著者
中嶋 ゆう子 岩尾 憲明 宮崎 かおる 塚原 達幸 市川 太一 平岡 秀子 小宮山 佐恵子 小野 美代子 浅川 澄江 中村 弘
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血細胞治療学会誌 (ISSN:18813011)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.42-48, 2012
被引用文献数
3

山梨県では平成18年から山梨県合同輸血療法委員会I&A委員会による輸血医療の点検視察が開始された.施設の自発的受審ではなく県が視察病院を指定して,10施設の中小規模病院に対して点検視察が実施された.点検視察の結果「改善すべき」と指摘された事項は輸血検査や輸血用血液製剤の管理に関する項目が多く,「改善が望ましい」と指摘された事項は輸血管理体制や製剤の保管管理に関する項目が多かった.点検視察の指摘事項に関する改善状況のアンケート調査の結果では病院間で改善状況に差があることが示され,改善が進まない背景には輸血責任医師が兼任で実質的に不在であることや検査技師の人員不足等の問題があると考えられた.I&A活動の目的は輸血実施手順や輸血管理体制の標準化により病院の規模に関係なく安全で適正な輸血が実施されることである.山梨県I&A委員会の継続的な取り組みによって県内の中小規模病院の問題点の改善と輸血医療の向上を目指し,将来的には中小規模病院の学会I&A受審につなげたいと考える.<br>
著者
小田切 紀子 松井 豊 宇井 美代子 古村 健太郎 青木 聡 野口 康彦 Aguilar Jade 劉 亨淑 大谷 美紀子 町田 隆司 井村 たかね
出版者
東京国際大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

離婚後の単独親権の日本で、離婚後、共同養育を実現するために,1日本の家族意識調査、2日本の面会交流の実態調査、3離婚の共同養育、離婚観などに対する国際比較調査(日本・米国・韓国)を実施した。以上の調査から、日本の伝統的な家族意識や離婚に対する偏見意識が共同養育への意識に否定的影響を与えること、面会交流は両親の紛争により中断されやすいこと、共同養育に対する否定的意識は韓国、日本、アメリカの順に高いことなどが明らかになった。これらの結果に基づいて、米国の離婚後の親教育プログラムを改訂し行政と連携して実施した。
著者
藤原 聡子 月澤 美代子
出版者
日本医史学会
雑誌
日本医史学雑誌 = Journal of the Japanese Society for the History of Medicine (ISSN:05493323)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.49-64, 2014-03

精神予防性無痛分娩法はパブロフの高次神経活動学説を応用して考案され、1951年にソビエト社会主義共和国連邦で国策となった「薬物によらない無痛分娩法」の一つである。1952年に中華人民共和国に伝わり、1953年に菅井正朝が帰国のさい日本に持ち帰り、日本赤十字社本部産院長久慈直太郎により同産院にて導入された。菅井正朝ら産科医師と助産師の研究チームを中心とした本部産院・大森赤十字病院における精神予防性無痛分娩法の実践は、産前教育において妊婦の自律を育成する、施設における正常分娩の妊婦管理法の創出に貢献した。(著者抄録)
著者
小林 準 赤星 和人 永田 雅章 名波 美代子 境 哲生 近藤 広陸 片山 英紀 松野 大樹 伊藤 修一 萩原 朋尚 高梨 晃
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.A1047, 2005

