著者
伊藤 節子
出版者
一般社団法人日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.21, no.5, pp.649-656, 2007-12-10 (Released:2008-06-30)
参考文献数
14
被引用文献数
3 3

乳児期発症の食物アレルギーの関与するアトピー性皮膚炎は食物アレルギー関与する乳幼児のアレルギー性疾患の中で最も多い疾患であり,成因・経過の面からみるとアトピー性皮膚炎の中でも独立した疾患カテゴリーを形成している.適切なスキンケアと合わせて行う正しい抗原診断に基づいた必要最小限度の食品除去は最も効果的かつ合理的な治療である.この疾患のもう一つの重要な側面は,アトピー素因の強い児に発症し,多くの児にとり生涯で最初に経験するアレルギー性疾患であるということである.そのため,食事療法のみならず住環境整備(効率のよいダニ対策,室内ペットの回避,室内禁煙)がアレルギーマーチ進展予防のための早期治療介入として重要である.
著者
山田 節子 今野 祐子 三森 一司 出雲 悦子 大久 長範
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.18, pp.173, 2006

[目的]近年、ペットボトル飲料を日頃から水分補給のために利用する人が増えている。缶入り飲料に比べて、いつでも手軽に飲みたい分だけ飲め、そのうえキャップを閉めればどこへでも持ち運べるという利便性がある。また、消費者の健康志向も伴って、さまざまなペットボトル飲料の中でも、茶系飲料の売れ行きが好調である。しかし開栓後、直接口をつけて飲み、それを持ち運ぶことで様々な細菌に汚染されることが予測される。そこでペットボトル飲料に口内細菌と大腸菌を植え、どのくらい増殖および変化がみられるかを実験したので報告する。<BR>[方法]茶系飲料、スポーツドリンクおよびミネラルウォーターのペットボトル飲料に、自身の唾液より採取した口内細菌と、大腸菌をそれぞれ添加し、25℃で24_から_48時間保存したあと、菌数の変化をペトリフィルムで測定した。<BR>[結果]口内細菌を接種したところ、24時間後では、ブレンド茶は約、3.6倍、ミネラルウォーターは約、1.5倍と大きく増加する傾向が認められ、48時間後には無限大となった。ウーロン茶は、48時間後ではほぼ一定を保ち、緑茶は減少傾向を示した。PHが3.7と低いスポーツドリンクは口内細菌が減少する傾向にあった。大腸菌接種では、ウーロン茶、緑茶、ブレンド茶、スポーツドリンクは24時間で検出限界にまで減少し、ミネラルウォーターは一時的に減少したが、48時間後にも接種菌数の約、1/6が検出された。ペットボトル飲料が一般細菌に汚染された場合には、pHが中性に近づくに従い汚染が進行しやすく、pHが3付近では進行し難かった。
著者
布施谷 節子 松本 智絵美
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.242, 2006

〈目的〉 スカート丈は流行によって変化するものの,定番のタイトスカートで、下体部が美しく見え、かつ、着用者に適合するような丈や色の設定はいかなるものであろうか。本研究では、若い女性が気にするような、脚が細く長く見える条件を体型別に明かにしようと試みた。〈資料・方法〉 被験者は体型が異なる女子大生4名で,着用実験に用いたタイトスカートは,各人の身体寸法に合わせて製作したものである。スカート丈は膝の中央を基準として、膝上10cm、膝の中央、膝下10cm、ふくらはぎの位置、踝の5条件で白と黒の2種類、計10条件をカメラで撮影し、これを評価の資料とした。写真資料を51名の女子大生が、バランスの良い・悪いもの、下体部の太く・細く見えるもの、脚の長く・短く見えるもの、総合評価の7項目の印象評価を行った。〈結果〉 _丸1_因子分析の結果、固有値1以上の6つの因子が抽出され、体型別に評価が分かれることがわかった。_丸2_黒スカートの場合、脚が細く長く見える丈は、背が高く太った被験者では踝丈、背が高く細い被験者では膝上10cm丈、背が低く太い被験者ではふくらはぎ丈であった。背が低く細い被験者では膝丈又は膝上10cm丈であった。スカートと脚のバランスの良い評価はいずれの被験者も膝丈であった。_丸3_白スカートの場合は、細い被験者は黒の場合と同じ評価であったが、太い被験者の場合では膝下丈は脚が細く見えるが、脚が長く見えるのは膝上丈であった。_丸4_黒と白のスカートを比較すると、太った被験者は黒の評価が高く、細い被験者では評価は分かれた。

