著者
三浦 於菟 河野 吉成 板倉 英俊 田中 耕一郎 橋口 亮
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.120-132, 2011 (Released:2011-07-08)
参考文献数
37
被引用文献数
1 1

感冒147例の東洋医学的病態像を検討した。問診票と東洋医学的診察により,以下の三群に分類して証に合わせた漢方方剤を投与し,発病時期・主訴・自他覚症状・体質などを比較検討した。(1)風寒感冒は42.9%で葛根湯・桂枝湯が多用された。冬季に好発し夏季に少なく,胃弱者や冷え性体質者が多かった。悪寒(主訴に多い)・四肢冷感などの表寒証が特徴的症状で,浮脈以外の他覚症状は少なかった。(2)風熱感冒は46.3%で,銀翹散が多用された。春季に好発し秋季にもみられ,暑がりや壮健体質者がやや多かった。咽頭痛(主訴に多い)・咽頭発赤・熱感・熱感触知・冷水を好む口渇などの表熱証,裏熱証,乾燥症状さらに少数の寒証症状など多彩な症状がみられた。(3)その他は10.9%で駆風解毒湯が多用され寒熱錯雑証と考えられた。
著者
田中 晃
出版者
九州帝国大学
巻号頁・発行日
1944

博士論文
著者
田中 冬彦 山形 浩一
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
応用数理 (ISSN:24321982)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.2-10, 2018 (Released:2018-09-30)
参考文献数
38

In modern statistics, various problems in statistical inference are formulated in statistical decision theory. Quantum analogue of the theory was first established by Holevo in 1973. After the emergence of quantum information science in 1990s, many theoretical analyses have been developed in his framework. We introduce quantum minimax theorem and quantum local asymptotic normality as recent fundamental results. We also present an attempt to modify Holevoʼs naive framework for practical application. As shown in an illustrative example, such a modification would allow us to design better experiments in quantum physics.
著者
田中 宏和
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2019年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.317-320, 2019-12-25 (Released:2019-12-23)

多くの企業では働き方改革の必要性が求められている。しかし、その多くは残業時間の短縮や福利厚生の充実に力点が置かれており、個人が自分らしく生き生きと働くことに対する配慮はあまりなされていない。本来、組織は利益を追求するために個人の組織化を行うため、個人が自分の人生のなかで自己を探求し成長していく過程については組織マネジメントの対象とはなっていない。そこで、本研究では、先行研究である内容モデルと過程モデルをもとに、組織マネジメントに埋め込むべき、自己探究モデルを考察する。
著者
孔 鎭烈 田中 隆充
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.3_1-3_10, 2020-01-31 (Released:2020-02-25)
参考文献数
10

本稿は,菓子等のパッケージに多く用いられる「帯紙」のプロポーションの好みについて,実験を行いその結果を検証し評価した.上述の帯紙は掛け紙とも呼ばれ,商品(箱)全体を包むことができる大きいサイズから紐のような小さいサイズまで様々であり,視覚的概念表現の規定はない.多くは,作り手,売り手が買い手の好みを体験的,感覚的に決めており,上述の帯紙に関して買い手の好みを学術的な側面からアプローチしている研究はない.本研究では,10 種類のアスペクト比のサイズの箱に帯紙を貼付しそのアスペクト比を用いて実験し,検証の結果,被験者の感覚的反応による視覚的対象の数的規則性を求めることができた.多くの被験者はパッケージの箱と見立てた平面状の長方形(以後設定条件と言う)に対して帯紙の割合が60%〜70%を占めるプロポーションが最も好むプロポーションであることが分かった.その反面,設定条件に対して帯紙の幅が細いプロポーションには好みが低くい結果になった.菓子等のパッケージで用いられる帯紙は買い手に対し視覚的効果が大きいため,そのサイズの効果を応用することで,今後のパッケージングデザインの考え方の一助になると考える.
著者
山元 ひかり 入鹿山 容子 石川 有紀子 滑川 由紀子 根本 剛 田中 大夢 高橋 元樹 柳沢 正史
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学会年会要旨集 第93回日本薬理学会年会 (ISSN:24354953)
巻号頁・発行日
pp.1-SS-05, 2020 (Released:2020-03-18)