【目的】近年「健康日本21」の推進が唱えられ、平成15年5月からは健康増進法も施行された。ヘルスプロモーションへの関心が高まる中で、我々、理学療法士の健康増進に対する役割もますます重要性が高まるものと考えられる。今回、日頃の理学療法場面で運動療法を指導する立場にある理学療法士と、日頃はデスクワークが多い事務職員との安静時及び運動時における換気反応について比較検討を行ったので報告する。<BR>【対象および方法】対象は健康な理学療法士の女性10名と事務職員の女性10名の合計20名であった。実験の前には趣旨を説明して同意を得て行った。年齢、体重、身長は理学療法士群はそれぞれ29.6±4.8歳、161.6±4.0 cm、と54.3±5.1 kg であった。一方事務職員群はそれぞれ 32.5±4.1歳、159.5±7.2 cm、と52.6±7.2 kgであった。測定にはコスメデ社製「テレメトリー式呼吸代謝計測装置K4システム」を用いて、呼気ガス中の酸素摂取量(VO2)、炭酸ガス排出量(VCO2)、呼吸商(RQ)、および心拍数(HR)を計測した。測定方法としては、充分な安静時間の後、更に3~4分間程のオルゴールによる安静時間と3~4分間程の132拍/分のワールドベストヒット曲に合わせて、以下に挙げた2種類の体操を立位にて行った。(1)手を頭上に組んで体幹の側屈、(2)全身運動のリズムダンス。そしてエルゴメーター運動負荷テストも行った。データの統計的検討にはt検定を用いて有意水準を5%とした。<BR>【結果】1,事務職と理学療法士における安静時VO2、最大酸素摂取量(maxVO2)、嫌気性代謝閾値(AT)の比較;安静時VO2、maxVO2、ATとも理学療法士群は高い値を示しmaxVO2とATは、42.5±4.9と19.0±3.1 ml/min/kg であった。安静時VO2とATで有意の差を認めた。maxVO2では理学療法士群の方が高い値を示したが、有意差は認めなかった。2,体操(1)(2)におけるVO2の比較;体操(1)(2)で理学療法士群がともに20.3±3.4と21.0±2.3 ml/min/kgでVO2の高い傾向はあったが、統計的には事務職と理学療法士群での有意差を認めなかった。<BR>【考察】一般的に嫌気性代謝閾値(AT)は、日常の運動能力と等価ではないが、自覚症状を伴わず生活の大半で行っている運動を反映する評価指標として適していることが指摘されている。今回の結果も、日頃、体を動かすことの多い理学療法士が、安静時VO2及びATの値が高くなったことにつながったものと考えられた。「法を説く者、その実践者たれ!」という言葉があるように、健康増進に関心の高まってきている昨今、ますます我々理学療法士自身の体力強化の重要性と同時に、デスクワークの多い事務職におけるヘルスプロモーションの必要性が伺われた。
著者
原田 洋平 森﨑 みなみ 松尾 隆徳 内田 美代子 阿佐美 美保子 井戸 裕彦 洲加本 節子
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
pp.87, 2016 (Released:2016-11-22)

【はじめに】当院では、自閉スペクトラム症児に対し、主に対人意識を高めることを目的に、ESDMを参考にした小集団での療育を実施している。療育の効果判定として、PEP-Ⅲを使用し、療育効果について検討したので報告する。今回の報告について対象者へ口頭で説明を行い了解を得ている。【対象】平成25~27年度に、当院通院中の児の中で、早期集団療育開始時、終了時にPEP-Ⅲによる評価ができた、自閉スペクトラム症児33名(男性21名、女性12名)。開始評価時平均月例29.1±6.66、終了評価時平均月例34.2±4.45。全例とも「呼びかけても反応しない」「視線が合わない」など、行動面や対人面における対応能力の低さから、集団生活場面で困り感がある場合が多かった。【方法】1回約1時間の療育を週1回の頻度で、12~24回実施。1グループ最大3名の児に「児の対人意識、特に保護者への意識を高め、愛着形成を促すこと」「保護者が児の特性を理解し、適切な対応方法を学び、実戦できるようになること」を目標に実施。感覚運動遊び等の自由遊び(スイング、すべり台、ラダー、トンネル等)、挨拶、名前呼び、親子遊び(リトミックやマッサージ等)、保護者への振り返り等を行った。保育士、言語聴覚士、心理士合計6名でグループ活動を行い、作業療法士は、言語聴覚士と交互に、隔週で活動に入り、感覚面や姿勢運動面を中心にアセスメントや保護者へのライブコーチングを行った。アセスメント結果に基づく目標設定やホームエクササイズ等について、スタッフや保護者へアドバイスを行った。【方法】療育開始時と終了時にPEP-Ⅲと養育者レポート評価を実施し、比較検討した。有意差検定はT検定により行い、解析にはFree JSTATversion13.0を使用した。【結果】PEP-Ⅲの10領域のうち「認知/前言語」「表出言語」「理解言語」「微細運動」「粗大運動」「視覚―運動模倣」「感情表出」「対人的相互性」「運動面の特徴」「言語面の特徴」の10領域において効果が得られた(有意差1%未満)。特に「粗大運動」「視覚―運動模倣」では、4ヶ月以上の発達年齢向上が見られた。養育者レポートの3領域のうちでは、「適応行動」においてのみ、有意水準1%で効果が得られた。「気になる行動」「身辺自立」において、特に有意差は見られなかった。【考察】感覚運動遊び等の自由遊びをとおして、心身の発達が促され、空間内でダイナミックに自己の身体を利用した運動の経験をとおして、PEP-Ⅲのスコア向上に繋がった可能性がある。特にスタッフや保護者や他児の遊びを模倣すること、援助要求のやりとりを行うこと、モデルを見ながらの集団活動の経験をとおして、「対人的相互性」のスコア向上に繋がったと思われる。養育者レポートの「適応行動」に有意差が見られた背景としては、「ホームワーク等をとおして、生活場面において養育者の対象児への関わりがなされやすくなった。PEP-Ⅲは視覚的検査課題が多く盛り込まれており、視覚課題での効果判定がしやすい反面、言語課題等での効果判定がしにくい一面もあると思われ、今回の報告の限界であると考える。【まとめ】主に対人意識を高めることを目的とした小集団での療育によって、PEP-Ⅲのスコアにおいて変化が見られ、有意な効果が見られた。その長期効果については、今後も検討が必要。症例数を増やし、生活場面での変化や長期的なスコアの変化を追跡していくことが必要。【倫理的配慮,説明と同意】今回の報告について対象者へ口頭で説明を行い了解を得ている。
著者
大浦 早智 宇座 美代子 當山 裕子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.4_795-4_801, 2018

