著者
浜村 武広 久保内 昌敏 青木 才子 吉田 治 江島 光彦 酒井 哲也
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.182-187, 2012-04-15 (Released:2012-12-01)
参考文献数
23

アセタールコポリマー (Co−POM)の硝酸(HNO3)水溶液下における腐食機構とそのモデル化について検討を行った.劣化度合は,質量および分子量変化によって評価した.硝酸水溶液における質量変化は,潜伏期間後に直線的に減少した.SEC測定結果から,HNO3水溶液によるCo-POMに対する腐食は表面近傍を主体に進展し,内部は初期状態を維持していたことから,その腐食形態は腐食層形成型と一致した.加水分解反応によるCo-POMの腐食速度式は,試料表面の分子量低下から得た反応速度定数を用いて算出した.次に,質量変化(湿潤−乾湿試料)を用いて,HNO3水溶液のCo−POM内への拡散係数を求め,これによって得られる試料内の経時的な濃度分布変化と先の腐食速度式を組み合わせることにより,Co−POMの腐食速度を数値解析により求めた.解析結果と実験結果はおおむね良好な一致を示し,この手法で速度論的なモデル化を行うことが可能であることを示した.
著者
藤原 治 増田 富士雄 酒井 哲弥 入月 俊明 布施 圭介
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.489-501, 1999-12-01
参考文献数
47
被引用文献数
7 9

相模トラフ周辺で過去1万年間に発生した地震イベントを,房総半島南部と三浦半島に分布する4つの沖積低地の内湾堆積物から検出した.<br>堆積相解析の結果,基底に侵食面をもち,上方へ細粒化する砂層や砂礫層によって,自生の貝化石を含む均質な泥質層の堆積が中断されるイベントが,各沖積低地で10回以上識別された.また,一部の砂層では,海と陸の両方向の古流向が見られる.内湾堆積物に含まれるこれらの粗粒堆積物は,いわゆる"イベント堆積物"である.<br>タフォノミーの視点からの化石群集の分析によって,イベント堆積物の供給源や運搬・堆積プロセスが推定された.イベント堆積物は,内湾泥底と岩礁など,通常は共存しない異なる環境に棲む貝化石群集が混合しており,湾周辺からの堆積物の取り込みと内湾底への再堆積を示す.湾奥の汽水域や湾中央で堆積した泥層に挾まれる2枚のイベント堆積物は,外洋性の貝形虫化石を多量に含み,外洋水が湾奥に侵入したことを示す.これらは津波堆積物の可能性がある.<br>137個の高密度の<sup>14</sup>C年代測定によって,7枚のイベント堆積物が相模湾沿岸で広域に追跡され,乱泥流が南関東沿岸の広域で同時に繰り返し起きたことが推定された.5枚のイベント堆積物は,南関東に分布する完新世海岸段丘の離水と近似した年代を示し,津波起源であることが強く示唆される.<br>化石群集から復元した古水深変動から,イベント堆積物を挾む2つの層準で急激な海面低下が見いだされた.このイベントは海底の地震隆起と地震に伴う津波を示すと考えられる.<br>地層から地震イベントを検出することは,古地震研究に有力な情報を提供し,地震テクトニクスの新たな研究方法として貢献すると考えられる.
著者
市橋 匠 酒井 哲夫
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.472-480, 1998
参考文献数
15
被引用文献数
5

気管支閉鎖症の4例を報告した。1例目は感冒症状から右上肺異常影を発見された32歳の女性。3年後にV字型に成長し, CTで右S^1領域に粘液瘤と周囲の透過性亢進を認めた。気管支鏡で右B^1が欠損していた。2例目は23歳の左上肺異常影の健診指摘男性例。CTでニボーを伴う粘液瘤と周囲の透過性亢進を左S^3領域に認め, 肺の血流/換気スキャンでは血流低下とair trapを示した。3例目は62歳の左中肺異常影の健診指摘女性例。CTで左S^3b領域にだるま型の腫瘤と周囲の透過性亢進を認めた。胸腔鏡下に楔状切除。病理上は粘液貯溜で拡張した細気管支と周囲の気腫を認めた。4例目は43歳の右下肺異常影の健診指摘女性例。CTで右S^<10>に索状影と周囲の透過性亢進を認め, 気管支鏡では右B^<10>が欠損していた。気管支閉鎖症の本邦例をX線検査上の粘液瘤と限局性気腫の有無の組み合わせで4群に分類し気管支閉鎖の完成の時期と臨床所見の関係についての仮説を導いた。
著者
酒井 哲哉
出版者
北海道大学法学部
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5-6, pp.1143-1190, 1990-09-17
著者
酒井 哲哉
出版者
北海道大学法学部
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.p2285-2332, 1990-09
著者
富山 貴子 桂木 奈巳 酒井 哲也 酒井 豊子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.749-755, 2003-09-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
11

