著者
イリチュ 美佳 青嶋 誠 清水 信夫 田中 一男
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

得られたデータの次元が標本数に比べて遥かに大きいデータ(高次元小標本データ)に、既存の統計手法を適用すると、有効な結果が得られないという問題がある。この問題を解決するための解析手法は、シンボリックデータに対しては、未だ開発されていない。そこで、高次元小標本シンボリックデータに対する解析手法を開発し、データの多様性を考慮した新たな知識発見手法の提案と、実用化に向けた性能評価を行った。
著者
江川 新一 当間 宏樹 大東 弘明 奥坂 拓志 中尾 昭公 羽鳥 隆 真口 宏介 柳澤 昭夫 田中 雅夫
出版者
Japan Pancreas Society
雑誌
膵臓 = The Journal of Japan Pancreas Society (ISSN:09130071)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.105-123, 2008-04-25
被引用文献数
22 46

目的:日本膵臓学会膵癌登録委員会の公表した膵癌登録報告2007のダイジェストとしてすでに公表された28655例のデータに基く解析を加え,主要な図と,新たな図,正誤表をつけて報告する.<br> 方法:構成を膵癌登録報告と同じくし,ページ数により示したデータから得られる解釈をなるべく客観的に解説した.統計解析は新たに加えた図も膵癌登録報告と同様に生命保険数理法とWilcoxon Gehan testを用い,既存のデータの統計結果はそのまま利用した.膵癌取り扱い(JPS)規約とUICC規約による生存率を主に比較した.<br> 結果:1980年代,1990年代と比較し,観察期間は短いが2001-2004年登録の膵癌の生存率は有意に改善した.膵管内腫瘍,粘液性嚢胞腫瘍,膵内分泌腫瘍の進展度分類でJPS規約のほうが良好な生存率予測を示した.膵管内腫瘍の深達度別生存率がはじめて示され,世界に類をみないデータである.<br>
著者
田中 喜代次 金 憲経 中西 とも子 天貝 均
出版者
日本運動生理学会
雑誌
日本運動生理学雑誌 (ISSN:13403036)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.37-45, 1999-01-30
被引用文献数
14

The results of early work completed using bioelectrical impedance for body composition assessment was limited by technological problems. Most of the research has focused on bioelectrical impedance conducted at a frequency of 50 kHz. It has been recently determined that low- and high-frequency bioelectrical impedance measurements can be used to distinguish the volume of extracellular water (ECW) from the volume of total body water (TBW). Therefore, a multi-frequency bioelectrical impedance method allows an independent assessment of ECW, TBW, and intracellular water (ICW). Using dual energy X-ray absorptiometry (DXA; Lunar DPX-L) as a reference method, we examined the validity of bone mineral content and bone-free lean tissue mass (LTM) measured by a multi-frequency bioelectrical impedance instrument (MLT-100, Sekisui) using a number of frequencies ranging from 2.5 kHz to 350 kHz applied to the right side of the body. The subjects were 52 men and 109 women, aged 23 to 86 years (men: 53.2±17.37 yr, women: 52.5±17.07 yr). The average LTM determined by DXA were 49.4± 5.92 kg for men and 35.6±4.35 kg for women. Multiple regression equations developed in the present study for estimating LTM were: LTM=0.306X_1+0.003X_2+0.098X_3+3.44 (R=0.948, SEE=1.93 kg) for men LTM=0.169X_1+0.003X_2+0.186X_3+5.75 (R=0.917, SEE=1.76 kg) for women where X_1=Ht^2/R_<HIGH>, X_2=H^3/1000 and X_3=Ht^2/R_<LOW> an R_<HIGH> and R_<LOW> stand for resistance of TBW and resistance of ECW, respectively. These equations may be used to evaluate body composition for a wide range of Japanese adults with reasonable accuracy.
著者
水島 昇 斉木 臣二 野田 展生 吉森 保 小松 雅明 中戸川 仁 岩井 一宏 内山 安男 大隅 良典 大野 博司 木南 英紀 田中 啓二 佐藤 栄人 菅原 秀明
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2013-06-28

