著者
田中 和宏 井口 寿郎 川畑 明治 山下 光則 川野 洋 今村 一秋
出版者
日本暖地畜産学会
雑誌
西日本畜産学会報 (ISSN:09143459)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.23-30, 1996-08-01 (Released:2010-08-25)
参考文献数
11

搾乳牛の分娩時期によって泌乳曲線がどのように変化するかを考察する目的で, 分娩月別泌乳曲線を作成し, 分娩月別の乳牛による夏期における生産性や経済性を検討した。初産, 経産牛ともに4~8月分娩牛はピークのほとんどない泌乳曲線になり, 特に乳量水準の高い8, 000kg以上の牛で5~8月分娩牛になると乳量水準も低くなった。2~4月分娩牛の305日生産乳代がもっとも高く, 5, 6月分娩牛がもっとも低く, 8~12月分娩牛は夏期乳生産にほとんど貢献していなかった。結論として夏期需要期における乳生産のためには, 分娩時期を考慮することが必要であり, 経済性と繁殖サイクルを含む生産性から考慮すれば, 夏 (5~7月) 分娩は望ましくなく, それよりやや早い2~4月分娩の方がより望ましいと考えられる。
著者
関野 有紀 濵上 陽平 田中 陽理 坂本 淳哉 中野 治郎 沖田 実
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Ae0045, 2012 (Released:2012-08-10)

【はじめに、目的】 不動によって痛みが発生することはヒトおよび実験動物モデルを用いた報告等により周知の事実となりつつある.また,慢性痛の病態のひとつである複合性局所疼痛症候群(CRPS)に関する国際疼痛学会(IASP)の診断基準には患肢の不動の有無が掲げられている.所属研究室の先行研究により,ラット足関節不動化モデルにおいて不動期間が8週間におよんだ場合,中枢神経系の感作を含む慢性痛を呈するが,不動期間が4週間の場合は痛覚過敏のみで,中枢神経系の感作は認められないことが明らかとなっている.このことから,不動に伴う初期の痛みの原因は皮膚,末梢神経を含む末梢組織にあると推測され,実際に,ラット足関節不動化モデルの足底において表皮の菲薄化や末梢神経密度の増加が認められたことをこれまでに報告した.しかし,これらの皮膚組織の変化と不動に伴う痛み発生との関連性は未だ明らかにできていない.よって,本研究の目的は皮膚組織に着目し,その変調をさらに詳細に解析することにより,不動に伴う痛み発生メカニズムを探索することである.【方法】 実験動物には8週齢のWistar系雄性ラット20匹を用い,4週間通常飼育する対照群(n=10),右側足関節を最大底屈位にて4週間ギプス固定する不動群(n=10)に振り分けた.実験期間中、機械的刺激に対する痛みの指標としてvon Frey filament testを実施し,足底部にfilamentで刺激(4,15g ;各10回)を加えた際の逃避反応をカウントした.また,熱刺激に対する痛みの指標として足背部の熱痛覚閾値温度を測定した.すべての測定とも週1回の頻度で経時的に行い,測定は覚醒下でギプスを除去して行った.実験期間終了後,ラットを4%パラホルムアルデヒドで灌流固定し,足底部中央の皮膚組織を採取した.組織試料は急速凍結させた後に凍結切片とし,以下の検索に供した.まず,HE染色を施した切片を用いて表皮厚を計測した.次に,免疫組織化学的染色により末梢神経(A線維,C線維)を可視化し,表皮層下におけるそれぞれの末梢神経密度を半定量化した.さらに,Nerve growth factor(NGF)に対する蛍光免疫染色を行い,表皮層の染色輝度を測定することにより表皮におけるNGF産生を半定量化した.【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は長崎大学動物実験委員会が定める動物実験指針に基づき,長崎大学先導生命体研究支援センター・動物実験施設において実施した.【結果】 不動を開始して1~2週目から,不動群において4g,15gのvon Frey filament刺激に対する逃避反応回数は増加し,また,足背部の熱痛覚閾値温度は低下した.そして,これらの変化は不動期間に準拠して顕著になり,不動2週目以降のすべての測定において対照群との有意差を認めた.次に,不動4週目の足底皮膚を組織学的に観察した結果,不動群において表皮の菲薄化,角質層の乱れが観察され,表皮厚は対照群のそれより有意に低値を示した.また,不動群の末梢神経密度はA線維,C線維ともに対照群のそれより有意に高値を示し,神経線維が表皮層へ進入する所見が観察された.さらに,不動群の表皮におけるNGF産生は対照群のそれより有意に高値を示した.【考察】 本研究では,4週間の不動に伴い機械的刺激に対する痛覚過敏および熱痛覚閾値の低下が観察され,この結果は先行研究とほぼ一致する.また,足底皮膚においては表皮の菲薄化や角質層の乱れ,表皮に分布する末梢神経の増加が観察された.先行研究によれば,末梢神経の増加は痛覚閾値に関与するとされており,不動に伴う痛覚閾値の低下の一因となっている可能性が高い.一方,皮膚組織の末梢神経の分布や密度に対しては,表皮の主要構成細胞であるケラチノサイトから産生されるNGFが関与するとされている.よって,不動群に認められた末梢神経密度の増加は,ケラチノサイト由来のNGF産生の増加に起因する変化であると推察される.加えて,NGFは痛みの内因性メディエーターとしての機能も知られており,NGF産生の増加自体が痛みの直接的な原因になっていることも十分に考えられる.以上のことから,不動に伴う痛みの発生には皮膚の組織学的変化が深く関与していると推測でき,今後さらに検討を進める必要がある.【理学療法学研究としての意義】 本研究は,不動に伴う痛み発生メカニズムに皮膚組織がその責任組織の一端を担っている可能性を提示している.われわれ理学療法士は皮膚組織を含む末梢組織に対して直接的に介入可能であることから,本研究の進展は,不動に伴う痛みに対する理学療法学的な介入方法の開発につながると期待できる.したがって,本研究は理学療法学研究として十分な意義があると考える.
著者
長尾 由実子 中村 芳明 田中 俊一 亀山 忠光 庄司 紘史
出版者
特定非営利活動法人 日本口腔科学会
雑誌
日本口腔科学会雑誌 (ISSN:00290297)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.579-584, 1993-07-10 (Released:2011-09-07)
参考文献数
21

