著者
高田 文子 中村 建次 久米 茂行 田中 庸央 彦坂 治
出版者
[愛知県公害調査センター]
雑誌
愛知県公害調査センター所報
巻号頁・発行日
no.20, pp.52-57, 1993-03

トリクロロエチレン(TCE),テトラクロロエチレン(PCE)等の低沸点有機塩素系化合物の,底質からの抽出方法として,テフロン瓶とジルコニア球を組み合わせたセラミックハンドシェイカーによる,抽出条件の検討及び回収試験を実施した。底質にTEC,PCEの水溶液を吸着させた模擬試料を使用して検討した結果,分取時の揮散等の問題を除けば,ほぼ100%と満足できる回収率が得られ,実試料の分析に適用できると考えられる。
著者
森下 辰也 陶山 和晃 板木 雅俊 宮城 昭仁 阿南 裕樹 大曲 正樹 禹 炫在 田中 貴子 俵 祐一 神津 玲
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.317-322, 2020-12-25 (Released:2020-12-25)
参考文献数
19

【目的】後期高齢者の肺炎再発症による入院の割合,およびそれに関連する身体機能をはじめとする要因を明確にすることである.【方法】肺炎にて入院治療とともに,リハビリテーションを行った75歳以上の高齢者を対象に,対象者背景,肺炎重症度,認知機能,栄養状態,摂食嚥下関連機能,身体機能,呼吸機能を評価した.また,過去1年間の肺炎による入院既往の有無から再入院群と初回入院群に分類し,評価項目を比較検討するとともに,再入院に関連する要因を分析した.【結果】解析対象者は118例であり,再入院率は24.6%であった.再入院群,初回入院群間で性別,呼吸器疾患の併存,栄養状態(GNRI)に有意差を認め,呼吸器疾患の併存とGNRIが再入院の有意な要因として抽出された.【結語】後期高齢者における肺炎による1年間の再入院率は24.6%であり,呼吸器疾患の併存と低栄養状態が再入院に関連する要因であることが示された.
著者
熊原 秀晃 西田 順一 坂井 洋子 金平 真由美 金平 桂一郎 進藤 宗洋 田中 宏暁
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.251-261, 2014 (Released:2014-06-13)
参考文献数
27
被引用文献数
2

The purpose of this study was to investigate the effects of acute exercise mimicking boxing on affect and mood states. In a randomized crossover design, 16 adults (35.8±6.6 yrs) underwent both a boxing exercise program based on shadow boxing (Boxing) as well as a boxing program combined with a focus mitts workout (pad work) (Boxing+Mitts). The Waseda Affect Scale of Exercise and Durable Activity (WASEDA) and the Profile of Mood States-Brief Form (POMS-Brief) were administered before and after both exercise programs. There were no gender differences in any psychological scales before and after the programs as well as in heart rate during exercise. The Boxing+Mitts program tended to show a lower exercise intensity, defined as the percentage of the average heat rate reserve (HRR), than the Boxing program (40.4±13.3 vs. 50.4±17.5%HRR, p<0.10). However, both programs were considered to give a moderate level of exercise intensity on average, which is regarded as the minimum intensity required to improve individual cardiorespiratory fitness. The Boxing program significantly improved all 3 scales of negative affect, positive engagement and tranquility assessed by the WASEDA. Moreover, the POMS-Brief showed an iceberg profile after the program, which was followed by significant decreases in the scores of tension-anxiety, depression-dejection, anger-hostility and confusion, and a significant increase in the vigor score. In addition, a composite score of total mood disturbance calculated by summing the subscale scores changed in a positive direction. The Boxing+Mitts program was shown to lead to similar changes in the WASEDA and POMS-Brief. However, no significant program×time interactions (by two-way ANOVA) were observed in any of the scales. These results indicate that acute boxing-style exercise programs would improve negative psychological variables and enhance both feelings of pleasant activation, as well as relaxation. A further study is warranted to explore whether any long-term (chronic) effects on mental health exist, and to compare these programs with other modes of exercise.
著者
田中 敏弘 松山 康甫 神嵜 保成 嶽崎 亮
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1986, no.63, pp.1-10, 1986-06-01 (Released:2009-07-31)
参考文献数
7

