著者
曽川 一幸 林 加織 村田 正太 古畑 勝則 野村 文夫
出版者
日本電気泳動学会
雑誌
電気泳動 (ISSN:21892628)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.141-144, 2017

<p>近年,高い迅速性と正確性を有し,しかも低コストの細菌同定手法として,質量分析計が注目されている.2011年に医療機器として認定され,日本国内に約150ヶ所の病院・検査センターの細菌検査室で細菌同定のツールとして運用されている.従来細菌の同定には,主に形態学的手法(グラム染色,コロニーの形状やその大きさ)や生化学的手法が用いられている.しかしながらいずれの手法も煩雑な作業であり高い専門性が要求される.高い識別能力がある16S rRNAを指標とする手法は,多くの検体を一度に解析することが難しく,日常的に用いることは困難でありコストがかかる.質量分析計による細菌同定はサンプル調整が容易で,測定操作も簡便であり,一菌種約5分で同定結果が得られる.この特徴を活かして,煩雑な試料前処理を行わず,属や種を容易に識別することのできる手法として注目されている.</p>
著者
中辻 伸嘉 秋田 もなみ 林 芳弘 野村 晋平 足立 亨介 森岡 克司
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.309-315, 2018 (Released:2019-12-20)
参考文献数
26

本研究は加太産天然マダイ(RK)及び養殖マダイ(RC)の物性(破断強度)を比較し,生化学及び組織学的アプローチから物性の決定要因を検討した。RK 及び RC の肉の破断強度はそれぞれ55.6及び34.9 gw であり,RK で有意に高い値を示した。従来から知られている破断強度と関係性がある筋肉中のコラーゲン含量は RK で高い傾向があったが,有意差はなかった。一方,組織学的観察から RK 及び RC の筋繊維面積はそれぞれ6299.5及び9524.5 µm2 であり,RK の筋繊維面積は RC より有意に小さく,筋繊維の結合組織である筋内膜の網目構造が密であることが観察された。以上のことより,RK の物性は RC より硬く,これには筋肉中の結合組織の構造が主に関与することが示唆された。
著者
野村 泰稔 村尾 彩希 阪口 幸広 古田 均
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F6(安全問題) (ISSN:21856621)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.I_189-I_198, 2017 (Released:2018-02-08)
参考文献数
25
被引用文献数
3

近年,老朽化に伴う安全性の低下が懸念される社会基盤に対して,その構造健全性を如何に効率的かつ的確に評価するかが,維持管理計画を策定する上で益々重要となってきている.構造の健全性を評価する上で,ひび割れを検出することは,構造物の劣化や破壊を引き起こす大きな要因の一つであるため,特に重要である.本研究では,現在,各所で開発が進められている高所等,人が立ち入ることが困難な箇所の点検ロボットに実装するシステムを構築することを目的として,各種ひび割れの画像を深層畳み込みニューラルネットワークにより学習し,UAVやWebカメラ等により撮影される構造全体系の多数の画像に対して,リアルタイムにひび割れの有無・領域をスクリーニング可能なシステムの開発を試みる.
著者
早川 弘輝 末永 昌宏 飛永 純一 武内 有城 内村 正史 野村 尚弘 飯田 俊雄
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.34, no.8, pp.1331-1335, 2001 (Released:2011-06-08)
参考文献数
20
被引用文献数
1

症例は41歳の女性. 手術歴はない. 平成3年と5年に下腹部痛で当院を受診. 平成11年11月7日夕方突然間欠的な右季肋部痛が出現, 次第に増強して当院内科を受診した. 右上腹部に強い圧痛を認め腸音は亢進していたが, 反跳痛や筋性防御はなく, 白血球数, CRP値も正常であった. 腹部X線写真, およびCTで肝前面の横隔膜下に鏡面像を伴った小腸の拡張を認めた. 嘔吐も出現し, イレウスの診断で経鼻胃管を挿入し内科入院したが, 鎮痛剤投与でも腹痛は続き外科紹介. 腹部は鼓張し腸音は金属音で内ヘルニアを疑い緊急手術を施行. 肝と腹壁の間にviolin string状の索状物を伴った著明な線維性癒着を認め, その間に小腸が入り込んでいた. 小腸を引き出し線維性癒着を切除してイレウス解除できた. 子宮附属器に軽度の炎症像を認め, 術後の採血でクラミジアIgA抗体は1.38, IgG抗体は5.41と陽性でクラミジア感染による肝周囲炎が原因のイレウスと考え報告した.
著者
野村 正人 村井 義洋
出版者
近畿大学工学部
雑誌
近畿大学工学部研究報告 = Research reports of the Faculty of Engineering, Kindai University (ISSN:2434592X)
巻号頁・発行日
no.53, pp.23-26, 2019-12-21

[Abstract]In the curvilinear structure that characterizes Hiragana, when character-shaped strokes are classified according to the left and right rotation directions, it became clear that more than 80% of the characters include left and right rotational movements. Furthermore, the result is that 90% or more of the characters including the right rotation exceed 90% in total, and the number of characters including the left rotation exceeds 80%, and it is clear that the right rotation is often involved in the curvilinear structure that is a feature of Hiragana became. Furthermore, the curvilinear elements were divided into each component of Hiragana and the shapes were classified. The elements that make up Hiragana include the number of lines, closed loops, and line turning. First, the number of lines constituting the largest is 2, followed by 3, 1 and 4 in this order, which is the same as the number of hiragana strokes. It was also clarified that the components related to the curvilinear shape have a relationship with the line length. From these, it can be considered that the hiragana character shape and the stroke movement are related to rotational movement and line length, and harmony with the body is made by writing hiragana.
著者
野村 真理
出版者
一橋大学一橋学会
雑誌
一橋論叢 (ISSN:00182818)
巻号頁・発行日
vol.97, no.6, pp.887-893, 1987-06-01