本新学術領域研究は、オートファジーの研究を推進するために、無細胞系構成生物学、構造生物学、細胞生物学、マウス等モデル生物学、ヒト遺伝学、疾患研究を有機的に連携させた集学的研究体制を構築することを目的として設置された。本総括班では、領域における計画研究および公募研究の推進(企画調整)と支援を行うとともに、班会議・シンポジウムの開催、領域活動の成果の発信、「Autophagy Forum」の開設と運営、プロトコール集公開などを行った。
著者
田中 博之
雑誌
研究報告
巻号頁・発行日
vol.9, pp.81-93, 1989-09

筆者が滋賀大学附属中学校と研究上のおつきあいを始めてもう5年近くになる。その間,特に当校の「びわこ学習」のカリキュラム開発や評価に関する研究のお手伝いをさせていただいた。(田中1987)そして本年度からは,新しく始められた「選択学習」のカリキュラム評価と改善のプロジェクトに参加する機会を得た。研究開発学校での実験的な取り組みにたいして研究者として新しいアイディアを提供したり,また具体的なデータに基づいて実践の評価を行なうことで当校の実践の基盤を固めることができればと願っている。
著者
齋藤 さくら 田中 京子 SAITO Sakura TANAKA Kyoko
出版者
名古屋大学留学生センター
雑誌
名古屋大学留学生センター紀要 (ISSN:13486616)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.29-42, 2006-10-16 (Released:2011-08-11)

本稿は,メキシコに1977年に設立された国際学校「日 本メキシコ学院」で行なわれている二文化教育が生徒たちに与えた影響について,在籍時の生徒たちの作文等,および修了後10年以上経た生徒たちへの質問紙調査を通して,縦断的に調査し考察した調査報告である。 調査の結果,二文化教育は在籍当時だけでなく,10年以上を経た現在まで影響しており,特にお互いの文化の長所とされる特徴を体得したと感じられている。日本人生徒たちにとっては,自由や平等,主体性,メキシコ人生徒たちにとっては,根気や礼儀,規律等である。同時に多角的視点から世界を見られる国際性を持った人間が育ちつつあると考えられる。効果的な言語教育についてなど,理想と現実の中で接点を見つけるべき課題も多くあり,今後国際学校の発展のために関係者の力を結集する必要がある。
著者
鷲塚 昌隆 平賀 義裕 古市 浩康 泉 順吉 吉長 幸嗣 阿部 亨 田中 芳明 玉木 元
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.111, no.2, pp.117-125, 1998-02-01
被引用文献数
6

今回我々は,エタノールによるマウスの行動障害に対し,酵素阻害薬を用いてエタノールおよびアセトアルデヒドの関与と,蛋白加水解物である肝臓水解物の作用について検討した.さらに,エタノールあるいはアセトアルデヒドによるマウスの致死毒性およびラットの肝毒性に対する肝臓水解物の作用について検討し,以下のような結果を見いだした.1:エタノール5ml/kgの経口投与によって歩行および摂食に対する障害が認められた.2:これらの障害に対して,肝臓水解物は経口投与により用量依存的な改善作用を示した.3:アルコール脱水素酵素阻害剤の前投与によって肝臓水解物の改善作用に明らかな減弱が認められたが,アルデヒド脱水素酵素阻害剤の前投与では肝臓水解物の改善作用に影響は認められなかった.4:エタノール10m1/kgを経口投与した時に生じる正向反射の消失および死亡に対し,肝臓水解物は改善作用を示さなかった.一方,アセトアルデヒド1.8ml/kgを経口投与した時に生じる正向反射の消失および死亡に対し,肝臓水解物は用量依存的な改善作用を示した.5:アセトアルデヒド1.2ml/kgを1時間間隔で2回経口投与した時に認められる血清中のGPT活性の上昇に対し,肝臓水解物は抑制作用を示した.以上の結果から,肝臓水解物はエタノールにより引き起こされる毒性症状に対して改善作用を有し,これらの改善作用は主にアセトアルデヒドの毒性軽減に起因することが示唆された.
著者
田中 未央 厳島 行雄
出版者
法と心理学会
雑誌
法と心理 (ISSN:13468669)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.85-94, 2007-07