Amyotrophic lateral sclerosis (ALS) is a progressive neuromuscular disease that affects both upper motor neurons and lower motor neurons.Here is a case of ALS with predominantly bulbar involvement. The patient is a 63-year-old male. He was referred to the Department of Oral Surgery, Kurume University School of Medicine with chief complaints of inability to speak clearly and difficulty in eating. On oral examination, atrophy and muscular fasciculation in the tongue were found. There was no loss of aberrations in taste. Except for dysphagia and masticatory disturbance. he had no difficulty practicing his profession. Subseqently, he was diagnosed by the neurologist as having progressive bulbar palsy (PBP) in a motor neuron disease.When the onset of ALS is predominantly bulbar in origin, the patient may first consult a dentist because of the oralfacial symptoms of dysphagia, dysarthria, masticatory disturbance, and muscular weakness. It is important for the dentist to recognize a motor disability and to control the condition without neglecting the nature and severity of the disease.
著者
小林 美沙樹 小田中 みのり 鈴木 真也 船崎 秀樹 高橋 秀明 大野 泉 清水 怜 光永 修一 池田 公史 市田 泰彦 高橋 邦雄 齊藤 真一郎
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.18-23, 2015-01-10 (Released:2016-01-15)
参考文献数
9
被引用文献数
1 2