Loss of orexin-producing neurons in the lateral hypothalamus causes the chronic sleep disorder narcolepsy-cataplexy. Narcoleptic humans suffer from two major symptoms, excessive sleepiness and cataplexy in the active phase, and these symptoms in mouse models are manifested as sleep/wakefulness fragmentation and SOREMs (direct transitions from wakefulness to REM sleep), respectively. The neuropeptides orexin-A (OXA) and orexin-B (OXB) act on two receptors orexin type-1 receptor (OX1R) and orexin type-2 receptor (OX2R). Orexin receptor agonists are expected to be of potential value for treating human narcolepsy. Here, to confirm the fundamental strategy aimed at improving narcoleptic symptoms, we examined the association between orexin receptor subtypes and these symptoms by intracerebroventricular (ICV) administration of the OX2R-selective agonist [Ala11, D-Leu15]-OXB in orexin knockout mice. OXA and [Ala11, D-Leu15]-OXB similarly decreased the number of SOREMs. Further, transition frequencies between NREM sleep and wake states in narcoleptic model mice were similarly decreased. We confirmed in vivo that [Ala11, D-Leu15]-OXB did not activate OX1R-expressing LC noradrenergic neurons by Fos staining. Therefore, OX2R-selective agonism is sufficient to ameliorate narcoleptic symptoms, both cataplexy and fragmentation of wakefulness in model mice. Activation of LC noradrenaline neurons expressing OX1R are not essential for suppression of these symptoms.
著者
北元 憲利 田中 智之 加藤 陽二 辻 啓介
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.86-92, 2000-10-28 (Released:2017-12-01)
参考文献数
13

こんにゃくは、水酸化カルシウム溶液に浸されたアルカリ性を呈する食品であるが、腸管出血性大腸菌O157との関わりを検討した報告はない。そこで、本研究では、こんにゃく液中におけるO157の生存状況と、こんにゃく液の抗菌効果(静菌作用あるいは殺菌作用)について検討した。こんにゃく液はいずれもpH12前後であり、この高いpH域では、O157は反応させるだけで検出限界までに激減することがわかった。初発菌数が多い場合でも1日の反応(保存)でほとんどが死滅した。また、この抗菌作用は大腸菌の株による違いや温度差には影響されなかった。一方、食中毒菌であるサルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌および黄色ブドウ球菌についても同様に比較検討したところ、こんにゃくの液の抗菌効果は、O157と比べると同等かあるいはやや弱いようであった。しかし、これらの食中毒菌もこんにゃく液中では時間とともに減少し、2〜3日後ではほとんどが死滅することが判明した。さらに、市販こんにゃく液中の細菌の存在有無を検討したが、調べた限り、開封直後のこんにゃく液中には菌は検出されなかった。以上の結果から、こんにゃく液は衛生学的に安全性の高いことが証明され、静菌作用(菌の増殖抑制・阻害作用)というよりは、殺菌作用(生菌数の低減化作用)をもつことが明らかとなった。こんにゃくのような高アルカリ性呈示食品は、少数の生菌数の摂取でも発症するような腸管出血性大腸菌O157などの感染症防止に対しても、大きな役割を果たしているものと考えられる。
著者
田中 和子 亀田 温子
出版者
国学院大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

すでに計画調書に明記したように, 本研究は「性差別意識」の構造的解明への第一歩を踏み出す試みであった. 昭和61年度には, 女性社会学, 帰属理論, 情緒社会学, 世代論等, 性差別意識や性別役割分業にかかわる理論的・実証的文献研究の成果をふまえて, アンケート調査およびインタヴュー調査を実施した. これを受けて昭和62年度には, 補足アンケート調査およびインタヴュー調査を遂行するとともに, 収集した調査資料の分析を行なった. ここで得られた知見の主要なものは, 以下のとおりである.1.国際的規模での性役割の流動化を背景に, 日本の大学生のあいだでは, 古典的な意味での性差別意識を持つ層は, もはや少数派となっており, 女性の社会進出も, 少くとも一般論の事柄にとどまる限りにおいては肯定的に受けとめられている.2.しかし, 性別役割分業意識は依然として根強く, しかも性役割の不均等配分が性差別としては意識されにくいという状況が現出している.3.上述の不均等な性役割の配分は, 旧来の男尊女卑思想やストレートな生物学的決定論に依拠することによってではなく, 能力や効率性, 好き・きらいといった選好など, 性別以外の要因に帰属させることによって合理化・正当化され, 結果的に性差別が容認されていく.4.社会一般の事象という水準では着々と進みつつあるかにみえる性役割の流動化も, 問題設定が被調査者にとってより身近なレベルに及ぶにしたがってその度合が減じる. 今回の調査結果から, 両性の日常的関係性にまでおよぶ性別役割分業の変容には, さらにかなりの時間がかかることが予測される.
著者
田中 正和 福井 正博
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.1323-1329, 2002-05-15

