著者
猪子 富久治 安宅 健 木村 節 秋園 幸一 美馬 源次郎 辛島 誠一
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.672-679, 1982
被引用文献数
2 2

In order to examine effects of the grain boundary on initiation of fatigue cracks, aluminum bicrystals were produced with Bridgman method. They were tested by a bending fatigue testing machine under the constant strain amplitude of 0.18%.<BR>It has been found that conditions necessary for the initiation of fatigue cracks along primary slip bands in the grain boundary affected-regions are as follows:<BR>(1)&emsp;Dislocations parallel to the grain boundary planes are of nearly the screw type.<BR>(2)&emsp;Cross slip on the primary slip systems can be promoted due to incompatibility of elastic and plastic strains at grain boudaries.
著者
波田野 節子
出版者
国際地域研究学会
雑誌
国際地域研究論集 = JISRD : Journal of International Studies and Regional Development (ISSN:21855889)
巻号頁・発行日
no.11, pp.9-16, 2020-03

本論文は2019年5 月25日に青島の中国海洋大学で開催された海外韓国学中核大学事業団2 段階第5 回国際学会において韓国語で行なった招請発表の内容を日本語にしたものである。
著者
中田 節也 鎌田 浩毅
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山.第2集 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.273-289, 1988
被引用文献数
8

Volcanism and deposition of volcaniclastic materials within a graben in the Shimabara area, western Kyushu, started in early Pliocene and have continued up to the present. The volcanic products comprise alkalic to high-alkali tholeiitic basalts in addition to calc-alkalic andesites. The basalts are of a member of magmas erupted extensively in NW Kyushu from late Miocene to Recent. Their incompatible-element patterns in spider gram, in which the abundances of Rb, Ba, K, Nb, Zr and Y are normalized to those of MORB, are uniform independently of their eruption-ages, and show positive Ba and Nb anomalies strongly indicative of the marked affinity with ocean-island basalts. These patterns are clearly different from those of island-arc basalts which have negative Nb anomaly, as represented by the Quaternary high-alumina basalts in central Kyushu, and from those of back-arc basin basalts usually showing the same anomaly. It is concluded that basaltic magmas in NW Kyushu were derived from partial melt of fertile mantle with high Nb/Zr. Most of the andesites in the Shimabara area have phenocryst assemblages showing co-existence of magmas with different compositions. This fact and the spidergram pattern without Nb anomaly of the andesites lead us to a magmatic model; the andesite magma originated from mixing of positive-Nb-anomaly basaltic melt with negative-Nb-anomaly acidic partial melt of lower-crust materials which were presumably heated by the former melt. The graben in the Shimabara area seems to have developed in southern periphery of the region under which fertile mantle materials have been rising up from the depth and the subducted oceanic slab has not reached, like the "hot region".
著者
高村 節
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.21, no.7, pp.479-488,531, 1972-07-30 (Released:2017-02-10)

スギ花粉症患者を対象に鼻アレルギー患者の血中セロトニン(5-HT)についての検索とその測定意義を検討してみた.スギ花粉症患者を選びだすために, まず臨床的鼻アレルギー検査を皮膚反応試験, 鼻粘膜誘発反応試験, またはPK反応試験で行なったところ, これら3試験の成績はいずれも高度の陽性率を示した.また鼻粘膜の 5-HT に対する感受性試験を行なったが, 患者は健康者に比べ 5-HT に対して過敏であることを認めた.次いで患者の血中 5-HT をスギの非開花期と開花期, あるいは鼻粘膜誘発試験前と試験後とで測定比較してみたが, いずれも後者において有意に高値を示した.さらに人為的に 5-HT を変動させ, 鼻症状の消長を観察する目的で nialamide, reserpine さらに cyproheptazine を患者に投与した.Nialamide では血中 5-HT の上昇とともに鼻症状の増悪をきたしたが, cyproheptazine のように血中 5-HT に変動がなくても鼻症状は軽減し, reserpine では血中 5-HT の減少をきたすにもかかわらず鼻症状は増悪する傾向が観察された.以上のことから, 鼻アレルギー発症と血中 5-HT との間には一致した相関性は認められず, 鼻アレルギー患者の血中 5-HT の測定は鼻アレルギーの補助的診断としての示標にはなり得ないことが立証された.
著者
李 節子
出版者
日本国際保健医療学会
雑誌
国際保健医療 (ISSN:09176543)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.7-12, 2004
被引用文献数
1

