著者
北村 匡彦 白井 大介 藤井 竜也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.279, pp.31-36, 2008-10-30

本稿は,LDPC符号の一種であるLDGM符号の復号並列化を検討する.LDGM符号は,符号長および符号化率を自由に設定でき,符号・復号がシンプルに構成可能なブロック符号である.特にマルチキャストをはじめとするUDP/IPを想定した場合には,下層の機能により誤り検出が完了しているため,LDGM符号では誤り訂正のみを行えばよい.このため,高速かつ効率的にFEC処理が可能である.LDGMの復号処理は超多元1次の検査方程式を解く過程に相当し,その解く順序を決定することが求めれる.本稿では,まずはじめに処理コストの軽い検査方程式順序の走査を行い,その後で処理コストの重い誤り訂正処理を実行する2パス処理手法を提案する.これにより,受信ホストでは単位ブロックのパケットを受信した瞬時に,つまり,誤り訂正処理を行う前に,消失したパケットの回復の可/不可を判別することができる.また,同時に,検査方程式の集合全体の依存関係を知ることができるため,並列処理が可能になる.
著者
白木 通
出版者
愛知学泉大学
雑誌
経営研究 (ISSN:09149392)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.299-320, 2000-12
著者
白崎 信二 細川 治 渡辺 国重 津田 昇志 山崎 信 山道 昇 小西 二三男
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.848-855_1, 1989-04-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
26
被引用文献数
5

当科における1963年から1985年までの早期胃癌切除例は1,038例であり,このうちI型早期癌は68例76病巣である.このI型早期癌の病理組織学的検討により,24例25病巣は胃過形成性ポリープ(以下H.P.と略記)の癌共存病変であり,I型早期癌の33%を占め,早期癌全症例の2.3%を占めていた.24例中16例17病巣は胃切除例であり,8例8病巣は内視鏡的ポリペクトミー症例であった.病変の最大径は0.7cm~5.5cmで平均2.6cmであった.最大径2cm未満の症例が8例存在し,このうち2例は1cm未満であった.また,病変に占める癌組織の割合の小さいものは,病変も小さく,病変に占める癌組織の割合が大きくなるに従い,病変も大きくなる傾向がみられた.これらより,かなり小さなH.P.にも癌が発生(H.P.の癌化)し,良性組織の増加を幾分伴いながら癌組織が増殖し病変が増大していく事が示唆された.内視鏡所見では,症例によりかなりの差異が認められ,全般的には表面の凹凸不整,白苔,びらん,出血等が観察された.また,経過観察が可能であった症例の内視鏡所見の検討より,大きさの増大,表面凹凸不整の増強が,癌発生(癌化)の可能性を示唆しうる所見と考えられた.当施設における内視鏡的ポリペクトミー開始以来10年間の生検あるいはポリペクトミーにより,H.P.と診断されたものは1,508例であり,同期間中のH.P.の癌共存例数は16例(1.0%)であった.
著者
村中 崇信 白水 始
出版者
京都大学
雑誌
京都大学高等教育研究 (ISSN:13414836)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.39-48, 2014-12-01

This study discusses the integration of a collaborative learning method called the "Knowledge Constructive Jigsaw"(KCJ) into a space education program at Chukyo University using a satellite communication lab experiment intended tointroduce undergraduates to space engineering. The program was designed so that it would resemble a familiar spacecommunication experiment, thus allowing beginners in space engineering to perform it without possessing highly technicalknowledge. The KCJ method was adapted to the experiment's procedures in order to improve the program's educationaleffectiveness. A small group dubbed the "jigsaw group" devised these procedures by integrating what each group memberlearned in the "expert group." Each of them was called an "expert, " and was trained to obtain the technical skills necessaryto conduct the experiment in the expert group. Obtaining these aforementioned skills increased participants' motivationduring the experiments. Moreover, communication among members in each group grew sufficiently to facilitate theexchange of technical knowledge between them. These results demonstrate that the jigsaw method not only enabledbeginners to obtain technical skills but also promoted an interest in space. In the future, jigsaw groups should be formedaccording to each member's level of expertise, and educational support should be provided for group activities in order toassess the scalability of the KCJ method to engineering domains.
著者
大伴 潔 宮田 Susanne 白井 恭弘
出版者
日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.197-209, 2015