1 0 0 0 OA 芥子園画伝

著者
王安節 等摸古
出版者
前川文栄堂
巻号頁・発行日
vol.2集 梅譜 下冊, 1881
著者
菊池 節子 鍬野 信子 佐原 昊 近藤 榮昭
出版者
The Japan Society of Cookery Science
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.337-340, 1987

We discussed about preservative properties of Tsuto-Dofu, the local dish in Aizu. Tsuto-Dofu was preserved at 5± 5°C in electric refrigerator. The quality of Tsuto-Dofu was evaluated by sensory test and instrumental analysis.<BR>The results obtained were as follows:<BR>1. The deterioration of Tsuto-Dofu was recognized by sensory test at the fourth day in the preservation.<BR>2. The color of Tsuto-Dofu became yellowish in the preservastion but this phenomenon didn't have influence on the quality judged by the sensory test.<BR>3. Significant difference of texture was recognized by the sensory test at fourth day but there is no significant difference in the hardness determined by curd-meter. Seemingly this came from that sensory evaluation of texture involved not hardness but the other factors.<BR>4. The absorbance of water, in which Tsuto-Dofu was soaked for the preservation, increased with the lapse of time, while the pH decreased on the contrary. From these results, it seems that the values of absorbance and pH are usefull as indices of deterioration.
著者
四方 節三
出版者
財団法人 日本消化器病学会
雑誌
實驗消化器病學
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.1-12, 1939

健常人及ビ諸種疾患々者ノ血清「ポリペブチイド」量ノ消長ヲ觀察スル目的ニテ、余ノ曩ニ報告セル方法ニ從ヒ、特ニ疾患ノ經過ヲ遂ヒテ血清DN (Differenzstickstoff) 價ヲ測定セル結果、次ノ成績ヲ得タリ。<BR>健常人ニ於ケル血清DNハ平均四・九mg/dlナリ。肝臟諸疾患々者ニ於テハソノ血清DNノ上昇シ得ルコト、而モソノ上昇度ハ臨床的症状ノ重篤ナルモノニ於テ一般ニ著シキコトヲ知レリ。即チ重症鬱血肝・末期ノ肝臟癌・肝硬變症及ビ重症膽石症等、尚又「ワイル」氏病及ビ敗血症ヲ合併セル「カラ・アザール」ノ患者ニ於テハソノ増加度顯著ニシテ、而モ膽毒症ヲ併發セル例ニ於テハ最モ高キ数値ヲ示セリ。腎臟疾患々者ニ於テハ、高價ノ残餘窒素量ヲ認メタル急性及ビ慢性腎臟炎ニ於テソノ血清DNノ上昇ヲ證明セリ。而モコノ數値ハ臨床的症状ノ重篤ナル例ニ於テ一般ニ高ク、尿毒症ヲ併襲セル例ニテハ、ソノ上昇度顯著ナリ。ソノ他ノ諸疾患中、白血病・肺癆・脳出血ヲ合併セル急性肺炎等ノ患者ニ於テモ一定ノ増加ヲ觀タリ。尚重症敗血症ノ一例ニテハ三六・六gm/dlノ高値ヲ認メタリ。<BR>即チ血清DN價ノ消長ヲ、ソノ疾患ノ經過ヲ逐ヒテ觀察スルコトハ、一定疾患殊ニ肝臟疾患々者ニ於テハ、ソノ豫後判定ニ對シテ一定ノ資與アル可キモノト理解セラルベシ。
著者
桜田 一郎 坂口 康義 細井 君平 福井 節也
出版者
The Society of Polymer Science, Japan
雑誌
高分子化學 (ISSN:00232556)
巻号頁・発行日
vol.17, no.177, pp.83-86, 1960

