著者
石橋 知也 柴田 久
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D1(景観・デザイン) (ISSN:21856524)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.1-15, 2014 (Released:2014-01-20)
参考文献数
147
被引用文献数
1

本研究は福岡市の都市形成に影響を与えたと考えられる1960年代に発表された施策(第一次・第二次福岡市総合計画)の変遷と当時の議論を整理しながら,都市戦略のあり方について考察することを目的とする.ここでは1958~1966年の福岡市議会での議論,1962年の西日本都市診断の新聞記事等を言説分析の対象とした.その結果,都市診断結果,政令指定都市北九州の誕生,大規模地方開発の指定が往時の都市戦略の方向性を決定付けるエポックとして抽出された.これより都市戦略のあり方における要点は,1)客観的な診断分析は都市発展の方向を決定付けることに寄与すること,2)都市の競争相手となる他者を認識することでその比較から都市の特徴を見出し得ること,3)第三者からの都市の性格付けによって相対的な位置付けが明確化されること,を指摘した.
著者
神谷 典男 北本 憲永 西條 幸志 高岡 伸次 鈴木 克尚 鈴木 智代 高柳 綾子 小出 昌秋 野地 智 打田 俊司 石橋 信之
出版者
The Japanese Society of Extra-Corporeal Technology in Medicine
雑誌
体外循環技術 = The journal of extra-corporeal technology (ISSN:09122664)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.65-68, 2002-03-01
被引用文献数
2

【要旨】近年,無輸血開心術は広く行われ,体外循環の血液希釈の影響を最小限に努めるために,各施設では様々な試みがなされている。今回我々は,回路径を可能な限り細くし,回路長の見直しと当施設で考案した体外循環回路組み込みシート(衛生シート)を成人用回路にも応用し,開放および閉鎖型の両回路の低充填化を試みた。その結果,2000年7月までの開放型回路充填量はリザーバレベル200mlの時56kg以上で1,100ml,55kg以下で985mlであったのが,開放型回路では56kg以上で722ml,55kg以下で635mlとなり,症例によっては更に術野側回路を短くすることで565mlとなった。また,閉鎖型回路の充填量はリザーバレベル100mlで780mlとなった。低充填化には閉鎖型の方が理想的と考えていたが,実際は気泡除去能力の高い材料が必要で選択が限られてしまい,結果的に開放型の方が低充填量となった。現段階において低充填化には開放型の方が最適と考えられた。
著者
本薗 幸広 波多野 和広 菅原 徳夫 石橋 晃
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.247-252, 1998-03-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
17
被引用文献数
1

ブロイラー雛に2種類の有機クロム,ピコリン酸クロムおよび酵母クロムを給与した場合の発育および屠体成分への影響を調べた.アーバーエーカー1週齢の雌雛,各区20羽を6週齢まで群飼した.給与飼料は1週齢から3週齢までは粗タンパク質21.5%,代謝エネルギー3.10kcal/g,4週齢から6週齢までは粗タンパク質18.3%,代謝エネルギー3.20kcal/gの基礎飼料を用い,ピコリン酸クロムおよび酵母クロムをクロムとして0,200および400ppbになるように添加した.体重および飼料摂取量は毎週記録した.試験終了時に屠殺して,腹腔内脂肪と皮なしの胸肉および皮付きのもも肉の粗脂肪含量,粗タンパク質含量,水分含量を測定した.クロム添加区では飼料摂取量および増体重ともに低下する傾向がみられ,特に酵母クロムの添加区(400ppb)で増体重が有意に低下した.また,ピコリン酸クロムの添加区よりも酵母クロムの添加区の方が負の影響が大きかった.腹腔内脂肪および皮付きのもも肉と皮なしの胸肉の粗タンパク質含量および水分含量はクロム添加によって影響はうけなかった.皮付きのもも肉の粗脂肪含量はクロム添加の影響を受けなかったが,皮なしの胸肉の粗脂肪含量では飼料中のクロム含量が増加するにつれ低下した.
著者
松本 真実 石橋 あや 高田 千夏 朝倉 富子 伊藤 圭祐 阿部 啓子 舟木 淳子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.18, pp.34, 2006