Various kinds of periodical phenomena are observed in the natural world and in the social systems. Even in apparel fashion trends, people feel some periodical changes exist. This paper presented a trial to qualitatively characterize such a periodicity which appeared in apparel fashion trends. For this purpose, numerical data for the length of ladies jackets and skirts proposed in a popular fashion magazine published in Japan from 1960 to 1998 were used. Data were treated with some mathematical techniques including Fourier transformation analysis, self-correlation analysis and common statistical methods. Results obtained are as follows; 1) Comparing the distribution of length for clothes proposed in a given year with the length of the clothing selected by a person as being representative of the year, it was clarified that the length of the representative clothing selected by the person coincided with the mode value for the distribution. 2) Three major changes in the length of jackets and skirts were found over the years, the first change after a periodic time of 10 years, the second after 20 years and the third after 40 years. The change which occurred after 10 years periodicity was the most profound one. 3) The 10-year periodicity may be correlated with the period of use of apparel, while 20-year periodicity may be connected to the length of time which takes for women to develop a mature fashion sense. The 40-year periodicity remains unclear, but it covers two generations and, therefore, is long enough for the revival of an old fashion as a new fashion.
著者
原 暉之 有馬 学 中見 立夫 酒井 哲哉
出版者
北海道大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1994

黒木親慶(1883-1934)は宮崎県出身の陸軍軍人(陸士卒業第16期)で、第一次大戦中ロシア従軍武官を勤め、ロシア革命を現地で観察したのち、シベリア出兵に際して親日派・反革命派の軍人アタマン・セミョーノフの軍事顧間として活動するなど、ロシア通の参謀将校として活躍した。また、ロシア・シベリアで荒木貞夫(9期、のち睦相、文相)と行動をともにしたことから、1920年に帰国したのちも荒木との関係は密接であり、昭和期には荒本に連なる皇道派人脈の中で重きをなした。本研究は、これまで学術調査の対象となったことはなく、ほとんど手つかずのままに残されてきた黒木親慶文書(宮崎県立図書館所蔵)に対し、学際的・総合的なアプローチを研究する試みるとして企画されたが、現地調査を含む研究活動の結果、ロシア極東近現代史、日本近代政治史、東アジア国際政治史の各分野において多くの知見を得ることができた。とりわけ、ロシア極東近現代史の分野では、アタマン・セミョーノフの思想と行動の未解明部分が判ってきたし、日本近代政治史の分野では皇道派人脈について、また東アジア国際政治史の分野ではモンゴルをめぐる国際環境について、従来の研究とは異なる角度から光が当てられることになった。
著者
酒井 哲也 野上 謙一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.2, pp.105-112, 2009-01-15
参考文献数
15

(株)ニューズウォッチは,ユーザの情報要求の変化をシステム側が促進し,ユーザが繰り返し検索を行う過程で有用な情報に 「出会う」 ことを可能にする探検型検索サイト「コトバ ノ ウチュウ」 を 2008 年 9 月に正式リリースした.このサイトでは,情報要求の変化促進の手段として,日本語版ウィキペディアの参照関係を視覚したインタフェース 「ギンガ」 を提供している.本研究では,「コトバ ノ ウチュウ」の 2008 年 10 月分のクエリログおよびクリックスルーデータを用い,ユーザが 「ギンガ」 上でどのようなクエリからどのようなクエリに遷移するかを分析した.その結果,ユーザは,人名から人名,組織名から組織名,地名から地名といったように現在のクエリと同一のタイプのクエリに遷移する明確な傾向があることがわかった.本知見は,探検型検索においてより有用なクエリ候補をユーザに提示するために役立てる予定である.In September 2008, NewsWatch, Inc. released an exploratory Web search site called KotobaNoUchu (Galaxies of Words), which encourages change in the user's information need and enables "serendipitous search" through repeated querying. To this end, KotobaNoUchu visualises the graph structures of Japanese Wikipedia, in a graphical interface called ginga (galaxy). In this study, we analyse the query log and clickthrough data of KotobaNoUchu from October 2008, to see how users move from a certain type of query to another on the ginga interface. Our results show that users clearly tend to make transitions within the same query type - from person names to person names, from place names to place names, and so on. We plan to utilise this finding for providing the user with more useful query candidates for exploratory search.
著者
酒井 哲也 野上 謙一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.2, pp.105-112, 2009-01-15