Hand-foot skin reaction (HFSR) is one of the major adverse effects of sorafenib necessitating discontinuation of the drug, however, no standard interventions for HFSR have been established yet. At our hospital, we are using a urea-containing cream prophylactically for HFSR associated with sorafenib. We carried out this study in 74 hepatocellular carcinoma patients receiving treatment with sorafenib at our hospital between June 2009 and January 2011 to assess the benefit of prophylactic use of urea-containing cream against sorafenib-induced HFSR. Patients with a history of previous use of tyrosine kinase inhibitors or insufficient data in respect of the dose of urea-containing cream were excluded. The patients were divided into a high-dose group (38 patients) and a low-dose group (36 patients) according to the median dose (2.9 g per day) of urea-containing cream used within the first 2 weeks after the start of sorafenib treatment. The frequency of grade 2 or 3 HFSR was 42.1% in the high-dose group and 61.1% in the low-dose group(P = 0.105). The relative dose intensity of sorafenib was 71.1% in the high-dose group and 59.6% in the low-dose group (P = 0.043). No significant difference was observed in the response rate or time to progression between the two groups. In conclusion, prophylactic use of a urea-containing cream might enhance the relative dose intensity of sorafenib, but further prospective studies are warranted to elucidate its usefulness.
著者
鈴木 陽一 橋本 明記 松崎 敬文 田中 祥次 木村 武史 土田 健一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.193, pp.7-12, 2013-08-29

スーパーハイビジョンなどの大容量伝送の実現に向けて,周波数利用効率,所要C/N改善を目指した伝送方式の検討を進めている,強力な訂正能力を有するLDPC符号と,集合分割法を用いた符号化変調を組み合わせた性能評価は,特に衛星伝送路の特性を考慮した環境化では十分な検討がなされていない.本稿では,集合分割法と,LDPC符号とBCH符号による連接符号を, 8PSKに適用して符号化変調を構成し,同方式に適した伝送フレーム構成を提案する.提案方式では,最もユークリッド距離が広がる最下位ビットには, BCHパリティのみを付加し,上位2ビットについては,それぞれBCH符号と白色雑音下において最も伝送性能が良くなる符号化率のLDPC符号の連接符号を付加する.本稿では,上位2ビットに適用するLDPC符号の符号化率をパラメータとし,白色雑音下における伝送性能を計算機シミュレーションにより評価し,伝送性能が最も良くなる符号率の組み合わせを導出するとともに、12GHz帯衛星伝送路を模擬した伝送路モデルにおける伝送性能について計算機シミュレーションを行い,従来方式(ARIB STD-B44)に対する本方式の性能改善効果を報告する.
著者
野口 晴子 田中 隆一 川村 顕 牛島 光一 別所 俊一郎
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究の目的は,子どものHCの蓄積過程に焦点を当て,因果推論に裏打ちされた政策評価手法を応用する同時に,実装プロセスを開発することで,官学協働による実効性のあるEBPMの実現を目指すことにある.東京都足立区との協働の下,公的な保育・教育サービスを利用する子どもたちの「全数」を対象に,同一の子どもを10年間以上悉皆で追跡することの出来るパネルデータを独自に構築・整備する.本研究により,世界的に主流となっている計量経済学の分析手法の活用可能性が広がり,これまで日本では困難であった,子どものHCの蓄積過程に関わる様々な要因間での相関メカニズムを解明することが可能となる.
著者
百瀬 浩 舟久 保敏 木部 直美 中村 圭吾 藤原 宣夫 田中 隆
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
環境システム研究 (ISSN:09150390)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.45-53, 1998-10-15 (Released:2010-06-04)
参考文献数
15
被引用文献数
4 5

A field survey was made on many artificially constructed Floating Islands in Japan in order to evaluate their function as habitat for birds such as nesting or resting site. We searched each island for birds' nesting activity and observed the behavior of birds on and near the island. We also collected plant samples and identified them to make the plant species list found on each island. Floating islands were classified into four basic types according to their structure and bird usage was conpared among these types. It was found that the island type B, in which the surface of the planting material was in lebel with the water furface, was suitable as the nesting place for the several water bird species, and all types of the islands were suitable as the resting place for the water birds.