目的:3歳児をもつ母親の「趣味」に着目し,育児ストレスとの関連を明らかにすることである。<br>方法:A県内B市において3歳児健康診査者の母親に対して,基本属性,育児の相談者,趣味の有無と内容,育児ストレスに関して無記名自記式の質問紙調査を実施した。有効回答の得られた348人の母親を分析対象とし,育児ストレスの感じ方を従属変数とした二項ロジスティック回帰分析を行った。<br>結果:育児ストレスを感じている者は64.7%,趣味がある者は71.8%であった。趣味の内容としては「家族(子ども)との外出」「友人との交流や外出」「買物」の順に多かった。3歳児をもつ母親の育児ストレス緩和に関連する要因は,趣味があること,子どもの数が増えることであった。また,既婚の場合,育児ストレスを感じていることが示された。<br>結論:子育て中の母親へ趣味をもつことの働きかけは,育児ストレスの緩和に貢献すると考える。
著者
大浦 早智 宇座 美代子 當山 裕子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
2018

目的:3歳児をもつ母親の「趣味」に着目し,育児ストレスとの関連を明らかにすることである。<br>方法:A県内B市において3歳児健康診査者の母親に対して,基本属性,育児の相談者,趣味の有無と内容,育児ストレスに関して無記名自記式の質問紙調査を実施した。有効回答の得られた348人の母親を分析対象とし,育児ストレスの感じ方を従属変数とした二項ロジスティック回帰分析を行った。<br>結果:育児ストレスを感じている者は64.7%,趣味がある者は71.8%であった。趣味の内容としては「家族(子ども)との外出」「友人との交流や外出」「買物」の順に多かった。3歳児をもつ母親の育児ストレス緩和に関連する要因は,趣味があること,子どもの数が増えることであった。また,既婚の場合,育児ストレスを感じていることが示された。<br>結論:子育て中の母親へ趣味をもつことの働きかけは,育児ストレスの緩和に貢献すると考える。
著者
小林 武夫 石毛 美代子 一ノ瀬 篤司
出版者
THE JAPAN LARYNGOLOGICAL ASSOCIATION
雑誌
喉頭 (ISSN:09156127)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.12-14, 2013-06-01 (Released:2013-09-27)
参考文献数
9