(株)ニューズウォッチは,ユーザの情報要求の変化をシステム側が促進し,ユーザが繰り返し検索を行う過程で有用な情報に 「出会う」 ことを可能にする探検型検索サイト「コトバ ノ ウチュウ」 を 2008 年 9 月に正式リリースした.このサイトでは,情報要求の変化促進の手段として,日本語版ウィキペディアの参照関係を視覚したインタフェース 「ギンガ」 を提供している.本研究では,「コトバ ノ ウチュウ」の 2008 年 10 月分のクエリログおよびクリックスルーデータを用い,ユーザが 「ギンガ」 上でどのようなクエリからどのようなクエリに遷移するかを分析した.その結果,ユーザは,人名から人名,組織名から組織名,地名から地名といったように現在のクエリと同一のタイプのクエリに遷移する明確な傾向があることがわかった.本知見は,探検型検索においてより有用なクエリ候補をユーザに提示するために役立てる予定である.In September 2008, NewsWatch, Inc. released an exploratory Web search site called KotobaNoUchu (Galaxies of Words), which encourages change in the user's information need and enables "serendipitous search" through repeated querying. To this end, KotobaNoUchu visualises the graph structures of Japanese Wikipedia, in a graphical interface called ginga (galaxy). In this study, we analyse the query log and clickthrough data of KotobaNoUchu from October 2008, to see how users move from a certain type of query to another on the ginga interface. Our results show that users clearly tend to make transitions within the same query type - from person names to person names, from place names to place names, and so on. We plan to utilise this finding for providing the user with more useful query candidates for exploratory search.
著者
富山 貴子 桂木 奈巳 酒井 哲也 酒井 豊子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.749-755, 2003

Various kinds of periodical phenomena are observed in the natural world and in the social systems. Even in apparel fashion trends, people feel some periodical changes exist. This paper presented a trial to qualitatively characterize such a periodicity which appeared in apparel fashion trends. For this purpose, numerical data for the length of ladies jackets and skirts proposed in a popular fashion magazine published in Japan from 1960 to 1998 were used. Data were treated with some mathematical techniques including Fourier transformation analysis, self-correlation analysis and common statistical methods. Results obtained are as follows; 1) Comparing the distribution of length for clothes proposed in a given year with the length of the clothing selected by a person as being representative of the year, it was clarified that the length of the representative clothing selected by the person coincided with the mode value for the distribution. 2) Three major changes in the length of jackets and skirts were found over the years, the first change after a periodic time of 10 years, the second after 20 years and the third after 40 years. The change which occurred after 10 years periodicity was the most profound one. 3) The 10-year periodicity may be correlated with the period of use of apparel, while 20-year periodicity may be connected to the length of time which takes for women to develop a mature fashion sense. The 40-year periodicity remains unclear, but it covers two generations and, therefore, is long enough for the revival of an old fashion as a new fashion.
著者
酒井 哲弥 斎藤 文紀 増田 富士雄
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.1-14, 1995-08-10
参考文献数
23
被引用文献数
5

1980年代後半にエクソングループの手によってシーケンス層序学が確立された。ここではその概念について説明する。その中でも特に, シーケンス層序学で最も基本となるユニットであるシーケンスとそれを構成するユニットの特徴を説明し, ユースタシーが地層形成にどう影響するかについて議論する。
著者
酒井 哲也
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.198-199, 2018-01-15
著者
藤田 祐二 KOO Kong-Khen ANGOLA Juan Carlos 井上 隆 酒井 哲也
出版者
The Society of Polymer Science, Japan
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.119-131, 1986
被引用文献数
1 20

