著者
古川 聡 鈴木 豪 緒方 克彦 大島 博 村井 正 村上 敬司 鈴木 健之 阿部 高志 佐藤 勝
出版者
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2015-06-29

本研究では、同意を得た被験者(一度に8人)に2週間、JAXAの閉鎖環境適応訓練設備内に居住してもらい、閉鎖環境に加え密なスケジュールでの模擬科学実験などの負荷を宇宙飛行想定で加え、それらの前中後における唾液や血液サンプルの変化を調べ、閉鎖ストレスによるダメージを客観的に評価できる新規ストレスマーカーを探索した。閉鎖設備実験モデルに特徴的な血中遺伝子発現パターンの変化を明らかにし、また閉鎖滞在に伴うストレスを身体活動量低下とそれ以外の要因による影響に分けて評価することを可能にするストレスマーカー遺伝子候補を絞り込むことができた。
著者
田中 英夫 緒方 剛 森定 一稔 田中 伸治 吉田 隆典 仲西 博子 三沢 あき子 西田 敏秀 鉄 治 永田 愛美 中里 栄介
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
pp.20-145, (Released:2021-05-14)
参考文献数
18

目的 新型コロナウイルスの低蔓延期の日本において,無症候性病原体保有者から感染していたと考えられる事例を収集し,感染が成立した1次感染者と2次感染者との接触状況等の諸条件を確認する。方法 持続無症候性か,もしくは前発症期に2次感染させたと考えられる事例の匿名化された感染者の情報と,両者が最終接触した時の状況報告の提供を,2020年6月20日を期限として全国保健所長会のメーリングリストを通じて依頼した。2府6県の8保健所から,1次感染者9人,2次感染者17人の症例報告書が提出された。著者らの4人が独立して各症例について感染成立の確からしさを判定し,それを元に合同協議の上,対象症例を決定した。結果 2020年3月から5月に確定診断された7人と,この7人から2次感染したと考えられた,合計13人の陽性者の感染状況を以下のように見出した:①持続無症候性の20歳代女性が,70歳代の祖母と自宅で空間を共有,②ヘアーサロン店内で40歳代の美容師が,発症2日前に,客4人と客の子ども1人に接触,③50歳代の看護師が,発症2日前に,自分が勤務する病棟の入院患者2人に病室内で介護,④50歳代の女性が,発症2日前に,80歳代と90歳代の2人の親族に家事支援のため自宅で接触,⑤60歳代の男性が,発症1日前に,約8畳大の集会場で60歳代の男性と対話,⑥60歳代の男性が,発症1日前に,会社の同僚の40歳代男性に,喫茶店で対話,⑦50歳代の男性が,発症1日前に,会社の同僚の50歳代男性に,事務所内と乗用車内で約50分間接触があり,感染させた,と考えられる事例であった。各保健所が実施した13人の2次感染者に対する積極的疫学調査では,上記以外の感染源は見出せなかった。それぞれの2次感染が起きたとする日から潜伏期間に相当する6日後のその府県における感染罹患率は,100万人日あたり,0.00から6.54と,極めて低率であった。結論 新型コロナウイルス持続無症候性陽性者からの感染があったと考えられた事例をケースシリーズの一連として国内で初めて報告した。発症前の感染事例では,2次感染者との接触はすべて1次感染者の発症1~2日前であった。感染時の状況は,自宅,ヘアーサロン,病室,狭い集会場などの,いずれも換気が不十分な空間での接触を認め,飛沫感染が起きやすい状況にあったと考えられた。
著者
緒方 康介
出版者
日本犯罪心理学会
雑誌
犯罪心理学研究 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.29-40, 2021-08-31 (Released:2021-10-01)
参考文献数
24

