著者
西 亮 三輪 了 田村 佳嗣 大倉 光志
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.17, no.34, pp.7-10, 1993-06-24

梅雨前線、秋雨前線や台風などによる集中豪雨がしばしば発生し、大きな被害をもたらすことがある。局地的な集中豪雨は、気象観測所の配置距離に比して狭いことが多いので、その原因の究明は困難である。1990年の台風20号によって引き起こされた宮崎市近郊の集中豪雨は、非常にせまい範囲に起こった一例である。台風と秋雨前線の境目に、太平洋上の湿った空気が流れ込み、前線北側の冷たい空気がその上に流れ込んだために不安定が起こり、地形的な小撹乱によって大きな上下の撹乱に発展し、集中豪雨を引き起こしたものと考えられる。この過程を、ひまわり映像、レーダーイメージ、AMeDASデータ、高層気象観測所のデータなどによって解析した。
著者
大西 亮吉 アルトゥンタシュ オヌル 吉岡 顕
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.184-195, 2016-01-15

非通信車両の混在環境における協調的な隊列走行の実現に向けて,隊列内の通信成否の確認を車間時間内に行うこと,そして通信成否の確認結果に基づき,隊列を適切に編成することの2つの課題の解決方法について述べる.前者の課題に対しては,隊列内の車両間のACKをまとめ送りする車群通信を提案する.一般的な車間時間1秒の場合の隊列の上限台数は単純にACKを送る方法で11台であったが,車群通信によって物理的な限界台数である60台まで拡張できることを示した.また短縮IDを利用することにより,24台まで1回のブロードキャストで隊列内のすべての車両間の通信成否を確認することができ,従来手法に対して効率的であることを示した.後者の課題に対しては,単純な行動指針を与えて,車群通信によって協調するマルチエージェント型のシステムを提案し,通信状況の変化,特に通信障害の発生や非通信車両の割込みに対して適切に隊列を編成できることを示した.Toward the realization of cooperative vehicle platooning in a mixed environment of non-communication vehicle, we focus on two issues: communication failure detection within a vehicle headway time and vehicle platoon organization adaptive to that detection. As a solution for the first issue, we propose a group communication to bundle multiple ACKs among vehicles in the platoon. During the typical headway time of one second, the platoon may only contain 11 vehicles in the naïve ACK fashion. Using the group communication, we show that it can be expanded up to 60 vehicles that is the physical limit number. Moreover up to 24 vehicles, by utilizing the short ID, it is possible to check the communication failure among all vehicles in the platoon in one broadcast time. For the second issue, we propose a multi-agent system to be coordinated based on simple action guidelines, using the group communication. We show that it is possible to adaptively organize vehicle platoon to the communication situation changes, especially of communication failure and of non-communication vehicle interruption.
著者
小林 達矢 深沢 宏 村山 伸樹 中西 亮二 奥村 チカ子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.96, no.501, pp.111-117, 1997-01-25
参考文献数
6
被引用文献数
3

パーキンソン病(PD)の動的病態の特徴をとらえるために, パーソナルコンピュータとデジタイザを用いてシステムを構築し, 視標追跡変速描円運動を用いて, 運動時の振戦, 固縮, 動作緩徐の定量化に有効なパラメータの検討を行なった. その結果, ずれ成分では(1)加速時のずれが重要であり, 遅れ成分では(2)遅れのCV値(3)スタート時の遅れ(4)加速時の遅れ(5)遅れ時間というパラメータが重要であった. これらのパラメータを用いてPD陽性を判定してみると66名中51名をPD陽性と判断することができた.
著者
松本 直人 大西 亮吉 阿部 博
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2020-IOT-51, no.6, pp.1-6, 2020-08-27