リーフセルの回路最適化において,性能および面積の観点からトランジスタの折り返し段数を最適化する手法について記述する.従来のトランジスタの性能最適化手法では,サイズすなわちゲート幅のみが最適化の対象であり,折り返し段数はレイアウト設計時に性能を考慮せずに決定されていた.一方,本手法では,トランジスタの拡散共有や折り返しが性能および面積に与える影響を推定する手法を利用し,性能最適化の観点からトランジスタサイズだけでなく折り返し段数をも決定する手法について記述する.実験の結果,トランジスタサイズのみを最適化した場合と比較して,ライブラリセルの遅延を最大15%改善できることが分かった.
著者
島村 孝平 下條 冬樹 田中 成典
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.145-155, 2019

<p>分子動力学(MD)法は,原子毎に立てられたNewtonの運動方程式を逐次的に解くことで系全体の原子ダイナミクスを追跡できる計算機シミュレーション手法であり,ミクロな現象の解明に役立つことから材料分野や生物分野では標準的な手法として認識されている.近年,人工ニューラルネットワーク(ANN)の万能近似性を活用して,従来のMD法が抱えていた精度と計算コストの難点を克服するANN原子間相互作用ポテンシャル(ANN potential)の開発が活発に行われ新局面を迎えている.本稿では,ANN potentialの基本的なアルゴリズムについて,応用例を交えながら,現在直面している回帰学習のデータ不均衡問題などの解決すべき課題について述べる.</p>
著者
上野 香奈 美濃口 健治 河野 泰郎 小田 成人 和田 記代子 宮本 正秀 横江 琢也 橋本 直方 美濃口 秀子 田中 明彦 國分 二三男 足立 満
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.565-570, 2002-07-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
21
被引用文献数
1

アレルギー性鼻炎は,気管支喘息の増悪要因であることが示唆されている.そこで今回,スギ花粉症が成人気管支喘息におよぼす影響について検討した.当科外来通院中の成人気管支喘息患者333名中116名(34.8%)にスギ花粉症が合併していた.スギ花粉飛散期に喘鳴,呼吸困難,咳嗽,喀痰などの喘息症状が悪化するかを問診したところ,スギ花粉症を合併している116名の成人気管支喘息患者のうち41名(35.3%)の患者が,何らかの喘息症状が増悪すると回答した.喘息症状が悪化すると回答した41名中13名(スギ花粉症合併気管支喘息患者の11.2%)の患者は実際にスギ花粉症状出現後,朝のピークフロー値がスギ花粉飛散前と比較して平均10%以上(平均56.2L/min)低下した.スギ抗原特異的IgE値やヒスタミンに対する気道過敏性は,スギ花粉飛散期に喘息症状が増悪する群としない群との間に有意差は認められなかった.以上より,一部の成人気管支喘息患者では,スギ花粉飛散期に気流制限が認められることから,スギ花粉症は気管支喘息の増悪要因の一つであることが示唆された.
著者
鈴木 和博 SUZUKI Kazuhiro 束田 和弘 TSUKADA Kazuhiro 田中 剛 TANAKA Tsuyoshi
出版者
名古屋大学博物館
雑誌
名古屋大学博物館報告 (ISSN:13468286)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.9-13, 2009-12-25

中部地方の西南日本外帯の先白亜系に ついて,愛知県豊橋市から浜名湖西方に いたる地域では,秩父帯のジュラ紀付加 コンプレックスが広く分布し比較的よく 研究されている(水垣,1985; 池田, 1990;家田・杉山,1998;丹羽・大塚, 2001;Niwa and Tsukada,2004; 堀, 2004a,b,c,2008).一方,その西方延 長にあたる渥美半島では,先白亜系は第 四系によってほとんど覆われておりあま り研究が進んでいない.渥美半島の愛知 県田原市蔵王山(Fig. 1)には秩父帯のジュラ紀付加コンプレックスが小規模に露出するが,今回, 蔵王山西斜面に露出する付加コンプレックス中の石灰岩ブロックから,後期三畳紀のコノドント化石 を見いだした.この石灰岩体の時代は,渥美半島における秩父帯の構造区分の上で重要と思われるの で,ここに報告する.
著者
陶山 和晃 田中 貴子 石松 祐二 澤井 照光 神津 玲
出版者
特定非営利活動法人 日本禁煙学会
雑誌
日本禁煙学会雑誌 (ISSN:18826806)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.55-62, 2019-09-27 (Released:2019-10-25)
参考文献数
19