不正確な目撃証言による記憶の変容は、証言者の意図が伴わずに生じる現象であり、その原因として事後情報効果などの様々な要因が明らかにされてきた。一方で、事件の加害者や容疑者が意図的に語った不正確な供述、つまり嘘の供述が後の記憶に及ぼす影響についての検討は、あまり行われていない。そこで、本研究では出来事を想起する際に嘘をついた場合、記憶がどのように変化するかを検討するために2つの実験を行った。実験1では、同じ出来事について嘘をついた後の記憶と嘘をつかなかった後の記憶を比較し、出来事を想起する際に嘘をついた場合でも出来事に関する正確な記憶が維持されること、また、嘘をつく際には2つの方略が用いられる傾向があることが示された。実験2では、嘘をつく際に採用される方略を統制し、後の記憶を比較したところ、嘘をつく際に知らないふりをする方略を用いた場合に正確な記憶が抑制されることが示された。実験1・実験2の結果から、出来事を想起する際の嘘の有無ではなく、採用される嘘の方略が正確な記憶を抑制する要因であると考えられる。また、知らないふりをすることでオリジナル(原現象)の想起が抑制されるので、オリジナル記憶のリハーサルが妨害され、正確な出来事を想起することが困難になると考えられる。
著者
田中 樹 真常 仁志 三浦 励一
出版者
総合地球環境学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

西アフリカの砂漠化地域において、「危機の年」と対処行動の特定、在来の情報技術伝播経路の解明、対処技術の開発を行なった。その技術は、風食抑制と収量向上を可能とする「耕地内休閑システム」、生計向上と水食抑制に有効な「ザイ+アンドロボゴン草列」および従来の普及法の大幅な改善と社会的弱者層の可視化を可能とする「社会ネットワーク手法を用いる技術普及法」である。一部の技術は、ニジェール国内で普及段階に至った。
著者
神郡 博 田中 いずみ
出版者
富山大学
雑誌
富山医科薬科大学看護学会誌 (ISSN:13441434)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.169-177, 1999-03

病院に働く看護婦は様々なストレスに曝され, 様々な精神保健問題に悩まされていることはよく知られている.しかし, これらの問題を扱った研究はわが国ではあまり見られないそこで我々はこの問題を明らかにするためにこの研究を計画し, 307名の看護婦を対象にかれらが経験している精神保健問題を調べ, 以下のような結果を得た.1)調査した対象者の81%は何らかの精神保健問題を経験し, そのうち5人に1人は精神的問題を持ち, 不眠や食欲不振, 抑うつなどの精神的・身体的不調を感じていた.2)また, 殆どの看護婦は精神保健問題の原因は彼等の対処方法, 仕事の能力, 職場の対人関係, および家族の問題にあると思っていた.3)若く経験の浅い看護婦はその原因を仕事にあると考え, 年配の経験のある看護婦はその原因を子供の養育にあると考えていた.4)対象者の3人に2人は看護婦として大らか, 生真面目, 社交的などの望ましい性格傾向を持っていた.そして大らかな人ほど精神保健問題の経験も少なかった.5)対象者のとっている, 精神保健問題の主な対処方法は寝る, おしゃべりをする, 本を読む, 音楽を聞く, 旅行をするであった.6)これらのことを考えると, 看護婦の仕事に影響する様々な精神保健問題の解決に当たっては, 看護婦自身の努力もさることながら, 病院が看護婦が気軽に利用できる効果的なカウンセリング機構を創り, そのニーズに応えることが重要である.
著者
三浦 元喜 國藤 進 志築 文太郎 田中 二郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.9, pp.2300-2310, 2005-09-15
被引用文献数
19

我々は教室内のコミュニケーションを促進するため,デジタルペンとPDAを利用した実世界指向インタラクティブ授業支援システムAirTransNoteを開発した.AirTransNoteは生徒の筆記情報を教師の計算機にリアルタイムに送信し,閲覧や解析を行うシステムである.デジタルペンを利用することにより,通常の紙に書く情報が送信できるため,生徒が情報機器の操作を覚える必要がない.また,無線LAN付きPDAを使用することにより配線の手間を軽減することができ,インタラクティブ性の高い授業を一般教室で行うことが容易となる.高校1年生の数学の授業で運用実験を行い,運用にあたっての問題点を明確にするとともに,運用の可能性について考察を行った.We developed AirTransNote, an interactive learning system based on digital pen devices and PDAs. The system realizes computer-mediated collaboration for a conventional classroom by real-time note-sharing. AirTransNote digitizes notes written by students on a regular paper and enables the teacher to browse through the notes or show them to the students. Air-TransNote can analyze students' answers, helping the teacher better understand their problems. We conducted a preliminary study using questionnaires and found that this system can be feasible to apply for classroom environment.