延性高分子とぜい (脆) 性高分子とからなる耐衝撃性プラスチックの設計は, 近年, ポリカーボネートとスチレン-アクリロニトリル共重合体などの混合系において見いだされた新しい概念である. この多相系プラスチックにおいては, 分散相としてのぜい性高分子の存在により延性高分子の剛性とじん (靱) 性を同時に向上させることが可能であり, 実用面からの興味も大である. 本報では同様な強化機構を持つ他の新しい多相系を見いだすため, 種々の延性高分子とぜい性高分子の組合せについて, それらの力学物性評価を行った. また, 多相構造の電子頭微鏡観察や変形時の応力解析を行い, 強化機構について考察した. その結果, ポリカーボネート/ポリメタクリル酸メチル系など新たに6種類の強化系を見いだし, この現象がかなり一般性のあることを明らかにした. また, これらの強化系においては, ぜい性高分子の分散相が変形時に冷延伸され, これによって強化が発現することを確認した. さらに, 修正Eshelby理論をもとにした応力解析より, ぜい性高分子の冷延伸の成否はMisesの降伏条件式によって記述しうることが判明した. 以上より, 成分高分子のヤング率, ポアソン比などの材料定数より強化の成否を半定量的に予測する可能性が示唆された.
著者
酒井 哲哉
出版者
財団法人 日本国際政治学会
雑誌
国際政治 (ISSN:04542215)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.139, pp.144-158,L15, 2004-11-29 (Released:2010-09-01)
参考文献数
63

In the midst of the Pacific War, SHINOBU Junpei, international lawyer and diplomatic historian, provided a bold speech at the general assembly of the Japan Association of International Law. Reflecting his experiences in studying and teaching international law of war for more than thirty years, Shinobu cautioned the audience about the rapid decline of obedience to international law after the Sino-Japanese War amongst Japanese. Although making the least reservation for fear of censorship during the wartime, Shinobu undeniably had presented his keen anxiety about the decreasing effectiveness of international law of war as restrainer to the total war. Did practices and norms of the classical diplomacy including international law of war remain relevant to international order during the interwar years? If they still had relevance, how could they be applied to Japanese diplomacy in the different situation from the pre-W. W. I era? This article intends to shed lights on the ambivalent attitude of Japanese intellectuals toward international order during the interwar years who had still believed in the classical diplomacy even after W. W. I with special reference to the case of Shinobu Junpei.In the historiography of Japanese studies of international politics, Shinobu is known for his pioneering works, “International Politics” published in the mid-1920's. Investigating those works, the first chapter analyzes how Shinobu perceived the trend of the “New Diplomacy.” While skeptical about the Wilsonian idealism, Shinobu regarded the “democratization of diplomacy” as the trend of “national diplomacy” which had increasingly gained currency in Japan after the Russo-Japanese War. In this sense, like H. Nicolson's classical work on diplomacy, Shinobu's works tried to tame the “New Diplomacy.”Given those perceptions, Shinobu had published a series of essays arguing how Japanese foreign policies were and should be. The second chapter therefore tries to delineate Shinobu's diagnosis of Japanese foreign policies around the Manchurian Incident and evaluate the significance and limits of his legalist approach toward the Manchurian problems with comparison to the cases of ROYAMA Masamichi and KAMIKAWA Hikomatsu, younger political scientists emerging after W. W. I.The third chapter surveys the trend of Japanese studies on international law of war after the Manchurian Incident. Shinobu's persistence in international law of war will be discussed here with comparison to the case of TAOKA Ryoichi who had shared the realist sentiments to international politics in the 1930's. Finally, on the basis of the post-W. W. II recollections, this article depicts how Shinobu viewed the Pacific War manly focusing on his understanding of the relationship between the Renunciation of War Treaty and the Pacific War.
著者
渡邉 卓弥 森 達哉 酒井 哲也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.502, pp.119-124, 2014-03-27

オーナーの関知しないところでカメラを秘密裏に濫用し,盗撮・盗聴や情報漏洩を試みる可能性があるAndroidアプリを自動的に検出する方法を提案する.主要なアイディアはアプリケーションパッケージファイルを逆アセンブルしたコードの解析とアプリの詳細を自然言語で記述したdescriptionのテキスト解析を組み合わせることである.サードパーティマーケットで収集した10,885のアプリケーションを対象に提案手法を適用したところ,カメラを秘密裏に濫用する可能性が高い43個の検体を自動的に検出した.手動による動的解析の結果, 43検体中少なくとも28検体はユーザに開示された正当な方法でカメラを利用していること,および2検体は内容と動作が不自然であり,かつユーザがカメラを利用する画面が認められないことからコードの詳細な静的解析が必要な検体であることがわかった.また43検体中18検体がマルウェアと判定されており,提案手法で抽出した記述と動作に齟齬があるアプリケーションは高い確率でマルウェアであることが示された.
著者
高橋 英幸 金田 邦彦 酒井 哲也 原田 直樹 堀井 進一 岡村 明治 土師 守
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.1423-1427, 2014