近年,携帯電話網を通じたデバイスの常時接続が増加している.しかし携帯電話網では,デバイス通信に用いる IP アドレスを地域毎に細かく管理していない.このため全国に展開する大量のデバイスがサーバ接続した時,一般的なサーバ負荷分散処理を経由すると,多数のサーバに地域毎のデータが分散してしまう問題がある.本稿ではデバイス通信時のサーバリクエストにエリア属性を付与することにより,地域に閉じたデータ処理へ集約する仕組みについて考察する.
著者
野中 理絵 野中 一誠 西 亮介 吉田 亮太 松島 知生 西 恒亮
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【目的】頸椎症は40歳以上の男性の下位頸椎に好発すると言われており,若年における症例報告は散見しない。今回,頸椎症と診断された20代女性の理学療法を担当する機会を得た。アライメントに着眼して介入し,良好な結果が得られたので,以下に報告する。【症例提示】症例は20代女性,診断名は頸椎症。現病歴は起床時に頸部痛出現,鎮痛剤にて症状消失。約2か月後に同様の症状出現,鎮痛剤でも症状変わらず,それから1か月後に理学療法開始。主訴は頸を曲げると左頸部後方が痛くなる。X-p所見では,C3/4・4/5・5/6椎間腔狭小化を認めた。座位アライメントでは頭部・上位頸椎伸展位,下位頸椎前彎が消失し,頭部・C2-3右回旋位,C4-7左回旋位を認めた。頭頸部前屈時に左頸部後方に疼痛を認めた。前屈動作として下位頸椎の動きはほとんど見られず,上位頸椎の左回旋・側屈を伴い,前屈最終域で頭部左回旋位となった。頭部を正中位へ修正することで自動運動時の疼痛消失。頭頸部筋群に過緊張・圧痛,左頭半棘筋・板状筋に硬結が認められた。神経学的所見は認められなかった。【経過と考察】本症例では頭部・頸椎マルアライメントの状態で,上位頸椎の左回旋・側屈を伴う前屈運動を行っていた。そのため頸椎症に伴う二次的な筋スパズムが左頸部筋に生じ,これが疼痛の原因であったと考える。そこで頭頸部筋群のストレッチングやマッサージに加えて,頭部正中位での頭頸部自動運動を中心に行った。その結果,介入後2ヶ月で疼痛消失,座位では頭部マルアライメントが改善し,上位頸椎の左回旋・側屈を伴わずに前屈が可能となった。頸椎症に対する理学療法の概要として,後部頸部筋群・肩甲帯周囲筋群のリラクセーションを目的としたストレッチング・温熱療法,良姿勢指導・禁忌肢位指導が報告されている。本症例により,若年で発症した頸椎症に対しても,姿勢指導や運動療法が有効であるということが示唆された。
著者
高木 基裕 矢野 諭 柴川 涼平 清水 孝昭 大原 健一 角崎 嘉史 川西 亮太 井上 幹生
出版者
応用生態工学会
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.35-44, 2011 (Released:2011-10-01)
参考文献数
19
被引用文献数
6 5

マイクロサテライト DNA 多型解析法を用いて,重信川水系におけるオオヨシノボリ個体群の遺伝的集団構造の解析および耳石 Sr/Ca 濃度による回遊履歴の判定を行い,人工構造物による分断の程度を評価した.各サンプルの遺伝的多様度を示すヘテロ接合体率 (期待値) の平均値は 0.843~0.889 と高く,いずれの個体群間でも大きな差は見られなかった.各個体群間の遺伝的分化程度を示す異質性検定では,重信川本流系の個体群間において有意差がみられなかった.一方,石手川ダム上流域の藤野および五明川の個体群は,重信川本流系のほとんどの個体群との間で有意差がみられた.また,重信川本流系の個体群との遺伝的距離は大きかった.耳石の Sr/Ca 解析から,藤野の個体は石手川ダムにより陸封された個体であり,重信川最上流の藤の内の個体は両側回遊型であることが示された.一方,石手川ダム直下域の宿野の個体において両側回遊型および陸封型がそれぞれみられ,遡上した個体とダムから降下した個体が混在していることが確認された.以上の結果から,石手川ダム上流域個体群の陸封化が確認されるとともに,人工構造物による分断の影響を受け,石手川ダム上流域の個体群は他の重信川個体群と遺伝的に分化していることが示された.
著者
西 亮介 野中 一誠 中澤 里沙
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.H2-153_1-H2-153_1, 2019