Spasmodic dysphonia (SD) is a focal dystonia that affects the larynx. Abductor SD (ABSD) is less common than adductor SD (ADSD). ABSD is typified by breathy breaks in connected speech.A male professional classic baritone singer, age 46, presented with gradually increasing breathy unphonated breaks in singing over the course of three years. He visited various institutions and was said to have incomplete elevation of the soft palate of unknown origin, myasthenia gravis, etc. His symptoms were remarkable in pronouncing vowels following unphonated consonants. He had been exposed to neither vocal abuse nor heavy singing performances. Our diagnosis was ABSD. An injection of Botulinum toxin (BT) into the posterior cricoarytenoid muscles was done via lateral cervical approach. His voice improved remarkably. His daily conversation became smooth; however, he could not regain his previous brilliant singing voice. He was obliged to discontinue his professional singing performances.
著者
宮前 珠子 山田 美代子 鈴木 達也 佐野 哲也 鴨藤 祐輔
雑誌
リハビリテーション科学ジャーナル = Journal of Rehabilitation Sciences Seirei Christopher University
巻号頁・発行日
vol.9, pp.39-48, 2014-03-31

2011 年3 月の東日本大震災によって岩手県沿岸部の漁村,S 地区は壊滅的な被害を受けた.T仮設団地に暮らすS地区女性部メンバーを対象に「研究者と対象者が共同して望ましい作業を展開する」アクションリサーチを行った.2012 年7 月から2013 年8 月まで6 回訪問し,参加者は14 ~ 20 名であった.プログラムは,各種物作りと話合い・歌などで構成し,参加者のフィードバックをもとに新たな作業を展開した.これまでに行った作業は,物作りでは,生キャラメル,布草履,ケーキ,クッキー,アンデルセン,おでん,樹脂粘土のアクセサリーであり,そのほかに,KJ 法による話合い,ハープと歌,歌の集い,ワールドカフェなどを行った.2013 年度になって始めたアクセサリー作りは参加者の気持ちを捉え,また,販売と収益に結び付くものになりつつある.A village located in a seaside area of the Iwate Prefecture was tremendously damaged by thetsunami of the Great East Japan Earthquake in March, 2011. The purpose of this project was to provide meaningful occupations for the residents of temporary housing. Between forteen to twenty menbers of district S, living in temporary housing, participated in this project. The occupations provided were decided each time according to the results of interviews or questionnaires. Occupations provided were as follows: 1. September 16, 17, 2012 : Making of soft caramel (Nama-caramel). Discussion and conclusions using the KJ method. Making of fabric sandals.( 18 participants) 2. November 11, 2012 : Providing "Feel Easy" time: tea time, songs with a harp accompanimen(t 19 participants) 3. March 23, 24, 2013 : Baking of cakes and cookies, making Andersen bracelets, preparing the Shizuoka hot pot stew, and sing song.( 18 participants) 4. July 14, 15, & Aug. 20, 21, 2013 : Making necklaces & bracelets with Polymer clay.( 16 & 21 participants respectively) This program can be roughly categorized into craftwork, sweets making, music, food and drink, and discussion. Participants seemed refreshed after experiencing a number of differentoccupations, as many desired variety. The results of the questionnaire conducted in Marchalso showed that requests for new occupations were more than numerous for those alreadyperformed. We provided various kinds of occupations according to the requests from the participants, though not enough, in their time of need.
著者
石田 和子 中村 美代子 森田 久美子 茂呂 木綿子 神田 清子
出版者
群馬大学
雑誌
群馬保健学紀要 (ISSN:13434179)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.7-13, 2001-03