1 0 0 0 OA 心身脳問題

著者
田中 彰吾 浅井 智久 金山 範明 今泉 修 弘光 健太郎
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.90, no.5, pp.520-539, 2019 (Released:2019-12-25)
参考文献数
123

This paper reviews past research on bodily consciousness and its neural representations, as well as current research on the body, self, and brain. In the early 20th century bodily consciousness was first conceptualized as body schema and body image. Empirical findings on phenomena such as phantom limbs suggested that body consciousness could be reduced to body representations in the brain. Body schema and body image have firm foundations in related brain areas including somatosensory and motor cortices, although they cannot be completely reduced to neural processes. In addition, the body image can be better categorized into two aspects (body semantics and body topology) that correspond to different streams of neural processing. Finally, we explored the self that emerges through interactions between the sense of body ownership and the sense of agency. The subjective sense of the self could well be the result of the bottom-up integration of multiple body representations.
著者
田中 香織 天岡 望 西科 琢雄
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.78, no.6, pp.1427-1430, 2017 (Released:2017-12-30)
参考文献数
13
被引用文献数
1

毛巣洞に対する根治術としては洞の完全切除が必要であるが,単純切除縫合では再発も多く,創離開することも少なくない.これに対して今まで様々な形成術が報告されているが,今回われわれはW形成術を採用し良好な結果を得た症例を経験したので報告する.症例は22歳の男性.数年前からの仙骨部の腫瘤,排膿,出血を主訴に当院を受診した.仙骨部に2箇所の開口部を有する約7cmの瘻孔を確認した.毛巣洞と診断し全身麻酔下で手術を施行した.皮膚切開は瘻孔部を囲む稲妻型とした.瘻孔を完全に切除後,皮弁形成のために左右の大臀筋筋膜上で十分に皮下脂肪層を剥離授動した.皮膚縫合は緊張なく施行可能で,術後8日目に退院した.W形成術は切除後の縫合に無理をきたすことなく,また毛巣洞の成因である臀裂の回転運動による瘻孔の内部への入り込みを防ぎ,発生原因を根本的に取り除く方法として,合理的な術式であると考えられる.
著者
荒井 弘和 所 昭宏 平井 啓 野長 さおり 小林 博美 井上 亜由美 上砂 陽子 田中 孝浩
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.50, no.7, pp.667-673, 2010-07-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
14

本研究では,肺結核患者のマスク着用行動に対する変容ステージを検討し,マスク着用に関する恩恵と負担,阻害要因と促進要因,社会的要因,身体症状,および心理的適応状態が,変容ステージによって異なるか比較を行った.対象者は,入院中の肺結核患者および肺結核疑い患者であった.研究デザインは横断的調査であった.本研究の48名の対象者のうち,ステージの分布は,準備期22名および実行期26名であった.48名の平均年齢は53.09±16.70歳(19〜78歳)であった.分析の結果,マスク着用の負担,マスク着用の阻害要因,身体症状において,2つのステージ間に違いがみられる項目が存在した.入院日数およびマスク着用の促進要因においては,ステージ間で有意に異なる傾向が認められた.特に,マスク着用の阻害要因については,複数の項目において,ステージ間に差が認められた.今後は,看護師を中心とした医療スタッフが,促進要因を増強するだけでなく,阻害要因が存在していてもマスクを着用するよう意識づけるべきである.さらに,着け忘れを防止するような介入を行うことが好ましいと考えられる.
著者
森 修一 加藤 三郎 横山 秀夫 田中 梅吉 兼田 繁
出版者
日本ハンセン病学会
雑誌
日本ハンセン病学会雑誌 = Japanese journal of leprosy (ISSN:13423681)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.47-63, 2004-02-28
参考文献数
24
被引用文献数
1