<p>【はじめに、目的】投球肩・肘障害の要因の1つに不良な投球フォームが挙げられる.臨床上行われる,投球動作分析の多くは1回の動作を評価対象とし,高速な運動である投球動作において不十分であると考えられる.また,Early-Cockingは意識下の運動,Accelerationは無意識の運動とされており,上肢運動の速度も異なる.そのため,動作分析の対象となる相によって動作分析の測定回数を変更する必要があると考えられる.そこで本研究は,三次元動作解析装置を用いてFoot-Plant(以下,FP)・Maximum-External-Rotation(以下,MER)・Ball-Release(以下,BR)の3時点における肩・肘関節角度の再現性を求め,測定値の十分な信頼性を得るために必要な測定回数を検討した.</p><p>【方法】過去3ヶ月以内に投球に支障をきたす外傷・障害の既往がないオーバースローもしくはスリークォータースローの甲子園出場レベルの健常高校野球投手9名を対象とした.動作解析には三次元動作解析装置(アニマ社製 ローカス3DMA-3000)および床反力計(アニマ社製 MG-1060)を使用した.対象者の全身のランドマークに反射マーカーを貼付した.動作課題はセットポジションから4m先のネットに向け直球の全力投球3回とした.貼付した反射マーカーを基にFP・MER・BRの3時点の肩・肘関節の関節角度(肩関節外転・肩関節水平内外転・肩関節内外旋・肘関節屈曲)を算出した.信頼性の指標には級内相関係数(Intraclass Correlation Coefficient;以下,ICC)を使用し,ICC(1,1)を算出した.Spearman-Brownの公式よりICC(1,k)が0.9以上になるkの値を求めた.また,各相の各関節角度の変動係数(Coefficient of Variation;以下,CV)を算出した.なお,統計処理にはIBM SPSS statistics Ver.23.0 for Macを用いた.</p><p>【結果】ICC(1,1)は概ね0.9以上であった.しかし,FP時の肩関節外転に関してはICC(1,1)が0.79であった.Spearman-Brownの公式を用いたkの値はFPで3,MERで2,BRで2となった.また,MERおよびBR時の各関節角度のCVは0〜15%以内であったがFP時の肩関節外転に関しては最大で25%を示した.</p><p>【結論(考察も含む)】投手の投球動作の肩・肘関節角度は必ずしも一定していないことが明らかになった.特にFPはMERやBRと比較して上肢運動の速度は遅いにも関わらずCVが大きく,信頼性が低い傾向を示した.その要因の1つに意識下の運動であることが挙げられる.意識下の運動は自分自身でコントロールすることになるため,動作にばらつきが生じたと考えられる.臨床上,FPに着目することが多く見受けられるが,1回の動作分析では不十分であると考えられる.本研究の結果から臨床上の投球動作における動作分析は解析したい相によっては2〜3回の動作分析評価を行う必要性が示唆された.また,本来の投手板からホームベースまでの18.44mと比較し本研究における投球距離は4mと短い.そのため,今後は,投球距離別の信頼性を検討することが必要である.</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】本研究は,東前橋整形外科倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号:2017-04).また,すべての対象者には,ヘルシンキ宣言に従い,本研究の目的,方法,利益,リスクなどを口答および文書で説明し同意を得た.同意は本人とともに保護者もしくは保護者と同等のもののサインをもって研究参加を同意したものと判断した.なお,同意の撤回は,いつでもできることを口答および文書で説明した.</p>
著者
山永 裕明 中西 亮二 今村 重洋 出田 透 浅山 滉
出版者
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.79-85, 1985-03-18 (Released:2009-10-28)
参考文献数
22