<BR>【目的】ミラクルフルーツの果実に含まれるタンパク質ミラクリンは、そのもの自身は無味であるが、これを味わった後に口に入れた酸を甘く感じさせるという性質を持つ。この効果は数時間持続し、その間、酸はショ糖のように甘く感じられる。このように一時的に味覚を変える物質を味覚修飾物質という。糖尿病や肥満が社会問題になっている先進諸国において、非グリセミック(低カロリー)甘味料は健康面でのベネフィットから注目され、また酸味の強い食品の摂取を容易にするという利点もある。本研究ではミラクルフルーツの甘味誘導効果の基礎的性質を得ることを目的とした。<BR><BR>【方法】ミラクルフルーツの果肉を100mM酢酸緩衝液で十分洗った後、0.5 M塩化ナトリウム溶液で抽出した後、70%飽和硫安沈殿画分を得、10mM酢酸緩衝液(pH5.5)で透析し、凍結乾燥して粗精製ミラクリンを得た。1mg/mlのミラクリン水溶液1mlを口に含んだ後、各種酸溶液、苦味溶液、塩化ナトリウム溶液について官能評価をおこなった。また、甘味誘導効果を消失させるものについても検討した。<BR><BR>【結果】粗精製ミラクリンによって、クエン酸、酢酸、アスコルビン酸、乳酸、リンゴ酸等、各種酸溶液に甘味が誘導された。特にクエン酸溶液やアスコルビン酸溶液は強い甘みを感じ、その味はスクロース溶液の味と類似していた。しかし、苦味溶液や塩化ナトリウム溶液の味の変化はみられなかった。また、塩化ナトリウム溶液で口をゆすいだ時は、蒸留水で口をゆすいだ時よりも甘味誘導効果が減少した。<BR>
著者
石橋 明浩
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本年度は、まず、超弦理論のような高次元理論のコンパクト化から導かれる様々な有質量ボソン場のブラックホール時空上のダイナミクスの理解、特に有質量ベクトル場やテンソル場が回転ブラックホールとの相互作用で引き起こす超放射不安定性の理解を目指し、その第一段階として、静的臨界ブラックホール上での有質量ベクトル場の波動方程式の簡略化を行った。本研究の大きな特徴は、(1)最大荷電(臨界)ブラックホールのホライズン近傍領域がスケール変換により拡大された対称性を持つこと、(2)スケール変換のパラメーターを摂動パラメーターと見なして、力学自由度を摂動展開すること、の2点に着目したことである。一般に、波動方程式を扱い易い常微分方程式系へと帰着するための課題は、(A)変数分離、(B)力学自由度の脱結合、である。本研究では、静的ブラックホールの場合を扱うことで、(A)については自明に遂行し、(B)の問題点は上述の(1)(2)の組み合わせにより解決できることを示した。最大荷電静的ブラックホールは、その厳密解として多体系を形成することができる。ブラックホール連星合体からの重力波を理解する動機のもと、ブラックホール連星のスナップショットとも見なせる最大荷電静的ブラックホール多体系における測地線の振舞いを調べた。また、量子重力の文脈で最近研究されている、量子的光的エネルギー条件(QNEC)の成立条件について、AdS-CFT対応を応用して議論した。特にQNECが破れるようなワームホール時空の例を構成して見せた。この研究結果の興味深い点として、ワームホール時空上でのエンタングルメントエントロピーを評価するさいに取る正則化として、紫外発散とともに赤外発散の正則化の仕方が、QNECの評価と関係することが分かった。
著者
石橋 祐二 井上 義雄 谷口 彰良
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.132, no.6, pp.699-704, 2012 (Released:2012-06-01)
参考文献数
31
被引用文献数
2

Human bronchial mucins, such as MUC5AC, have traditionally been defined as a family of high-molecular weight glycoproteins. Changes in the contents of sugar chains on MUC5AC are among the fundamental features in inflammatory respiratory disease. The changes have been shown to lead to unfavorable alterations in the viscosity of mucus, resulting in impairment of mucociliary transport, vulnerability to viral/bacterial infection as sugar chains play an important role in adhesion of some viruses and bacteria to the epithelium, and finally inflammatory cell infiltration in the airway. Recently, we found that expression of some glycosyltransferases associated with the contents and structure of sugar chains is regulated by phosphatidylinositol-phospholipase (PI-PL) C signaling in cells. L-Carbocisteine, a mucoregulatory drug, normalized or balanced fucosylated and sialylated sugar chains, such as sialyl Lewis x through inhibition of PI-PL C signaling. We prepared MUC5AC fusion protein with tandem repeats associated with MUC5AC, and confirmed that L-carbocisteine inhibited the increases in viscosity associated with sialyl Lewis x expression levels. In addition, the clinical study (2008) noted that L-carbocisteine reduced the frequency of common colds and exacerbation of symptoms in patients with COPD. These favorable effects in patients may be due to normalization of sugar chain contents on mucins. We suggest that the inhibitory effect on infection of airway epithelial cells by rhinoviruses, respiratory syncytial virus, and influenza viruses by treatment with L-carbocisteine may also be based on the regulation of sugar chain contents or structures on mucins.