ポリビニルアルコールおよびそのモノクロル酢酸エステルを, モノクル酢酸と水との混合液中で塩酸を触媒として反応を行なった.その結果, エステル化とケン化の両反応の間に可逆平衡が存在して, 1官能分子と同一形式の平衡関係が成立すること, および反応は簡単な可逆2分子式にほぼ従って進行することを認めた。この反応の平衡定数ならびに速度定数は, メタノールのモノクロル酢酸化反応のそれらと同程度である。これらの結果は, ポリ酢酸ビニルのケン化機構に対する従来の考えを支持している。
著者
西山 要一 植田 直見 桐野 文良 野尻 忠 早川 泰弘 今津 節生 東野 治之 関根 俊一 望月 規史 成瀬 正和
出版者
奈良大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2018-04-01

携帯型蛍光X線分析装置、据付型蛍光X線分析装置、X線回折装置、X線透過撮影装置など多種の分析器機・調査機器を活用して真鍮製考古資料・美術工芸品の成分分析等を行った。三重・大宝院所蔵大般若経八巻(紺紙金字経)の詳細な科学分析、および平安~江戸時代の紺紙金字経・同断簡の分析などによって、経典写経における真鍮泥使用の広がりを把握し、その宗教的・技術的・経済的な意味を歴史上に位置付けることを試みた。また古代~中世の京都・平安京跡、岩手・平泉遺跡、近世の奈良・奈良町遺跡、和歌山城跡などの出土銅合金・真鍮資料・鋳造資料を悉皆的に科学分析し、各遺跡・各時代における真鍮製品の実態を把握した。美術工芸資料調査では、長谷寺・九鈷鈴(中国・元時代)、當麻寺・螺鈿玳瑁螺鈿唐草合子(朝鮮・高麗時代)の将来品の分析を行い真鍮が使われていることを確認した。この種の日本製真鍮製品が見当たらないことから、真鍮の利用に日本と両国の間では様相を異にすると考えられる。近世には日本絵画の彩色に真鍮泥が使われる諸例を明らかにしつつあり、江戸時代以降の広範な真鍮利用の実態が判明しつつある。史料学調査では、日本・韓国の真鍮関連の古記録の探索の中で、新たに朝鮮の「三国史記」に真鍮関連の記載を見いだし、その真鍮史上の位置付けを試みている。さらに、韓国の真鍮資料を同国の分析科学者の協力を得て科学分析データおよび記録データの収集を行った。紀元前より真鍮製品(ローマコインなど)が存在するヨーロッパの諸例のデータも研究協力者の助力を得て収集し、日本の真鍮製品との共通性と差異、西アジアに発するとされる真鍮の起源とその伝来の道(ブラスロード)と歴史の一端を垣間見ることができた。これらの研究成果は、昨年度報告と同様に2019年度研究成果(冊子)にまとめ、日本文化財科学会大会(2020年7月)などで公表の予定である。
著者
狭間 節子 橋本 是浩
出版者
大阪教育大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