被殻出血患者33例についてCT所見を中心として上肢,歩行機能,失語症,ADLについて予後の検討を行った.その結果,(1)実用手に15.1%しかならず上肢機能の予後は悪かった.(2)57.6%が独歩となり,観血群で38.5%,保存群70%と後者が有意に独歩になりやすかった.(3)独歩群の年齢は52.5±12.4歳,非独歩群は60.6±6.7歳で前者が有意に年齢が低かった.(4)観血群では,独歩群39.6±12.7歳,非独歩群59.9±6.2歳で前者が有意に年齢が低かった.(5)尿失禁があると有意に独歩率が低かった.(6)27.2%に失語症を認めた.(7)ADLと移動能力の間に有意の相関を認めた.(8)CT上,内包後脚に影響ない例の予後は良好だが,他はCTのみで予後判定は困難であった.
著者
小林 昭 遠矢 光孝 福西 亮 吉田 愛知
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
栄養と食糧 (ISSN:18838863)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.263-268, 1974-10-10 (Released:2010-03-26)
参考文献数
14
被引用文献数
2

ソテツ味噌を試醸し, ソテツの有毒成分であり発癌性の知られているcycasinと, アフラトキシン汚染の有無を検索した。また, 長期間動物に投与する試験を行なった。1) cycasinはソテツ種子自身のもつβ-グルコシダーゼで分解され, 通常の原料ソテツ粉末中には残存しなかった。cycasinが残存するようにして調製した原料では, 麹菌の成育が抑制され麹ができにくいが, cycasinは速やかに分解された。2) Sprague-Dawley系ラットに, ソテツ味噌を10~50%混入した飼料を62日間, または10%混入飼料を190日間給餌した。これらには1年間飼育ののち, いずれの臓器にも腫瘍の発生はまったくみられなかった。3) ここで用いたソテツ味噌の原料ならびに製品, 自家製ソテツ味噌3点にアフラトキシンは検出されなかった。
著者
佐野町 友美 鈴木 修平 中村 翔 渡邊 千尋 熊西 亮介 中村 元治 鈴木 尚樹 渡邉 要 武田 弘幸 福井 忠久 吉岡 孝志
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 医学 : 山形医学 = Bulletin of the Yamagata University. Medical science : Yamagata medical journal (ISSN:0288030X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.1-7, 2017-02-15