【目 的】 非喫煙の妻が夫からの環境タバコ煙(ETS)にどの程度曝露するとCOPD発症リスクが上昇するのか検討すること。【方 法】 対象は2015年5月~2016年12月の間に長崎県内で実施されたCOPD検診の参加者1,633名のうち、夫が喫煙経験者と答えた40歳以上の非喫煙女性とした。調査項目はCOPD問診票(IPAG)、ETS曝露歴指数(夫の1日の喫煙本数×喫煙中の同居年数)、呼吸機能(FEV1/FVC)とし、IPAGが17点以上かつFEV1/FVCが70%未満の者をCOPD疑いとした。【結 果】 解析対象者は308名、COPD疑いは20名(6.5%)であった。ETS曝露歴指数において、COPD疑いとなるカットオフ値は735となり、有意な判別能を検出した(感度:0.80、特異度:0.78、曲線下面積:0.85、p<0.001)。このカットオフ値は他の交絡因子を調整した後もCOPD疑いに影響を与える有意な因子であった(オッズ比:13.12、95%信頼区間:4.11–41.86)。【考 察】 妻のETS曝露歴指数が735を超えるとCOPD疑いの可能性が高く、本指数が妻のCOPD発症リスクの有用な指標となることが示唆された。
著者
脇坂 真美 宋 一大 田ヶ谷 浩邦 藤田 朋恵 前田 実花 野村 今日子 小林 真美 山本 明子 坂本 泰理 田中 理英子 熊谷 雄治
出版者
一般社団法人 日本臨床薬理学会
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.243-248, 2015-09-30 (Released:2016-01-15)
参考文献数
15

The aim of the present trial was to compare the sedative effects of second generation antihistamines in healthy adult male volunteers. This randomized, double-blind, cross-over clinical trial compared the effects of single doses of olopatadine 5 mg, ketotifen fumarate 1.38 mg, fexofenadine 60 mg, and placebo on psychomotor function in 15 healthy male subjects who gave written informed consent for participation in the study. For each sedative, sleep latency time was measured using the multiple sleep latency test (MSLT); and psychomotor function was measured by thresholds of critical flicker fusion (CFF), the digit symbol substitution test (DSST), and a Straight line Analog Rating Scale (LARS). Measurements were performed before and 2, 5, and 8h after drug administration. The differences between the drugs and placebo were analyzed by repeated analysis of variance (ANOVA) and paired t-tests as appropriate. Intergroup differences in baseline values of all parameters were not significant. Ketotifen induced the shortest sleep latency at 2h (p=0.03 vs. fexofenadine, p=0.03 vs. olopatadine) and 5h (p=0.04 vs. fexofenadine) after administration. Ketotifen also showed the most prolonged recognition (CFF down) at 2h (p<0.001 vs. fexofenadine, p=0.03 vs. olopatadine) and 8h (p=0.01 vs. fexofenadine). Olopatadine showed a more prolonged recognition than fexofenadine at 2h (p=0.03). Ketotifen induced the greatest decline in concentration and cognitive function at 8h (p=0.03) according to DSST. The drugs affected objective psychomotor function without causing subjective symptoms as shown by no significant differences in LARS score. The study indicates that the extent of impaired performance, an important adverse drug reaction, may differ even among second generation antihistamines.
著者
門脇 秀策 田中 啓陽
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.61-65, 1993-03-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
9

本研究は熊本県天草郡のクルマエビ養殖場で得た1988年および1991年のそれぞれ4月から11月までの観測資料を解析して, クルマエビ養殖場の水温および透明度に視点を置いて, クルマエビの成長速度との関係から水質評価を試み, 次の知見を得た。1) クルマエビの成長が通常の成長曲線として, ブリの成長解析に用いた井上・田中の式を用いて解析し, 種類によって決まる定数γ=0.50を定めた。2) 水質要因に係わる定数λ値の上限値を対象にみれば, λ値は水温とともに高くなり, 水温27~28℃で最大値が得られ, 29℃以上では急減する傾向がみられた。これらの結果は現場における経験的な知見とよく合致する。3) 透明度が50cm以下ではλ値は大きな変化はないが, 50cm以上ではλ値は減少の傾向を示した。この結果から, クルマエビ養殖池の透明度は50cm以下に保持することがクルマエビの良好な成長を期待し得ると考えられる。以上の結果から, クルマエビ養殖現場における透明度の測定は水質評価のうえで有効な指標になり得ると思われる。