本研究は戦前、日本に唯一存在したハンセン病患者の自由療養地である群馬県吾妻郡草津町湯の沢部落の社会科学的分析の中から、何がハンセン病患者の隔離の二つの側面である「迫害されている患者の社会の圧力からの保護」と「感染源である患者からの社会の防衛」のダイナミズムを後者への優位に導いていったのかを明らかにすることを目的とするものである。その過程は湯の沢部落の実態の解明(「草津湯の沢ハンセン病自由療養地の研究I、II」)、自由療養地議論の展開と消滅の過程の検証と湯の沢部落の関わり(「草津湯の沢ハンセン病自由療養地の研究III」)、湯の沢部落消滅後にその精神が日本の隔離政策に与えた影響(「草津湯の沢ハンセン病自由療養地の研究IV」)などの研究の総体である。<BR>本稿では戦後、栗生楽泉園から始まる患者運動を通して、湯の沢で培われた精神は楽泉園内でも生き続け、患者運動の戦端を開き、「特別病室」を廃止、職員の不正を暴き、やがて多磨全生園と共闘し、「全国癩療養所患者協議会」を生み、絶対隔離政策と対峙する力を形成する様相を描いた。併せて、「特別病室」設置の背景、戦中を中心としての療養所内の混乱の様相とその要因を述べた。
著者
森 修一 加藤 三郎 横山 秀夫 田中 梅吉 兼田 繁
出版者
日本ハンセン病学会
雑誌
日本ハンセン病学会雑誌 = Japanese journal of leprosy (ISSN:13423681)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.217-237, 2003-08-30
参考文献数
59
被引用文献数
1

本研究は戦前、日本に唯一存在したハンセン病患者の自由療養地である群馬県吾妻郡草津町湯の沢部落の社会科学的分析の中から、何がハンセン病患者の隔離の二つの側面である「迫害されている患者の社会の圧力からの保護」と「感染源である患者からの社会の防衛」のダイナミズムを後者への優位に導いていったのかを明らかにすることを目的とするものである。その過程は湯の沢部落の実態の解明(「草津湯の沢ハンセン病自由療養地の研究1、II」)、自由療養地議論の展開と消滅の過程の検証と湯の沢部落の関わり(「草津湯の沢ハンセン病自由療養地の研究III」)、湯の沢部落消滅後にその精神が日本の隔離政策に与えた影響(「草津湯の沢ハンセン病自由療養地の研究IV」)などの研究の総体である。<BR>本稿では自由療養地構想から絶対隔離政策への変遷過程を国会での議論、内務省の政策およびその意思決定過程、自由療養地議論の中の湯の沢の役割、などから描いた。加えて、自由療養地を望む患者たちの意見とその背景を示すと共に世界の隔離政策と日本の隔離政策をその歴史的過程を含みながら対比、考察した。
著者
田中 春夫
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電氣學會雜誌 (ISSN:00202878)
巻号頁・発行日
vol.94, no.11, pp.984-988, 1974-10-20 (Released:2008-11-20)
参考文献数
6
著者
田中 春夫 柿沼 隆清
出版者
名古屋大学空電研究所
雑誌
空電研究所報告 (ISSN:04657756)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1-2, 1965-03-25 (Released:2015-05-07)
著者
菊地 明宏 鈴木 博人 本間 秀文 田中 直樹 川上 真吾 藤澤 宏幸
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
雑誌
東北理学療法学 (ISSN:09152180)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.97-102, 2016-08-30 (Released:2016-09-07)
参考文献数
9

【目的】端坐位での前下方へのリーチ動作における指先の運動軌道および,胸椎,腰椎,骨盤の角度変化と,各セグメントの寄与を明らかにすることとした。【対象】課題動作に影響を与える腰部と下肢に既往のない,健常若年男性20名とした。【方法】規定した開始姿勢から,足関節リーチと足尖リーチを実施させた。骨指標の3次元座標から,胸椎,腰椎,骨盤の屈曲・前傾角度と指先軌道を算出した。寄与について,4セグメントモデルを作成し,指先軌道の変化量に対して,それぞれの寄与率を算出した。【結果・結語】指先の運動軌道において,足関節リーチは下方へ曲線を描いていたが,足尖リーチでは後半に直線に近い軌道をとった。角度変化は,前半に胸椎および腰椎の運動が,後半に骨盤の運動が大きくなり,滑らかな指先軌道が形成されていることが明らかとなった。寄与について,前半に上肢が,後半に胸椎の寄与が大きい結果となった