膜炎と沈着物を伴う毛様ぶどう膜炎が発症し, これらの症状は次第に悪化した. 最初の2例においては, アシクロビル眼軟膏と抗菌剤の局所投与により次第に眼症状が改善した, 第3例目は, 眼症状は軽微で増悪はしなかった. 三叉神経第1枝領域の帯状疱疹では, その治療に際して眼症状の注意深い観察が必要である.
著者
田中 将大 幸田 泰則
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.704, 2011

頂芽優勢はIAAが側芽の休眠を誘導することにより生じ、CKはそれを打破する。IAAそのものは側芽の休眠を直接誘導できないことなどから、IAAは根で何らかのシグナル物質を生産させ、それが直接的に側芽の休眠を誘導している可能性が示され、その候補物質としてストリゴラクトンが単離された。我々はバレイショ根の抽出物中に種子発芽や側芽の生長を強く阻害する活性が存在することを見出した。しかし、純化過程での活性本体の挙動はストリゴラクトンとは異なるものであった。そこで、根で生成される側芽休眠誘導物質の単離を試みた。<br>[方法・結果] IAAは側根形成を促進し根量を増加させる。そこでIAA含む液体培地でバレイショ根を大量に単独培養し、抽出材料として用いた。一節を含むバレイショ茎断片を培地に移植すると頂芽優勢が打破され側芽が生長を開始する。この培養系を側芽休眠誘導活性の検定法として用いた。根の抽出物を溶媒分画法により分け、側芽休眠誘導活性を調べた結果、水溶性分画に強い活性が認められた。活性を指標として単離・精製を進めた結果、分子量434の物質が単離された。フラグメントパターンからこの物質は未知のものであると思われた。現在、この物質の頂芽優勢への関与を調べるため、IAAがこの物質の含量に及ぼす影響について検討中である。また構造決定を試みている。
著者
野中 洋一 角 真佐武 佐々木 裕亮 田中 将大 大橋 元一郎
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル
巻号頁・発行日
vol.26, no.8, pp.597-609, 2017

<p> 囊胞性聴神経鞘腫 (cystic vestibular schwannoma) は, 充実性聴神経鞘腫と比較して臨床像や腫瘍特性が異なり, そのため手術においては特有の難しさが存在するといわれている. それゆえ最大径が40mmを超えるような巨大囊胞性腫瘍の手術においては, 標準的なアプローチのみで切除することが困難な場合もある. Transmastoid approachは側頭骨錐体部を立体的に切削することで, 小脳の圧排なしに小脳橋角部へアクセスすることができる確立されたアプローチではあるものの, 解剖学的な制限のため術野としては決して広くはない. しかし側頭開頭や外側後頭下開頭などと組み合わせることで, 広範囲かつ多方向的な術野展開 (multidirectional approach) が可能となるため, 視認性や操作性の向上につながる. 本稿では巨大囊胞性聴神経鞘腫に対して用いたcombined transmastoid approachの有用性, 手術成績, 合併症などについて概説する.</p>
著者
森本 泰夫 三木 猛生 東 敏昭 明星 敏彦 田中 一成 向井 千秋
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.129-134, 2009-06-20 (Released:2009-06-24)
参考文献数
22

We reviewed the effect of lunar dust (regolith) on humans from technological and biological point of views. In physicochemical properties of lunar dust, hazard-related factors are that silicon occupies about 50 % in composition, and that fibrous materials and nanoparticles are included. Animal exposure studies have been performed using a simulant of lunar dust, and it was speculated that the harmful effect of simulant lies between crystalline silica (positive control) and titanium dioxide (negative control). Fibrous materials may not have low solubility judging from the component. The nanoparticle in lunar dusts may have harmful potentials by the components. In microgravity, the deposition of particles with less than 1 μm in human lung did not decreased, but the deposition of particles with diameter of several μm decreased linearly with reducing the gravity. In microgravity the functions of macrophage including phagocytosis were suppressed. These data on the deposition of particles and the function of macrophage suggested that fine and ultrafine particles may be accumulated in the lung in microgravity. The researches on lunar dust and microgravity are preliminary and very much limited, therefore it is necessary to perform lots of researches in this field.