著者
荒木 純隆 緒方 靖弘 太田 亮子
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.157-160, 2023-08-01 (Released:2023-10-11)

視聴者の感想を整理することで、DAショートトークの視聴者満足度の高さと、多岐にわたる講演要望からニーズの高さを再確認できた。一方でこれまでの集客方法による参加者拡大の難しさや、アーカイブ公開している動画の活用が少ないという反省点もあり対策を検討・実施していく。さらに、研究者と産業界のコラボレーションを促す施策も取り入れ、新たな活動も開始していくことを計画している。
著者
谷元 勇太 原 正文 緒方 隆裕 永松 邦夫 竹原 大地
出版者
一般社団法人 日本臨床整形外科学会
雑誌
日本臨床整形外科学会雑誌 (ISSN:18817149)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.45-49, 2022 (Released:2022-07-15)
参考文献数
9

目的:プロ野球投手を対象にメディカルチェックを実施し,疼痛再現性評価での疼痛に関与する理学所見について検討した.対象:2004年から2016年の13年間のシーズン後に,メディカルチェックを実施した,投球時痛を訴えていないプロ野球投手191名を対象とした.方法:調査項目として,当院で利用している野球肩理学所見11項目を評価した.疼痛再現性評価のImpingement testまたはHyper external rotation test(以下HERT)にて,疼痛の再現を認めたものを疼痛群,疼痛の再現を認めなかったものを非疼痛群とし,各項目の異常率を2群間で比較,検討した.結果:疼痛群の異常率が非疼痛群と比較し,有意に高値を示した項目は,関節不安定性評価(以下LOOSE),肩甲帯機能評価のElbow extension test (以下EET),Elbow push test(以下EPT),腱板機能評価の下垂位外旋筋力(以下ER),初期外転筋力(以下SSP)であった.また,肩関節可動域評価のCombined abduction test(以下CAT),Horizontal flexion test(以下HFT)の異常率は,両群ともに高値を示し有意差は示さなかった.考察:プロ野球投手において,肩関節可動域制限は疼痛再現性評価での疼痛の有無に関わらず高頻度で認め,疼痛再現所見は肩関節可動域制限を基盤に,関節不安定性,肩甲帯機能低下,腱板機能低下といった所見が増加することで発生すると考えられた.
著者
緒方 一喜
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.116-129, 1958-08-10 (Released:2016-09-04)
被引用文献数
7 7

ドクガEuproctis flava Bremerの各期の形態, 特に幼虫と, その毒針毛についての形態を報告した.(1)卵は淡緑色.みかん形をしていて, 背腹に扁平, 底面はやゝ凹陥する.長径平均0.63±0.008mm, 短径平均0.46±0.013mm.卵殼は白色で, 表面には紋理, 凹凸はない.卵は卵塊として産みつけられ, 卵塊の表面は雌の尾房毛で厚くおおわれる.(2)幼虫の経過令数は, 各種環境要因に影響されて個体により群体により一定しない.このために, 令毎の特徴は一定しないで, あらゆる場合の個体に共通の令の特徴というものは, 1令を除いて見出す事はむつかしい事が分つた.幼虫は, 全期間を通じて, 形態的に5つの型に分ける事が出来る. A型は1令に相当し, 全く毒針毛を有しない. B型は2令以後10令まで.但し5令頃からC型がまざつてくる. B型は第1腹節亜背線部に1対の毒針毛叢生部をもつ型である. C型は, 更に第2腹節亜背線部に1対の毒針毛叢生部をもつ型で, (n-2)令までに相当する. D型は, 更に第8腹節亜背線部に毒針毛叢生部をもつ型で, (n-1)令に相当する.E型は終令で, 第1腹節亜背線に2対, 第2〜8腹節亜背線, 第1〜8腹節気門上線, 第1〜6腹節(時に1, 5, 6節を欠く)気門下線に各1対の毒針毛叢生部をもつ型である.(3)幼虫では, 普通体毛及び毒針毛は, 何れも各節の瘤起上に束生している.普通体毛には, 微毛と長短毛がある.微毛には, 瘤起上, 腹脚上, 普通微毛の3種がみられる.長短毛には, 普通毛, 側枝毛, 細毛, 単純毛などの区別がみられる.(4)毒針毛は, 平均約0.118mm, 最小0.053mm, 最大0.227mmの釘型をした毛で, 内部は中空, 表面には小さい棘状突起がならんでいる.ドクガの各stageを通じて, この毒針毛だけが, 有毒性をもつている.毒針毛長の最大値は, 令の増加に伴つて大きくなるが, 全毒針毛の平均値では, その増加は著しくない.毒針毛は, (n-1)令までは, 平均約7.5, 終令では平均約12.1本の1束となつて, 盃状体上の毛窩より生ずる.盃状体が集合して, 毒針毛叢生部を形成している.幼虫の令とともに, 一頭当りの毒針毛数は増加する.或飼育個体群のものを概算した結果では, 2令で約740本, 5令で約3, 300本, 8令で約8, 000本, 11令で約14, 500本, 14令(n-1令)で約88, 000本, 15令(終令)で6, 525, 000本にのぼつた.(5)サナギの形態を記載したが, 雌雄の区別は, 触角鞘が雌では細く, 隆起が小さいのに対し, 雄では逆である.また, 雌では, 第7〜10腹節の各関節は融合し, 腹面の境は正中線上に集つているが, この位置に生殖口がある.雄では, 第9と10腹節の境界線上に生殖口がある.雌は, 雄に比べて体長, 体重とも大きい.(6)成虫は, 体翅とも全体黄色で, 黄毛におおわれている.前翅先端の2黒点と, 中央附近の紫褐色黄帯が特徴的である.雌では, 腹部が太く, 尾端には多くの尾房毛が束生している.雄では腹部が細く, 尾端の尾房毛は甚だ貧弱である.
著者
斉藤 賢爾 中村 俊介 黒澤 伸一郎 緒方 大輔 南 政樹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.1P2OS9a8, 2012