日本語を母語とする子どもにおいて動詞の多様な形が生産的に使われるようになる過程や順序性の有無については,ほとんど明らかになっていない。本研究は,子どもの発話を縦断的に分析することにより,動詞語尾レパートリーの獲得の順序性の有無を明らかにするとともに,母親が使用する動詞の表現形との関連性について検討することを目的とした。研究1では,4名の男児の自発話の縦断的データに基づき,1歳から3歳までの期間の動詞語尾レパートリーを分析したところ,動詞語尾形態素の獲得に順序性が存在することが認められた。順序性を規定する要因として,養育者からの言語的入力,形態素が表す意味的複雑さ,形態素の形態論的・統語論的な複雑さが考えられた。研究2では,3組の母子を対象に母親の動詞語尾形態素を分析し,子どもの形態素獲得の順序性と母親からの言語的入力との関連について検討した。その結果,子どもの形態素獲得順序が母親の形態素使用頻度およびタイプ数と相関するだけでなく,母親同士の間でも形態素使用頻度・タイプ数について有意な相関が認められた。この知見は,母親の発話が文脈に沿った形態素使用のモデル提示となっていることを示すとともに,自由遊び場面での話者の観点や発話の語用論的機能に関する一定の傾向があり,意味内容と発話機能に関するこのような傾向が子どもの形態素獲得の過程に反映する可能性が示唆された。
著者
沼口 直紀 中澤 篤志 白鳥 貴亮 ジェシカ ホギンス
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2011-CG-145, no.1, pp.1-8, 2011-11-10

モーションキャプチャは現在の映像やゲームの制作現場において必須の技術である.特に最近では安価なモーションキャプチャシステム等の開発もあり,モーションキャプチャデータ (動作データ) の一般ユーザーへの利用も広がっている.このような背景から,大規模なモーションキャプチャデータベース (動作データベース) がインターネット上に公開され,ダウンロード・利用できるようになっている.本研究では,大規模な動作データベースからユーザーの所望のデータを検索するために,センサを内蔵した人形インタフェースを用いる手法を提案する.このセンサは 17 自由度を持ち,人と同様の形状・自由度であるため,キーワード等の方法に比べ直感的に検索できる.我々は人形動作と動作データの比較手法として,部分空間法を用いた異常データ検出の考え方に基づき,人形動作と動作データを互いの部分空間に投影することで比較を行う手法を開発した.実験ではユーザーテストを行ってインタフェースの操作性や検索精度および検索時間を評価し,提案手法の有効性を確認した.
著者
井上 良太 白松 俊 大囿 忠親 新谷 虎松
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.2011-2021, 2015-10-15

発表中における発表者と聴衆とのインタラクションを想定したプレゼンテーションに対する支援が求められている.発表中のフィードバックは,聴衆の理解を支援する反面,発表の妨げになる可能性がある.本研究では,発表中のプレゼンテーション資料上において,発表者および聴衆間のリアルタイムなインタラクションを可能にするための新たなプレゼンテーション支援システムを試作した.本システムにおいて,(1)発表中のプレゼンテーション資料上でのリアルタイムなフィードバック共有,(2)プレゼンテーション資料へのフィードバックの保存,および(3)既存プレゼンテーションシステムへのWebブラウザによるフィードバックが可能の3点を実現した.本論文では,本システムにおけるインタラクティブなプレゼンテーションのための要件および実装を示す.さらに,評価実験により本システムの有効性を示す.
著者
内田 誠 白山 晋
出版者
横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)
雑誌
横幹連合コンファレンス予稿集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.176-176, 2005

近年の情報通信手段の発達によって、場所や組織の壁を越えた新たな個人間のコミュニケーションネットワークが形成されている。そのようなネットワークの1つとして本研究ではSNSに着目し、そのネットワーク構造上で生じる情報伝播の現象について実データを用いながら複雑ネットワーク分析と計算機シミュレーションによって分析する。さらに、理論的なネットワーク構造モデルとの比較によりSNSネットワークの特徴を明らかにする。
著者
白畑 知彦
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

今回完成した報告書は、平成15年度から平成17年度の日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究(C)(2)(課題番号15520353、研究代表者:白畑知彦)による研究成果の報告書である。その研究内容は大きく2つに分けられる。1つ目は、日本の小学校での英語教育について第二言語習得研究の成果を踏まえて考察した論述形態のものである。これは第1章と英文で書いた第5章にまとめられている。2つ目は、日本語を母語とする子どもを被験者に、彼らの英語能力の伸長を実証的に調査した内容のものである。これは、第2章、第3章、そして第4章にまとめられている。第2章では小学校で英語教育を受けた子ども達が高校生になった時の英語力を調査している。第3章では、小学生の英語音声認識能力についての研究成果を報告した。第5章は代名詞、再帰代名詞の解釈についての研究成果を報告した。結論を総じて言えば、小学校から英語教育を始めても中学校、高等学校との連携が十分に取れなければ、その能力が持続して伸びていかない、というものであった。したがって、小学校英語教育が成功するか否かを論じるには、中学校との連携の考慮なしには考えられないのである。このことを今後行政に強く訴えていく必要がある。また、研究期間の3年間で、図書を2冊、学会誌等での論文を7本、学会等での口頭発表を4度おこなうことができた。その他にも関連する内容で講演等を何度かおこない、今後のさらなる研究に繋げる準備ができた。
著者
白間 綾 望月 登志子
出版者
The Japanese Psychological Association
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.51-56, 2007
被引用文献数
1