After the Certified Public Psychologist Act came into effect, the “Forensic and Criminal Psychology (F & CP)” course in Japanese undergraduate study programs has been an urgent requirement. This study aimed to examine lecturers in charge of delivering this subject. The official homepages of all Japanese universities (N=783) in fiscal year (FY) 2019 were examined to collect information on syllabi for the “F & CP” courses being offered (if any). Overall, 137 lecturers were teaching students in 155 universities. Based on the scientist–practitioner model, criminal psychologists were defined according to three conditions: (1) membership of the Japanese Association of Criminal Psychology, (2) research articles accepted in the Japanese Journal of Criminal Psychology, and (3) practical experience in forensic and/or criminal fields. In FY 2019, 30 criminal psychologists, with 77 professionals in criminal psychology, and 30 nonprofessionals lectured undergraduates on “F & CP.” Their expertize were examined using cluster analysis and nonmetric principal component analysis. Results showed that “F & CP” was related to “Social, Group, and Family Psychology;” “Legal and Administrative Systems;” “Professionalism of Licensed Psychologists;” “Psychological Assessment;” “Psychology of Emotion and Personality;” and “other subjects.” Furthermore, requirements in relation to criminal psychologists concerning “F & CP” learners were discussed.
著者
鵜飼 幸太郎 坂倉 康夫 竹内 万彦 増田 佐和子 湯田 厚司 大川 親久 緒方 俊行
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.447-458, 1999-08-15 (Released:2011-03-18)
参考文献数
9
被引用文献数
1

スギ花粉症の患者30例を対象に, 甜茶ポリフェノール含量を高めた飲料 (甜茶エキス80mg/日) をスギ花粉飛散前に投与を開始する初期投与群 (15例) と発症後投与群 (15例) に投与し, スギ花粉飛散前期における鼻症状, 眼症状および併用薬剤使用状況を調査し, その有効性, 安全性および有用性について検討を行った。初期投与群と発症後投与群を比較したところ, 花粉症発症1週目, 2週目ともsymptom scoreには差が認められなかったが, medication scoreおよびsymptom-medication scoreには, 統計学的に有意な差が認められた。試験終了時の医師による最終総合評価では, 初期投与群で「中等度改善」以上が53.3%を占め, 発症後投与群の6.7%に比べて有意に高い症状改善率を示した。副作用は全例に認められず, 臨床症状改善率と副作用を考慮した有用度は初期投与群において「やや有用」以上が60%を占め, 発症後投与群の33.3%と比較して有意に高い有用性を示した。以上の結果より, 甜茶飲料をスギ花粉飛散前から飲用することにより, スギ花粉症症状を予防的に抑制し治療薬の低減に有用であることが確かめられた。
著者
緒方 秀教
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:24240982)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.101-122, 2022 (Released:2022-09-28)
参考文献数
10

概要. 本論文では,佐藤超函数論に基づく関数近似,数値微分および数値不定積分の方法を提案する.本方法では,計算したい関数を超函数とみなして,それを与える解析関数である標準定義関数を数値的に求めることにより関数近似を行う.そして,簡単な手続きにより数値微分,数値不定積分を求める.数値例により本論文の方法の有効性が示される.
著者
緒方 康介
出版者
日本犯罪心理学会
雑誌
犯罪心理学研究 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.17-27, 2016-01-31 (Released:2017-03-23)
参考文献数
39

被害児に対する加害親の過剰期待が虐待の発生に関連するとの知見が報告されている。児童相談所で新版S-M社会生活能力検査(S-M)とWechsler Intelligence Scale for Children-fourth edition (WISC-IV)が実施されたケースから,①虐待被害児のS-Mを加害親が評定(n=35),②虐待被害児のS-Mを施設保育士が評定(n=20),③虐待されていない子どものS-Mを保護者が評定(n=59),④虐待されていない子どものS-Mを施設保育士が評定(n=18)しているデータを収集した。社会生活指数(SQ)からIntelligence Quotient (IQ)を減算した差分Δに評定者の過剰期待が反映されていると操作的に定義した。年齢と群の要因が交絡していたため,年齢要因をランダム効果に設定した線形混合モデルにより分析したところ,Δ(SQ-IQ)には群間差が認められ(F[3, 126.3]=4.54, p=0.005),③虐待されていない子どもの保護者評定より,①虐待被害児を加害親が評定した場合にΔ(SQ-IQ)は大きかった。過剰期待が生じる背景に認知バイアスが潜在している可能性を考察した。加害親の過剰期待に関する知見が得られたことから,児童相談所における保護者支援の手掛かりが示されたものと結論した。
著者
緒方 芳子
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.356-372, 2015-10-26 (Released:2017-10-27)
参考文献数
47
著者
緒方 広明 殷 成久 毛利 考佑 大井 京 島田 敬士 大久保 文哉 山田 政寛 小島 健太郎
出版者
教育システム情報学会
雑誌
教育システム情報学会誌 (ISSN:13414135)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.58-66, 2016-04-01 (Released:2016-05-07)
参考文献数
18
被引用文献数
1