<p>「アカデミーキャンプ」は、東日本大震災や福島第一原子力発電所事故の影響を受け、心身ともにストレスを受けて生活している福島県の小中学生を対象に、静岡県御殿場市にて実施しているキャンプ型の遊びと学びのプログラムである。この報告では、2011年夏および2012年冬に実施したキャンプを通して、参加したこどもたちのみならず、ボランティアとして参加した大学生等に生じた心的・行動的変化を述べ、評価を試みる。</p>
著者
緒方 昭子 井手口 範男 外村 昌子 蓮池 光人
出版者
一般社団法人 日本統合医療学会
雑誌
日本統合医療学会誌 (ISSN:24355372)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.40-46, 2020-05-20 (Released:2021-05-20)
参考文献数
21

近年増加した腹腔鏡手術に対する安楽ケアとしてソフトマッサージの効果ならびに研究方法の検証をするために、消化器がん患者を対象にマッサージ前後の変化についてランダム化比較試験 (RCT) を実施した。男性10名、女性3名 (平均年齢62歳) の対象者の協力が得られた。その結果、体温・脈拍・血圧に有意差はみられなかったが、マッサージ群のKOKOROスケールの 「不安な気分から安心な気分」 は対照群と比較して有意に改善していた。マッサージ後のインタビューから、 「マッサージしているときに痛みがない」 などの発言が得られた。これらのことから、測定値の顕著な変化は得られなかったが、ソフトマッサージは心理的安定に寄与することが考えられる。臨床看護においてRCTの実施はさまざまな困難を伴うため、対象者個別のデータを活用する代替的な研究方法を模索する必要性が示唆された。
著者
田中 英夫 緒方 剛 森定 一稔 田中 伸治 吉田 隆典 仲西 博子 三沢 あき子 西田 敏秀 鉄 治 永田 愛美 中里 栄介
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.68, no.8, pp.550-558, 2021-08-15 (Released:2021-08-11)
参考文献数
18