【背景】昨今、臨床実習の重要性が増す中で医学生の実習中の不適切言動や精神的な負荷が問題視され、検討課題とされている。がん患者を担当する場合、特に負荷が重いと推測されるが、学生から患者への説明などの実習における具体的な関わりや精神的負荷に関する検討はほとんどない。そこで今回、がん患者・医学生・医師の3者の視点から学生の説明内容の信頼性や精神的負荷へ焦点をあて検討を行った。【方法】2015年12月から約1か月間、本学においてがん患者実習経験のある学生、腫瘍内科医師並びに実習協力経験のあるがん患者へ連結不可能匿名化の質問紙法を用いて、がん患者へは実習時の説明とその説明への信頼等、学生へは患者との関わりや説明の内容等、精神的負荷等、医師へは学生の不適切言動や診療への影響等を中心に調査した。本研究は本学倫理審査委員会の承認を得て行った。【結果】学生43名、患者18名、医師9名から回答を得た。患者・医師からは守秘義務違反や無礼な行動などの不適切言動は指摘されなかった。学生が患者へ説明を行う場面は実際に存在(77%)し、学生は自身が発した情報を患者が信頼すると考えることが多い(78%)が、患者は学生が説明する内容をあまり信頼していない(p =0.022)という結果だった。患者の自由記載では学生の傾聴や応対への感謝が目立ち、医師の自由記載ではがん患者を担当することの重要性や難しさの指摘が目立った。学生の多くは実習で精神的負荷を感じ(66%)ており、精神的負荷を感じている学生は患者へ説明の経験があるという結果だった(p =0.018)。学生の自由記載の形態素解析では精神的な面に関連する単語の頻度が多く検出され、精神的に不安定ながん患者を担当する学生へは指導者は十分な配慮を行う必要性が示唆された。【結論】医学的説明を行う場面は学生には負荷となりうるが、患者の信頼は必ずしも高くなく、むしろ学生の傾聴や円滑なコミュニケーションが診療に有益である可能性が示された。
著者
西 亮介 原 耕介 野中 理絵 小保方 祐貴
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1307, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】投球障害に与える因子として肩関節可動域低下や原テストの低値等の上肢機能の影響のみならず,股関節可動域及び下肢柔軟性の低下等の下肢機能の影響が報告されている。しかし,上肢機能と比較し下肢機能と投球障害との関連性についての報告は少ない。また,上肢機能検査においては投球動作を考慮した検査項目があるのに対し,下肢機能検査では投球動作を考慮した検査項目は散見しない。そこで本研究では,投球動作を考慮した下肢機能検査(以下,投球下肢機能検査)を考案し,投球障害との関連性を上下肢機能検査とともに明らかにする事を目的とした。【方法】甲子園出場レベルの高校野球選手48名を対象とした。除外基準は投球側肩及び肘関節術後で主治医から全力投球の許可がないものとした。アンケートを実施し,当日投球時に痛みを訴える者を疼痛群,それ以外の者を非疼痛群とした。上肢機能検査として肩関節可動域(肩関節外転位内外旋・肩関節屈曲位内旋)・原テスト,下肢機能検査として股関節可動域(屈曲・伸展・内旋)・下肢柔軟性検査(SLR・HBD・トーマステスト),投球下肢機能検査として股関節可動域(股関節90度屈曲位内転)・下肢柔軟性(股関節90度屈曲位からの膝伸展角度・膝関節90度屈曲位股関節伸展角度)を測定した。股関節90度屈曲位内転及び膝関節90度屈曲位股関節伸展は各々非投球側・投球側における加速期,股関節90度屈曲位からの膝伸展は非投球側のボールリリースの動きを考慮した。統計処理にはSPSSver.17.0を用いて群間比較をMann-WhitneyのU検定・カイ二乗検定を用い,有意水準5%とした。【結果】アンケート結果から疼痛群29名,非疼痛群19名,疼痛部位は肩延べ17名・肘延べ21名,疼痛発生相で最も多い相は加速期で18名であった。尚,除外基準に当てはまる者はいなかった。投球側肩関節屈曲位内旋角度・CAT・HFT・投球側下垂位外旋筋力において疼痛群で有意に低値を示した(p<0.05)。その他項目に有意差は認めなかった。【結論】投球側肩関節屈曲位内旋角度・CAT・HFT・投球側下垂位外旋筋力で群間に有意差を認め,先行研究と同様の結果を示した。これらの項目は投球動作を再現する項目が含まれることから,投球障害に対する評価において投球動作を再現した検査項目は重要であると考えられる。しかし,投球下肢機能検査では有意差を認めなかった。瀬尾らは,加速期における非投球側股関節屈曲角度は100度,投球側膝関節屈曲角度は40度,ボールリリースにおける股関節屈曲角度は100度と報告しており,投球下肢機能検査における開始肢位の各関節角度と異なる角度であった。よって,本研究における投球下肢機能検査は,投球動作中の動きの再現が不十分であった可能性が考えられた。今後は,投球下肢機能検査の各関節の角度設定を変更し,検討する必要性がある。
著者
海津 浩一 村田 裕斗 光延 裕紀 植西 亮介 日下 正広 木村 真晃
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.858, pp.17-00550-17-00550, 2018 (Released:2018-02-25)
参考文献数
14
被引用文献数
1