Educational Big Data (EBD) and Learning Analytics (LA) have being attracted enormous attention in recent years. Data collection process is the first step of EBD and LA. Based on the data source, data collection can be classified into two categories: manual data collection, and automatic data collection. This paper describes two educational systems: SCROLL (System for Capturing, Reusing, Reminding Of Learning Logs) as manual data collection and, M2B (Moodle, Mahara, Booklooper) as automatic data collection.
著者
阿久津 郁夫 本島 新司 緒方 英嗣 福田 健 池森 亨介 牧野 荘平
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.78, no.11, pp.1613-1614, 1989-11-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
6
被引用文献数
4 8

77才,男性.塩化ベンザルコニウムを誤飲し,経過中に肺水腫,消化管出血,腎不全および血液凝固能異常をきたし,くも膜下出血で死亡.剖検所見はterminal circulatory failureの所見であり,塩化ベンザルコニウム中毒特有と考えられるものはなかったが,内科域では世界でも数例の報告のみで,剖検例はなく,興味ある症例と考える.
著者
清水 基之 田中 英夫 高橋 佑紀 古賀 義孝 瀧口 俊一 大木元 繁 稲葉 静代 松岡 裕之 宮島 有果 高木 剛 入江 ふじこ 伴場 啓人 吉見 富洋 鈴木 智之 荒木 勇雄 白井 千香 松本 小百合 柴田 敏之 永井 仁美 藤田 利枝 緒方 剛
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.271-277, 2023-08-31 (Released:2023-09-21)
参考文献数
22

目的:日本の新型コロナウイルス第6波オミクロン株陽性者の致命率を算出し,これを第5波デルタ株陽性者と比較する.方法:2022年1月に7県3中核市3保健所で新型コロナウイルス感染症と診断され届出られた40歳以上の21,821人を,当時の国内での変異型流行状況からオミクロン株陽性者とみなし,対象者とした.死亡事実の把握は,感染症法に基づく死亡届によるpassive follow up法を用いた.2021年8月~9月にCOVID-19と診断された16,320人を当時の国内での変異株流行状況からデルタ株陽性者とみなし,同じ方法で算出した致命率と比較した.結果:オミクロン株陽性者の30日致命率は,40歳代0.026%(95%信頼区間:0.00%~0.061%),50歳代0.021%(0.00%~0.061%),60歳代0.14%(0.00%~0.27%),70歳代0.74%(0.37%~1.12%),80歳代2.77%(1.84%~3.70%),90歳代以上5.18%(3.38%~6.99%)であった.デルタ株陽性者の致命率との年齢階級別比は,0.21,0.079,0.18,0.36,0.49,0.59となり,40歳代から80歳代のオミクロン株陽性者の30日致命率は,デルタ株陽性者のそれに比べて有意に低かった.また,2020年の40歳以上の総人口を基準人口とした両株の陽性者における年齢調整致命率比は0.42(95%信頼区間:0.40-0.45)と,オミクロン株陽性者の致命率が有意に低値を示した.結論:日本の50歳以上90歳未満のCOVID-19第6波オミクロン株陽性者の致命率は,第5波デルタ株陽性者に比べて有意に低値であった.
著者
大門 恭平 濱嶋 真弘 緒方 練人 大川 愛美 室井 明日香 石川 秀雄
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.360-365, 2022-04-18 (Released:2022-06-27)
参考文献数
19