目的 新型コロナウイルスの低蔓延期の日本において,無症候性病原体保有者から感染していたと考えられる事例を収集し,感染が成立した1次感染者と2次感染者との接触状況等の諸条件を確認する。方法 持続無症候性か,もしくは前発症期に2次感染させたと考えられる事例の匿名化された感染者の情報と,両者が最終接触した時の状況報告の提供を,2020年6月20日を期限として全国保健所長会のメーリングリストを通じて依頼した。2府6県の8保健所から,1次感染者9人,2次感染者17人の症例報告書が提出された。著者らの4人が独立して各症例について感染成立の確からしさを判定し,それを元に合同協議の上,対象症例を決定した。結果 2020年3月から5月に確定診断された7人と,この7人から2次感染したと考えられた,合計13人の陽性者の感染状況を以下のように見出した:①持続無症候性の20歳代女性が,70歳代の祖母と自宅で空間を共有,②ヘアーサロン店内で40歳代の美容師が,発症2日前に,客4人と客の子ども1人に接触,③50歳代の看護師が,発症2日前に,自分が勤務する病棟の入院患者2人に病室内で介護,④50歳代の女性が,発症2日前に,80歳代と90歳代の2人の親族に家事支援のため自宅で接触,⑤60歳代の男性が,発症1日前に,約8畳大の集会場で60歳代の男性と対話,⑥60歳代の男性が,発症1日前に,会社の同僚の40歳代男性に,喫茶店で対話,⑦50歳代の男性が,発症1日前に,会社の同僚の50歳代男性に,事務所内と乗用車内で約50分間接触があり,感染させた,と考えられる事例であった。各保健所が実施した13人の2次感染者に対する積極的疫学調査では,上記以外の感染源は見出せなかった。それぞれの2次感染が起きたとする日から潜伏期間に相当する6日後のその府県における感染罹患率は,100万人日あたり,0.00から6.54と,極めて低率であった。結論 新型コロナウイルス持続無症候性陽性者からの感染があったと考えられた事例をケースシリーズの一連として国内で初めて報告した。発症前の感染事例では,2次感染者との接触はすべて1次感染者の発症1~2日前であった。感染時の状況は,自宅,ヘアーサロン,病室,狭い集会場などの,いずれも換気が不十分な空間での接触を認め,飛沫感染が起きやすい状況にあったと考えられた。
著者
緒方 靖哉 西山 孝 土居 克実
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.20-33, 2020

<p>近年,国内では全国規模での豚コレラの感染拡大やマダニ感染症による死亡例が大きなニュースとなり,国外でのエボラ出血熱やジカ熱などの蔓延が東京オリンピックを控えた我が国の大きな問題となっている.また,ゲノム解読技術の進展から新たなウイルスの存在が多数報告されている.このようなウイルスによる新興や再興感染症および環境ウイルスが注目を浴びている一方,これらのウイルスの分類について顧みられることは少ない.本稿では,ウイルス分類学の定義に基づいて,話題のウイルス,分類の改訂されたウイルス,さらに新たに発見されたウイルスについて紹介する.なお,本編には,興味のあるウイルスを手軽に検索できる索引リストを併記した.</p>
著者
神渡 巧 瀬戸口 智子 上田 次郎 吉永 優 緒方 新一郎 瀬戸口 眞治 高峯 和則 鮫島 吉廣
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.104, no.1, pp.49-56, 2009-01-15
参考文献数
10
被引用文献数
2 3

原料サツマイモの成分と芋焼酎の特徴香成分の関連性を検討し,以下のような知見を得た。<br>1. 原料サツマイモのデンプン価は,南九州でもっとも多く栽培されているコガネセンガンの27.9に対し,ダイチノユメ,ジョイホワイト,アケムラサキは30を超え,高デンプンの性質を持っていた。しかし,橙系のデンプン価は最大でも22.4と総じて低いものであった。<br>2. サツマイモの&beta;&ndash;カロテン含量と製品の&beta;&ndash;イオノン濃度には,高い正の相関があり良好な直線関係が認められた。しかし,&beta;&ndash;カロテン含量と製品の&beta;&ndash;ダマセノン濃度には明確な関係を確認できなかった。<br>3. サツマイモのアントシアニン含量と製品のジアセチル濃度には,高い正の相関があり,良好な直線関係を確認できた。<br>4. リナロールを特徴香成分としさわやかな柑橘香を持つ製品が得られるジョイホワイト以外のサツマイモとして,ダイチノユメを見出すことができた。<br>5. ハマコマチ製品は,今回試醸した製品の中で&beta;&ndash;ダマセノン,リナロールおよび&beta;&ndash;イオノンなどの特徴香成分の濃度が最も高く,また官能評価においても,従来の芋焼酎にない魅力的な香気を持つ製品であることがわかった。
著者
緒方 隆裕 原 正文 松谷 大門 内薗 幸亮 伊藤 平和
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.C0991, 2008