骨髄移植を受けた患者家族の不安構造を分析し, 骨髄移植の治療過程の中での家族の関わりを明らかにすることを目的に研究を行った。対象は同種骨髄移植を受けた患者家族6名であり, 半構成的面接法により1回につき30分から60分の面接を行った。面接内容は移植決定から無菌室退室後の不安について3期に分け逐語録に起こし分析した。その結果, (1)移植を決定した時から無菌室入室までの不安は「病名を聞いた時の衝撃」「病気, 移植に関する知識不足」「病気, 移植に関連した情報探求行動」「ドナーが見つかった安心感」「ドナーの骨髄採取術への不安」(2)無菌室入室時から退室までの不安は「患者のそばで直接的に役立てないことへの無力感」「いてもたってもいられない行動「再発, 死への不安」(3)無菌室退室後の不安は「思った以上の回復」「生きていてくれるだけで十分」「生活のすべてが悪化するのではないかという不安」「安心する要因」の12のカテゴリーが抽出できた。以上のことより, 骨髄移植を受ける家族には患者が無菌室入室中は無力感を強く抱いており, 見守ることも一大切な役割であることを支持する必要がある。また, 退院後の家族は, 患者が生存していること自体に感謝していることが明らかにされた。看護婦は家族の不安を受け止め, それぞれの段階に応じた家族援助を行うことが示唆された。
著者
鎌田 久子 蓮見 美代子 相川 りゑ子
出版者
一般社団法人 日本食育学会
雑誌
日本食育学会誌 (ISSN:18824773)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.275-283, 2013-10-25 (Released:2016-01-29)
参考文献数
9

The aim of this study is to understand the current level of menu planning competency of students in dietitian training programs, as well as to identify effective educational methods to improve menu planning competency. The participants were 156 first-year students enrolled in dietitian training programs.Following the submission of a menu planning assignment in July 2012, questionnaire surveys were conducted and 153 valid responses were collected. The instructors evaluated the menus. The results showed that the highest percentage of cooking knowledge was acquired through helping with meal preparations at home. On the other hand, the highest percentage of food knowledge was obtained through studies in junior college. The “menu planning,” “cooking experience” and “food seasoning in menu evaluation” scores for students who correctly identified 4 or more seasonal foods were significantly higher than those for students who only identified 3 or fewer seasonal foods. “Food seasoning” and “dietary composition” had low menu evaluation scores. The group with meal-making frequencies of once or more per week had a significantly higher “cooking experience” score than the “less than once a week” group. The group with more cooking experience had significantly higher scores in “menu planning” and “nutrient to energy ratio in menu evaluation” than the group with less cooking experience.These results suggest that students need the following to enhance their menu planning competency : i)gain more cooking experience at home and in school, ii)gain food and cooking knowledge and iii)acquire skills through practice. We need to teach students to understand and apply the principles of(i)adjustment of nutrient quantity to energy ratio,(ii)dietary composition and(iii)food seasoning. We also need to identify an educational method that helps them acquire applied skills that give them the ability to take into account multiple conditions.
著者
原田 静香 櫻井 しのぶ 中山 久子 岡本 美代子 齋藤 尚子 南 唯公
出版者
順天堂大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究の目的は、保健師教育における学生の学習プロセスをディープラーニングへと導くためのコースデザインの開発を行い、その効果を測定するものである。コースデザイン案に関しては、公衆衛生看護学の保健師活動方法において基本的な内容である「地域診断」を選択した。それは、支援の対象者や担当地域を把握するために始めに求められる基礎的な学習内容であることに加え、地域診断は、多角的な情報を集め、対象の特徴を縦断的に解析するプロセスを踏むうえで、学んだ知識を関連付けて理解したり、情報を精査したり、問題を見出して解決策を考えたり、自身の考えを創造したりといった学び方が必要であり、学生がディープラーニングを行うことが必要不可欠であると考えたからである。開発したコースデザイン案は、協働学習技法・ポートフォリオ・ICEモデル等を導入している。平成29年度の実績としては、開発したコースデザイン案を実際に用いて講義と演習を実施した。開発したコースデザインがディープラーニングを導くものとなっているかを評価するために、コース終了後に受講生への調査を実施した。開発したコースデザインによる学習プロセスの中で、学生がどのような学びの認知プロセスがあったのかを明らかにし、ディープラーニングを踏襲した学習経験を経ているかを確認するものである。調査対象者は本研究にて開発したコースデザイン案による地域診断演習を受講し、本調査への協力に同意が得られた者とした。調査期間は平成29年8月~。調査方法は半構成的インタビュー調査法を実施し、対象者は15名であった。分析方法はグラウンデッドセオリー法を用いている。現在分析を進めているところであるが、抽出されたコードの中には「学んだ内容のつながりに気づく」や「浅い認識に気づく」「住民の立場で解決策を考える」といったディープラーニングを踏まえたkey wordsが散見されている。