In order to ensure the safety of passengers in the event of an accident, side member and crash box are mounted on automobiles. Cylindrical tubes, rectangular pipes and hat-shaped members have been examined as structural members that subjected to an axial compressive load. However, these structures have problems that the initial peak load is very high and the load rapidly decreases due to buckling during crushing. To solve the problems, we proposed a cellular solid with mimetic woody structure as a new structural member. Some woods have no initial sharp peak load and have a plateau region which the load is constant in the relationship between the load and the displacement, when the impulsive load are applied to them. We considered that those features were suitable for structural members like a side member or a crash box. The basic cell was a square block with a side length of 10 millimeters and it had a hole in the center. The cellular solid was constituted by combining some basic cells. Therefore, a homogeneous cellular solid was fabricated by making small holes in the aluminum cube. From results obtained from the impact crushing test and simulation by the FEM software LS-DYNA®, it was demonstrated that the proposed cellular solid had crushing characteristics similar to the wood, and the energy absorption characteristics were influenced by the shape and arrangement of the cells. As a result, it was shown that the results of experiment and analysis substantially corresponded. Since the load during crushing depended on the shape and arrangement of the cells, the possibility of controlling the energy absorption characteristics was shown.
著者
尾崎 公一 福田 忠生 西 亮 椎森 康雄 早川 悌二
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.73, no.726, pp.279-284, 2007-02-25 (Released:2011-03-02)
参考文献数
4
被引用文献数
1

In order to investigate the flow of molten metal in a cavity of a die, experimental simulation was carried out by using water flow model. The experimental cavity was constructed of a backward step configuration for test zone, in which flow behavior and air exhaust process from the cavity were investigated. With rib material installed down the step, its effect on air exhaust promotion was examined for various flow velocities. The main results obtained are as follows : Air exhaust from the cavity is remarkably promoted by installation of rib because the strong turbulence around the rejoining potion of two different flows, which are separated by the rib at the upstream, broke rapidly the trapped air into small bubbles. The time taken to complete air exhaust process is in inverse proportion to the flow velocity in the high velocity region, while it is proportion to the flow velocity to the -2.27th power in the low velocity region.
著者
島田 佳広 佐藤陽一 中西 亮 品川 高廣 吉澤 康文
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.9, pp.125-132, 2006-01-27

大量の動画像情報をディスクから読込み,クライアントに送信するVODサーバでは人気タイトルの情報をメモリ内にキャッシュする工夫によりディスクI/Oの負荷を低減することができる.しかしこの工夫が成功しても,通信回線を通して送信するオーバヘッドの低減はできない.そこで,P2Pプロトコルを用いて,クライアントの通信回線,CPU,メモリ等を利用し,VODサーバの負荷を低減する方式を提案する.本方式は,人気タイトルに要求が集中して発生する際に有効と考える.本稿では,本方式を採用したVODサーバとクライアントの処理方式を報告する.VOD servers that read a large amount of dynamic image data and send it to clients can reduce load of disk I/O with caching data of popular title. However, even if this attempt succeeds, overhead caused by transmitting data via communication lines cannot be reduced. Then, we propose the method to reduce the load of VOD servers by using the P2P protocol, and using client's network bandwidth, CPU power, and memory etc. Our method is effective, when the demand concentrates on a popular title. In this paper, We report how VOD server and the client will work with our method.
著者
水尾 愛 大島 由子 今西 亮 北田 祐二 笠原 道子 橋崎 文隆 和田 晴太郎 松永 雅之 高井 進 大沼 学 翁長 武紀 萩原 克郎 真田 良典 浅川 満彦
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
Japanese journal of zoo and wildlife medicine (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.77-80, 2009-03
参考文献数
16
被引用文献数
1

生体内の酸化ストレスを評価する一般的な生体指標である尿中8-hydroxyguanosine(以下,8-OHdG)量を国内飼育下の9頭のニシローランドゴリラにおいて定量した。検査対象個体に原虫感染が認められたが,臨床症状は観察されなかった。全個体の8-OHdG値(ng/mg creafinine)の範囲は4.3〜193.1,各個体の中央値の幅は6.8〜52.4であった。原虫陽性と陰性個体との8-OHdG値の比較を行い,有意差は認められなかった(>0.05)。