【目的】当院では野球選手に対して障害の予防と障害の状況を把握するため、肩関節機能・下肢機能・関節弛緩性など全身に関するメディカルチェックを実施している。メディカルチェックによるスポーツ選手の身体的特徴の把握は、スポーツによって骨・関節・筋・腱などの運動器にどのような負担がかかり、どのような障害が発生するかの予想を可能にする。今回、シーズン終了後のプロ野球投手に肩関節メディカルチェックを実施したので結果を報告する。<BR>【方法】対象はシーズンを通して一軍で登板したプロ野球投手24名である。先発投手9名、中継ぎ・抑え投手15名である。肩関節メディカルチェックはシーズン終了後に実施した。肩関節メディカルチェックは当院で実施している肩関節理学所見11項目テストを実施した。11項目のテスト内容は、1)肩甲骨脊椎間距離(SSD)、2)複合外転テスト(CAT)、3)水平屈曲テスト(HFT)、4)関節不安定性テスト(Looseness)、5)インピンジメントテスト(Impingement)、6)過外旋テスト(HERT)、7)肘関節伸展テスト(ET)、8)肘関節プッシュテスト(EPT)、9)外旋筋力テスト、10)内旋筋力テスト、11)初期外転テストとした。<BR>【結果】1)肩甲骨脊椎間距離における陽性は41.5%、偽陽性36.6%、2)複合外転テストにおける陽性は75.6%、偽陽性14.6%、3)水平屈曲テストにおける陽性は82.9%、偽陽性12.1%、4)関節不安定性テストにおける陽性は63.4%、偽陽性14.6%、5)インピンジメントテストにおける陽性は7.3%、偽陽性34.1%、6)過外旋テストにおける陽性0%、偽陽性0%、7)肘関節伸展テストにおける陽性は21.9%、偽陽性2.4%、8)肘関節プッシュテストにおける陽性は19.5%、偽陽性4.8%、9)外旋筋力テストにおける陽性は9.7%、偽陽性21.9%、10)内旋筋力テストにおける陽性は12.2%、偽陽性17.0%、11)初期外転テストにおける陽性は19.5%、偽陽性21.9%であった。<BR>【考察】水平屈曲テスト・複合外転テストはともに陽性率が高く82.9%・75.6%を示しており、これは肩甲上腕関節の可動域低下が示唆された。関節不安定性テストにおいても陽性63.4%を示しており、肩甲上腕関節における安定性の低下が示唆された。偽陽性を含む78.1%に肩甲骨の偏位がみられ、肩甲上腕関節の可動域低下による肩甲胸郭関節の代償運動の影響が示唆された。偽陽性を含む41.4%にインピンジがみられ、腱板筋力低下による影響が示唆された。
著者
杉本 真也 長沼 誠 福田 知広 吉松 裕介 緒方 晴彦 岩男 泰 金井 隆典
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.908-915, 2020-06-25

要旨●筆者らは,植物から抽出された生薬である青黛の潰瘍性大腸炎患者における粘膜治癒促進の有効性を報告してきた.一方で,自己購入した青黛の服用による肺動脈性肺高血圧症や腸重積といった有害事象の存在が明らかとなってきた.青黛による腸重積や非特異性腸炎などの腸病変は右側結腸に好発する.多彩な内視鏡像を示すが,孤発性の潰瘍形成や虚血性腸炎様の発赤・浮腫状粘膜などが特徴である.発症のメカニズムはまだ明らかでないが,病理組織学的に小血管における静脈炎の存在が示されており,吸収された青黛代謝産物が虚血性病変を来す一因となった可能性が示唆される.何よりもまず,青黛について知り,その有害事象の可能性を疑うことが重要である.
著者
緒方 修
出版者
沖縄大学人文学部
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
no.3, pp.67-73, 2002-03