症例は68歳,男性.平成24年12月に骨盤内を占める大きな腫瘍(φ90mm×140mm×100mm)に対し,腫瘍摘出術を施行.病理組織学的にperivascular epithelioid cell tumor (以下PEComa)でS状結腸に癒着があったため,一部S状結腸も合併切除した.粘膜面は正常であり,病理学的にS状結腸間膜から発生したものと診断した.核分裂像は1/10HPF以下であったが,腫瘍径は5cm以上で,腫瘍の中心部は広汎な壊死に陥っていたことより,悪性のポテンシャルを持った腫瘍の可能性を否定できないと考え,定期的に当院外来にて経過観察を行っていた.平成25年10月に約1年ぶりのfollow upの腹部CTで,下腹部に約55mm大の腫瘤を認めた.また,骨盤腔内右前部の腫瘍に一致してFDGの集積を認めた.(SUVmax 5.828)以上より,PEComaの腹膜再発と考え,摘出術を施行した.病理学的にも基本的に前回と同様の所見を認めた.術後の経過は良好であり,第7病日に軽快退院した.再々発の危険性があるため,今後,3~4カ月ごとの腹部PET-CT検査を予定している.
著者
酒井 哲夫 小野 正人 吉田 忠晴 佐々木 正己 竹内 一男
出版者
玉川大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1991

可動巣枠式巣箱による飼育法が確立したことにより,ニホンミツバチで初めてプラスチック人工王椀を用いた女王蜂の人工養成が可能になった。セイヨウミツバチのローヤルゼリー(RJ)を利用したニホンミツバチ女王蜂養成では,自種のRJでは高い生育率と女王蜂の分化を示したが,両種のRJの成分に生育に影響を及ぼす差があることが認められた。少数例ではあるが,女王蜂の人工授精が成功し,これからの選抜育種に明るい見通しが立った。ニホンミツバチとセイヨウミツバチの配偶行動については,14時30分頃を境に2種間の生殖隔離が行われ,ニホンミツバチ女王蜂は遅い時刻(14:45〜16:00)に長い飛行で交尾することが認められた。同一蜂場内に併飼したセイヨウミツバチ,ニホンミツバチの両種の花粉採集行動の季節的な変動パターンは,基本的に類似していた。花粉だんごの分析から訪花植物の種を同定すると,特に多くの植物の開花が見られる時期には違いが認められ,両ミツバチの花への嗜好性は異なっているのではないかと考えられた。両種の収穫ダンスを比較し,餌場までの距離とダンス速度の関係を解析した結果,ニホンミツバチの距離コードは同種の東南アジア亜種のそれより,むしろセイヨウミツバチのそれに近いことがわかった。また両種の採餌距離を推定した結果,ニホンミツバチの平均的採餌圏は半径2.2km,セイヨウミツバチのそれは3kmとされた。また貯蜜量の減少による逃去時のダンスはこれまでにないスローダンスであることが判明した。ニホンミツバチのミツバチヘギイタダニに対する行動を観察した結果,落下したダニの多くは触肢や脚に負傷しており,その割合はセイヨウミツバチより高かった。スズメバチに対するニホンミツバチの防衛行動に関しては,学習が関与していることが初めて明らかになった。
著者
酒井 哲也
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.147-158, 2006-02-15

本稿では,「正解レベル」を扱うことのできるもの,かつ比較的最近提案されたものを中心に,情報検索システムの評価指標について簡単に解説する.一口に情報検索といっても,なるべくたくさんの「正解」が欲しい場合もあれば「正解」が1件見つかれば充分な場合もあり,適切な評価を行うには利用シーンに適した信頼性の高い指標を用いるべきである.また,古典的な情報検索の枠組みでは手に負えない質問応答,特許検索およびXML検索という新しいタイプの検索タスクの評価の難しさについて紹介し,これらのタスクにおける検索評価指標の適用可能性についても触れる.