在日外国人の健康問題, 保健医療課題を明らかにすることを目的して, 外国人人口統計・人口動態統計を分析した。以下のことが明らかとなった。<br>・1980年代後半から在日外国人人口, 国際婚姻が急増し, 日本における多民族化が進んでいた。<br>・日系ブラジル人人口は, 20歳代から30歳代の生産年齢人口に集中し, 日本で出生した15歳未満の子どもの人口が年々増加, 定住化傾向がみられた。また, 全死亡数に占める「傷病及び死亡の外因」が高くなっていた。<br>・在日韓国・朝鮮人は高齢化, 少子化が進み, 65歳以上の総外国人登録者人口の8割を占めていた。<br>・「韓国・朝鮮」の三大死因は悪性新生物(がん), 心疾患, 脳血管疾患死因であり, 日本人の死亡動向と類似していた。<br>・在日外国人の健康課題は大きく3つ分類される。在日韓国・朝鮮人については老人保健, 近年, 移住した外国人については母子保健と労働衛生, そしてすべての外国人に対しては, 移住, 異文化, マイノリティであることに起因した精神保健の問題である。
著者
今本 美幸 栗原 伸公 熊谷 聡子 土江 節子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.322-327, 2010 (Released:2010-11-29)
参考文献数
12

【目的】管理栄養士が行う栄養教育では,対象者が理解しやすく的確な内容が伝えられる「言葉」が必要である。このうち「控える」という言葉は,対象者に塩分や動物性脂肪など摂取の減量を指示する言葉であるが,その方法や量などの明確な指示はしていないと考える。そこで我々はアンケート調査を行い,日本の兵庫県で働く管理栄養士が用いる「控える」という言葉の概念を明らかにするため,栄養指導における言葉の効果を調べた。【方法】我々は控える対象としてエネルギー,甘いもの,アルコール,動物性脂肪,塩分の5項目を選び,「控える」という言葉の指導者側の意識を調査した。【結果】管理栄養士は50%以上が栄養教育において「控える」という言葉を使用していた。管理栄養士は,対象者が行うと期待する控える方法や量に個人差があった。また管理栄養士の勤務年数3年未満,3年以上20年未満,20年以上の3群による経験年数別の比較では,塩分で差があった。【結論】「控える」という言葉はとても不明瞭であり,この言葉のみで対象者が食生活改善できるとは限らない。管理栄養士は「控える」という言葉を単独ではなく,可能な限り具体的な言葉とともに用いることが必要である。(オンラインのみ掲載)
著者
半澤 節子 石原 和子 永田 耕司 黒岩 かをる
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学医学部保健学科紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.75-80, 2002-06
被引用文献数
1

従来,模擬患者(Simulated Patient=SP,以下SPと略す)を導入した演習は,医学生による医療面接や看護学生による看護場面など個別に試みられてきている.今回本学では,SPを導入した看護学生と医学生による合同演習を初めて試みた.SPの面接場面には,父親の癌について母親から情報を受けた長女が,医療スタッフに父親の病状を確認する場面を設定した. 演習終了後アンケート結果の自由記載欄の記述から,看護学生は長女の気持ちを汲み取り,理解のある態度で接することが大切であると記載したものが多かった.一方,医学生はその場面を観察し,家族の気持ちを理解しながらも,データに基づいて現時点での治療方法について科学的に説明する必要があると記載したものが多かった.
著者
田村 節子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.168-181, 2003-03-30 (Released:2012-12-11)
参考文献数
17
被引用文献数
4

学校生活において子ども達は, 学習面, 心理・社会面, 進路面, 健康面にわたる多様な援助ニーズをもっている。スクールカウンセラーが, 子ども達の援助ニーズに応えるためには, 学校心理学に基づく心理教育的援助サービスの理論体系 (石隈, 1999) が多くの示唆を与える。本稿では, 学校心理学を枠組みとしてスクールカウンセラーが実践したコア援助チームの事例を取り上げ, 心理教育的援助サービスについて考察した。コア援助チームとは“教師・保護者・コーディネーター (スクールカウンセラーなど)が核になり, 他の援助資源を活用しながら定期的に援助する心理教育的援助サービスの形態 (田村, 1998)”である。コア援助チームでは, それぞれの異なった専門性や役割を生かしながら子どもの状況について検討し, 今後の援助について話し合い, 援助資源を生かして援助を行う。コア援助チームで行ったコーディネーションや相互コンサルテーションは有効であることが示唆された。さらに, 援助資源の把握, アセスメント, 援助の立案などのために作成した援助チームシート・援助資源チェックシートも有用であることが示された。
著者
高野 操 木下 節子 高橋 秀人 幸田 幸直 岡 慎一
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.203-211, 2002
被引用文献数
1