凍霜害の程度とその後の整枝処理が茶芽の生育,品質に及ぼす影響を検討した。凍霜害の被害程度は,被害区分0 (被害率0%),I (同15~40%),II (同41~49%),III (推定50~75%),IV (推定76~99%),V (同100%)に分けられた。被害区分の異なる2.2~2.3期のやぶぎたと3,3葉期のゆたかみどりで,整枝区と無整枝区を設け,試験を行った。さらに,くりたわせで凍霜害を受けた新葉の葉傷み臭味を経日的に調査し,被害後15日目に品質,市場評価を行った。1) 被害区分I~IVにおいては,やぶきた,ゆたかみどりとも無整枝区が整枝区に比べ,新芽数,枠内新芽重収量が明らかに多く,製茶品質でもすぐれ,粗収益も多かった。2) 被害区分Vにおいては,やぶぎたの整枝区が無整枝区に比べ収量,製茶品質,粗収益でややすぐれたが,新芽の生育で は差異が認められず,ゆたかみどりでは両区ともほとんど差は認められなかった。3) 摘採期は整枝することにより概して遅れ,この程度は被害が弱いほど大ぎく,被害区分Vでは差異がなかった。また,粗収益も整枝処理により概して少なくなり,この減収割合も被害が弱いほど大きく,Vでは差異はなかった。4) 凍霜害後の葉傷み臭味は,2日目以降では経日的に軽くなるようであるが,枯死芽の混入割合が80%程度であると19日目において葉傷み臭味がやや残った。しかし,摘採時に20%程度の枯死芽を含んでいた製品は,凍霜害後15日を経過すると無被害の約70%の市場評価額であった。5) 以上の結果から2.2~3.3葉期において,凍霜害が新芽の全てについて上部より1~2節目で褐変した程度であれば,その後の対応としては整枝するより放任の方が適当と考えられる。なお,摘採時には,枯死芽をなるべく混入させないで収穫することも品質上効果があると考えられる。本試験に関して,農林水産省茶業試験場茶樹第3研究室長青野英也氏,当時当場栽培研究室長(現大隅支場長)の岡本信義氏の助言をいただき,官能審査に当っては加工研究室の松久保哲矢,花田十矢,大城光高,佐藤昭一の各氏のご協力をいただいた。ここにお礼申し上げる。
著者
長澤 孝真 田中 裕有 関本 征史 根本 清光 出川 雅邦
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第39回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.P-162, 2012 (Released:2012-11-24)

【目的】CYP3A4遺伝子の発現はプレグナン X受容体(PXR)やビタミン D受容体(VDR)により、それぞれ正の制御を受けることが報告されている。しかし、CYP3A4遺伝子発現におけるこれら受容体の相互作用については未だ明確にされていない。最近、我々はPXRやVDRの活性化を介してLuciferaseを発現するHepG2由来レポーター細胞株(HPL-A3)の樹立に成功した。そこで、本研究では樹立したHPL-A3株を用い、PXR活性化剤とVDR活性化剤のそれぞれ単独、あるいは複合処理によるCYP3A4遺伝子発現への影響を検討した。【方法】PXR活性化剤としてRifampicin(RIF)を、また、VDR活性化剤として1,25-dimehydroxyvitamin D3(VD3)を用いた。HPL-A3細胞に対し、RIF(1 µM)とVD3(0.1 µM)をそれぞれ単独あるいは複合処理し、PXR/VDR活性化(CYP3A4プロモーター活性化能)への影響をLuciferase assayおよびReal time RT-PCR法を用いて測定した。【結果】RIF単独処理では72時間まで経時的に、またVD3の単独処理では24時間をピークとして、LuciferaseおよびCYP3A4遺伝子の有意な発現誘導が観察された。また、これら発現量はRIFとVD3を24時間複合処理することで相加的に増加した。【考察】以上の結果より、PXRリガンドとVDRリガンドの複合暴露により、CYP3A4プロモーター活性化が相加的に増強されることが明らかとなった。CYP3A4酵素は異物(医薬品を含む)の代謝に関わる主要酵素であり、その発現変動は異物の薬効・毒性発現に大きな影響をもたらす。したがって、適切な薬物治療や人の健康維持(異物の安全性・毒性評価)を考える上で、環境化学物質(医薬品を含む)のPXR活性化能やVDR活性化能について検索・評価し、さらに、その相互作用についても考慮することが重要であると考えられた。
著者
田中 雅章
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.23-27, 2021-01-01 (Released:2021-01-01)