主要な研究成果は、次の3点に要約できる。(1)ジオボード(格子点)を使った数学的活動の特性を明確にし、その特性を活かした小・中・高校の数学的活動の枠組みを決定し、教材策定を行った。ジオボードの活動は、ボード上の図形間の関係についての子どもの気づきや疑問から出発し、分析、分類を通して関係を精密にし、推測を検証・精錬し、一般化及び形式化に至る数学化の過程であり、特に、関係の分析は、総合・統合を介する分析として、次の点を明確にした:(1)全体的・直観的把握から分析へ (2)図形の外部との関係へ広がる分析(3)移動や拡大・縮小と結びつく分析 (4)ジオボードから格子点へ広がる分析(5)長さ、面積などの連続量を、点や線分の数などの分離量に結びつける分析(2)上記の特性を活かした数学的活動の枠組みを設定し、素材開発と教材策定を行った。【小学校 低・中学年】実際的操作や観察を基に形を動的に全体的・直観的に捉え、分類する活動・形づくりと形の変形(★) *周一定な図形の面積(★)【小学校 高学年〜中学校 前期】分析・分類により推測を検証・精錬し、一般化へいたる活動*図形の等周変形 *正方形くずし(★)*フェアリ-数列 ・ピックの定理の発見的アプローチ(★)【中学校 後期〜高校】格子点を使った関係の一般化、形式化、及び局部的な論理的構成の活動*等周変形とピックの定理 *オイラーの定理を用いたピックの定理の証明上記*印の題材は素材開発にあたり、★印は授業実践によって検討、検証した。(3)実践では、ジオボードの数学的活動は、手(実際的操作)と目(イメージ)と頭(思考)と口(言語表現・伝達)が同時に働く、認知的・情意的両面からの子どもの"whole brain"の活動として検証された。トランプ型「ジオカード」考案により、分析・分類を手軽に興味ある活動にした。グループ活動による成果も大きく、また次の課題意識へつながるオープンエンドの様相を呈したことは注目に値する。
著者
江口 和子 岡田 武史 高士 将典 佐野 節夫 進藤 篤信
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.253-257, 1995-03-01 (Released:2011-05-30)
参考文献数
6

難治性アトピー性皮膚炎に対して東洋医学的治療を行った。症例は20例で鍼灸湯液併用治療及び湯液治療の二つに分けてその有効率を比較した。鍼灸湯液併用治療は8例中7例有効であり有効率88%, 湯液治療は12例中8例有効であり67%であった。鍼灸湯液併用治療と湯液治療が共に有効であったが鍼灸湯液治療がより有効であると考えられる。
著者
平尾 和子 米山 陽子 濱西 知子 高橋 節子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.16, pp.24, 2004

【目的】みたらし団子用たれは、一般的に馬鈴薯澱粉などの天然澱粉が用いられており、その保存期間は短い。そこで本研究においては、耐老化性や低温保存安定性に優れた化工小麦澱粉を用いて団子用たれを調製し、馬鈴薯澱粉、天然小麦澱粉を用いたものと、物性ならびに官能評価による食味特性を比較し、保存方法および利用性についても検討した。<br>【方法】試料とした化工小麦澱粉はMidsol 4, Midsol 46の2種を用い、天然小麦澱粉Midsol 50 (ともに米国MGP社製) および馬鈴薯澱粉(ホクレン社製)と比較した。たれの調製は澱粉濃度9%とし、ショ糖は全液量の40%、醤油は10%とした。各澱粉の粘度はラピッドビスコアナライザー(RVA)により求め、糊の物性はテンシプレッサーを用いて測定した。凍結・解凍安定性は、RVAで調製した試料を室温に20分間放冷後、-20℃で22時間凍結、室温で2時間解凍を1サイクルとし、1から7サイクル繰り返した試料について物性測定を行い、調製直後と比較した。官能評価は評点法により検討した。<br>【結果】1)化工小麦澱粉2種は天然小麦澱粉に比べて、粘度上昇開始温度は低く、最高粘度、冷却50℃時の粘度がともに高く、糊の付着性は大きい値を示した。2)化工小麦澱粉は凍結・解凍後の糊の物性変化および離水は認められなかった。3)醤油の添加により、いずれの澱粉も最高粘度は低下した。4)ショ糖と醤油を加えたたれは凍結・解凍に伴い、馬鈴薯澱粉では硬さ、凝集性、付着性、ねばさの値の変化が大きいのに対し、化工小麦澱粉はこれらの変化が少なく凍結・解凍安定性が認められた。5)官能評価の結果から、化工小麦澱粉を用いたたれは、馬鈴薯澱粉および天然小麦澱粉に比べて高い嗜好を示した。