The present study aims to examine whether depth perception based on pictorial cues in the peripheral visual field is improved by compensating for the peripheral reduction of visual sensitivity. Figures that partially overlapped or had apparent transparency over a background figure were presented on a CRT monitor at the central-peripheral retinal regions of 2.5-10° eccentricity under the two conditions of same size or size adjusted for the Cortical Magnification Scale (Virsu & Rovamo, 1979). In Experiment 1 the subjects could discriminate the depth relationship of two cortically magnified figures when these were presented within the retinal eccentricity of 10°, even when solutions for the tasks were not dependent on a single visual attribute (brightness, shape). But discrimination in the peripheral visual field became difficult when the number of visual attributes of the stimuli increased (Experiment 2). We conclude that even for peripheral vision, depth perception based on pictorial cues is possible when cortically magnified stimuli are used. However, it should be further study whether or not the visual acuity is an only determinant for the difference between central and peripheral depth perception.
著者
白間 綾 望月 登志子
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.51-56, 2007-04-25 (Released:2010-07-16)
参考文献数
17
被引用文献数
1

The present study aims to examine whether depth perception based on pictorial cues in the peripheral visual field is improved by compensating for the peripheral reduction of visual sensitivity. Figures that partially overlapped or had apparent transparency over a background figure were presented on a CRT monitor at the central-peripheral retinal regions of 2.5-10° eccentricity under the two conditions of same size or size adjusted for the Cortical Magnification Scale (Virsu & Rovamo, 1979). In Experiment 1 the subjects could discriminate the depth relationship of two cortically magnified figures when these were presented within the retinal eccentricity of 10°, even when solutions for the tasks were not dependent on a single visual attribute (brightness, shape). But discrimination in the peripheral visual field became difficult when the number of visual attributes of the stimuli increased (Experiment 2). We conclude that even for peripheral vision, depth perception based on pictorial cues is possible when cortically magnified stimuli are used. However, it should be further study whether or not the visual acuity is an only determinant for the difference between central and peripheral depth perception.
著者
菰田 太郎 白石 慶子
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.336-340, 1964-08-05 (Released:2010-03-01)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

市販クン液18種について, 有害性成分であるフェノール類, メタノール, 重金属, ヒ素および有機酸について試験を行なった. フェノール類はフェノールとして, 国産品16種の場合は0.008~0.675%, 米国製品2種の場合は2.42, 15.88%と高い含量を示した. ホルムアルデヒドは0.6~450mg%, メタノールは0.007~1.600%の範囲であった. 亜鉛は17種の試料のうち15種に認められ, 鉛およびヒ素等に比べてその含量も高く, 最高値50ppm, 平均値14ppmを示した. 鉛は試料の半数に含まれ, 最高値14ppm平均値2ppm. ヒ素は18種の試料のうち14種に含まれ, 最高値4ppm, 平均値1ppmを示した. 有機酸は酢酸として0.1~6.3%であった. なお, 3, 4-ベンツピレン等の発がん性物質については目下試験中である.以上の試験結果により, 現在市販されているクン液にはフェノール類, メタノール, ホルムアルデヒド, ヒ素, 重金属類等が含まれているので, クン液について成分規格および使用基準の法的規制をすることが望ましい.

1 0 0 0 OA 親分子分

著者
白柳秀湖 著
出版者
東亜堂書房
巻号頁・発行日
vol.浪人篇, 1914
著者
野田 章 想田 光 白井 敏之
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 = Journal of plasma and fusion research (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.86, no.8, pp.461-465, 2010-08-25
参考文献数
32

ベクトルボソンの生成に向け,2次ビームの反陽子を加速器で自在にハンドリング可能な性能に向上する素粒子物理学上の必要から考案されたビーム冷却法は,確率冷却法によりこの目的を達成し,さらに電子ビーム冷却による電子・分子イオン衝突の精密研究やイオンビームの1次元オーダーリングを実現するに至っている.こうした成果をもとに,より低温の極低温ビーム(クリスタルビーム)の実現に向けて,さらに強力な冷却力を有するレーザー冷却を3次元で実現する試みが進んでいる.本章ではビーム冷却により熱を除去し,ビーム温度の軽減を図り,極低温の結晶化ビームの実現を図るアプローチの概要を紹介する.