看護系専門学校では,平成27年度よりデジタル教科書を導入した。1年間で使用する全教科書50冊のうち,専門科目を中心とした39冊でデジタル教科書を導入した。開講される授業の約80%でデジタル教科書を使った授業が行なえるようになった。彼らはほとんどのデジタル教科書の機能,特に付箋機能を使用していた。全ての教科書のデジタル化を希望する学生は,従来の紙の教科書を希望する学生よりもデジタル教科書の機能をより深く理解して活用していた。
著者
大西 奈保子 小山 千加代 田中 樹
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.113-122, 2020 (Released:2020-09-01)
参考文献数
21

目的:本研究の目的は,死別前から死別後を含めて,在宅で妻を介護した夫の看取りの特徴と訪問看護師の支援について明らかにすることである.方法:在宅で妻を介護した夫を妻の生前からケアした経験のある訪問看護師9名にインタビューを行い,その内容をグラウンデッド・セオリー・アプローチを参考に分析を行った.結果:その結果,在宅で妻を介護した夫の看取りの特徴は,【夫婦のありよう】【非日常的生活の継続】【つながりの薄さ】【抑え込まれた悲しみ】の4カテゴリ,夫への訪問看護師の支援は,【非日常的生活の中での看取りを支える】【抑え込まれた悲しみからの回復を促す】の2カテゴリで構成された.結論:特に妻との死別後,夫が悲嘆から回復し,生活再建に取り組むようになるためには長い夫婦生活の中で育まれた【夫婦のありよう】が重要と考えられ,訪問看護師は看取りの時期に【夫婦のありよう】に添いながら,夫婦が望む看取りのあり方を実現できるように支援していくことが必要と示唆された.
著者
升井 洋至 片寄 眞木子 坂本 薫 田中 紀子 原 知子 本多 佐知子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.195, 2010

【<B>目 的</B>】現在、平成21、22年度日本調理科学会特別研究として全国統一様式を用い、行事食についての認知状況、摂食状況等を調査中である。今回は特に年末年始の行事食について、兵庫県の大学生の家庭における現状を把握することを目的とした。<BR>【<B>目 的</B>】日本調理科学会近畿支部担当の調査区域内(大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、和歌山)で実施した2499名の調査データ中、兵庫在住者534名を対象とした。年末年始の行事食として、屠蘇、雑煮、お節料理、七草粥、年越しそば等を取り上げ、認知度、食経験について集計を行った。<BR>【<B>結 果</B>】調査対象者の性別は女性464名、男性70名であった。「屠蘇」においては52%が未経験であり、毎年喫食をする割合は19%であった。「雑煮」では83%が毎年喫食し、80%が家庭で調理、すましと白みそ雑煮の割合はほぼ等しく、両方を食べるものが9%であった。餅の形では「丸もち」の使用が多かった。雑煮以外の餅料理として「焼き餅」「きな粉餅」等があげられていた。「小豆飯・赤飯」の正月における喫食は10%で、お節料理中「なます」(68%)以外、「黒豆」「数の子」「田作り」等は75%以上の喫食経験があり、「昆布巻き」は毎年食べる割合が低かった。魚・肉料理の喫食状況は、えび、ぶり、鯛および牛、鶏、豚の順に多く食されていた。「七草粥」については86%が認知しているが、経験は60%で「毎年食べる」28.5%、「時々食べる」15.7%であった。食材はせり・なずな等の青菜を中心とするものが多かった。大みそかでは「年越しそば」(93.8%)の喫食経験に対し、「年取りの祝膳」(12.7%)、「尾頭つきいわし料理」(7.8%)の喫食経験は低かった。現在、喫食状況の変化、入手方法等の面からも検討している。
著者
濵田 直人 原田 真二 本田 ゆかり 河﨑 靖範 槌田 義美 田中 智香 山鹿 眞紀夫
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.B0244, 2008 (Released:2008-05-13)