金沢大学人間社会研究域経済学経営学系
著者
野村 泰世
出版者
口腔病学会
雑誌
口腔病学会雑誌 (ISSN:03009149)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.136-156, 1986-03-31 (Released:2010-10-08)
参考文献数
55
被引用文献数
3 2

Characteristics of the motor units recorded from the orbicularis oris muscle in 7 subjects were studied during voluntary closure of the lips. The activity of the single motor unit of the orbicularis oris inferior muscle were recorded with bipolar silver ball electrodes improved for this study and the force generated by the lip-closure was simultaneously recorded with a high sensitive sensor. The results obtained were as follows : (1) The contraction time of the motor unit, which was measured by the spike-triggered averaging method, varied from 9 to 59 ms. About 98% of the motor units studied had a contraction time of less than 55 ms, which would be classified as a fast twitch motor unit. (2) The motor unit which had a larger twitch tension tended to have a longer contraction time than that of the small-twitch tensioning units. Increasing the force gradually, a few motor units were recruited orderly and the firing rate of each separate unit increased progressively. These findings suggest that the control of the muscle force caused by the lip-closure might depend on the rate moduration of motor units rather than on the orderly recruitment fashion of the motor unit. (3) The motor units tended to be highly f atigable, as judged by both the spike amplitude and the duration during continuous lip-closing.
著者
明崎 禎輝 川上 佳久 平賀 康嗣 野村 卓生 佐藤 厚
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.689-692, 2009 (Released:2009-11-25)
参考文献数
12
被引用文献数
1 2

〔目的〕本研究では,書字練習方法として,なぞり書練習と写字練習を比較し,なぞり書練習が書字正確性を向上させるために有用であるか検討した。〔対象〕健常者20名(男性10名,女性10名,年齢30.3歳)とした。〔方法〕対象者を介入A,介入Bに分類し,書字練習を行った。介入Aは規定文章の上にトレーシングペーパーを重ね,その上から写っている文字に反復してなぞり書練習を行った。介入Bは規定文章を白紙の横に並べ,白紙に反復した写字練習を行った。書字評価は書字正確性と書字時間を測定した。〔結果〕練習前後において,介入Aのみ書字正確性に有意な向上が認められた。〔結語〕なぞり書練習は,非利き手による書字正確性を向上させるために有用な練習方法であることが示唆された。
著者
竹丸 誠 竹島 慎一 原 直之 姫野 隆洋 志賀 裕二 竹下 潤 高松 和弘 野村 栄一 下江 豊 栗山 勝
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.377-384, 2018 (Released:2018-06-27)
参考文献数
30
被引用文献数
2

可逆性脳血管攣縮症候群(reversible cerebral vasoconstriction syndrome; RCVS)11例を報告する.男性2例,女性9例で平均年齢47.9 ± 14.1歳で若年者に多かった.雷鳴頭痛と言える強度の頭痛は64%,全身けいれん27%,運動麻痺36%であった.脳内病変の合併は,脳表限局のくも膜下出血63%,皮質下出血9%,可逆性後頭葉白質脳症45%で発症初期から認めた.脳梗塞は45%に,発症後1~3週間目頃に起った.脳血管攣縮は発症1ヶ月目頃から改善傾向を認めた.誘因は,産褥,片頭痛既往,輸血,急速な貧血改善,腎不全,入浴,脳血管解離の合併などが認められた.発症時の血圧異常高値を55%に認めたが,誘因なのかは確定的ではなかった.
著者
明﨑 禎輝 大原 勝義 川上 佳久 野村 卓生 佐藤 厚
出版者
学校法人高知学園 高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.35-38, 2011-03-31 (Released:2018-11-28)
参考文献数
8

本研究では,脳血管障害患者に対して,失敗体験の少ない床からの立ち上がり動作練習を実施し,その有効性を検討した.対象は,60歳男性,診断名は脳梗塞であった.床からの立ち上がり動作は,仰臥位から横座りまでは可能,横座りから片膝立ち位までが困難であった.方法は,シングルケースデザインのAB法を用い,ベースライン期(8日)後に,介入期(5日)を設けた.介入方法としては,横座り時に殿部の下に枕2つ重ねて挿入した状態から片膝立ちまでの練習を繰り返し行い,片膝立ちが可能となれば,枕の数を減らしながら練習を行った.結果,ベースライン期においては,床からの立ち上がり動作は介助が必要であったが,介入3日後には監視レベルへと改善した.これらのことから,本研究で用いた方法は,床からの立ち上がり動作獲得のために有用なものと考えられた.
著者
野村 良雄
出版者
玉川大学文学部
雑誌
論叢 (ISSN:02868903)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.111-118, 1971-03
著者
田中 正克 佐藤 誠 野村 健 安孫子 信明 鈴村 高幸 山下 環
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会年次大会講演予稿集 2010 (ISSN:13431846)
巻号頁・発行日
pp.15-9-1-_15-9-2_, 2010-08-31 (Released:2017-05-24)

Toward the closedown of terrestrial analogue TV broadcast on 24th July 2011, the construction of the terrestrial digital broadcasting relay stations is becoming the final stage, and it is still necessary for its costs to reduce further. As for mini-transmitting system, we are promoting the low-cost type using a gap filler system. However, there are many mini-transmitting stations that should keep frequency precision to avoid SFN interference between the other stations. So, we could not adopt conventional gap filler system, because it has only a crystal oscillator or an OCXO oscillator. Therefore we developed a gap filler system to report here, which can input 10MHz signal from an outside standard oscillator.