本研究は, 血友病/HIV-1感染者の長期的な予後と, 多剤併用療法に対する臨床効果を明らかにする目的で, 1990年から1993年時点に, 無症候期であった血友病/HIV-1感染者69人と, 非血友病/HIV-1感染者29人を対象に, 比較検討を行った.<BR>1990年-2000年までのCD4数の変化は, 両群に有意差を認めず, 観察開始からAIDSを死因とした生存時間にも, 両群に有意差を認めなかった. しかし, 血友病/HIV-1感染者におけるAIDS以外の死因として, 出血, 肝硬変・肝癌による死亡が特徴的にみられた.<BR>1997年以降の生存者は98人中55人 (血友病39人, 非血友病16人) で, そのうち多剤併用療法を導入した患者は, 血友病/HIV-1感染者28人, 非血友病/HIV-1感染者12人であった. SQVを除く初回多剤併用療法で, HIV-1RNA量を検出限界以下 (<400copies/m1) に抑制できた患者の割合は, 有意差を認めなかったが, 服薬継続期間は, 血友病/HIV-1感染者平均84週, 非血友病/HIV-1感染者平均51週で, 血友病/HIV-1感染者の方が有意に服薬継続期間が長かった (p<0.05). 一方, 多剤併用療法開始から, 2000年7月までの薬剤変更・中断歴を調べると, 血友病/HIV-1感染者の場合, 既に3回以上の変更が行われている患者が35.7%と, 非血友病/HIV-1感染者16.7%に比べ多い傾向を示した. このことから, 血友病/HIV-1感染者の間では, 頻回な治療変更を余儀なくされている患者群のある可能性が示唆された.
著者
坂口 昌幸 新宮 聖士 春日 好雄 小林 信や 天野 純 保坂 典子 野村 節夫
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.3021-3026, 1998-12-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
52

症例は45歳女性.検診で前頸部腫瘤を指摘され,縦隔内甲状腺腫と診断された.この時に胸部X線で右横隔膜の挙上を指摘され, CT, MRIにて右肺下面と横隔膜との間に巨大な腫瘤を認め,右肺中葉を圧排していた. CT値より脂肪腫,胸腺脂肪腫が疑われた.これらの腫瘍を摘出した.縦隔内甲状腺腫は256g,縦隔内巨大腫瘤は2,000gで,病理組織学的にはそれぞれ腺腫様甲状腺腫,胸腺脂肪腫と診断された.縦隔内甲状腺腫を合併した胸腺脂肪腫は極めて稀で,われわれが検索しえた限りでは,本症例1例のみであった.
著者
小塩節著
出版者
青娥書房
巻号頁・発行日
1988
著者
坂部 知平 坂部 貴和子 田之倉 優 江橋 節郎 三井 幸雄 山根 隆 大沢 文夫 京極 好正 芦田 玉一
出版者
(財)国際科学振興財団
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1993