【目的】 当院では早期の移動能力獲得を目的に脳卒中患者に対して積極的に下肢装具を使用しており、患者や理学療法士にとっての即時性や利便性を考え、テスト用装具として各種の長下肢装具(以下KAFO)、短下肢装具(以下AFO)15種類を常備している。理学療法士は、患者の病態に適した装具が処方されるように各種特色のあるテスト用装具を試す事ができるが、多種類の下肢装具の中から最適な装具を選定するのに迷う場合も少なくない。そこで今回、院内の装具使用の標準化を図り、装具選定を行う際の指標となるような脳卒中下肢装具アルゴリズム表(以下アルゴリズム表)を試作し、その有用性を検証したので報告する。【対象】 平成19年4月1日~10月31日の間に、当院回復期病棟入院中の脳卒中患者125名のうち下肢装具が処方された延べ75名を対象とした。【方法】 1)アルゴリズム表の作成にあたり、過去の文献を参考として各種テスト用装具の機能的特徴、適応病態等をまとめた。脳卒中患者では病態による個人差が大きいので、アルゴリズム表の選択項目に身体状況や生活環境等を加えた。更に、過去に当院に入院していた脳卒中患者の装具処方時の情報を参考にした。 2)アルゴリズム表の有用性をみるため、選択された装具と実際に処方された装具の合致率を調査した。また、非合致例はその原因を自由記載した。【当院に常備するテスト用装具の種類】 1)KAFO type(計2種類); Ring lock継手・SPEX継手 2)AFO type(4分類、計13種類); 1.金属支柱付(1種類) 2.プラスチック前方支柱型(3種類) 3.プラスチック後方支柱型(3種類) 4.継手付(6種類) 【結果】 1)アルゴリズム表の選択項目を身体機能(Brunnstrom stage、筋緊張の程度、関節可動域、感覚障害等)、歩容、装具の使用環境、高次脳機能障害等とし、患者の病態を照らし合わせることで装具選定できるようにアルゴリズム表を試作し、通常の訓練、装具回診時に活用した。 2)合致率は79%{KAFO;81%、AFO4分類(1.金属支柱付 2.プラスチック前方支柱型 3.プラスチック後方支柱型 4.継手付);76%}であった。【考察】 試作したアルゴリズム表は、KAFOやAFO4分類の合致率は比較的高値を示しており、当院における装具選定の標準化が図れたと考えられる。また、簡易的ではあるが装具の特徴を理解する事ができ、装具選定の際の指標となり業務改善につながると期待される。しかし、非合致例の原因として装具への工夫、病態の予後予測、退院後の生活環境等の考慮が不十分であった事が挙げられた。アルゴリズム表の選択項目を追加修正し、より信頼性の高いものに改訂することが今後の課題と考えている。
著者
森 康男 西村 尚己 佐藤 久嘉 田中 聖人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.524, pp.23-35, 1995
被引用文献数
3

最近, 高速道路の景観設計が盛んに行われているが, それらの成果が高速道路の一般利用者や沿道に住む人々にどう評価されているかは十分に調査されていない. 本論文では, 外部景観を構成する代表的な構造物を景観評価対象として取り上げ, それらに対する計量心理学的調査を行い, 沿道の人々の評価傾向を分析し, 技術者のそれと比較し, 一般の人々の求めている景観設計の方向を考察する.
著者
田中 彌太郎 リオ ナタリアデル
出版者
水産増殖談話会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.58-59, 1978

1977年1月, 島根県産イタヤガイ母貝の温度刺激による産卵誘発結果から, 本種は自家受精が正常におこり, それによってふ化したD型幼生は特定の餌料生物を摂取して十分に生長することおよび変態期における幼生の交装をふくむ形態観察から, 天然における本種幼生の同定が可能であることを示した。
著者
田中 康仁 小谷 通泰 中村 賢一郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
no.22, pp.715-722, 2005

環境悪化や交通混雑などの貨物車に起因する問題を緩和するための一方策として、配車・配送計画の最適化による貨物車交通の削減が挙げられる。そこで本研究は、運転者の作業状況とリンクした貨物車両のプローブデータを用いて、配車・配送計画作成のために必要となる、貨物車の配送活動に関する基礎的な特性を詳細に把握した。具体的には、中長距離による2地点間輸送と短距離による多地点配送を行う事業形態の異なる2事業者にわけて、運行パターンや走行経路、配送箇所数といった基本特性を把握するとともに、配車・配送計画を構築する上で重要となる、(1) 走行速度の変動、(2) 目的施設への到着時刻の分布、(3) 荷捌き所要時間の分布、(4) 目的施設到着の定時陸確保のための行動特性、を明らかにした。