1 0 0 0 OA 筆と紙

著者
石橋思案 著
出版者
博文館
巻号頁・発行日
1900

1 0 0 0 OA 花盗人

著者
石橋思案 著
出版者
駸々堂
巻号頁・発行日
1895
著者
石橋 健太郎 岡田 猛
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.51-59, 2004 (Released:2007-04-13)
参考文献数
21
被引用文献数
5

According to Arnheim (1977), the perception of artworks means our total experience in our interaction with them. From this point of view, people can interact with artworks in various ways such as looking, copying, and reading reviews on the artworks. Different ways of interaction with artworks provide different kind of perceptual experiences. In this paper, we focused on the copying of artists' works and proposed the hypothesis that copying encourages the copiers' creativity as well as their acquiring knowledge of the artworks. We presumed that copying has the following two aspects: (1) understanding others and (2) understanding oneself. In the former aspect, the knowledge about the artistic products (to be copied) would be deepened by means of inferring the art making processes. In the latter aspect, the copiers' own taste for expression may become clarified by means of comparisons with others' artworks. Thus, the latter aspect is particularly important for creativity, because it might facilitate the copier's ability to produce her/his own original artworks. Our recent experiment (Ishibashi & Okada, 2003) revealed that copying facilitated students' creativity for drawing. Some of the verbal protocols in the copying session of the experiment indicate that the students participated in these two aspects of copying processes.
著者
髙本 亜希子 石橋 弘志 福島 聡 友寄 博子 有薗 幸司
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.192-199, 2020-10-25 (Released:2020-10-30)
参考文献数
49
被引用文献数
2

本研究では,日本,ベトナムおよびインドネシアで栽培され,各国で販売されている精米(Oryza sativa L.)63試料を対象として,カドミウム(Cd)およびヒ素(As)濃度の測定を行い,米摂取による成人および小児のCdとAsの推定一日摂取量を算出した.精米中のCdおよびAs濃度は,誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)を用いて測定した.日本,ベトナムおよびインドネシア産米中のCd濃度の50%タイル値は0.036,0.035および0.022mg/kg,As濃度の50%タイル値は0.101,0,142および0.038mg/kgであった.また,3か国の米のCdおよびAs濃度を比較したところ,Cd濃度では有意差は認められなかったが,ベトナム産米のAs濃度は日本およびインドネシア産米よりも有意に高かった.3か国の米からのCdあるいはAs摂取による成人と小児への非発がん性へのリスクを評価するため,Target hazard quotient (THQ)を算出した.3か国の米において,CdあるいはAs摂取による小児のTHQの50%タイル値は成人のTHQの50%タイル値よりも高かったが,これらのTHQの50%タイル値は1未満であり,非発がん性への健康リスクが低い可能性が示唆された.
著者
細井 匠 小枩 武陛 石橋 雄介
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11679, (Released:2020-05-27)
参考文献数
56

【目的】我が国の統合失調症患者に対する運動介入の効果に関して,身体機能の向上,精神症状の改善,ADL の向上,これら3 点についてこれまでの知見を検証すること。【方法】4 種類の電子データベースを用いて,2017 年までの全年代を対象に複数の検索式で検索した。検索結果を統合し,2 回のスクリーニングを実施して採択文献を決定した。【結果】38 編が対象となり,身体機能の向上について記述した30 編,精神症状の改善について記述した24 編,ADL の改善について記述した9 編の内容を検討した。【結論】対応の工夫や精神科治療と併用する必要はあるが,運動介入は統合失調症患者の身体機能の向上,精神症状の改善,ADL の向上に寄与し得ることが示唆された。