本重点領域ではこれまで4年間放射光を利用して蛋白質結晶構造のダイナミックスの研究を、蛋白質が関与する反応及び調節などの機構を3次元構造を基礎にして理解するために必要な研究を勢力的に進めてきた。本年度の目的はこれまでの研究成果報告を行い評価することと、これまでの成果をまとめて報告書を出版することであった。この目的を達成するため、平成5年度〜平成8年度研究生果報告会を東京大学山上会館て7月16日から18日まで開催した。会議では実行班の計画研究代表者、分担者、公募研究代表者全員が成果を報告を行い、総括班の評価委員が座長を受け持った。出席者は142名と盛況で盛んな議論が展開された。そしてこの時点で研究グループが解散するのは大変残念であるとの声が多くの参加者から出た。これまでのすべての報告をもとに作られた小冊子が10月16日に文部省で行われた最終ヒアリングで提出された。ヒアリングの席でこのような研究をさらに広範な分野に広げることは出来ないかとの質問が出された。また、会議に先だってアブストラクト等を収録したNewsLetter5-1(108頁)を発行した。各研究者の会議報告うは4年間の研究成果報告書(630頁)に収録された。総括班会議は2回行った。初回は成果報告会中の7月17日、2回目は平成10年1月24日であった。会議の中心議題はこれまで盛り上げてきた学際的な研究態勢を今後どのようにして維持し、研究の活性を維持し、さらに広い領域に発展させるかということであった。最終的には今後発展が期待される時間分割ラウエ法利用研究において最高の成果を上げられた京大化研の小田順一教授が世話役になり広範な領域の研究者が参加した『動的構造研究会』を母体にして特定Aの申請がなされた。以前から懸案になっていた英文のモノグラフ発行については次期特定が認められた場合その成果も交えて出版することが認められた。
著者
和井田 節子 小泉 晋一 田中 卓也 Setsuko Waida Koizumi Shinichi Tanaka Takuya
出版者
共栄大学
雑誌
共栄大学研究論集 = The journal of Kyoei University (ISSN:1880859X)
巻号頁・発行日
no.14, pp.193-216, 2016

共栄大学教育学部では、2 年次必修演習科目「教育学基礎演習」(半期・1 単位)の中で「知的思考力」と、協同的に問題解決をする「社会的能力」の育成を目的に、教育政策的なテーマで、チームによるディベートを行っている。本研究では、2015 年の授業記録とアンケート結果から、ディベート学習の教育的効果と課題を検討した。その結果、「知的思考力」の向上は認められたが、「社会的能力」に関しては有意な効果は認められなかった。しかし、説得力のあるディベートができたチームには、協同的に準備ができたという感想を持つ傾向があり、チームワークのスキルを学ばせる必要も示唆された。
著者
山本 信弘 光藤 雅康 須藤 勝見 上延 富久治 近藤 雄二 山下 節義
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 3 自然科学 (ISSN:03737411)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.p287-297, 1988-12
被引用文献数
2

ファミリーコンピュータなどの家庭用テレビゲームが急速に普及し,児童の心身発達過程における悪影響が指摘されはじめた。われわれは,小学校高学年の児童を対象に質問紙法によりテレビゲームの実行状況を調査し,特に,画面を見つづけることによる視機能や身体・精神面への影響とテレビゲーム遊びがもたらす日常生活場面における影響に関するデータから,学校保健上の指導対策を考えた。その結果として以下の様な知見を得た。(1)テレビゲーム経験者は調査対象者の9割以上で,遊びの頻度と1回当りの時間については約4割の者が親や教師との約束を守りながら実行していた。(2)テレビゲーム実行後の自覚症行については眼の症状の訴えだけでなく,頸,肩,腕,手指などの訴えが多く,実行時の姿勢や環境に留意させる必要がある。(3)精神面については,「何もしたくない」,「イライラする」,「親の話を聞くのが面倒」などと訴える者が多く,無気力,短気,反抗的などの傾向がみられる。
著者
桃沢 幸秀 寺田 節 佐藤 文夫 菊水 健史 武内 ゆかり 楠瀬 良 森 裕司
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.69, no.9, pp.945-950, 2007-09-25
参考文献数
26
被引用文献数
1 18

ウマの不安傾向を理解することは、騎乗者にとっても獣医師にとっても重要である。本研究では、被験馬をよく知る管理者が気質評価アンケートに回答することで得られた不安傾向スコアと、行動実験から得られた結果とを比較し、不安傾向と関連が深い行動指標を探索した。各馬を新奇環境に導入後、ビニール紐を介して壁に繋留し、管理者が傍にいる状態で2分間観察したのち管理者が離れウマ単独の状態で更に2分間観察した。その結果、単独にされることで多くの観察データが変化したが、アンケート調査により不安傾向が高いと評価された個体ほど、心拍反応が高くビニール紐切断までの潜時は短かった。こうした傾向はメスでより顕著に観察された。以上のことから、新奇環境に単独でおかれた際の心拍数と切断潜時は不安傾向の指標として有効であることが示された。また行動実験と気質評価を組み合わせることで、他の気質項目についてもより信頼性の高い評価を行える可能性が示された。