1994年以来、筆者は世界各地で開かれる客家大会に参加している。94年12月中国・広東省梅州、96年11月シンガポール、98年10月台北、99年11月マレーシア・クアラルンプール、2000年中国・福建省龍岩。毎回、世界各地の30~70を数える客家団体が、代表団を送り込んでくる。開会式は多い時で2500人を超える。参加者は想像もつかない数に膨れ上がることもある。特に中国大陸で開かれた2回の大会(94年12月広東省梅州、2000年福建省龍岩)は街をあげての歓迎だった。当局の発表で約20万人と記憶しているが、おおげさな数字ではなかろう。小中高生が動員され、歓迎行事やマスゲームに欠かさず出演する。警察も役所も全てが期間中はかかりきりになる。なにしろこの大会のために道路や競技場が新設され、文化会館やその他の施設が出来るほどだ。中国にとっては世界中から人を迎える大事な大会なのだ。今回参加した台湾・新竹の客家大会は、世界大会ほどの規模ではない。だが新竹は台湾の中でも客家人の多い地域として知られている。県知事も客家人だ。本来アメリカで開かれている大会をわざわざ今回台湾で開くことにも興味を持った。新竹の観光名所にもなっている義民廟は客家の「聖地」ともなっている。歴代の台湾総統が必ず就任後訪れる所でもある。台湾客家の心の拠り所になっている「廟」の略史の翻訳を付した。
著者
小峯 秀雄 緒方 信英
出版者
土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.701, pp.373-385, 2002-03-21
参考文献数
18
被引用文献数
5 8

高レベル放射性廃棄物の地層処分において, 処分孔や坑道を充填する緩衝材や埋戻し材には膨潤性や低透水性が要求されており, ベントナイトを用いた材料が有望である. 本論文では, 緩衝材や埋戻し材の設計に資するため, 砂とベントナイトの配合割合が5~100%の砂・ベントナイト混合材料および海外産を含む4種類のベントナイトの膨潤圧および膨潤変形について実験的に調査した. その結果, 膨潤特性に及ぼす砂・ベントナイトの配合割合, 乾燥密度, モンモリロナイト含有率および交換性陽イオンの種類と組成の影響を明らかにした. また, 著者らの提案するパラメータ「モンモリロナイトの膨潤体積ひずみ」により, ベントナイトの種類に応じて膨潤圧・膨潤変形特性を統一的に評価できることを示した.
著者
松岡 裕之 緒方 規男
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.203-207, 2013

マウスを麻酔して2群に分け,一群には二酸化塩素のスプレーを他の一群には水のスプレーを噴霧したのち,マラリア感染蚊自由に吸血させた.二酸化塩素をスプレーしたマウスに対しては101匹の蚊のうち6匹が吸血した (5.9%) だけで、マウスの感染は13頭中1頭のみ (7.7%) であった.水をスプレーしたマウスに対しては蚊88匹のうち42匹が吸血し (47.7%), マラリア感染は11頭中6頭 (54.5%) であった.二酸化塩素スプレー群は有意差をもって吸血率 (<i>p</i><0.01)・マラリア感染率 (<i>p</i><0.05) の低下が見られた.次に両端をメッシュで覆ったチューブの中に蚊を入れ,チューブの片方は空気のみを含むケージに,反対側は二酸化塩素を含むケージに差し込んで,蚊がどちらの側に偏在するか調べた.<i>Anopheles stephensi</i>, <i>Aedes albopictus</i>および<i>Culex pipiens pallens</i>の3種蚊とも0.03 ppm以上の二酸化塩素濃度において反対側(空気側)に偏在した.二酸化塩素は蚊に対する忌避作用があるといえた.
著者
住谷 昌彦 緒方 徹 四津 有人 大竹 祐子 宮内 哲
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.206-211, 2013-10-01 (Released:2014-10-15)
参考文献数
13

四肢切断後に現れる幻肢痛をはじめとする神経障害性疼痛の発症には末梢神経系と脊髄での神経系の異常興奮とその可塑性に加え,大脳を中心とした中枢神経系の可塑性が関与していることが最近の脳機能画像研究から確立しつつある.幻肢の随意運動の中枢神経系における制御機構をもとに,われわれが行っている鏡を用いて幻肢の随意運動を獲得させることによる臨床治療(鏡療法)についてその有効性と限界,そして今後の幻肢痛および神経障害性疼痛に対する新規神経リハビリテーション治療の可能性について概説する.