近年,リハビリテーション医療分野においてVR技術を応用した治療や研究が進んでいる.国内の医療分野で使われるVR・AR・MRの市場規模はますます大きくなると予測されており,成長が期待される領域である.本稿では,回復期リハビリテーション病棟の患者を対象に,われわれのチームのVR介入の試みで得た知見の一部を述べるとともに,今後のリハビリテーション医療分野におけるVRの可能性について述べたい.
著者
小牧 元 前田 基成 有村 達之 中田 光紀 篠田 晴男 緒方 一子 志村 翠 川村 則行 久保 千春
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.839-846, 2003-12-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
11
被引用文献数
3

われわれは先にアレキシサイミア評価のための構造化面接法を開発した.今回,引き続きアフレキシサイミアの自記式質問紙Toronto Alexithymia Scale-20 (TAS-20)日本語版の信頼性と因子的妥当性を検討した.対象は健常群347名と心身症・神経症などの患者群940名である.両群で3因子構造モデルは確証的因子分析により確認,再現された.質問紙全体としてほぼ満足できる内容であり,テスト-再テスト間の安定性も高いことから,日本語版TAS-20の信頼性および因子的妥当性は支持された.ただし,第3因子の外的志向に関しては内的一貫性が低く,その質問項目の均質性には問題があり課題として残された.
著者
緒方 重威
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1505, pp.104-106, 2009-08-31

僕はかつて公安調査庁長官や、高等検察庁の検事長を務めました。退官後は弁護士に転身。しかしこの日は被告人の立場です。問われたのは、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)から土地や建物、資金をだまし取った詐欺罪です。初公判から1年2カ月、無実を訴え続け、この日いよいよ判決の時を迎えました。裁判長は僕を被告人席に呼び、判決の言い渡しを始めました。
著者
緒方 由紀
出版者
佛教大学福祉教育開発センター
雑誌
福祉教育開発センター紀要 (ISSN:13496646)
巻号頁・発行日
no.13, pp.85-102, 2016-03

本稿は、人権の時代と言われている現代において、精神障害者本人の意思決定をめぐって法制度、介入、関係性の側面から論点整理を行い、問題をあらためて提示することを目的としている。まず日本の精神障害者のケアの特徴は、治療の主体よりも先に歴史的に監護義務者、保護義務者として医療手続きの責任者に家族等を位置付けたことにあり、彼らがその後の社会資源となりうるかどうかの判断の基準をつくってしまったことにある。また医療として入院を先行させたことにより、次の目標を退院の可否という点に援助の幅を矮小化せざるを得なかったこと。入院手続きに関する法律上の幾度かの変更は、患者としての人権を守る意味では前進したものの、本人の治療への参加については今なお限界があることを示した。 さらに当事者の危機に際し本人の登場をどのように確保するのか、対話を用いた場面構成が本人の意思決定においても意味をもつことを最近の支援モデルにふれながら確認し、最後に強制的介入を発動する側の倫理上の厳格な検討があらためて必要であることを検証した。意思決定支援モデル精神障害者強制治療
著者
西尾 淳 緑川 孝二 柴田 陽三 城石 達光 江本 玄 緒方 公介
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.13-18, 1997-03-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
6

We report a rare case of deltoid muscle contracture in an adult. The patient was a 40 year old female who visited our hospital complaining of pain and motion disturbance of both shoulder joints. She had received multiple intramuscular injections for migraine treatment for 5 years. Clinical examination revealed winging of the scapula and fibrous bands were seen in the intermediate part of the deltoid muscles. Strength of the deltoid muscles was normal. Adduction, external rotation and horizontal flexion of the shoulders were restricted, -25 degrees, 35 degrees, 90 degrees, respectively. Fibrous bands showed high echo images within low echo areas on ultrasonography and a low intensity area on MRI. In September 1995, surgery was performed on her right shoulder. The deltoid fascia and subcutaneous tissue were thoroughly and widely released. After resection of fibrous bands at the midpart of the deltoid muscle, range of abduction was improved during surgery. She is now able to touch the opposite shoulder with her right hand. No adductive disturbance was seen. The patient was satisfied with the surgical results and we plan on operating on her left shoulder.